現在の高等学校の学習指導要領では、微分方程式についての話は一切削除されている。
しかし、将来専門的に自然科学を学ぼうとする場合、微分方程式の分野は避けて通ることが
できない数学的領域だと思う。私自身の経験からすれば、高校3年で「簡単な、必ず解ける」
微分方程式を学習し、その応用を物理に見い出すことができた。一つ一つのばらばらな物理
公式が整然と理解され、いろいろな物理現象が数学的に翻訳されることに感動を覚えた。こ
のような経験は、なるべく早い時期にした方がよいように思う。
微分方程式は、新しい関数を定義する。一般の微分方程式の解を、目に見える形で完全
に表現することは困難であるが、解は厳然と存在している。微分方程式は、自然現象の完全
な記述とまではいかないが、自然現象に対する一つの近似解・解釈を与える。ここに、数学
のロマンを感じる人は多いだろう。
このページでは、微分方程式について知っておくべき基本的な事項について、まとめてみよ
うと思う。微分方程式は、とても奥が深い。浅学の身が全てを説明することは困難である。ま
た、ある程度厳密性を無視しないと先に進まない場合もある。このページを読まれて、違和感
を持たれる読者がいるかもしれない。そのときは、どうかご容赦願いたい。