角の2等分線                               戻る

 当HPの「角の二等分線の長さ」において、次の公式を示した。

角の二等分線の長さの公式

   △ABC において、ADは∠Aの二等分線である。

   このとき、
            

   が成り立つ。


(追記) 平成24年2月11日付け

 数学の研究会で、開成高校の木部先生が、角の2等分線の長さの公式

    

を紹介された。知っている公式なので、嬉しかった!いよいよこの公式も全国区かな?


 角の2等分線について長さADを求める問題は多数あるが、∠ADCに注目し、その角の
大きさを求める問題は少ない。

例 △ABCにおいて、∠A=80°、∠B=30°、∠C=70°とする。∠Aの二等分線が
 辺BCと交わる点をDとする。このとき、∠ADCを求めよ。

(解) ∠ADC+40°+70°=180°より、 ∠ADC=70°  (終)

 上記の解を見て分かるように、「三角形の内角の和は180°」という性質を使うだけで、
特別なことは何も起こらないように見える。それ故に、この手の問題は少ないのだろう。


 これに対して、埼玉県立豊岡高校の五十嵐英夫先生が、次の性質に着目された。


     △ABC において、ADは∠Aの二等分線
    である。

     このとき、
            
    が成り立つ。


(証明) ∠A=β−α なので、 θ+(β−α)/2=β より、

      θ=β−(β−α)/2=(α+β)/2  (証終)

 この性質を用いれば、上記の例の問題は、∠ADC=(30°+110°)/2=70°となる。

 また、五十嵐先生は、次の性質も示されている。

    

(証明) 角の2等分線の性質より、 BD : DC=AB : AC なので、

    △ABCの高さを1とすると、

  1/tanα−1/tanθ : −1/tanβ+1/tanθ=1/sinα : 1/sinβ=sinβ : sinα

が成り立つ。 よって、 cosα−sinα/tanθ=−cosβ+sinβ/tanθ より、

      (sinα+sinβ)/tanθ=cosα+cosβ

すなわち、
       

が成り立つ。  (証終)

 この公式は、α、βが具体的に分からない場合に有効だろう。

例 辺ABの傾きが 4/3 で、辺ACの傾きが −3/4 のとき、線分ADの傾きを求めよ。

(解) tanα=4/3 より、 sinα=4/5 、cosα=3/5

    tanβ=−3/4 より、 sinβ=3/5 、cosβ=−4/5

   よって、 tanθ=(4+3)/(3−4)=−7  (終)

(コメント) 今まで計算してきたはずなのに、上記のように公式化できるとは知りませんでし
      た。五十嵐先生に感謝します。


 角の2等分線に関して、次の性質があることを最近知ることが出来た。



   左図において、線分AEは∠Aの2等分線である。

  このとき、  =bc  が成り立つ。










(証明) 線分AEは∠Aの2等分線なので、 BD : DC = c : b である。

    このとき、 BD=ac/(b+c) 、 DC=ab/(b+c)

 △ABD∽△CED より、  : ac/(b+c) = ab/(b+c) : K

  よって、 (K=a2bc/(b+c)2 より、 K2+a2bc/(b+c)2

 ところで、 2=c2+a22/(b+c)2−2ac2/(b+c)cosB において、

  cosB=(c2+a2−b2)/(2ca) なので、

 2=c2+a22/(b+c)2−2ac2/(b+c)・(c2+a2−b2)/(2ca)

   =c2+a22/(b+c)2−c(c2+a2−b2)/(b+c)

   =c{c(b+c)2+a2c−(c2+a2−b2)(b+c)}/(b+c)2

   =c(b2c+2bc2+c3+a2c−bc2−a2b+b3−c3−a2c+b2c)/(b+c)2

   =c(2b2c+bc2−a2b+b3)/(b+c)2

   =bc(2bc+c2−a2+b2)/(b+c)2

   =bc{(b+c)2−a2}/(b+c)2

   =bc−a2bc/(b+c)2

 したがって、

  K2+a2bc/(b+c)2=bc−a2bc/(b+c)2++a2bc/(b+c)2=bc

となる。 (証終)

 他の頂点に対しても同様のことを行えば、

    =ca  、  =ab

したがって、新たな公式

   =(abc)2

が得られる。

(コメント) 何となく美しい公式ですね!

 出張で横浜へ向かう電車の中で、上記のことを考えていたら、もっと初等的に証明できる
ことに気がついた。同様のことを、当HPがいつもお世話になっているHN「FN」さんからもご
教示いただいた。(平成23年6月16日付け)

(別証) ΔABDとΔAECにおいて、

       ∠ABD=∠AEC(弧ACの上に立つ円周角)

       ∠BAD=∠EAC(ADEは∠Aの2等分線)

   よって、 ΔABD∽ΔAEC より、 AB : AD = AE : AC なので、 AB・AC=AD・AE

   これより、 K=bc  (別証終)

(コメント) FNさんに感謝します。


(追記) 平成25年2月13日付け

角の2等分線の長さの公式

   △ABC において、ADは∠Aの二等分線である。

   このとき、
            

   が成り立つ。


 上記を証明するのに、余弦定理を用いるよりも、もっと簡便な方法があることをFNさんの
証明を見て思った。

(証明)
    △ABE∽△ADE より、 a/(x+y)=x/b

      すなわち、 x2+xy=ab

    また、方べきの定理より、 xy=mn

    したがって、 x2+mn=ab より、

        

    が成り立つ。  (証終)


(コメント) この証明を見るとまさに裏技の証明に相応しいですね!絶対に忘れない...
      かな。


(追記) 平成25年9月28日付け

 角の2等分線の長さを求めるのに「なぜ唐突に外接円?」ということで、土佐高校の藤岡優
太先生が次のような別解を考えられた。円を使わないごく自然な解法だと思う。

  左図において、 △ABC=2△ADE+△BDE+△CDF

 ここで、 △ABC=(1/2)absin2θ

   △ADE=(1/2)Lsinθ・Lcosθ=(1/4)L2sin2θ

   △BDE+△CDF=(1/2)mnsin2θ

  したがって、 (1/2)absin2θ=(1/2)L2sin2θ+(1/2)mnsin2θ より、

   ab=L2+mn すなわち、 L2=ab−mn が成り立つ。


(コメント) 垂線を下ろして、三角形の面積を分割する発想に感動しました。


(追記) 平成26年1月25日付け

 角の2等分線というと、2等分線の長さを問うたり、線分の比を求める問題が多い。よく次
の図形が問題に用いられる。
      

 角の2等分線の性質から、BD : DC = 3 : 2 なので、BD=3、DC=2 となる。

 さらに、上図の場合、 C=2B という関係式が成り立つ。このような関係式が成り立つこ
と自体初体験であるが、新しい問題への発展の可能性を秘めているような予感がする。

  辺AB上に、AE=AC=4 となる点Eをとると、明ら
 かに、△ACD≡△AEDとなり、その結果として、

    △EBDは2等辺三角形

 となる。よって、

  ∠C=∠AED=2∠B より、 C=2B が成り立つ。


 上記の、五十嵐英夫先生(埼玉県立豊岡高校)の結果を用いれば、

   ∠ADC=(∠B+180°−2∠B)/2=90°−∠B/2

であることも分かる。


(コメント) 「三角形の内角の和は180度」という関係はとても美しい。数式化すれば、
  A+B+C=180°となる。上記の関係 2B−C=0 という関係もある意味で美しい。

 実は、次の事実が知られている。

 上記の△ABCの3辺の長さを、a=BC、b=CA、c=AB とすると、 c2=b(a+b) が、
成り立っている。このとき、一般に、

 (a,b,c)=(γ2−β2,β2,βγ)  (β、γは互いに素な自然数で、γ/2<β<γ)

と表される。逆に、三角形の3辺が上記の形に表されれば、必ず、2B−C=0 という関係
が成り立つ。

 上記の△ABCは、β=2、γ=3 という場合である。β、γの値を変えれば、2B−C=0
という関係を持つ△ABCは無数に作ることができる。


(追記) 当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんからの出題です。
                                       (平成28年1月28日付け)

 △ABCがあり、次の各条件下のAの角度はそれぞれ何?ただし、∠Aの2等分線が辺BC
と交わる点をDとする。

(1) ∠B : ∠C = 2 : 1 で、 AB = CD

(2) ∠A : ∠C = 2 : 3 で、 AB+CD = AC

 しばらくぶりに考える時間が持てたので挑戦してみた。(1)は、何となく上記の「C=2B
の場合の図が参考になりそうな...予感。(平成28年4月11日付け)

(解)(1) 題意より、∠B : ∠C = 2 : 1 即ち、∠B=2∠C なので、△ABD≡△AEDとな
     るように点Eをとることができる。

     

 このとき、∠B=∠AED=∠EDC+∠C=2∠Cより、∠EDC=∠Cとなるので、△EDC
は2等辺三角形となる。

 よって、AB = CD=a とおくと、AE=a で、BD=DE=EC=b とおけて、△ABCは、
CA=CB=a+b の2等辺三角形となる。

 したがって、 ∠A+∠A+(1/2)∠A=180°より、 ∠A=72°となる。


(2) ∠A : ∠C = 2 : 3 より、 ∠C=3・(∠A/2) なので、∠A/2=θ とおくと、

  ∠C=3θ となる。また、AB+CD = AC より、 AC上に CE=CD となる点Eをとる。

  このとき、 △CDEは2等辺三角形なので、 ∠CED=(π−3θ)/2

 よって、 ∠AED=π−∠CED=(π+3θ)/2 である。

 △ABD≡△AED なので、 ∠ABD=∠AED である。

 ここで、 ∠ABD=π−3θ−2θ=π−5θ なので、 π−5θ=(π+3θ)/2

 よって、 θ=(1/13)π となり、 ∠A=(2/13)π である。  (終)


(コメント) 最近このページに追記する機会があり、ページに再度目を通したら、なんと(2)
      がながらく「工事中」になっていて気になっていました。ようやくほぼ6年ぶりに解決
      することができました。GAI さん、答は合っているでしょうか?ご検分をお願いいた
      します。(令和4年4月20日付け)


(追記) 平成31年3月25日付け

 2018年度埼玉県公立高校入試問題です。三角形の相似や方べきの定理、トレミーの定
理と平面幾何大好き人間にとっては垂涎の逸品と言える問題です。

問題 円に内接する△ABCがあり、AB=5、AC=4とする。∠Aの2等分線が辺BCと交わ
   る点をD、△ABCの内接円との交点をEとし、CE=とする。このとき、線分ADの長
   さを求めよ。
        

(解) AD=x とおくと、△ABD∽△CED なので、5 : x= : CD より、CD=x/

同様にして、 △ACD∽△BED なので、 4 : =x : BD より、BD=x/4

また、 △ACD∽△CED なので、 4 : =x/ : DE より、DE=x/4

(方べきの定理より、x・DE=(x/4)・(x/)=x2/4 なので、DE=x/4 としてもよい)

よって、トレミーの定理より、 5・+4・=(x+x/4)・(x/4+x/) なので、

 9=92/16 から、 x2=16 より、 x=4  (終)


(コメント) トレミーの定理を用いなくとも、△CED∽△AEC なので、

      x/4 : : 5x/4 から、 x=4 が導かれる。

 また、角の2等分線の長さの公式を用いれば、

  AD2=5・4−(x/4)・(x/)=20−x2/4 から、 x2=20−x2/4

  よって、 x2=16 より、 x=4 となる。


(追記) 令和3年1月29日付け

 角の2等分線の公式を使う問題が中学校入試で出題された。大学入学センター試験の
前身の共通一次試験で平成元年頃から出題され、それが頻出の公式として定着している。

 ただ、それが中学入試で、というのには驚かされる。正に中学入試、恐るべしである。

 次は、灘中学の入試問題(改題)で、「えっ、これで求まるの?」というのが初見の感想であ
る。ただ、問題は美しく、いろいろな解法が考えられ、非常に解く者をワクワクさせる良問で
ある。

問 題  △ABCにおいて、頂点Aより底辺BCに垂線を下ろし、その足をHとおく。
    BH=2、HC=5とする。また、∠ABC=2∠ACB とする。

      

 このとき、辺ACの長さを求めよ。

(解) ∠Bの2等分線と線分AHの交点をDとおくと、 △DBHと△ACHは相似なので、

BH:CH=2:5 より、 DH:AH=2:5 なので、

 AD:DH=3:2 となる。

角の2等分線の性質から、 AB=3 となる。

  よって、 AC2=32-22+52=30 より、

 AC=  (終)

 次のような別解も考えられる。

(別解)
  線分HC上に、AB=AE となる点Eをとると、

 HE=BH=2 なので、 EC=3 となる。

  △ECA、△ABEが2等辺三角形なので、

 AB=AE=EC=3

  よって、 AC2=32-22+52=30 より、

 AC=  (終)


(追記) 「正弦と比」と題して、当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんから問
    題を頂きました。(令和3年10月4日付け)

      △ABCの辺BC上に点Dがある。

    ∠BAD=α、∠CAD=β とおくと、

      BD : DC=AB・sinα : AC・sinβ

   が成り立つことを証明せよ。

 この問題で、AD⊥BCならば、等式が成り立つことは自明だろう。これが一般の場合も言
えるという点が面白い。

(解) 頂点Cより線分ADと平行な線を引き、直線ABとの交点をEとおく。

    

 このとき、△ACEにおいて、正弦定理から、AC : AE=sinα : sinβ が成り立つ。

 また、平行線の公理から、 AB : AE=BD : DC なので、 AE=AB×(DC/BD)

 よって、 AC : AB×(DC/BD)=sinα : sinβ から、

 AB・sinα×(DC/BD)=AC・sinβ すなわち、 BD/DC=(AB・sinα)/(AC・sinβ)

よって、 BD : DC=AB・sinα : AC・sinβ が成り立つ。  (終)


(コメント) 上記で、特に、α=β の場合は、線分ADは∠Aの2等分線となり、

      BD : DC=AB : AC

が成り立つことを示す。このことから、よおすけさんの問題は、角の2等分線の公式の一般
化になっていることが分かる。


(追記) 令和3年10月13日付け

 上記の、

      △ABCの辺BC上に点Dがある。

    ∠BAD=α、∠CAD=β とおくと、

      BD : DC=AB・sinα : AC・sinβ

を示す問題で、よくよく考えたら、ADと平行な直線を引くまでもなく、直接的な証明が出来そ
うだ。

(別解) △ABDにおいて、正弦定理より、 BD/sinα=AB/sin∠ADB

 同様に、△ADCにおいて、正弦定理より、 DC/sinβ=AC/sin∠ADC

 したがって、 AB・sinα : AC・sinβ=BD・sin∠ADB : DC・sin∠ADC

 ここで、 ∠ADB+∠ADC=π なので、 sin∠ADB=sin∠ADC

 よって、 AB・sinα : AC・sinβ=BD : DC  (終)


(追記) 令和3年10月14日付け

 上記の証明が最も簡単だと思ったのも束の間、もっと簡単に証明できることを、当HP読
者のHN「T.K.」さんよりご教示いただいた。T.K.さんに感謝いたします。

   左図において、

  △BDE ∽ △CDF より、

  BD : DC

  =BE : CF

  =AB・sinα : AC・sinβ

(追記) 令和4年4月16日付け

  上記で、角の2等分線が与えられたとき、次の公式が成
 り立つことを見た。今では、これらの公式は受験数学の必
 須アイテムといえるまでになった。

 (1) a : b=m : n

 (2)  

 これらの公式ほど有名ではないが、次の公式も角の2等分線の長さに関する基本公式で
ある。
      (a+b)AD=2ab・cos(A/2)

(証明) △ABD+△ADC=△ABC より、

    (1/2)a・ADsin(A/2)+(1/2)b・ADsin(A/2)=(1/2)absinA

 すなわち、 (1/2)(a+b)・ADsin(A/2)=absin(A/2)cos(A/2)

 よって、 (a+b)・AD=2abcos(A/2) が成り立つ。  (証終)


 この公式と余弦定理を用いれば、(2)  を示すことができる。

(証明) (a+b)AD=2ab・cos(A/2)=2ab・(a2+AD2−m2)/(2a・AD) より、

   a・AD2=a2b−b・m2=a(ab−(b/a)m・m)

 (1)より、 m=(a/b)n なので、 a・AD2=a(ab−(b/a)(a/b)n・m)=a(ab−mn)

 よって、 AD2=ab−mn から、  である。  (証終)


 GAI さんからのコメントです。(令和4年4月23日付け)

 上記で、△ABCで∠Aの二等分線が辺BCと交わる点をDとし、AB=a、AC=b とするとき、

  AD=2abcos(A/2)/(a+b)

なる公式を示してあるが、これは、a、bに対する調和平均

 1/d=(1/2)(1/a+1/b)  即ち、 d=2ab/(a+b)

に対して、縮小率 cos(A/2) を掛けたものと解釈される。

 ここに、調和平均の幾何的解釈として、(→ 参考:「調和平均の真実」)

 xy平面で、x軸上の点A(a,0)、y軸上にP(0,d)をとり、点Pからx軸に平行に距離bだけ離

れた点B(b,d)を取るとき、4点O(原点)、A(a,0)、B(b,d)、P(0,d) が囲む台形に半径d/2

の円が内接できる。

 即ち、

 2つの平行な長さ a、b の間隔を調和平均で出すdで離してやっておけば、この中にピタリ

半径d/2の内接円が収まり、その間隔dを、最後に∠BACの二等分角度A/2に対するcos量

のcos(A/2)で縮小してやれば、ADの距離が与えられると解釈される。

 つまり、△ABCで∠Aの二等分線が辺BCと交わる点をDとし、AB=a、AC=b とするとき、

 a と b の調和平均 d=2ab/(a+b) を求めれば、ADは、

  AD=d・cos(A/2)

により与えられる。


(コメント) ADの計算に、a と b の調和平均が出てくるところが面白いですね。


(追記) GAI さんから問題をいただきました。(令和4年4月18日付け)

  △ABCがあり、辺BCがx-y座標平面上のx軸上にあり、頂点Aはy軸の正の部分にあるも
のとする。

 今、線分AB、ACの傾きをそれぞれm1、m2と表すとき、∠Aの二等分線が辺BCと交わる
点をDとしたとき、各(m1,m2)の値に対するADの線分の傾きmがどの様な値となるか、見
つけてほしい。

(1) (m1,m2)=(1/7,-1)

(2) (m1,m2)=(1/2,-2)

(3) (m1,m2)=(1/3,-3)

(4) (m1,m2)=(1/4,-4)

(5) (m1,m2)=(1,-5)


(コメント) 何となく、冒頭の五十嵐先生の着目された公式


     △ABC において、ADは∠Aの二等分線
    である。

     このとき、
            
    が成り立つ。

が使えそうな雰囲気だったので、計算してみた。

 GAI さんの問題設定(1)〜(5)から、辺BC上に座標軸の原点がある。

 このとき、m1=tanα、m2=tanβ であり、m=tanθである。

 2θ=α+β なので、 tan2θ=(tanα+tanβ)/(1−tanαtanβ) である。

(1) m1=1/7、m2=−1 のとき、 tan2θ=−3/4

   tan2θ=2tanθ/(1−tan2θ) に代入して整理すると、

    3tan2θ−8tanθ−3=0 すなわち、 (3tanθ+1)(tanθ−3)=0

  DはBO上にあるので、 tanθ=3

(2) m1=1/2、m2=−2 のとき、 tan2θ=−3/4

   tan2θ=2tanθ/(1−tan2θ) に代入して整理すると、

    3tan2θ−8tanθ−3=0 すなわち、 (3tanθ+1)(tanθ−3)=0

  DはBO上にあるので、 tanθ=3

(3) m1=1/3、m2=−3 のとき、 tan2θ=−4/3

   tan2θ=2tanθ/(1−tan2θ) に代入して整理すると、

    2tan2θ−3tanθ−2=0 すなわち、 (2tanθ+1)(tanθ−2)=0

  DはBO上にあるので、 tanθ=2

(4) m1=1/4、m2=−4 のとき、 tan2θ=−15/8

   tan2θ=2tanθ/(1−tan2θ) に代入して整理すると、

    15tan2θ−16tanθ−15=0 すなわち、 (5tanθ+3)(3tanθ−5)=0

  DはBO上にあるので、 tanθ=5/3

(5) m1=1、m2=−5 のとき、 tan2θ=−2/3

   tan2θ=2tanθ/(1−tan2θ) に代入して整理すると、

    tan2θ−3tanθ−1=0 すなわち、 tanθ=(3±)/2

  DはBO上にあるので、 tanθ=(3+)/2


 らすかるさんからのコメントです。(令和4年4月18日付け)

 一般式は、

  {m1*m2-1-√((m1^2+1)*(m2^2+1))}/(m1+m2)

でしょうか。


(コメント) (m1+m2)tan2θ+2(1−m12)tanθ−(m1+m2)=0 を解くと、

 tanθ=[m12−1±√{(m12+1)(m22+1)}]/(m1+m2

 ここで、点Dのx座標は、

 x={(√(m22+1)−√(m12+1)}/{m2√(m12+1)−m1√(m22+1)}

 m1>0、m2<0 より、 m2√(m12+1)−m1√(m22+1)<0 に注意して、

 m1>−m2 のとき、 x>0 で、 tanθ<0 となるために、

  tanθ=[m12−1−√{(m12+1)(m22+1)}]/(m1+m2

 m1<−m2 のとき、 x<0 で、 tanθ>0 となるために、

  tanθ=[m12−1−√{(m12+1)(m22+1)}]/(m1+m2

 以上をまとめて、

  tanθ=[m12−1−√{(m12+1)(m22+1)}]/(m1+m2


 GAI さんからのコメントです。(令和4年4月19日付け)

 個別に出していたので、こんな式で表せるとは思ってもいませんでした。

 これは、AB とACが直角なら(m1*m2=-1)、m=(1+m1)/(1-m1) の式に還元できるので、

 m1=1 ==>m=∞
 m1=1/2 ==>m=3
 m1=2 ==>m=-3
 m1=1/3 ==>m=2
  ・・・・・・・・

と対応していくから、BCを直径とする円を利用して、m1での値を使って作図することで、∠A
での二等分線が引けることができたり、他にも応用が出来そうですね。



  以下、工事中!