2次曲線の性質                             戻る

 当HPの読者のK.S.さんより、平成24年9月20日付けで標記話題をメールで頂いた。

 楕円の定義

(1) 二つの焦点からの距離の和が一定の軌跡
(2) 円の一つの方向への伸縮
(3) 離心率が1より小さい
(4) 円錐を斜めに切断した面

 放物線の定義

(1) 離心率が1に等しい
(2) 円と直線の両方に接する円の中心の軌跡(離心率=1のいいかえ)
(3) 円錐の母線に平行な平面による切断面


 (追記) Kelly Burkhardさんからのコメントです。(平成30年8月11日付け)

  放物線の定義の1つ:ある点からの距離とある直線からの距離とが等しい点の集合

 というのは、「円と直線の両方に接する円の中心の軌跡」で、前者の円の半径を0にした
 ものに含めるのでしょうか。


  (コメント) Kelly Burkhardさん、いつも当HPをご覧いただきありがとうございます。
        ご推察の通り、「前者の円の半径を0にしたもの」即ち、「点」と考えたものが通
       常の放物線の定義になると思います。一般には、次のような場面を想定していま
       す。
          

 双曲線の定義

(1) 二つの焦点からの距離の差が一定の軌跡
(2) 離心率が1より大きい
(3) 円錐の軸に平行な平面による切断面

 反射の性質

(1) 楕円の一つの焦点からの光は、反射によって他の焦点を通る
(2) 放物線の軸に平行な光は、反射によって焦点を通る
(3) 双曲線の一つの焦点からの光は、法線に関する反射によって他の焦点を通る

 双曲線の性質

・ 一つの直線が双曲線と交わる点をP、Qおよびその漸近線と交わる点をR、Sとするとき、

  (1) PQ,RSの中点は一致する。  (2) PR=QSが成り立つ。

・ 双曲線のどのような接線をとっても、接戦と2つの漸近線とで囲まれる三角形の面積は
 一定である。

・ 双曲線上の任意の点Pから二つの漸近線へ垂線PQ、PRをおろすとき、PQ・PRは一定。

・ 双曲線の標準形の焦点をF、F’ とすると、曲線上の任意の点Pにおける接線がX軸と交
 わる点をQとするとき、FQ:QF’=PF:PF’が成り立つ。

・ 双曲線上の任意の点Pにおける接線が二つの漸近線と交わる点をQ,Rとするとき、Pは
 線分QRの中点であり、△OQRの面積は一定である。

・ 双曲線上の点Pから2つの漸近線に平行な直線を引くとき、これらの直線と漸近線でつく
 られる平行四辺形の面積は一定である。

 楕円の性質

・ 楕円の焦点を通って短軸に平行な弦をABとする。このとき、
 (短軸の長さ)2=(長軸の長さ)・(弦ABの長さ) である。

・ 楕円の標準形上の任意の点Pにおける接線とx軸との交点をQとし、Pからx軸への垂線
 の足をRとするとき、OQ・ORは一定である。

・ 楕円の標準形上の点Pにおける接線に、焦点F、F’ から垂線FH、F’H’ をおろすとき、
 FH:F’H’=PF:PF’ 、∠FPH=∠F’PH’ が成り立つ。

 放物線の性質

・ 点Pから、放物線へ引いた二つの接線の接点をQ、Rとすると、放物線は、△PQRの面
 積を2:1に分割する。

・ 放物線上の任意の点Pにおける接線および法線が軸と交わる点をそれぞれQ,Rとする
 とき、焦点はQRの中点である。


(コメント) K.S.さん、いろいろな性質をまとめていただき、ありがとうございます。