・筆算の方法                         GAI 氏

 掛け算の筆算法が国により色々であると何かで読んだことがある。実際見たわけではな
いので確かめられないが、何かの縁でそれらを経験された方はご一報のほどを。

 以下は、536×87を例として...。

<ドイツ>

1.     5 3 6・8 7     ・横に並べて×を・で示す
 
2.     5 3 6・8 7  
   -------------
       4 2 8 8
・内側から開始し、6×8=48から8を書き、4を繰り上げる
・次の3×8=24で一位の4と繰り上がりの4を足して8を書き2を繰り上げる
・5×8=40に繰り上げの2を足して42を書く
 
3.     5 3 6・8 7  
    -------------
       4 2 8 8
         3 7 5 2
・6×7=42から2を7の位置の下に書く。4を繰り上げる
・3×7=21から1に繰り上げの4を足して5を書く。2を繰り上げる
・5×7=35から繰上げ2を足して37を書く
・5×7=35から繰上げ2を足して37を書く
 
4.     5 3 6・8 7  
    -------------
       4 2 8 8
         3 7 5 2
     +   @@
    -------------
       4 6 6 3 2
・部分積での値を加える。@は繰上げの数としてメモする

<東南アジア>

1.     5 3 6・8 7   ・横に並べて×を・で示す
 
2.     5 3 6・8 7  
   -------------
       4 0 4 8
         2 4
・内側から開始し6×8=48をそのまま書く
・次の3×8=24を下にずらして書く
・5×8=40を上の部分に続けて書く
 
3.     5 3 6・8 7    
    -------------
       4 0 4 8
         2 4 4 2
           2 1
         3 5
・6×7=42を下の行へ7の下に揃うように書く
・3×7=21を更に下にずらせて書く
・5×7=35を更に下にずらせて書く
 
4.     5 3 6・8 7    
    -------------
       4 0 4 8
         2 4 4 2
           2 1
         3 5
     +   @@
    -------------
       4 6 6 3 2
・部分積での値を加える。@は繰上げの数としてメモする

<ロシア>(ロシア農夫式乗算法)

  536 → 268 → 134 → 67 →  33 → 16 → 8 → 4 → 2 → 1
 (半分にしていく時の商の列を作る)

   87 → 174 → 348 → 696 → 1392 → 2784 → 5568 → 11136 → 22272 → 44544
 (倍々にしていく列を作る)

上段の奇数に対応している下段の数字をすべて加える

  44544 (1に対応)
   1392 (33に対応)
 +  696 (67に対応)
   --------
   46632


あるいは、

  536 → 1072 → 2144 → 4288 → 8576 → 17152 → 34304
  (倍々にして列を作る)

   87 → 43 → 21 → 10 → 5 → 2 → 1
  (半分にしていく時の商の列を作る)

下段の奇数に対応している上段の数字をすべて加える

   34304
     8576
     2144
     1072
  +   536 (元の87の部分も使う)
  ---------
    46632


 帝政ロシア時代、教育が満足に受けられない農民に伝えられた計算方法であると思われ
るが(少々侮辱的命名であるが)、最初の方は、

 536*87=(1*29+0*28+0*27+0*26+0*25+1*24+1*23+0*22+0*21+0)*87
           = 29*87                           +24*87  +23*87
           = 512*87                           +16 *87 +8*87
           = 44544                            +1392  +696

の計算を行っていることを考えると、高級な手法である。

(参考:「何でそうなるの?」)


 hakubyo333さんからのコメントです。(平成26年2月6日付け)

  投稿一覧の中から、上記GAI氏の「筆算の方法」を拝見いたしました。複雑なロシア方式と
素直なドイツ方式は、どこかで見たことがありますが、東南アジア方式は初めて見ました。

 ドイツ方式に近い方法だと思いました。大いに関心を持ち読ませてもらいました。投稿あり
がとうございました。現在の小学4年の教科書にドイツ、カナダなどの割り算が比較として乗
っていたように記憶しています。

  私事ですが、小学では計算に苦しんだ過去から、中学の頃から、どうしたら間違いを少な
く出来るのか考えたこともありました。数字を読み下す向きと計算の進む向きが逆であるこ
と、やたらに繰り上がりと称して桁の数をまとめようとすることに原因がありそうだと思いだ
したのは、高校くらいの時期でした。

 最近ですが、日本式筆算の成り立ちや普及について自分なりに推定しました。江戸時代
からの生活習慣を明治になっても変革できず、今現在使われている姿に落ち着かざろう得
なかったのだろうと納得しています。

 高校時分の疑問を社会人になり思い出して、外国人はどのような方法で計算しているのか
に惹かれ出しましたが、会社勤めをしながら、筆算の方法を周囲と議論するのも憚られます。
最も、周囲の人たちは日本式筆算に疑問をもち、日常を過ごしていることなどありはしなかっ
たでしょうが...。海外出張することもありました。その時は、その地で、聞くことを飛ばして
しまいました。今思うと、もったいない事をしたと思います。数十年たちインターネットが広まり
だし、下手ながらも、なんとか、使えるようになると、少しですが、掴めるようになりました。見
たとき、私の頭の上に電球の明かりがつきました。彼らは、私が苦しんだ過去を通る必要な
どない方法で計算していたのです。

 彼等(外国人)の方法を知れば知るほど、日本式筆算方法は、狂気の方法ではないかと
思いました。しかし、彼らの方法をそのまま使うのは癪に障ります。日本には、もう一つの計
算式と呼ぶ横式があります。これに着目しました。これと外国の方式を合体させ、さらに、一
味加えて、足し算・引き算・掛け算・割り算の4算をほぼ完成させました。

 外国の方法は、数(かず)の読む流れ(リズム)を尊重していると思います。それらの方式
の根幹を倣った私の方式も数(かず)のリズムを重んじています。

 日本式筆算は算数・数学を習い出す、小学、中学の課程には合うかもしれません。しかし、
桁数の多い計算と多進数計算には向かないと思います。

 例えば、(1)64進数の割り算と(2)10進数の掛け算の2題を日本式筆算でやるとしたらど
うでしょうか。結論に行き着けるでしょうが、大変ではないでしょうか。

 (1)64進数の割り算   40.aAf ÷ 0.0xR

 (2)10進数の掛け算   87365928の3乗

 数列、微積分、複素数、関数・・・・・という高等な数学とは異なりますが、計算力を高めるた
めの計算方法を追いかけるのも算数・数学の分野と思います。GAI氏からの問いかけの場
をお借りして、足し算・引き算・掛け算・割り算の4算を左から右に向かい処理することに関心
のある方々と通じ合えると幸いです。


 カルピスさんからのコメントです。(平成26年2月7日付け)

 私も、計算には苦い思い出があります。「3桁以上×3桁以上」の計算式を見ただけで、「あ
〜めんどくさい!」の一言です。上記の様な、桁数の多い計算だと、1回計算しただけだと自
信が持てず、必ず2回計算してしまいます。そして、1回目と2回目の答えが合わないと、結
局3回計算するハメになります。

 そんな時、私は、「横軸×縦軸」に、それぞれ、位ごとの数字を書いて、位ごとに掛け合わ
せ、長方形の面積の総和として求めます。

 日本式筆算方法は、私には、まさに狂気・ストレスです。

 計算力を高めるための計算方法を追いかけるのも算数・数学の 分野との思いに私も同感
です。

 足し算・引き算・掛け算・割り算の4算を左から右に向かい処理するものとして、たしか、ソ
ロバンは、左から右へ(位の大きい方から小さい方へ)計算しますよね。
(私は、まともにソロバンを習ったことは、ありませんが・・・)


 hakubyo333さんからのコメントです。(平成26年2月9日付け)

 カルピスさんも同じような過去を持たれていますか。苦しむと独自の方法で活路を見出そ
うとする、それが人間なのでしょうね。その一方で、大多数の日本人は自然体で現行の筆
算方式を受け入れ使っているのに驚きと祝意を表します。

 「縦軸×横軸」では、タイル貼りのように配して和を求めるということですか。面白いです。
私の方法に通じるものがあるように思います。

 私は、横軸だけを使います。問題の持つ領域の広さを決めておき、横軸に左から右に向
かい、広さに合う枠を取っておきます。このようにしておいてから、各々の数同士を処理しま
す。

 広がりを表わす枠は、足し算、引き算ではほとんど使いません。掛け算、割り算は必ず使
います。領域の大きさを表す枠を作っておかないと、多進数計算が出来ないという泣き所を
併せ持っています。10進数の計算でも使えます。大変な便利な手法だと思っています。

 私も珠算塾で学んだことはないので、断定はできませんが、ソロバンは、左から右へ計算
しますね。ただ、小学校の算数の授業の中では、大きな桁から処理することを教える先生と、
小さな桁から処理することを教える先生もいると聞いています。

 算盤は、どちらから始めてもよくて、決まった方式はないのかもしれません。

 ところで、前回例示しました徒然問題を私の方法で計算し、途中を省略、結果だけを表記
すると次のようになるのですが...。

 (1) 64進数割り算    40.aAs ÷ 0.0xK = 4Kr.t + 0.00Jq

  (2) 10進数掛け算  873659283 = 873659282 × 87365928
               = 7632805375301184 × 87365928 = 6668,71248,6576,1965,752

 別の風呂敷を広げさせてもらいますが・・・・、分数の割り算についてです。

 小学生の頃、与えられた式は割り算ですが、答えの出し方は、後ろの項の分母分子を逆
にして前の項に掛けることと教え込まれました。

 当時は、○を貰うため、教えられた通りにしていました。時間の経過とともに、疑問心(ごこ
ろ)が浮かんできました。

 割り算をなぜ掛け算で処理すると○が貰えるのか。割り算は割り算で計算することが出来
ないのか。・・・・・かなりの時間が過ぎました。ある日、突然閃きました。掛け算にする意味が
分かりました。実に詰まらん理由でした。(そう思うのは、私だけかも知れませんが。)

 それ以来、割り算は、割り算として処理すべしと思っています。少なくとも、なぜ、掛け算に
すると良いのかを子供たちに理解させる努力が欲しいものです。ただひっくり返して掛けろの
号令だけでは。徒然に浮かんだ2題、割り算で処理できる方はどうぞ。

(1) 5/12 ÷ 2/3     (2) 3と7/9 ÷ 1/4


 空舟さんからのコメントです。(平成26年2月10日付け)

 上記を読んで思い出したこと

 分数の掛け算で、分母分子それぞれ掛ければ良いのと同様に、分数の割り算も分母分子
それぞれ割るのは正しい操作です。すなわち、A/B ÷ C/D = (A÷C)/(B÷D) は正しいで
す。そうすると、分数の割り算にも通分するという計算、すなわち、

   3/5 ÷ 7/6 = 18/30 ÷ 35/30 = 18/35

というような考え方もできると考えたことがありました。

 上記を書いていて、「分数の掛け算で分母分子それぞれ掛ければ良い」ということが「割り
算をする時に分母分子をひっくり返して掛ければ良い」のと同じぐらい自明ではないような気
がしてきました。(ここでいう「自明」の意味については意図をくんでくれると嬉しいです。)


(コメント) 「割り算の意味」を参考にしながら解いてみた。

(1) 5/12 ÷ 2/3 = 10/24 ÷ 2/3 = (10 ÷ 2)/(24 ÷ 3) = 5/8

(2) 3と7/9 ÷ 1/4 = 34/9 ÷ 1/4 = 136/36 ÷ 1/4
                        = (136 ÷ 1)/(36 ÷ 4) = 136/9 = 136/9 = 15と1/9

 空舟さんが心配している、「分数の掛け算では分母分子同士それぞれ掛ける」という計算
は、次のように考えてはどうでしょうか?

 (例) 5/12 × 2/3 = {5× (2/3)}/12 ={5× (2/3) × 3}/(12 × 3) =(5 × 2)/(12 × 3)

 上記では、割り算を用いて計算しましたが、割り算はあくまでも単位当たりの量の計算とい
うことで、次のように計算するのが自然だと私個人は思います。上記のような計算だと、割り
算本来の意味が消失してしまうような...雰囲気

(1) 割る数 2/3 を1にするには、3/2 を掛ければいいので、

     5/12 ÷ 2/3 = 5/12 × 3/2 = 5/8

(2) 割る数 1/4 を1にするには、4 を掛ければいいので、

     3と7/9 ÷ 1/4 = 34/9 × 4 = 136/9 = 136/9 = 15と1/9

 上記の解答とhakubyo333さんのやろうとしている計算を比較して、hakubyo333さんの計
算がとても分かりやすいとはちょっと言い難いように思う。でも、これって今までの日本の教育
に毒された結果なのかも...?


 攻略法さんからのコメントです。(平成26年2月11日付け)

 毎日毎日、僕らは数学の〜計算学んで嫌になっちゃうよ〜♪

分数 ・・・ かけ算とわり算を学んだ後に、たし算とひき算を計算させると...。

 (5/12) + (2/3) = (5+2)/(12+3)  (←誤答!)

行列 ・・・ たし算とひき算を学んだ後に、かけ算とわり算を計算させると...。

 かけ算は、成分どうしをかける  (←誤答!)

 Ak=b それとも aK=b、かけ算は、BKA それとも AKB

行列式 ・・・ 2次のたすき掛けを学んだ後に、3、4、5、…次を計算させると...。

<岩波メソッドゴースト暗算> ・・・ 参考:「大きな数の積

 M=AK+B、N=SK+E とするとき、積 MN=(AK+B)(SK+E)=(AS)K2+(AE+BS)K+(BE)

例 74×89=(7*10+4)(8*10+9)=(7*8)*100+(7*9+4*8)*10+(4*9)
      =56*100+(63+32)*10+36=6586

  ということでしょうか?

ここで、積 MN=(B+AK)(E+SK)=(BE)+(BS+AE)K+(AS)K2 とすれば、下の位から計算している。


(コメント) ちょっと違うような...。 岩波メソッドゴースト暗算によれば、

  7×8=56 4×8=32 → 592
  7×9=63 4×9=36 →  66 6 より、 592+66=658  よって、 74×89=6586


 攻略法さんからのコメントです。(平成26年2月12日付け)

 M=AK+B、N=SK+E とするとき、

積 MN=(AK+B)(SK+E)=(AS)K2+(BS+AE)K+(BE)

    ={(AS)K+BS}K+{(AE)K+(BE)}={(AS)K+BS+AE}K+BE

例 74×89=(7・10+4)(8・10+9)={(7・8)10+4・8}10+{(7・9)10+4・9}=(56・10+32+63+3)10+6=6586

  ということでしょうか?ここで、

 積 MN=(B+AK)(E+SK)=BE+{BS+AE+(AS)K}K とすれば、下の位から計算している。


 hakubyo333さんからのコメントです。(平成26年2月15日付け)

 私の意図は、正に、通分することです。上記では書きませんでしたが、割り算と同様、掛け
算も通分すべきと考えています。私は、次のように考えます。

  A/B ÷ C/D ={(AD)/(BD)}÷{(BC)/(BD)}=(AD)÷(BC)=(AD)/(BC)

(例) 3/5 ÷ 7/6 ={(3・6)/(5・6)}÷{(5・7)/(5・6)}=(3・6)÷(5・7)=(3・6)/(5・7)=18/35

 我々が日常使う計算方法は、上の2つの式で赤字部分を省略しています。すなわち、途中
式の(18/30 ÷ 35/30)を省略して 前の分数に後の分数の分母分子をひっくり返したものを
掛け合わせて、(3×6)/(7×5)=18/35 とします。誠に残念と思うのですが、比較の基準と
なる1/30は消滅させられてしまい、一度も表に出ることなく計算終了となっています。

 大きさの異なる分数の比較をしているのに、比較の基準を認めることなく処理できる。正に、
天才的処理です。この天才的とも思える方法を使いこなすのは、日本だけでしょうか、世界共
通なのでしょうか。

 1/30に係わる数の表記を手間とするなら、割り算でなく、掛け算問題として与えた方が理に
適っていると思いますが...。割り算として与えたのなら、何を基準にして比較しようとするの
かを表す18/30 ÷ 35/30なる途中を表記するべきだと思います。

 「分数の掛け算で分母分子それぞれ掛ければ良い」ということが、「割り算をする時に分母
分子をひっくり返して掛ければ良い」のと同じぐらい自明ではないような気がしてきました。


 この部分についても、私の考えを説明させてもらいます。

 掛け算は、集合で言うと AかつB の関係で表現されると思います。上記の異分母分数の
計算:3/5 ×7/6  を例にします。

 大きさの同じ正方形を、×(かける)を挟んで1つと2つの計3つを左右に並べます。左の正
方形1つは横方向に5等分して3つに斜線を引いておきます。次に、右の正方形2つは各々を
縦に6等分して左と異なる向きに斜線を引きます。右の正方形1つは6等分の全部と、別の一
つは6等分の1つ、合わせて7つに斜線が引かれます。いわゆる分割図です。

 次に×記号を挟んで並ぶ3つの正方形のさらに右に、2つの正方形を並べます。このとき、
区別のために3つと2つの間に適当な長さの矢印(→)を置きます。矢印の右の書き足した、
2つの正方形を横5等分、縦6等分します。1/30の大きさの升目が30個、30個の計60個出来
ます。

 この2つの升目の正方形に、まず、7/6になるよう斜線を引きます。その後、今斜線を施し
た各々の正方形に3/5となるように、別向きの斜線を引きます。

 斜線の重なり合う部分の個数を数えます。重なり合いは21個になります。21個の基数は、
1/5×1/6=1/30です。1/30が21個で、21/30 すなわち、7/10です。

 説明を数式で表わしてみます。当然基数を明らかにするべく、通分します。

 3/5×7/6={(3・6)/(5・6)}×{(5・7)/(5・6)}=(18×35)/(30×30)=(3・7)/(5・6)=7/10

 計算は若干長くなりますが、基数を認識しながら進めることを重んじるべきではないでしょ
うか。

 私の関心は、多進数を合理的に手計算することにあります。そのためには、日本式筆算
に代わる筆算方法を作り出すことも必要と思っています。今は、分数について書いています
ので、それに関連する「?」ですが・・・。

 多進数を分数で表わせるとすると、0、1の2つしか使わない2進数はどうなるのでしょうか。
0/1(1分の0)、1/1(1分の1)は0と1に戻せます。すると、0/1、と1/1という分数狂言は意味
を成さなくなります。2進数には分数は存在しないとしていいのでしょうか。広げると、すべて
の多進数に分数は存在しないことになるのでしょうか。

 その点、古代エジプトの人々は、0を知らず日常を送れたようなので幸せであったでしょう。
でも私たちは、0を知っていて使います。2進数に至ると分数と整数の境界が分からなくなり
ます。違いはどこにあるのか悩みます。ひょっとすると、悩む必要などない悩みなのかもしれ
ませんが...。どう思われますか。

 徒然に浮かぶ多進数の足し算、引き算を例示します。日本式筆算でももちろんできますが、
それに代わる、適切とか合理的なほかの計算方法はありませんでしょうか。

(1) 8進数  307.4+0.612-57.355-2463+77
(2) 4進数  33021+11.21-302.13+231-2.013


 空舟さんからのコメントです。(平成26年2月15日付け)

 十進法の通常の筆算と「全く同様のやり方」で他の進法で筆算するには、九九に相当する
他の進法での掛け算の表を覚えなくてはいけませんね。例えば、16進法だと、9×9=51 等。

 また、「 多進数を分数で表わせるとすると、0、1の2つしか使わない2進数はどうなるのでし
ょうか。
」について、分母分子を1桁に限定する必要は無いのではないでしょうか。


 hakubyo333さんからのコメントです。(平成26年2月22日付け)

 十進法の九九を16進法で表すと、 9×9=51 、10×10=64 、11×11=79 、・・・ です
ね。空舟さんは、九九相当の掛け算表を使われますか。確かに、有効な方法だと思います。
でも、例えば、進数条件の異なる4問の計算問題があるとすると、4種類の掛け算表を作るこ
とになりませんか。ちょっと、大変ではありませんか。

 掛け算表に頼らず、計算の流れの中で、対処したいものです。但し、掛け算表ではありませ
んが、進数表(1〜10)を作ることと、8桁程度の電卓を使うことは、、手助けになると思います。

 ところで、2進数では、分数はできないと不安だったのですが、短視眼的に成っていたようで
す。確かに、指摘される通りのようです。多進数には、当然十進数も含まれます。現に我々は、
特に大きな問題もなく、分数を使っています。そこに、着目すべきでした。

   1  +   1   = [途中省略] =   110111  
  1010    101101               111000010

   1   ×    1    = [ 途中省略 ] =     1   
    1010             101101                                       111000010

   1   ÷   1   =  101101    ÷    1010   =[途中省略]=100 +  1
  1010     101101    1010×101101    101101×1010               10

 こんな感じになりましょうか。

 上記の徒然問題ですが、次のように処理できると思います。

(1) 8進数  307.4+0.612-57.355-2463+77=−2133.143
(2) 4進数  33021+11.21-302.13+231-2.013=33001.001

 日本式筆算について、不思議と思えることが、まだ幾つかあります。その一つは、小数を含
む割り算です。

 小数計算は、整数に直して計算することと教え込まれていると思います。割り切れるときは
よいのですが、余りが出る場合、この余りは、整数計算から派生するものではなく、整数に直
す前の小数値に支配されるという、分かったような分からないような、間違いを生み易い方法
があり、今でも大手を振ってまかり通っています。

 気を静めて、小数と割り算と言うものを見詰めると、小数点の位置を移動する必要性は何
なのか。何故、余りの小数点を戻す手法を使い続けるのか。この不思議な方法がそれほど
素晴らしい方法なのか、他の方法が思い浮かばないのか・・・などと、分かりませんが...。

 割り算の結果(商と呼ばれるもの)の存在領域を決めてから、計算に着手すれば、一々小
数点を移動しなくとも算出でき、小数点を移動しないことから、余りの存在を今ほど気を遣わ
なくて済むのではないかと思います。この方法は、現行の日本式筆算で使っている、平仮名
”て”を裏返した逆”て”の横線を伸ばしたやつを捨てることになりますが...。必要な時は嫌
になるほど使ってきましたが、何という記号なのか分からないので、このように表現しました。
この逆”て”使いの割り算にもう一つ反発心を持っています。

 第一、割られる数の前に割る数のあるのは(居座っているあんたは、何様のつもり?どいて
後ろに居なさい・・・の気持ちです。)不自然で、解せません。

 割り算の徒然問題です。余りの小数点位置を間違えないよう配慮すれば簡単です。日本式
筆算以外で算出できるならベストです。余りの大きさに条件を付けます。

(1) 十進数 ( 0≦余り<割る数 ) 24.807÷0.064
(2) 十進数 (|余り|<割る数 ) 973.52 ÷ 3.807


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