中学入試問題に挑戦!(その1)              戻る

 平成25年2月5日(火)付け朝日新聞朝刊に平成25年度麻布中学入試問題が掲載され
た。いくつか面白そうな問題があったので、小学生が解くレベルで考えてみた。

1. 満月から次の満月まで29.53日かかるものとします。ある閏年の9月30日が満月
  であるとき、次の満月を1回目として、100回目の満月となるのは、何年後の何月
  何日ですか。ただし、閏年は4年に1度必ずあるものとします。

(解) 100回目の満月となるのは、29.53×100=2953日後

    最初の1年目:365日 、2年目:365日 、3年目:365日 、4年目(閏年):366日 、

        5年目:365日 、6年目:365日 、7年目:365日 、8年目(閏年):366日

    から、8年後の9月30日が、2922日目。

      2953−2922=31 より、2953日後は、8年後の10月31日 (終)

2. 半径が3cmの円の周上に点Aがあります。点Aを中心として、この円を30°回転
  させてできる円が図のようにあります。黄色い部分の面積を求めなさい。


      

(解) 対称性から、右側半分の面積を求めれば十分である。

   ∠AOB=150°から、

   扇形AOBの面積=π・32・(150/360)=15π/4

   △AOBの面積=(1/2)・3・(3/2)=9/4

   よって、求める図形の面積は、

    2・(15π/4−9/4)=15π/2−9/2(cm2) (終)


(参考) 小学校では、円周率πは用いられず、3.14なので、上記に代入すれば、

     15π/2−9/2=15・1.57−4.5=23.55−4.5=19.05(cm2

(コメント) 上記の解答が小学生レベルかどうか少し不安?小学生に、30°、60°、90°の
      三角形の辺の比は既知としていいのだろうか?

3. A君とB君がX地点を同時に出発して、Y地点までそれぞれ一定の速さで歩き続
  けました。C君は2人が出発してから5分後にX地点を出発し、一定の速さで走り続
  けて2人を追いかけました。C君は出発して5分後にB君に追いつき、その10分後
  にA君に追いつきました。

(1) A君、B君、C君の速さの比をできるだけ簡単な整数の比で表しなさい。


(解) A君、B君、C君の速さをそれぞれ a、b、c とおく。

   このとき、題意より、 5c=10b 、15c=20a すなわち、 c=2b 、3c=4a

    a=(3/4)c=(3/4)・2b=(3/2)b

   よって、 a : b : c = (3/2)b : b : 2b = 3 : 2 : 4 (終)

(2) C君はA君に追いついて、すぐに来た道を同じ速さで引き返しました。次に、C君
   がB君に出会うのは、C君がA君に追いついてから何分後ですか。分数で答えな
   さい。


(解) C君がA君に追いついてから x 分後にC君がB君に出会うとすると、

      20a−20b=xb+xc より、 30b−20b=xb+2xb

       よって、 x=10/3 より、 10/3分後に出会う。 (終)


(コメント) 算数の問題に方程式を使うのはやはり大人げないですね!次のようにも解ける
      ようです。

(別解) A君、B君、C君の速さをそれぞれ 3k、2k、4k とおく。

    C君がA君に追いついたとき、A君とB君の間の距離は、10×(4k−2k)=20k

    したがって、C君がB君に追いつくのは、 20k÷(4k+2k)=10/3  (終)

(コメント) こちらの方が美しい解答ですね!

(3) C君はB君に出会って、すぐにまた同じ速さでY地点に向かったところ、A君と同
   時にY地点に到着しました。C君の走った道のりの合計が5kmのとき、X地点か
   らY地点までの距離を求めなさい。


(解) C君がB君に出会ってから y 分後にY地点に到着したとする。

   C君の走った道のりは、 15c+(10/3)c+yc=5

   さらに、 20a+(10/3)a+ya=15c−(10/3)c+yc なので、

     30b+5b+(3/2)by=30b−(20/3)b+2by

    よって、 5+(3/2)y=−20/3+2y より、 y=70/3

   このとき、 30b+(20/3)b+(140/3)b=5 より、 (250/3)b=5

      ゆえに、 b=3/50

   したがって、X地点からY地点までの距離は、

   30b−(20/3)b+(140/3)b=9/5−2/5+14/5=21/5=4.2(km) (終)

(コメント) 3.の問題は、TVのクイズ番組に使えそうな問題ですね!方程式を解いている
      ので、小学生レベルの解答ではないと断言できますが、算数的にはどう解くのか
      興味がわきますね!

(コメント) やはり、上記の解答も十分大人げないですね!次のようにも解けるようです。

(別解) A君、B君、C君の速さをそれぞれ 3k、2k、4k とおく。

    C君がB君に出会ってから y 分後にY地点に到着したとすると、題意より、

       4ky−3ky=3k×(10/3)+4k×(10/3) なので、 y=70/3

    このとき、C君の走った道のりは、

      15×4k+(10/3)×4k+(70/3)×4k=5 なので、 k=3/100

   したがって、X地点からY地点までの距離は、

      5−2×4×(3/100)×(10/3)=5ー0.8=4.2(km) (終)


(コメント) まだ算数レベルにはほど遠いと思われるが多少は近づいたかな?


(追記) 平成29年5月4日付け

 上記の3.の問題を塾生達に考えてもらったところ意外と苦戦するようだ。私自身も上記
の解答に満足しているわけはないので、再度検討してみた。

 長い文章題と時間の経過が絡んでくるので、問題文を整理して次のような図にまとめてみ
た。少しは見通しがよくなって考えやすくなるだろう。

  

(1) A君、B君、C君の速さの比をできるだけ簡単な整数の比で表しなさい。

(解) 上図より、 b : c=1/10 : 1/5=1 : 2 なので、 c=2b

 同様にして、 a : c=1/20 : 1/15=3 : 4 なので、 a=(3/4)c=(3/2)b

 よって、 a : b : c = (3/2)b : b : 2b = 3 : 2 : 4 (終)

(2) C君はA君に追いついて、すぐに来た道を同じ速さで引き返しました。次に、C君
   がB君に出会うのは、C君がA君に追いついてから何分後ですか。分数で答えな
   さい。


(解) x 分後にBとCが出会うとすると、上図より、

    bx+cx=20a−20b なので、 3bx=10b  よって、x=10/3

(3) C君はB君に出会って、すぐにまた同じ速さでY地点に向かったところ、A君と同
   時にY地点に到着しました。C君の走った道のりの合計が5kmのとき、X地点か
   らY地点までの距離を求めなさい。


  Y地点まで y 分かかったとき、上図より、

   yc=(10/3)c+(10/3)a+ya なので、 2yb=(20/3)b+5b+(3/2)yb

   よって、 (1/2)yb=(35/3)b より、 y=70/3

  このとき、C君の走った道のりは、

   15c+(10/3)c+(70/3)c=(125/3)c=5 より、 c=3/25

 よって、

  XY=15c+(70/3)c−(10/3)c=(105/3)c=(105/3)(3/25)=21/5(km)


4.(1) コインがたくさんあり、そこからA君とB君の2人が交互にコインを取っていき
    ます。1回目はA君が1枚、2回目はB君が3枚、3回目はA君が5枚、4回目は
    B君が7枚、5回目はA君が9枚、・・・というように、2人は自分が前に取った枚
    数より4枚多くコインを取ります。何回か取った後、2人の持っているコインの枚
    数を比べたところ、差が31枚でした。コインを多く持っているのはどちらですか。
    また、その人が最後に取ったコインは何枚ですか。


(解) 2n−1回目にA君が取るコインの枚数は、 1+4(n−1)=4n−3(枚) なので、

   2n−1回目までにA君が取るコインの総数は、 

     1+5+・・・・+(4n−3)=n(4n−2)/2=n(2n−1)

  同様にして、

    2n回目にB君が取るコインの枚数は、 3+4(n−1)=4n−1(枚) なので、

   2n回目までにB君が取るコインの総数は、 

     3+7+・・・・+(4n−1)=n(4n+2)/2=n(2n+1)

   n(2n+1)−n(2n−1)=2n(偶数) で、31にはなり得ない。

   そこで、A君が2n+1回目にコインを取った後のコインの総数は、(n+1)(2n+1)で、

     (n+1)(2n+1)−n(2n+1)=2n+1=31

   から、n=15 となる。

    よって、コインを多く持っているのは、A君で、最後に取ったコインの枚数は、

       4×(15+1)−3=61(枚) (終)

(コメント) 小学生が上記のように解くとは信じられないので、多分もっと算数的な解法が
      あるのだろう。

 次のように考えると算数レベルかな?そんなに違わないかな?

(別解) 2n−1回目にA君が取るコインの枚数は、 1+4(n−1)=4n−3(枚) なので、

   2n−1回目までにA君が取るコインの総数は、 

     1+5+・・・・+(4n−3)=n(4n−2)/2=n(2n−1)

   2n回目までにB君が取るコインの総数は、1回当たりA君より2枚ずつ多いから、

     n(2n−1)+2n=n(2n+1)

   差が奇数の31個になるのは、A君が2n+1回目にコインを取ったとき。

    よって、 (n+1)(2n+1)−n(2n+1)=2n+1=31 から、n=15 となる。

   したがって、コインを多く持っているのは、A君で、最後に取ったコインの枚数は、

       4×(15+1)−3=61(枚) (終)

(2) コインがたくさんあり、そこからA君、B君、C君が順にコインを取っていきます。
  1回目はA君が1枚、2回目はB君が2枚、3回目はC君が4枚、4回目はA君が
  8枚、5回目はB君が9枚、6回目はC君が11枚、・・・というように、3人は自分が
  前に取った枚数より7枚多くコインを取ります。何回か取った後、3人の持っている
  コインの枚数を比べたところ、1番多い人と1番少ない人の差が87枚でした。
   コインを一番多く持っているのは誰ですか。また、その人が最後に取ったコイン
  は何枚ですか。考えられる場合をすべて答えなさい。


(解) 3n−2回目にA君が取るコインの枚数は、 1+7(n−1)=7n−6(枚) なので、

   3n−2回目までにA君が取るコインの総数は、 

     1+8+・・・・+(7n−6)=n(7n−5)/2

  同様にして、

    3n−1回目にB君が取るコインの枚数は、 2+7(n−1)=7n−5(枚) なので、

   3n−1回目までにB君が取るコインの総数は、 

     2+9+・・・・+(7n−5)=n(7n−3)/2

  また、

    3n回目にC君が取るコインの枚数は、 4+7(n−1)=7n−3(枚) なので、

   3n回目までにC君が取るコインの総数は、 

     4+11+・・・・+(7n−3)=n(7n+1)/2

  考えられる場合は、

   ・ C君が最大、A君が最小で、 n(7n+1)/2−n(7n−5)/2=87

      3n=87 で、n=29。

   ・ A君が最大、B君が最小で、 (n+1)(7(n+1)−5)/2−n(7n−3)/2=87

      6n+1=87 で、解なし。

   ・ B君が最大、C君が最小で、(n+1)(7(n+1)−3)/2−n(7n+1)/2=87

      5n+2=87 で、n=17。

  以上から、コインを一番多く持っているのは、B君またはC君で、

   B君が最後に取ったコインは、 7(n+1)−5=121(枚)

   C君が最後に取ったコインは、 7n−3=7・29−3=200(枚)

(コメント) 多分、この問題は小学生にとっては難問?

5. 三角すいの体積は、(底面積)×(高さ)÷3で求められます。以下の問いに答え
  なさい。

  三角すいA-BCDにおいて、AB=6cm、BC=5cm、BD=6cmとし、辺AB、辺
 BC、辺BD上にそれぞれ3点P、Q、Rを、AP=2cm、BQ=3cm、BR=3cm と
 なるようにとる。

(1) 三角すいABCD、三角すいABQR、三角すいPBQRの体積の比をできるだけ
   簡単な整数の比で表しなさい。


(解) 三角すいABCDの体積をVとおくと、三角すいABQRの体積は、

    V×(3/5)×(1/2)=(3/10)V

    同様に、三角すいPBQRの体積は、

    (3/10)V×(2/3)=(1/5)V

    よって、3つの三角すいの体積の比は、

           V:(3/10)V:(1/5)V=10 : 3 : 2  (終)

(2) EF=22cm、FG=18cm、GE=20cmの△EFGの形をした紙を使って2つ
  の三角すいを作ります。EF、FG、GEの中点M、N、Kを結ぶ線分を折り目として
  頂点E、F、Gを一致させるように折って作った三角すいをV1、EF、FG、GE上に
  それぞれ3点P、Q、Rを、EP=10cm、FQ=8cm、GR=12cmとなるようにと
  り、三角形EFGの形をした紙を線分PQ、QR、RPで切り離し、同じ長さの辺を重
  ね合わせて作った三角すいをV2とします。V1とV2の体積の比をできるだけ簡単
  な整数の比で表しなさい。

(解) △EPRと△EMKの面積の比は、頂角Eが共通なので、 11×10:8×10=11:8

   また、面EPRに対するEQの向きと、面EMKに対するENの向きは同じなので、

   △EPR、△EMKを底面とするそれぞれの三角すいの高さの比は、EQ:EN=9:12

   となる。したがって、求める体積の比は、 11×9:8×12=33:32 である。  (終)

(コメント) 空間把握が難しいですね!△EPR、△EMKを底面として、2つの三角すいの体
      積を考えることがポイントでした。算数レベルを遙かに超える超難問です...!

6. 8つの面がすべて合同な正三角形からなる立体(正8面体)について考えます。
  それぞれの面には、次のように1から8までの数字が書かれています。

   △ABC・・・1 、△ACD・・・2 、△ADE・・・3 、△AEB・・・4
   △FDC・・・5 、△FCB・・・6 、△FBE・・・7 、△FED・・・8

  この立体を面ABCが底面となるようにおきます。底面のいずれか1辺を軸として、
 隣り合う面が底面となるようにこの立体を動かすことを「転がす」ということにします。

       

(1) 1回目に辺ACを軸として転がし、続けて2回目に辺CDを軸として転がしました。
   その結果、最後に底面と重なる位置を、下の図の三角形に黄色に色つけして示
   しなさい。また、そのときの底面に書かれた数字を答えなさい。


(解) △ABCの下の右側の三角形で底面に書かれた数字は、5

 底面が面ABCである状態から4回自由に転がします。このとき、以下の(2)、(3)、
(4)に答えなさい。

(2) 黄色部アは、最後に底面と重なる位置の1つです。ア以外の、最後に底面と重
   なる位置全てを、図の三角形に黄色に色つけして示しなさい。また、アの位置に
   最後に重なる底面に書かれた数字として考えられるものをすべて答えなさい。


(解)
       

   初期状態から右回りに転がして数字は7、左回りに転がして数字は1。

(3) 4回自由に転がす転がし方は、全部で何通りありますか。ただし、最後の底面
   の位置が同じでも、途中の経路が違う場合は別の転がし方とします。


(解) 3×3×3×3=81(通り)

(4) 最後に底面となる面に書かれた数字を、(3)のすべての転がし方について足し
  合わせます。その和を求めなさい。


(解) 底面の数字1から移り得る数字は、2、4、6の3通り。

    底面の数字2から移り得る数字は、1、3、5の3通り。

    底面の数字3から移り得る数字は、2、4、8の3通り。

    底面の数字4から移り得る数字は、1、3、7の3通り。

    底面の数字5から移り得る数字は、2、6、8の3通り。

    底面の数字6から移り得る数字は、1、5、7の3通り。

    底面の数字7から移り得る数字は、4、6、8の3通り。

    底面の数字8から移り得る数字は、3、5、7の3通り。

  このとき、樹形図により、底面の数字1から始まって4回自由に転がした後の底面の数

 字が、1となるものは21通り、3となるものは20通り、5となるものは20通り、7となるも

 のは20通りで、したがって、最後に底面となる面に書かれた数字の和は、

    1×21+3×20+5×20+7×20=321

(コメント) 算数レベルのいろいろな解法を考えましたが、結局は樹形図利用に落ち着きま
      した。機械的な計算なので、試験時間以内に十分解答可能と思われます。


 このページをまとめるにあたり、ますいしいさんのブログを参考にさせていただいた。ます
いしいさんに感謝します。


 平成25年6月8日(土)、電車に乗って東京に向かっているとき、日能研の広告が目に留
まった。白百合学園中学(2013年)の入試問題である。以下は一部表現を変えている。

 17頭のラクダと遺言「長男に1/2、二男に1/3、三男に1/9ずつ与える。」が遺された。

そこに賢者が現れ、自分のラクダ1頭を加えて、長男に9頭、二男に6頭、三男に2頭ときれ

いに分配され、賢者はとても感謝され、しかも、自分のラクダも戻って、めでたしめでたし!

 これって昔からある有名な話じゃんと思って読んでいると、この話には続きがあったらしい。

 17頭のラクダと遺言「長男に1/2、二男に1/3、三男に1/6ずつ与える。」が遺された。

そこに愚者が現れ、賢者と同様に自分のラクダ1頭を加えて、長男に9頭、二男に6頭、三

男に3頭と分配したものの、自分のラクダも失ってしまった。う〜ん、残念!

 そこで、あなたが1頭のラクダを持つ賢者となるように、23頭のラクダを

   「長男に1/2、二男に1/x、三男に1/yずつ与える。」

という遺言を実行するとき、x、y の値は何でしょう?


 賢者となるためには、次の等式

  1/2+1/x+1/y=23/24 (x<y)

をみたすように x、y の値(整数)を見いだせばよい。

 さらに、x、y の値は当然24の約数で、3以上でなければならない。

 等式から、 1/x+1/y=11/24 すなわち、 (x+y)/xy=11/24

 24の約数で、和(x+y)が11で積(xy)が24となるのは、 x=3、y=8 である。


(コメント) 「長男に1/2、二男に1/3、三男に1/6ずつ与える。」という遺言では、愚者にな
      ってしまいますね!...f(^^;)


 平成26年2月4日(火)付け朝日新聞朝刊に平成26年度開成中学入試問題が掲載され
た。高校生対象でも十分通用しそうな問題について考察してみた。(一部改題)

1. 3つの整数A、B、Cがある。AとBの最大公約数は21、BとCの最大公約数は
  35、AとCの最大公約数は98である。ただし、A+B+C≦1000 とする。
   このような性質を持つ、3つの整数A、B、Cの組を1組求めよ。


(解) 題意より、 A=21a=3・7・a 、B=21b=3・7b (a、bは互いに素)

           B=35b’=5・7b’ 、C=35c=5・7c (b’、cは互いに素)

           A=98a’=14・7a’ 、C=98c’=14・7c’ (a’、c’は互いに素)

  上式より、 3a=14a’ 、3b=5b’ 、5c=14c’ なので、

 a=14 、a’=3 、b=5 、b’=3 、c=14 、c’=5 のとき、条件を満たす。

 このとき、 A=294 、B=105 、C=490 で、A+B+C≦1000 を満たす。  (終)


2. 下図は、2つの扇形と三角形を組み合わせたものである。弧PQ=5・弧QRのと
  き、角θ、φおよび2つの扇形の面積の和を求めよ。ただし、円周率π=3.14と
  する。

      

(解) 条件より、 2×9π×φ/360°=5×2×3π×θ/360°なので、 3φ=5θ

   △ABCにおいて、 20°+180°−φ=θ より、 600°−3φ=3θ

   よって、 8θ=600° より、 θ=75° また、 φ=125°である。

   2つの扇形の面積の和は、

 81π×φ/360°+9π×θ/360°=81π×125°/360°+9π×75°/360°

                         =225π/8+15π/8=30π=94.2  (終)


(コメント) 弧度法を知っていれば、もっとスッキリした解答になるだろう。


(追記) S(H)さんから、早稲田中学(2008年度)の入試問題をご紹介いただいた。
                                      (平成27年1月17日付け)

 2つの扇形を組み合わせた図がある。Aの扇形は半径が1cmで、面積が2cuである。B
の扇形は半径が10cmである。Bの扇形の面積を求めよ。但し、円周率は、3.14とする。

      

(解) 扇形Bを含む同心円の面積は、 100×3.14=314(cu) である。扇形の面積

 は(半径)2に比例するので、扇形Aの半径を10倍に拡大した扇形の面積は、

 102×2=200(cu)である。

 よって、求める面積は、314−200=114(cu) である。  (終)


(追記) 平成27年2月5日(木)付け朝日新聞朝刊に平成27年度桜蔭中学入試問題が掲
    載された。菊川怜さんや三浦奈保子さんなどが桜蔭の卒業生である。(一部改題)

1.(1)次の(  )にあてはまる数を答えなさい。

(@) {(5.6−2.8×(1+5/7))÷(18/35)+(2+2/3)}÷4.75=(  )

(A) (47/55−8/25÷(  ))×(19/36×9−(1+1/24)÷(5/7)+2/3)
   =2+3/8


(解)(@) 左辺={(28/5−(14/5)×(12/7))×(35/18)+8/3}×4/19
         =(98/9−28/3+8/3)×4/19
         =(38/9)×4/19
         =8/9

(A) (47/55−8/25÷(  ))×(19/4−(25/24)×(7/5)+2/3)=19/8 より、
  (47/55−8/25÷(  ))×(95/24)=19/8 なので、
  47/55−8/25÷(  )=3/5
 よって、 8/25÷(  )=47/55−3/5=14/55 より、
   (  )=8/25×(55/14)=44/35  (終)

(2) 下の図のようなアからケの9個のマスがあります。このアからケのマスの中に、
  約数が全部で9個ある整数の約数を小さい順に入れます。このとき、次の(  )に
  あてはまる数を答えなさい。

  (@) ア+ケ+オ=241 となる整数は(  )です。

  (A) ウ×ケ×キ=38416 となる整数は(  )です。







(解) 求める整数をNとすると、約数が全部で9個あることから、素数p、qを用いて、

   N=p8  または、 N=p22 (p<q)

(@) N=p8 のとき、 1、p、p2、p3、p4、p5、p6、p7、p8

 N=p22 (p<q) のとき、1、p、(q または p2)、pq、(q2 または p2q)、pq2、p22

 よって、 1+p4+p8=241 のとき、(p4−15)(p4+15)=0 で、この式を満たす素
     数pは存在しない。

     1+pq+p22=241 のとき、(pq−15)(pq+16)=0 で、 p=3、q=5

 したがって、 N=32・52=225

(A) 38416=24・74 であるので、N=p8 の場合は起こりえない。

 q<p2 のとき、q2<p2q なので、q・p2q・p22=p44=24・74 より、p=2、q=7

 q>p2 のとき、q2>p2q なので、p2・q2・p22=p44=24・74 より、p=2、q=7

 したがって、 N=22・72=196  (終)


(コメント) 解答の仕方がとても小学生的でないものになってしまった。小学生だったら、ど
      う計算するのだろう?


2.いろいろな大きさの正三角形を、次のように置いていきます。はじめに、1辺の長さ
 が1cmの正三角形3枚(1、2、3)と1辺の長さが2cmの正三角形2枚(4、5)を置
 きます。次からは、できた図形の最も長い辺を1辺とする正三角形をもとの図形のと
 なりに、下図のようにうずまき状に置いていきます。このとき、次の問いに答えなさい。

     

(1) 17番目の正三角形を置いたとき、できる図形の周の長さは何cmですか。
(2) 15番目の正三角形を置いたとき、できる図形の面積は、1番目の正三角形の
   面積の何倍ですか。


(解)(1) 21+28+37+49+65+65=265(cm)

 (2) 3+4+4+9+16+25+49+81+144+256+441+784+1369
   =3185(倍)

(コメント) 数列的に考えようとしましたが、実際に絵を描いて数えた方が速そうだったので、
      泥臭く求めてみました。

 1番目の正三角形から始めて1辺の長さの数列は、

 1,1,1,2,12162128374965,・・・

である。その階差数列を調べてみると、

  0,0,1,0,1,1,1,1216,・・・

となるので、最初のいくつかの項を除いて、何となく規則性が見えてくる。


3. あるお店でチーズケーキとプリンを買います。どちらも少なくとも1個は買うことに
  します。チーズケーキは1個300円、プリンは1個120円です。値段は消費税をふ
  くんでいます。このとき、次の問いに答えなさい。
(1) チーズケーキとプリンを合わせて18個買い、代金が3500円以上4500円以下
  になるようにします。考えられる個数の組合せをすべて答えなさい。
(2) セールの期間には、チーズケーキは10個をこえると、こえた分はもとの値段の
  5%引きになります。セール期間中に買い物をし、その代金がちょうど9000円に
  なる場合の個数の組合せをすべて答えなさい。


(解)(1) チーズケーキをx個買うとすると、プリンは、18−x個なので、題意より、

  3500≦300x+120(18−x)≦4500 から、1340≦180x≦2340

  よって、7.・・・≦x≦13 より、

 (チーズケーキ,プリン)=(8,10)、(9,9)、(10,8)、(11,7)、(12,6)、(13,5)

(2) チーズケーキをx個、プリンをy個買うとする。1≦x≦10のとき、題意より、xが奇数は

  起こりえないので、 x=2、4、6、8、10

  このとき、それぞれ y=(9000−300x)/120=70、65、60、55、50

   x>10 のとき、  300×10+285(x−10)+120y=9000

    すなわち、 285x+120y=8850 より、 19x+8y=590

   このとき、 19×(−2)+8×5=2 より、 19×(−590)+8×1475=590

   よって、 19(x+590)=8(1475−y)

   19と8は互いに素なので、 x+590=8k 、 1475−y=19k

    x=8k−590>10 より、 k>75  よって、k≧76

    y=1475−19k≧1 より、 k≦77.・・・

   以上から、 k=76、77

    k=76 のとき、 x=608−590=18 、y=1475−1444=31

    k=77 のとき、 x=616−590=26 、y=1475−1463=12

 以上から、

(チーズケーキ,プリン)=(2,70)、(4,65)、(6,60)、(8,55)、(10,50)、(18,31)、(26,12)


(追記) 平成28年2月5日(金)付け朝日新聞朝刊に平成28年度桜蔭中学入試問題が掲
    載された。興味ある問題があったので挑戦してみた。(一部改題)

 等間隔に(1)から(9)までの番号がついた道路がある。3人A、B、Cの歩く速さ、走
る速さ、自転車の速さはそれぞれ等しいとするとき、次の問いに答えよ。

 2つの間隔の間を75秒で歩き、40秒で走り、25秒で自転車を走らせるものとする。

(イ) Aは10時に地点(1)を歩いて出発し、途中の地点から走って地点(9)に達した。
  地点(9)では1分休み、自転車で地点(1)に戻った。Bは10時に地点(1)を自転
  車で出発し、地点(5)に着いて4分45秒休み、その後は歩いて、地点(1)に戻っ
  た。2人が同時刻に地点(1)に戻ったとき、Aはどの地点から走り始めたか。

(ロ) (イ)のとき、Cは10時に地点(8)から自転車で地点(1)に向かった。地点(1)
  に着く途中で、A、Bとすれ違った。Bとすれ違った後、何秒後にAとすれ違ったか。


 長文を読んで頭がクラクラしてくるが、動きを次のように図示すると分かりやすい。

  


(解)(イ) 地点(x+1)から走り始めたとすると、

     75x+40(8−x)+60+25・8=4・25+285+75・4

   すなわち、 35x+580=685 より、 35x=105  よって、x=3

   したがって、Aは地点(4)より走り始めた。

(ロ) Bとすれ違うまでの時間をxとおくと、

    (4/100)x=−(7/175)x+7 より、x=175/2

  Aとすれ違うまでの時間をxとおくと、−(7/175)x+7=(3/225)x より、 x=525/4

  よって、 525/4−175/2=175/4 より、 43.75秒後にAとすれ違う。


(追記) 平成29年2月4日(土)付け朝日新聞朝刊に平成29年度開成中学入試問題が掲
    載された。背後に木部先生の気配を感じつつ挑戦してみた。(一部改題)

1. 次の各問いに答えなさい。

(1) 次の( )には同じ数が入ります。その数を求めなさい。

   (35/3)×(( )×1.4+( )÷(1/2)+20)÷(7/60)=2017

(2) 1から2017までの整数のうち、3でも4でも割り切れないものを考えます。その
   うち、2の倍数と5の倍数はそれぞれ何個ありますか。


 何れも当HPの「パズル2017」に類別されそうな問題で面白そう!

(解)(1) まず、( )×1.4+( )×2+20=2017/100 より、( )×3.4=17/100

      よって、 ( )=1/20

(2) 1から2017までの整数のうち、2の倍数は全部で、1008個ある。この中から、3また
  は4で割り切れるものを除けばよい。

 2・1、2・2、2・3、・・・・・・、2・1008 より、1、2、3、・・・・・・・、1008で、2または3また
は4で割り切れるものは、 504+336+252−168−84−252+84=672(個)

 よって、条件を満たす2の倍数は、 1008−672=336(個) ある。

 同様にして、1から2017までの整数のうち、5の倍数は全部で、403個ある。この中から、
3または4で割り切れるものを除けばよい。

 5・1、5・2、5・3、・・・・・・、5・403 より、1、2、3、・・・・・・・、403で、3または4で割り切
れるものは、 134+100−33=201(個)

 よって、条件を満たす5の倍数は、 403−201=202(個) ある。


(コメント) (1)は普通レベルにしても(2)は「小学生に個数定理?」と思うくらい難問ですね。
      それとも他に小学生レベルの解法があるのかな?


2.は問題文が長すぎてパス!


3. 次の各問いに答えなさい。
(1) 下の図において、四角形ABCDと四角形ABEFはどちらも長方形で、3つの直
  線AG、BD、EFが1点Hで交わっています。GEの長さが1cm、DFの長さが9cm、
  AFの長さがx cmのとき、x の値を求めなさい。

    

(2) A地点とB地点の間に一本道があります。阿部君はこの道をA地点からB地点
  へ向かって分速50mで進みます。馬場君もこの道をB地点からA地点へ向かって
  一定の速さで進みます。二人は同時に出発し、B地点から250m離れた地点です
  れ違いました。また、阿部君がB地点に着いてから46分12秒後に、馬場君はA地
  点に着きました。右の図は、二人が出発してからの時間とA地点からの道のりの関
  係を表しています。二人が出発してからすれ違うまでにかかった時間をy分とすると
  き、yの値を求めなさい。


    

 これは、中学入試らしい問題ですね。

(解)(1) 相似比から、 x=9/x より、 x=3(cm)

(2) 阿部君がB地点に到着するのは、すれ違ってから、 250÷50=5(分後)。

  よって、(1)と同様に考えて、 y=(46.2+5)×(5/y) から、 y2=256

  したがって、 y=16(分)


(コメント) 小学生に平方根は無謀かな?違う解法があるのかも。


4. 底面がAB=4cm、BC=3cm、CA=5cm、∠ABCの大きさが90°の三角形
  であり、側面がすべて長方形の透明な三角柱ABC-DEFのガラスでできた容器があ
  ります。この容器には水を入れることができ、どのような向きに置いても水は漏れな
  いものとします。また、容器のガラスの厚さは考えません。

    

   まず、この容器に少し水を入れたところ、面DEFを下にして水平な床に置いたとき
  と、面BCFEを下にして水平な床に置いたときとで、容器の下の面から水面までの高
  さが等しくなりました。

    

   次に、この容器に、これまで入っていた量の5/4倍の水をさらに追加したところ、
  面DEFを下にして水平な床に置いたときと、面ABEDを下にして水平な床に置いた
  ときとで、容器の下の面から水面までの高さが等しくなりました。

    

   次の問いに答えなさい。

(1) 長さ c は長さ a の何倍ですか。

(2) 長さ d は、長さ b より何cm長いですか、または、短いですか。

(3) 長さ a は何cmですか。

(4) BEの長さは何cmですか。

(5) 
    

  の状態のあと、この容器に水をさらに追加したところ、面DEFを下にして水平な床に
  置いたときと、面ACFDを下にして水平な床に置いたときとで、容器の下の面から水
  面までの高さが等しくなりました。このとき、等しい水面の高さは何cmですか。


(解)(1) 最初に水を入れて面DEFを下にして水平な床に置いたときの水面の高さをhとお
     くと、題意より、 h=a である。

    また、この容器に、これまで入っていた量の5/4倍の水をさらに追加したので高さは、
    9h/4で、題意より、 9h/4=c である。

    よって、 c=(9/4)a となり、長さ c は長さ a の9/4倍である。

(2) △ABCの面積は、6cm2で、BE=x とおくと、題意より、 6h=(3+b)ax/2

   また、 6h×(9/4)=(4+d)cx/2=(4+d)×(9/4)ax/2 より、

      6h=(4+d)ax/2 なので、 (3+b)ax/2=(4+d)ax/2

   よって、 3+b=4+d となり、 d−b=−1

   したがって、長さ d は、長さ b より 1cm短い。

(3) 4−a : 4=b : 3 より、 b=3(4−a)/4

  同様にして、 3−c : 3=d : 4 より、 d=4(3−c)/3=4−3a

 (2)より、 4−3a−3(4−a)/4=−1 なので、 a=8/9(cm)

(4) (3)より、 c=2、b=7/3、d=4/3 で、 h=8/9 となるので、

   6h=(3+b)ax/2 に代入して、 x=9/4(cm)

(5) 容器に水をさらに追加して、面DEFを下にして水平な床に置いたときの水面の高さをH
  とし、面ACFDを下にして水平な床に置いたときの側面の台形の上底の長さをeとおくと、
  題意より、
         6H=(5+e)H×(9/4)/2 なので、 e=1/3

   このとき、△ABCのACを底辺とする高さyは、 5y/2=6 より、 y=12/5 なので、

    12/5 : 5=(12/5−H) : 1/3 が成り立つ。

   これを解いて、 H=56/25(cm) となる。  (終)


(追記) 平成29年2月5日(日)付け朝日新聞朝刊に平成29年度桜蔭中学入試問題が掲
    載された。面白そうなので挑戦してみた。(一部改題)

1. 次の(  )にあてはまる数を答えなさい。

(1)@ {1.04÷9×(12−5−4/7)−13/42}×(2+23/26)=(  )

  A {7+6/11−(4+1/16)÷6.875}÷{15−((  )+5+1/3)}=6+3/4

(2) 0から9までの1けたの数字10個から、異なる2個の数字を選びます。その2個
   の数字をどちらも1回以上使って4個を並べた数を作ります。ただし、0を使うとき
   は、たとえば、0030は30、0101は101と考えることとします。

 @ このようにしてできる数は全部で(  )個あります。

 A 2020は小さい方から数えて(  )番目の数です。

 B 大きい方から数えて92番目の数は(  )です。


(解)(1)@ {1.04÷9×(12−5−4/7)−13/42}×(2+23/26)
      =(1.04/9)×(45/7)×(75/26)−(13/42)×(75/26)
      =15/7−75/84
      =105/84
      =5/4

 A {7+6/11−(4+1/16)÷6.875}÷{15−((  )+5+1/3)}=6+3/4
    (83/11)−(13/22)=(27/4){(29/3)−(  )}
    (153/22)×(4/27)=(29/3)−(  )
    (  )=(29/3)−(34/33)=285/33=95/11

(2)@ 102×(4!/3!+4!/(2!2!)+4!/3!)=45×14=630(個)

 A 0*** のタイプは、 9×3+9×3+9=63
   1*** のタイプは、 9×3+9×3+9=63
   2000、2002 の次が2020

   より、 63+63+2+1=129(番目)

 B 9*** のタイプは、 9+9×3+9×3=63(個) なので、92番目の数は、8***
   のタイプ。

   89** のタイプは、 4通り
   88** のタイプは、 9+9×2=27通り これで、94個目
    92番目の数は、88** のタイプで小さい方から3番目の数なので、
   8800、8808、8811、8818、8822、8828、8833、・・・ から、答えは、8811


2. 下の図は、AD=DH=16cm、GH=12cmの直方体ABCD-EFGHで、
  AF=20cmです。2つの動く点PとQが同時に出発して、毎秒2cmの速さで点P
  は長方形ADGFの周上を、点Qは三角形CDGの周上を次のように動きます。

 点P:A→D→G→F→A→D→G→・・・
 点Q:G→D→C→G→D→・・・


   

(1) 2点P、Qが初めて出会うのは、2点が出発してから何秒後ですか。
(2) 2点P、Qが4回目に出会うのは、2点が出発してから何分何秒後ですか。


(解) 点Pが長方形ADGFを一周するのに要する時間は、 8→10→8→10 の計36秒
   点Qが三角形CDGを一周するのに要する時間は、 10→6→8 の計24秒

(1) 2点P、Qが初めて出会うのは、線分DG上で、それが出発から x 秒後とすると、

   2x=36−2x から、 x=9  よって、2点が出発してから9秒後に初めて出会う。

(2) 2点P、Qが出会うのは線分DG上である。点Pが線分DG上にある時間は、出発から、

 8〜18、44〜54、80〜90、116〜126、152〜162、・・・

  点Qが線分DG上にある時間は、出発から、

 0〜10、24〜34、48〜58、72〜82、96〜106、120〜130、144〜154、・・・

 よって、2点P、Qが4回目に出会うのは、点Pが点Dを116秒後に出発し、点Qが点Gを
120秒後に出発して線分DG上で出会うので、 (20−2×4)÷2÷2=3

 よって、2点が出発してから、120+3=123(秒後) すなわち、2分3秒後 に4回目の
出会いがある。  (終)


(コメント) こういう問題って、いかにも算数っぽくて好きですね。(1)で方程式を立ててしま
      いましたが、立てなくても 36÷2÷2=9(秒後) としても、直ぐ分かります。


3. 1辺の長さがそれぞれ3cm、12cm、21cmの正方形を底面とする直方体から
  上の面を取り除いてできた3つの水槽A、B、Cを重ねて(Cの中にB、Bの中にA)
  底面を固定した容器がある。この容器を水平な床の上に置き、水槽A、B、のそれ
  ぞれに、蛇口a、b、cから毎秒一定の量の水を同時に入れ始め、全ての水槽が水
  で満たされるまで3つの蛇口から水を入れ続けました。ただし、容器の厚さは考え
  ないものとします。

(1) 下の図は、水を入れ始めてから容器が水で満たされるまでの時間と水面の高さ
   の関係を表したグラフです。水を入れ始めてから(ア)秒後までの水槽Bの水面が
   上昇する速さが毎秒1/27cm、(ウ)が189であるとき、次の@、Aを求めなさい。

  @ 1つの蛇口から1秒間に出る水の量
  A 水槽Cの高さ

    

(2) この容器を空にして、再び3つの蛇口から毎秒一定の量の水を入れました。全
   ての水槽が水で満たされるまでに2分かかったとき、1つの蛇口から1秒間に出
   る水の量を求めなさい。


(解)(1)@ 水槽Bの中に水槽Aがあるので、水槽Bの実際の底面積は、

        12×12−3×3=135(cm2

       よって、1つの蛇口から1秒間に出る水の量は、 135×1/27=5(cm3

A 水槽Aが水で満たされるのに要する時間は、 3×3×15÷5=27(秒)

  水槽Bが水で満たされるのに要する時間は、

    (135×9−5×27)÷10+27=135(秒)

  水槽Cの高さをh(cm)とすると、

    (21×21−12×12)×h−5×135=15×(189−135)

  すなわち、 297h=1485 より、 h=5(cm)

(2) 1つの蛇口から1秒間に出る水の量を x cm3とすると、

  水槽Aが水で満たされるのに要する時間は、 3×3×15÷x=135/x(秒)

  水槽Bが水で満たされるのに要する時間は、

    (135×9−x×(135/x))÷2x+135/x=675/x(秒)

  水槽Cの高さは5cmなので、

    (21×21−12×12)×5−x×(675/x)=3x×(120−675/x)

  すなわち、 1485−675=360x−2025 より、 360x=2835

  よって、1つの蛇口から1秒間に出る水の量は、63/8 cm3 となる。  (終)


(コメント) よく考えられた問題ですね!解いて楽しかったです。


4. 立体1(底面が半径6cmの直円錘(ただし、母線の長さ25cm))、立体2(底面
  が半径3cm、高さ20cmの直円柱)、立体3(底面が半径4cm、高さ15cmの直
  円柱から底面が半径2cm、高さ15cmの直円柱をくりぬいたもの)のそれぞれが
  1個以上あります。

   立体1の下の面は赤、立体2の上下の面は青、立体3の上下の面は黄色に塗ら
  れていて、どの立体もその他の面は全て白く塗られています。このとき、次の問い
  に答えなさい。ただし、円周率は、3.14とします。

(1) 立体1、2、3の1個ずつについて、白く塗られている部分の面積と、赤、青、黄
   色に塗られている部分の面積をそれぞれ求めなさい。

(2) 全ての立体の赤く塗られている部分の面積の合計と、青く塗られている部分の
   面積の合計と、黄色く塗られている部分の面積の合計がどれも同じとき、全ての
   立体の白く塗られている部分の面積の合計は最も少なくて何cm2ですか。

(3) 全ての立体の白く塗られている部分の面積の合計が5652cm2であるとき、立
   体1、2、3はそれぞれ何個ずつありますか。考えられる個数の組を全て答えなさ
   い。ただし、立体1、2、3はどれも異なる個数あるとします。


(解)(1) 白 立体1・・・25×25×3.14×(2×3.14×6)÷(2×3.14×25)
               =25×3.14×6=471(cm2
         立体2・・・2×3.14×3×20=376.8(cm2
         立体3・・・2×3.14×4×15+2×3.14×2×15
               =2×3.14×6×15=565.2(cm2
       赤 立体1・・・6×6×3.14=113.04(cm2
       青 立体2・・・3×3×3.14×2=56.52(cm2
       黄 立体3・・・2×(4×4×3.14−2×2×3.14)
               =2×12×3.14=75.36(cm2

(2) (1)より、立体1、立体2、立体3の個数の比は、 2 : 4 : 3 なので、求める面積は、

  少なくとも 471×2+376.8×4+565.2×3=4144.8(cm2

(3) 題意より、 471×x+376.8×y+565.2×z=5652

  5652は471で割り切れるが、立体2、立体3は0個(同数)となり、不適。よって、立体2、
 立体3は、1個以上ある。このとき、 x≦10、y≦13、z≦9 の範囲で求めればよい。   

 右辺の小数部分がないので、起こり得る組合せは、

 (y,z)=(6,1)、(7,2)、(8,3)、(9,4)、(11,1)、(13,3)、(1,6)、(2,7)、
      (3,8)、(4,9)

 (y,z)=(6,1)のとき、 471×x+376.8×6+565.2×1=5652 より、
            471×x=2826  このとき、 x=6 となり、不適

 (y,z)=(7,2)のとき、 471×x+376.8×7+565.2×2=5652
            471×x=1884  このとき、 x=4

 (y,z)=(8,3)のとき、 471×x+376.8×8+565.2×3=5652
            471×x=942  このとき、 x=2

 (y,z)=(9,4)のとき、 471×x+376.8×9+565.2×4=5652
            471×x=0  このとき、 x=0 となり、不適

 (y,z)=(11,1)のとき、 471×x+376.8×11+565.2×1=5652
            471×x=942  このとき、 x=2

 (y,z)=(13,3)のとき、 471×x+376.8×13+565.2×3=5652
            471×x=−942  このとき、x は負数となり、不適

 (y,z)=(1,6)のとき、 471×x+376.8×1+565.2×6=5652
            471×x=1884  このとき、 x=4

 (y,z)=(2,7)のとき、 471×x+376.8×2+565.2×7=5652
            471×x=942  このとき、 x=2 となり、不適

 (y,z)=(3,8)のとき、 471×x+376.8×3+565.2×8=5652
            471×x=0  このとき、 x=0 となり、不適

 (y,z)=(4,9)のとき、 471×x+376.8×4+565.2×9=5652
            471×x=−942  このとき、x は負数となり、不適

 以上から、考えられる個数の組は、

  (x,y,z)=(4,7,2)、(2,8,3)、(2,11,1)、(4,1,6)


(コメント) 文章は長いが、比較的平易な問題と言えるでしょう。(3)は考えられる個数の組
      をすべて答える問題で、これは少し身構えてしまいますね!

  途中で計算しながら気づいたのですが、471×x+376.8×y+565.2×z=5652
 から、両辺を簡約して、 5x+4y+6z=60 と出来るんですね。


(追記) 平成30年2月4日(日)付け朝日新聞朝刊に平成30年度桜蔭中学入試問題が掲
    載された。面白そうなのをチョイスして挑戦してみた。(一部改題)

T 次の□にあてはまる数、文字を答えなさい。
(2)@ ある整数nを2回かけてできた数を10で割った余りを<n>と表すことにします。
    たとえば、2×2=4 なので、<2>=4
          7×7=49、49÷10=4 あまり 9 なので、<7>=9 です。
    このとき、1から127までの整数で、<n>=4 となる整数nは□個あります。

 A ある整数nを2回かけてできた数を15で割った余りを≪n≫と表すことにします。
   このとき、17を17回かけた数をmとすると、≪m≫=□ です。

(解)@ 題意より、 n=10m+k とおける。

 ただし、m=0 のとき、整数kは、1≦k≦9 を満たす。m=12 のとき、整数kは、
0≦k≦7 を満たす。それ以外のm(1≦m≦11)のとき、整数kは、0≦k≦9 を満たす。

 <n>=k2=4 を満たす整数kは、 k=2、8

 k=2 のとき、適するmは、 m=0、1、2、・・・、12 の13個

 k=8 のとき、適するmは、 m=0、1、2、・・・、11 の12個

  よって、求める整数nは、 13+12=25(個)ある。

A 1717=(15+2)17≡217 (mod 15) より、 (17172≡234 (mod 15)

  ここで、 24≡1 (mod 15) なので、 234=(248・22≡4 (mod 15)

  よって、 ≪1717≫=4 となる。


(コメント) Aは少し大人げない解法だったかな?

(3) 47人のクラスで、5月7日月曜日から出席番号順に7人ずつ教室掃除をします。
  つまあり、5月7日は1番から7番、5月8日は8番から14番の人が掃除をします。日曜
  日と祝祭日は掃除はしません。5月7日に掃除をした7人がそろって次に掃除をするの
  は、□月□日□曜日です。

(解) 47=7×6+5、47+5=7×7+3、47+3=7×7+1、47+1=7×6+6

   47+6=7×7+4、47+4=7×7+2、47+2=7×7、47=7×6+5 より、

   5月7日月曜日から数えて、 6+7+7+6+7+7+7+1=48(日目)に再度同じ

  番号の人が掃除をする。単純計算して、月曜から土曜の週は、全部で、48÷6=8(週)

  ただし、この期間に祝祭日はないので、再度同じ番号の人が掃除をするのは、8週目の

  最終日となる。よって、6月30日土曜日となる。


V 1冊あたりの税込み定価が100円のノートをA店、B店、C店で売っています。売り方は
次の通りです。

A店:10冊を束にして1束目は1000円で販売。2束以上買うと、2束目からは800円で販
   売。1冊単位では買えません。
B店:1冊単位で定価で販売。10冊買う毎に2冊のおまけがつきます。
C店:1冊単位で販売。値段はすべて定価の8%引きになります。

 今、3店のうち1店または2店でノートを買うことにします。
(1)20冊のノートを手に入れるためには最低いくらかかりますか。ただし、ノートは余分に
  手に入れてもよいものとします。
(2)4900円以内で手に入れることができるノートは最大何冊ですか。
(3)(2)で求めた冊数を4900円未満で手に入れるとき、それぞれの店で何冊ずつ手に入
  れればよいですか。考えられる組をすべて書きなさい。

(解) 売り方をまとめると、
  A店: 最初の10冊は、1000円。次の10冊は、800円。・・・
  B店: 1冊目は100円、2冊目は・・・・・・・・・・、10冊買うと1000円で12冊手に入る。
  C店: 1冊目は92円、2冊目は92円、・・・・・・・・・・。

(1) A店のみで20冊 → 1800円
   B店のみ → 2000円 ただし、24冊手に入る。
   C店のみ → 92円×20=1840円

  よって、B店で10冊買うと代金は1000円で12冊手に入る。残りの8冊をC店で買うこと
 にすれば代金は、92円×8=736円。

  以上から、20冊のノートを手に入れるためには最低1736円かかる。

(2) A店のみだと、1000円×1+800円×4=4200円 で、50冊手に入る。
   残りの700円分で、C店より、92円×7=644円買い、7冊手に入る。以上で、57冊。

   B店のみだと、1000円×4=4000円 で、48冊手に入る。
   残りの900円分で、C店より、92円×9=828円買い、9冊手に入る。以上で、57冊。

   C店のみだと、92円×53=4876円 で、53冊しか買えない。

  以上から、4900円以内で手に入れることができるノートは最大57冊。

(3) 考えられる組は、全部で10通り。

10
A店 50
B店 48 49 50 51 52 53 54 55 56
C店



(追記) 平成30年2月6日(火)付け朝日新聞朝刊に平成30年度開成中学入試問題が掲
    載された。面白そうなのをチョイスして挑戦してみた。(一部改題)

1(2)赤球、青球、黄球が2個ずつ6個あります。同じ色の球が隣り合わないように6個すべ
   てを左から右へ一列に並べます。このような並べ方は何通りあるか求めなさい。ただし、
   同じ色の球は区別しないことにします。

 順列・組合せの公式を使おうとするも挫折。素直に樹形図で攻めるのが良さそうだ。

(解) 一番左が赤球でその隣が青球のとき、

    赤−青−赤−青 は起こりえない。
    赤−青−赤−黄−青−黄
    赤−青−黄−赤−青−黄
    赤−青−黄−赤−黄−青
    赤−青−黄−青−赤−黄
    赤−青−黄−青−黄−赤  の5通り

 一番左とその隣の組合せ 赤−黄、青−赤、青−黄、黄−赤、黄−青 でも同様。

 よって、求める場合の数は、 5×6=30(通り)


(3) 川の上流のA町と下流のB町の間を船で往復します。A町からB町までは42分かかり、
  B町からA町までは1時間52分かかります。船の静水での速さは川の流れる速さの何倍
  か答えなさい。船の静水での速さと、川の流れる速さはそれぞれ一定とします。

(解) A町とB町の間の距離をL、船の静水での速さをV、川の流れる速さをWとすると、

   L/(V+W)=7/10 、L/(V−W)=28/15 なので、

   (7/10)(V+W)=(28/15)(V−W)

   よって、 35V=77W より、 V=(11/5)W

   以上から、船の静水での速さは川の流れる速さの2.2倍


(コメント) 文字を使った解法だが、算数的にはどう解くのだろう?


(4) 容器Aには濃度1.62%の食塩水が600g、容器Bには濃度の分からない食塩水が
  400g入っています。Aの食塩水のうちNgをBに移してよくかき混ぜたのち、同じNgをA
  に戻しました。さらにまた同じことを繰り返したところ、A、Bの食塩水の濃度は、順に
  1.88%と2.04%になりました。最初のBの食塩水の濃度を求めなさい。

 当HPの「意外な実験」での考察が役に立ちそうだ。

(解) 容器Bの食塩水の濃度を x %とする。A→BおよびB→Aの操作の前と後で食塩量
   は不変なので、

   (0.0162×600+(x/100)×400=0.0188×600+0.0204×400

    9.72+4x=11.28+8.16 より、 4x=9.72 すなわち、 x=2.43(%)


(5) 下の図は、ある立体の展開図です。B、C、Dは一辺が6cmの正方形、A、E、Fは直
  角二等辺三角形、Gは正三角形です。この立体の体積を求めなさい。

     

(解) 元の立体は、一辺が6cmの立方体から角の三角錐を取り除いた下図の通りである。

     

 立方体の体積は、6×6×6=216(cm3

 三角錐の体積は、6×6×(1/2)×6×(1/3)=36(cm3

 よって、求める立体の体積は、 216−36=180(cm3


(6) 面積が9cm2である正六角形ABCDEFの各辺の中点を結んで新しい正六角形を作
  ります。新しい正六角形の面積を求めなさい。下の図の点Oは対称の中心です。

    

(解) 元の正六角形と新しい正六角形の相似比は、 2: なので、面積比は、 4:3

   よって、新しい正六角形の面積は、 9×(3/4)=27/4(cm2


(7) 下の図において、四角形ABCDは正方形で、BE=EF=FC、CG=GD です。

(@) 三角形AIJと四角形ABCDの面積比を最も簡単な整数の比で答えなさい。

(A) 四角形HIJKと四角形ABCDの面積比を最も簡単な整数の比で答えなさい。

    

(解)
    

(@) 上図において、四角形ABCDの面積=9、△AEFの面積=3/2

   AI : IE=6:1 なので、△AIFの面積=(3/2)(6/7)=9/7

   AJ : JF=3:1 なので、△AIJの面積=(9/7)×(3/4)=27/28

  よって、 三角形AIJと四角形ABCDの面積比は、 27/28 : 9=3 : 28 となる。

(A) 上図において、四角形ABCDの面積=9、△AEFの面積=3/2

   AH : HE=3:1 なので、△AHFの面積=(3/2)(3/4)=9/8

   AK : KF=3:2 なので、△AHKの面積=(9/8)(3/5)=27/40

  よって、 四角形HIJKの面積=△AIJ−△AHK=27/28−27/40=81/280 より、

  四角形HIJKと四角形ABCDの面積比は、 81/280 : 9=9 : 280


2.直線上に中心を持つ半円が上下交互に繋がった「道路」があります。この道路の一番左
 の点をAとします。

    

 1/7を小数で表し、その小数第1位の数字を1番目の半円の半径、小数第2位の数字を
2番目の半円の半径、・・・ とします。

 Aからこの道路を道のり2018m進んだ地点は、左から何番目の半円上の点となるか、答
えなさい。

(解) 1/7=0.142857142857・・・ と循環する小数である。

  1周期分の円弧の長さは、円周率を3.14として、

   (1+4+2+8+5+7)×3.14=27×3.14=84.78

  よって、 2018÷84.78=23.802・・・

   84.78×23=1949.94   2018−1949.94=68.06

  そこで、 1×3.14=3.14 ・・・・・ 3.14
       4×3.14=12.56 ・・・・・ 15.7
       2×3.14=6.28 ・・・・・ 21.98
       8×3.14=25.12 ・・・・・ 47.1
       5×3.14=15.7 ・・・・・ 62.8
       7×3.14=21.98 ・・・・・ 84.78

 したがって、求める点は、左から 6×(23+1)=144番目の半円上にある。


3. 正方形のマスの中に、1は1個、2は2個、3は3個のように整数nはn個使い、ある整
  数から連続した3種類以上の整数を図のように小さい順に並べます。

    

 図1では3マス四方の正方形に、2を2個、3を3個、4を4個、ちょうど並べきりました。図2、
図3では、6マス四方の正方形に11から13まで、1から8までの整数をちょうど並べきりまし
た。(6マス四方に並べる並べ方はこの2通り以外ありません。)

 図1の解を、【2〜4】、図2の解を、【11〜13】、図3の解を、【1〜8】と表すことにします。

 次の問いに答えなさい。(1)、(2)では、2通り以上の並べ方がある場合は、すべて答える
こと。

(1) 7マス四方の正方形にちょうど並べきるには、いくつからいくつまでの整数を並べれば
  よいですか。

(2) 10マス四方の正方形にちょうど並べきるには、いくつからいくつまでの整数を並べれ
  ばよいですか。

(3) 30マス四方の正方形にちょうど並べきる並べ方は何通りありますか。また、それぞれ
  の並べ方は何種類の整数を使うか求めなさい。
  (6マス四方の正方形にちょうど並べきる並べ方は図2、図3の【11〜13】、【1〜8】の2
  通りです。この場合には2通りの並べ方があり、それぞれ[3,8]種類の整数を使う」と答
  えること。また、種類を示す整数は小さい順に並べること。)

(解)(1) 72=49 で、 n+(n+1)+・・・+m=49 となる n、m (n≦m)を見つければよい。

     (n+m)・d=98=2・72

   d≧3 に注意して、

     d=7 のとき、 n+m=n+(n+6)=2n+6=14 より、 n=4 、m=10
     d=14 のとき、 n+m=n+(n+13)=2n+13=7 は解なし。
     d=49 のとき、 n+m=n+(n+48)=2n+48=2 は解なし。

    よって、解は、【4〜10】

(2) 102=100 で、 n+(n+1)+・・・+m=100 となる n、m (n≦m)を見つければ
  よい。

     (n+m)・d=200=23・52

   d≧3 に注意して、

     d=4 のとき、 n+m=n+(n+3)=2n+3=50 は解なし
     d=5 のとき、 n+m=n+(n+4)=2n+4=40 より、 n=18 、m=22
     d=8 のとき、 n+m=n+(n+7)=2n+7=25 より、 n=9 、m=16
     d=10 のとき、 n+m=n+(n+9)=2n+9=20 は解なし
     d=20 のとき、 n+m=n+(n+19)=2n+19=10 は解なし
     d=25 のとき、 n+m=n+(n+24)=2n+24=8 は解なし
     d=40 のとき、 n+m=n+(n+39)=2n+39=5 は解なし
     d=50 のとき、 n+m=n+(n+49)=2n+49=4 は解なし
     d=100 のとき、 n+m=n+(n+99)=2n+99=2 は解なし
     d=200 のとき、 n+m=n+(n+199)=2n+199=1 は解なし

    よって、解は、【18〜22】、【9〜16】

(3) 302=900 で、 n+(n+1)+・・・+m=900 となる n、m (n≦m)を見つけれ
  ばよい。

     (n+m)・d=1800=23・32・52

  d≧3 に注意して、

  d=3、4、5、6、8、9、10、12、15、18、20、24、25、30、36、40、45、50、60、
    72、75、90,100、120150、180、200、225、300、360、450、600、900、
    1800

 このうち、d=4、6、10、12、18、20、30、36、45、50、60、72、75、90,100、
         120150、180、200、225、300、360、450、600、900、1800

  については、解はない。解があるのは、d=3、5、8、9、15、24、25、40 の8通り。

 よって、[3、5、8、9、15、24、25、40]種類の整数を使う。


(コメント) 整数論の知識を用いればもっと美しく解けると思われるが、小学生になった気分
      で泥臭く解いてみました。


(追記) 筑波大学附属駒場中学(平成30年度入試)から面白そうな問題に挑戦してみた。

[3] 三角形ABCの内側に点Pがあり、Pから辺BC、CA、ABにそれぞれ垂直な線を引き、
  交わった点を順に、D、E、Fとします。次の問いに答えなさい。

(2) 下の図のように、三角形ABCは正三角形であり、AFの長さは7cm、BDの長さは8cm、
   CEの長さは10cmです。このとき、正三角形の一辺の長さを求めよ。

   


 一見すると難しそうなのだが、(1)に(2)に繋がる補助線のヒントも与えられているので、次
のように考えることは、ほぼ一本道だろう。

   

(解) △ABCの各辺に平行に点Pを通る直線を引き、△ABC内に小正三角形を作る。

   このとき、 8−y=2x 、7−x=2z 、10−z=2y が成り立つので、

  3式を辺々加えて、 25=3(x+y+z) より、 x+y+z=25/3

  このとき、正三角形の一辺の長さは、 2(x+y+z)=50/3


(追記) 平成31年2月12日付け

 平成31年2月6日(水)付け朝日新聞朝刊に平成31年度桜蔭中学入試問題が掲載され
た。いくつか面白そうな問題があったので、小学生になったつもりで考えてみた。

T(1) (3+5/24+0.225)÷(1+11/15)−1.25×10/13 を計算せよ。

(解) 与式=(3+5/24+9/40)÷(1+11/15)−(5/4)×10/13

      =(3+52/120)÷(26/15)−(25/26)

      =(103/30)÷(26/15)−(25/26)

      =(103/52)−(25/26)

      =53/52(=1+1/52)  (終)


(コメント) いろいろ計算の工夫を考えてみましたが上記のように真面目に計算するしかな
      いですかね?


T(2)平成31年2月1日は金曜日です。元号が平成になってから、うるう年は( )回
  あり、3回目のうるう年の2月29日は( )曜日でした。ただし、次にうるう年になる
  のは2020年で、平成になってからうるう年は4年ごとにありました。


(解) 1989年から2018年まで、うるう年は、

   1992年、1996年、2000年、2004年、2008年、2012年、2016年 の7回

  3回目のうるう年は2000年で、3月1日〜12月31日は、306日間

  2001年〜2018年までの18年間は、 365×14+366×4=6574日間

  2019年1月1日〜2月1日は、32日間

   以上の合計は、 306+6574+32=6912日間

  ここで、 6912÷7=987・・・3 なので、2000年3月1日は水曜日

  よって、3回目のうるう年の2月29日は、火曜日となる。  (終)


(コメント) 上記では日数計算で求めたが、365÷7=52・・・1なので、平成31年2月1日
      が金曜日ならば、前年の2月1日は木曜日となり、1つ分繰り上がる。特に、うる
      う年は2つ分繰り上がる。このように考えると、2000年2月1日は火曜日となり、
      よって、2月29日も火曜日となる。


 次の問題は題意の理解に戸惑い解答方針が立てにくい。難問の部類に入るかな?

W 右の図のようなかわった時計があります。この時計
 には、7から17までの数字と目盛りが書いてあります。
 7と8、8と9、9と10、・・・、16と17の目盛りの間隔は、
 すべて等しいとします。午前7時を7時0分、午後1時を
 13時0分のように表すことにします。8時0分のとき、右
 の図のように時計の長針は7、短針は8を指します。長
 針と短針は右回りになめらかに動きます。
  

 長針は次の@Aの規則に従って動きます。
@ 長針は7時0分から17時0分までは60分で1周します。このとき、長針と短針は
  それぞれ一定の速さで動きます。
A 長針は17時0分から翌日の7時0分までは168分で1周します。このとき、長針
  と短針はそれぞれ一定の速さで動きます。

 長針が1周する間に短針が回転する角度は、@のときもAのときも同じで、短針は
24時間で1周します。ただし、普通の時計と同じように1時間は60分です。

(1) 次の(  )にあてはまる数を答えなさい。

 長針が1周する間に短針が回転する角度は(  )°です。
 時刻が12時45分のときの長針と短針のつくる角の大きさは(  )°です。
 ただし、長針と短針のつくる角の大きさは0°以上180°以下とします。

(2) 10時0分から11時0分までの1時間で、長針と短針のつくる角の大きさが60°
  になる時刻は何時何分ですか。すべて求めなさい。

(3) 17時0分から翌日の7時0分の間で、長針と短針が重なる時刻は何時何分です
  か。すべて求めなさい。


(解)(1) 長針は17時0分から翌日の7時0分までは168分で1周するので、

      60×14÷168=5 すなわち、長針は5周することになる。

     長針は、7時0分から17時0分までは、10周するので、合わせて1日で、15周

    したがって、短針は、長針が1周する間に 360°÷15=24°回転する。

   時刻が12時45分のとき、長針の位置は、「7」から右回りに測って、270°

   短針の位置は、「7」から右回りに測って、 24°×(5+3/4)=138°

   よって、長針と短針のつくる角の大きさは、 270°−138°=132°

(2) 求める時刻を10時m分とすると、

  長針の位置は、「7」から右回りに測って、360°×(m/60)=6°×m

  短針の位置は、「7」から右回りに測って、24°×(3+m/60)=72°+(2/5)°×m

 よって、題意より、  72°+(2/5)°×m±60°=6°×m

 すなわち、 (28/5)°×m=12°または 132°より、 m=15/7 、165/7

  以上から、求める時刻は、 10時(2+1/7)分 、10時(23+4/7)分


(コメント) 上記では文字mを用いてしまったが、文字を用いない解法ももちろん存在する。
      相対速度の考え方を用いる。


(別解) 10時までに短針は、24°×3=72°進んでいる。

     短針は、60分で24°進むので、毎分0.4°進む。

     長針は、60分で360°進むので、毎分6°進む。

   よって、短針を固定したときの長針の進む速さは、 6°−0.4°=5.6°

   題意より、長針と短針のつくる角の大きさが60°なので、

    (72°−60°)÷5.6°=15/7(分)

    (72°+60°)÷5.6°=165/7(分)

  以上から、求める時刻は、 10時(2+1/7)分 、10時(23+4/7)分


(3) これも相対速度の考え方で求めた方がいい問題だろう。

 17時0分から翌日の7時0分の間で、

  長針は、168分で360°なので、毎分360°/168=(15/7)°

  短針は、168分で24°なので、毎分24°/168=(1/7)°

 なので、短針を固定したときの長針の相対速度は、 (15/7)°−(1/7)°=2°

 短針の位置が「17」にあるとき、「7」の位置から右回りに測って、24°×10=240°

 この240°の位置に長針が届くには、 240°÷2°=120(分) かかる。

 よって、 17+2=19 より、 19時0分に長針と短針が重なる。

 この「19」の位置から長針が1周してまた長針と短針が重なるのは、

 360°÷2°=180(分) かかる。以下、同様にして、長針と短針が重なるのは、

 22時0分 、1時0分 、4時0分 、7時0分

 以上から、求める時刻は、

 19時0分 、22時0分 、1時0分 、4時0分 、7時0分  (終)


(追記) 平成31年3月4日付け

V 空の大きな水そう a、b、c と、容器A、B、Cが1つずつあります。容器A、B、Cに
  入れることができる食塩水の重さは、合わせて600gです。3つの容器にそれぞれ
  食塩水をいっぱいになるまで入れてから、3つの容器に入れた食塩水をすべて1つ
  の水そうに移す、という作業をします。
   容器A、B、Cのすべてに濃度が10%の食塩水をいっぱいになるまで入れたあと、
  水そうaに移しました。

(1)容器A、B、Cにそれぞれ濃度が15%、10%、10%の食塩水をいっぱいになる
  まで入れたあと、水そうbに移し、さらに水そうbに水を100g入れると、水そうaと
  水そうbの濃度は同じになりました。容器Aには何gの食塩水が入りますか。

(2)容器A、B、Cにそれぞれ濃度が12%、7%、13%の食塩水をいっぱいになるま
  で入れたあと、水そうcに移したところ、水そうaと比べて水そうcに含まれる食塩の
  量は5.8g多くなりました。容器Bには何gの食塩水が入りますか。


(解) 容器A、B、Cに入る食塩水の重さをA、B、Cで表すとき、 A+B+C=600

(1) 0.15A+0.1B+0.1C=0.1×700=70

   0.1A+0.1B+0.1C=60 なので、 0.05A=10 よって、 A=200g

(2) 0.12×200+0.07B+0.13(400−B)=65.8 より、 B=170g  (終)


(コメント) 方程式を用いて解いていますが、算数的な解法も存在するでしょう。桜蔭の受験
      生にとっては、絶対完答すべき平易な問題でした。


(追記) 平成31年3月7日付け

U (1)半径6cm、中心角19度の扇形Aの紙と,半径3cm、中心角19度の扇形B
    の紙がたくさんあります。

              

(イ) Aの紙だけを下図のようにはり合わせて円を作ります。のりしろ部分の面積の合
 計がいちばん小さくなるようにはり合わせたとき、のりしろ部分の面積の合計は
 何cm2ですか。

       

(ロ) A、Bの紙を下図のようにAとBが必ず交互になるように、平らにはり合わせます。
 のりしろ部分の面積の合計がいちばん小さくなるようにはり合わせたとき、できた図
 形の周の長さは何cmですか。

      

 (イ)(ロ)において,最後にはる紙は1枚目の紙にはり合わせ、のりしろ部分の扇形
の中心角はどれも3度以上になります。また、紙が3枚上重なる部分はありません。


(解)(1) のりしろ部分の扇形の中心角をθとおき、のりしろ部分の個数を n 個とすると、

  題意より、 (19°−θ)×n=360°

  ここで、θ≧3°なので、19°−θ≦16°より、n≧360/16=22.5

  nは自然数なので、最小値は、23個

 このとき、 (19°−θ)×23=360°より、 θ=19°−360°/23=77°/23

 よって、のりしろ部分の面積の合計は、

  36π×(77°/23)×23÷360°=24.178(cm2

(2) のりしろ部分の扇形の中心角をθとおき、のりしろ部分の個数を n 個とすると、

  (1)と同様にして、 n≧360/16=22.5

  題意より、AとBが必ず交互になるので、nは偶数。よって、nの最小値は、24個

 このとき、 (19°−θ)×24=360°より、 θ=19°−360°/24=4°

 よって、求める図形の周の長さは、

  12π×19°×12÷360°+6π×11°×12÷360°+6×12

 =49π/5+72=102.772(cm)


(追記) 平成31年2月22日付け

 平成31年2月5日(火)付け朝日新聞朝刊に平成31年度開成中学入試問題が掲載され
た。いくつか面白そうな問題があったので、小学生になったつもりで考えてみた。

3. 空間内または平面上に引かれた道を選んで、点Aから点Bまで移動するとき、そ
  の移動経路が何通り在るかを考える。点Aと点Bを結ぶ太線が通ることが出来る
  道である。これらの道を、右、上または奥の何れかの方向に進むことで、点Aから
  点Bまで移動するとき、考えられる移動経路は、≪図1≫、≪図2≫のそれぞれに
  ついて何通りありますか。

(1) 次の≪図1≫は、一辺の長さが1の立方体を4個組み合わせたものである。

  (解) 平面で考えて、 52=10(通り)  (終)

 次の≪図2≫は一辺の長さが1の立方体を4個組み合わせたものである。

  (解) A→C→B は、 1×31=3(通り)
      A→D→E→B で、1,2,3,4,5,6のどこで上に
    上がるかで場合分けすれば、
  1→3通り、2→2通り、3→1通り、4→1通り、5→2通り、
  6→3通り
   A→D→F→B は、1×31×1=3(通り)

 よって、 3+12+3=18(通り)  (終)

(2)  次のような規則に従ってこれらの道を通り、点Aから点Bまで移動することを考
   える。

  規則:一回だけ左に1進み、それ以外は右または上に進む

 ただし、進む方向を変更できるのは正方形の頂点の場所だけである。点Aに戻った
り、点Bから戻ったりは出来ない。また、規則に従う限り、同じ道を2回以上通ることも
可能である。


 次の≪図3≫、≪図4≫、≪図5≫のそれぞれについて、考えられる移動経路は何
通りあるか。

 次の≪図3≫は一辺の長さが1の正方形を2個並べたものである。

  (解) 2,4,6のどこかで左に進むので、
     2→3通り、4→4通り、6→3通り

    よって、 3+4+3=10(通り)  (終)

 次の≪図4≫は一辺の長さが1の正方形を3個並べたものである。

  (解) 2,3,4,6,7,8のどこかで左に進むので、
     2→4通り、3→3通り、4→2通り、
     6→2通り、7→3通り、8→4通り

    よって、 2(4+3+2)=18(通り)  (終) 

 次の≪図5≫は一辺の長さが1の正方形を6個並べたものである。

  (解) 2,3,4,6,7,8,10,11,12のどこかで左に進むので、
     2→10通り、3→6通り、4→3通り、
     6→8通り、7→9通り、8→8通り
     10→3通り、11→6通り、12→10通り

    よって、 2(10+6+3+8)+9=63(通り)  (終)  

(コメント) 上記の計算では、組合せ(nr)を用いているが、手計算でも十分対応可能で
      しょう。


(追記) 平成31年3月3日付け

1. K君は、自宅からおばさんの家まで、スイカ2つを一人で運ぶつもりでした。ところ
  が、弟のS君が「ぼくも手伝う!」と言ったので、次のようにしました。

 1)K君とS君がそれぞれスイカを1つずつ持って、同時に自宅を出発する。
 2)K君の方がS君より進む速さが速いので、おばさんの家に先に着く。そこで、すぐ
  にスイカを置いて、S君に出会うまで引き返す。
 3)K君は、S君に出会ったらすぐにS君からスイカを受け取り、すぐにおばさんの家
  に向かう。

ここで、K君の進む速さは
 スイカを2つ持っているときは 毎分 60m
 スイカを1つ持っているときは 毎分 80m
 スイカを持っていないときは 毎分 100m
です。

スイカ2つを運び終えたK君がおばさんの家で休んでいると、後から追いかけてきたS
君が到着しました。

S君 「おにいちゃん、ぼく、役に立った?」
K君 「もちろんだよ! ぼくが一人で運ぶつもりだったけど、そうするのに比べて、15/16
   倍の時間で運び終えられたからね。ありがとう!」
S君 「ほんと!? よかった!」

次の問に答えなさい。

(1)K君が一度目におばさんの家に着いてから、二度目におばさんの家に着くまでの
  時間は、K君がはじめに一人でスイカ2つを運ぶのにかかると考えていた時間の何
  倍ですか。

(2)引き返したK君がS君に出会った地点から、おばさんの家までの距離は、自宅か
  らおばさんの家までの距離の何倍ですか。

(3)S君がスイカを1つ持って進む速さは毎分何mですか。


(解) 自宅からおばさんの家までの距離を x m、K君がS君に出会ってからおばさんの家

  までの距離を y m、当初の予定時間をT分とすると、題意より、

    x/80+y/100+y/80=(15/16)T 、 x/60=T

が成り立つ。

(1) 求める時間は、y/100+y/80 なので、

   y/100+y/80=(15/16)T−x/80=(15/16)T−(60/80)T=(3/16)T

  よって、当初の予定時間の 3/16 倍である。

(2) y/100+y/80=(3/16)T=(3/16)(x/60)=(1/320)x より、

   (9/400)y=(1/320)x なので、 y=(5/36)x

  よって、求める距離は、自宅からおばさんの家までの距離の 5/36 倍である。

(3) S君の進む速さを毎分 z mとすると、題意より、

     x/80+y/100=(31/36)x/z

 y=(5/36)x を代入して整理すると、 z(1/80+1/720)=31/36

  よって、 y=(31/36)×72=62 より、S君の進む速さは毎分 62 m  (終)


(コメント) 大人げなく方程式を立てて解いてしまいましたが、算数的なもっとエレガントな解
      法があるのでしょうね...多分!


(追記) 令和2年2月7日付け

 令和2年2月5日(水)付け朝日新聞朝刊に令和2年度開成中学入試問題が掲載された。
いくつか面白そうな問題があったので、小学生になったつもりで考えてみた。

3. クラス全員から決まった金額を集めとき、集めやすくするために次のルールを作
  った。

 ルール1:使えるお金は、1円、5円、10円、50円、100円、500円の6種類の硬
      貨とする。
 ルール2:おつりがないように用意する。
 ルール3:硬貨は、1人につき10枚までとする。

(1) クラス40人から28円ずつ集めることにした。
 (ア)ルールに合うように28円を持ってくる方法は全部で何通りあるか。
 (イ)集まったお金のうち、1円玉が165枚あった。このとき、5円玉を1枚も持ってこ
   なかった生徒は何人か。


(解)(1)(ア) 下表により、4通り

1円 5円 10円

(イ) 40人全員が5円玉を1枚以上は持ってきたとすると、1円玉の個数は、120枚になる。

  ところが、1円玉の個数は、165枚なので、 165−120=45(枚)

  よって、1円玉の個数の差は、8−3=5(枚)なので、 45÷5=9(人)

  したがって、5円玉を1枚も持ってこなかった生徒は、9人。

(2) このルールについて、2人の会話の空所を補充せよ。

 A:硬貨が多くなり過ぎないようにしたけど、このルールだと集められない金額がある
  ね。
 B:確かに、例えば389円だと、最低でも( @ )枚の硬貨が必要で、ルール3が守
  れないね。
 A:このような金額って、どれくらいあるのかな。
 B:一番低い金額は( A )円だと分かるけど、たくさんありそう。
 A:49円までの金額を用意するのに必要な最低枚数の表を作ってみたよ。

最低枚数(枚) 金額(円) 何通りか(通り)
1、5、10
2、6、11、15、20
3、7、12、16、21、25、30
4、8、13、17、22、26、31、35、40
( B ) ( F )
( C ) ( G )
( D ) ( H )
( E ) ( I )
49

 B:この情報と50円玉、100円玉、500円玉の組み合わせを考えると、ルール1と
  2を守れば、ルール3を守れないものは、300円までの金額では、( J )通りあ
  り、1000円までの金額では、( K )通りあるね。

(解) 389=3×100+1×50+3×10+1×5+4×1 より、

    3+1+3+1+4=12(枚)・・・@

  一番低い金額は、 1×100+1×50+4×10+1×5+4×1=199(円)・・・A

 9=1×5+4×1 ・・・ 必要最低枚数 5枚
 14=1×10+4×1 ・・・ 必要最低枚数 5枚
 18=1×10+1×5+3×1 ・・・ 必要最低枚数 5枚
 19=1×10+1×5+4×1 ・・・ 必要最低枚数 6枚
 23=2×10+3×1 ・・・ 必要最低枚数 5枚
 24=2×10+4×1 ・・・ 必要最低枚数 6枚
 27=2×10+1×5+2×1 ・・・ 必要最低枚数 5枚
 28=2×10+1×5+3×1 ・・・ 必要最低枚数 6枚
 29=2×10+1×5+4×1 ・・・ 必要最低枚数 7枚
 32=3×10+2×1 ・・・ 必要最低枚数 5枚
 33=3×10+3×1 ・・・ 必要最低枚数 6枚
 34=3×10+4×1 ・・・ 必要最低枚数 7枚
 36=3×10+1×5+1×1 ・・・ 必要最低枚数 5枚
 37=3×10+1×5+2×1 ・・・ 必要最低枚数 6枚
 38=3×10+1×5+3×1 ・・・ 必要最低枚数 7枚
 39=3×10+1×5+4×1 ・・・ 必要最低枚数 8枚
 41=4×10+1×1 ・・・ 必要最低枚数 5枚
 42=4×10+2×1 ・・・ 必要最低枚数 6枚
 43=4×10+3×1 ・・・ 必要最低枚数 7枚
 44=4×10+4×1 ・・・ 必要最低枚数 8枚
 45=4×10+1×5 ・・・ 必要最低枚数 5枚
 46=4×10+1×5+1×1 ・・・ 必要最低枚数 6枚
 47=4×10+1×5+2×1 ・・・ 必要最低枚数 7枚
 48=4×10+1×5+3×1 ・・・ 必要最低枚数 8枚

 以上から、B→ 9、14、18、23、27、32、36、41、45  F→ 9
       C→ 19、24、28、33、37、42、46  G→ 7
       D→ 29、34、38、43、47  H→ 5
       E→ 39、44、48  I→ 3

 ルール3を守れないもの

 1〜49で必要最低枚数9(49)のとき、300円以内のものは、
  2枚追加・・・ 1×50+1×100(→ 199)、2×100(→ 249)
  3枚追加・・・ 1×50+2×100(→ 299)

  金額は、 199、249、299

 1〜49で必要最低枚数8(39、44、48)のとき、300円以内のものは、
  3枚追加・・・ 1×50+2×100(→ 289、294、298)

  金額は、 289、294、298

 以上から、ルール3を守れないもので300円以内の金額は、

  199、249、299、289、294、298

の6通り・・・J

 同様にして、

 ルール3を守れないもの

 1〜49で必要最低枚数9(49)のとき、1000円以内のものは、
  2枚追加・・・ 1×50+1×100(→ 199)、2×100(→ 249)
          1×50+1×500(→ 599)、1×100+1×500(→ 649)
  3枚追加・・・ 1×50+2×100(→ 299)、3×100(→ 349)、
          1×50+1×100+1×500(→ 699)、2×100+1×500(→ 749)
  4枚追加・・・ 1×50+3×100(→ 399)、4×100(→ 449)、
          1×50+2×100+1×500(→ 799)、3×100+1×500(→ 849)
  5枚追加・・・ 1×50+4×100(→ 499)、1×50+3×100+1×500(→ 899)、
          4×100+1×500(→ 949)
  6枚追加・・・ 1×50+4×100+1×500(→ 999)

  金額は、 199、249、599、649、299、349、699、749、399、449、799、
        499、849、899、949、999  16個

 1〜49で必要最低枚数8(39、44、48)のとき、1000円以内のものは、
  3枚追加・・・ 1×50+2×100(→ 289、294、298)、
          3×100(→ 339、344、348)、2×100+1×500(→ 739、744、748)、
          1×50+1×100+1×500(→ 689、694、698)
  4枚追加・・・ 1×50+3×100(→ 389、394、398)、
          4×100(→ 439、444、448)、3×100+1×500(→ 839、844、848)、
          1×50+2×100+1×500(→ 789、794、798)
  5枚追加・・・ 1×50+4×100(→ 489、494、498)、
          4×100+1×500(→ 939、944、948)、
          1×50+3×100+1×500(→ 889、894、898)
  6枚追加・・・ 1×50+4×100+1×500(→ 989、994、998)

  金額は、 289、294、298、339、344、348、739、744、748、689、694、698、
        389、394、398、439、444、448、839、844、848、789、794、798、
        489、494、498、939、944、948、889、894、898、989、994、998
                                                   36個

 1〜49で必要最低枚数7(29、34、38、43、47)のとき、1000円以内のものは、
  4枚追加・・・ 1×50+3×100(→ 379、384、388、393、397)、
          4×100(→ 429、434、438、443、447)、
          3×100+1×500(→ 829、834、838、843、847)、
          1×50+2×100+1×500(→ 779、784、788、793、797)
          
  5枚追加・・・ 1×50+4×100(→ 479、484、488、493、497)、
          1×50+3×100+1×500(→ 879、884、888、893、897)、
          4×100+1×500(→ 929、934、938、943、947)
  6枚追加・・・ 1×50+4×100+1×500(→ 979、984、988、993、997)

  金額は、 379、384、388、393、397、429、434、438、443、447、829、834、
        838、843、847、779、784、788、793、797、479、484、488、493、
        497、879、884、888、893、897、929、934、938、943、947、979、
        984、988、993、997 40個

 1〜49で必要最低枚数6(19、24、28、33、37、42、46)のとき、1000円以内のものは、
  5枚追加・・・ 1×50+4×100(→ 469、474、478、483、487、492、496)、
          1×50+3×100+1×500(→ 869、874、878、883、887、892、896)、
          4×100+1×500(→ 919、924、928、933、937、942、946)
  6枚追加・・・ 1×50+4×100+1×500(→ 969、974、978、983、987、992、996)

  金額は、 469、474、478、483、487、492、496、869、874、878、883、
        887、892、896、919、924、928、933、937、942、946、969、974、
        978、983、987、992、996  28個

 1〜49で必要最低枚数5(9、14、18、23、27、32、36、41、45)のとき、1000円以
内のものは、

  6枚追加・・・ 1×50+4×100+1×500
          (→ 959、964、968、973、977、982、986、991、995)

  金額は、 959、964、968、973、977、982、986、991、995  9個

 以上から、 16+36+40+28+9=129個・・・K


(コメント) 地道に数えてみたが、とても大変だった。きっともっとエレガントな求め方がある
      のでしょう。


 DD++さんからのコメントです。(令和2年2月7日付け)

 0円から4円までで最低枚数がその枚数になる金額パターンは、0枚から順に1,1,1,1,1

 0円から9円までで最低枚数がその枚数になる金額パターンは、n枚の場合、5円玉があって
他種でn-1枚か、5円玉がなくて他種でn枚かで考えればよく、つまり、隣り合う2数を足せばい
い(端は個数が減りますが)ので、0枚から順に1,2,2,2,2,1

 0円から49円までで最低枚数がその枚数になる金額パターンは、同様に10円玉が0枚から
4枚で場合分けするので、隣り合う5数を足して行って、0枚から順に1,3,5,7,9,9,7,5,3,1
(これがすでに表になっているので、実際はここからスタートできる)

 同様に繰り返すと、

 0円から99円までで最低枚数がその枚数になる金額パターンは、
0枚から順に1,4,8,12,16,18,16,12,8,4,1

 0円から499円までで最低枚数がその枚数になる金額パターンは、
0枚から順に1,5,13,25,41,58,70,74,70,58,41,25,13,5,1

 0円から999円までで最低枚数がその枚数になる金額パターンは、
0枚から順に1,6,18,38,66,99,128,144,144,128,99,66,38,18,6,1

 ここから0円(0枚)を除いて1000円(2枚)を加えると、1円から1000円までで最低枚数がそ
の枚数になる金額パターンは、1枚から順に

  6,19,38,66,99,128,144,144,128,99,66,38,18,6,1

ということで、硬貨10枚以内で支払えない金額は、66+38+18+6+1=129通り

#上記の(解)のやり方よりはちょっと早い……いや、そうでもないか……?


(コメント) 上記の(解)での計算で、金種を書かなければもっと見やすくなるかな?

(2) このルールについて、2人の会話の空所を補充せよ。

 A:硬貨が多くなり過ぎないようにしたけど、このルールだと集められない金額がある
  ね。
 B:確かに、例えば389円だと、最低でも( @ )枚の硬貨が必要で、ルール3が守
  れないね。
 A:このような金額って、どれくらいあるのかな。
 B:一番低い金額は( A )円だと分かるけど、たくさんありそう。
 A:49円までの金額を用意するのに必要な最低枚数の表を作ってみたよ。

最低枚数(枚) 金額(円) 何通りか(通り)
1、5、10
2、6、11、15、20
3、7、12、16、21、25、30
4、8、13、17、22、26、31、35、40
9、14、18、23、27、32、36、41、45
19、24、28、33、37、42、46
29、34、38、43、47
39、44、48
49

 B:この情報と50円玉、100円玉、500円玉の組み合わせを考えると、ルール1と
  2を守れば、ルール3を守れないものは、300円までの金額では、( J )通りあ
  り、1000円までの金額では、( K )通りあるね。

 ルール3を守れないもの

 1〜49で必要最低枚数9のとき、300円以内のものは、
  2枚追加・・・ 1×50+1×100、2×100
  3枚追加・・・ 1×50+2×100 で、3×1=3通り

 1〜49で必要最低枚数8のとき、300円以内のものは、
  3枚追加・・・ 1×50+2×100 で、1×3=3通り

 以上から、ルール3を守れないもので300円以内の金額は、3+3=6通り・・・J

 同様にして、

 ルール3を守れないもの

 1〜49で必要最低枚数9のとき、1000円以内のものは、
  2枚追加・・・ 1×50+1×100、2×100、1×50+1×500、1×100+1×500
  3枚追加・・・ 1×50+2×100、3×100、1×50+1×100+1×500、2×100+1×500
  4枚追加・・・ 1×50+3×100、4×100、1×50+2×100+1×500、3×100+1×500
  5枚追加・・・ 1×50+4×100、1×50+3×100+1×500、4×100+1×500
  6枚追加・・・ 1×50+4×100+1×500 で、 16×1=16通り

 1〜49で必要最低枚数8のとき、1000円以内のものは、
  3枚追加・・・ 1×50+2×100、3×100、2×100+1×500、1×50+1×100+1×500
  4枚追加・・・ 1×50+3×100、4×100、3×100+1×500、1×50+2×100+1×500
  5枚追加・・・ 1×50+4×100、4×100+1×500、1×50+3×100+1×500
  6枚追加・・・ 1×50+4×100+1×500 で、 12×3=36通り

 1〜49で必要最低枚数7のとき、1000円以内のものは、
  4枚追加・・・ 1×50+3×100、4×100、3×100+1×500、1×50+2×100+1×500
  5枚追加・・・ 1×50+4×100、1×50+3×100+1×500、4×100+1×500
  6枚追加・・・ 1×50+4×100+1×500  で、 8×5=40通り

 1〜49で必要最低枚数6のとき、1000円以内のものは、
  5枚追加・・・ 1×50+4×100、1×50+3×100+1×500、4×100+1×500
  6枚追加・・・ 1×50+4×100+1×500  で、 4×7=28通り

 1〜49で必要最低枚数5のとき、1000円以内のものは、
  6枚追加・・・ 1×50+4×100+1×500  で、1×9=9通り

 以上から、 16+36+40+28+9=129個・・・K

#少しは見やすくなったかな?それにしても考えさせる問題が昨年度よりも大幅に増えたよ
 うな...雰囲気。


 りらひいさんからのコメントです。(令和2年2月7日付け)

 私ならこう数えるかな。

 1000円は最低枚数2枚である。1000円未満で下二けたが00または50となるものの最低枚
数は、

 50,100,500…1枚
 150,200,550,600…2枚
 250,300,650,700…3枚
 350,400,750,800…4枚
 450,850,900…5枚
 950…6枚

 よって、これらは10枚以内で用意できる。これらの中間の金額の最低枚数は、それより小
さくて一番近い50の倍数の最低枚数とその50の倍数を引いた1〜49の最低枚数を足したも
のになるので、

 10を超えるのは、

 2枚+9枚以上…4*1=4通り
 3枚+8枚以上…4*(3+1)=16通り
 4枚+7枚以上…4*(5+3+1)=36通り
 5枚+6枚以上…3*(7+5+3+1)=48通り
 6枚+5枚以上…1*(9+7+5+3+1)=25通り

 1000円まででルール3を守れないものは、4+16+36+48+25=129通り

# 上記の(解)と大差はなくて結局大変なんですけど。

 ちなみに、300円までのときは、

 2枚+9枚以上…2*1=2通り
 3枚+8枚以上…1*(3+1)=4通り

 よって、 2+4=6通り


(コメント) スッキリ数えられていて感動しました。りらひいさん、DD++さんに感謝します。


(追記) 令和2年2月10日付け

 2020年1月18日(土)に行われた灘中学校の入試問題(1日目)の次の問題に挑戦して
みました。

3. 直線道路上に4地点A、B、C、Dが順に並ぶ。BC間は84m、CD間は1260m
  離れている。最初、XくんはAに、YくんはCにいる。2人がBに向かって同時に歩き
  始めると、同時にBに到着した。また、最初の状態から2人がDに向かって歩き始
  めると、同時にDに到着した。このとき、AB間は何m離れているか。ただし、Xの歩
  く速さはBに向かうときもDに向かうときも同じとし、Yも同様とする。


(解) AB間の距離をaとし、Xくん、Yくんの速さをそれぞれu、vとすると、

 題意より、84/v=a/u 、(a+1344)/u=1260/v

 第2式より、 a/u+1344/u=(84/v)×15 すなわち、 a/u+1344/u=(a/u)×15

 よって、 1344/u=(a/u)×14 より、 a=1344/14=96(m)  (終)


(コメント) 方程式を立てれば上記のように解けるが、意味を考えれば次のように解くのが
      算数的でしょう。

 XくんがAからBにいく時間の15倍で、YくんはCからDにいく。

 XくんがAからBに着いたとき、YくんはXくんがAからBにいく時間だけ進んでいるので、残
り時間は、XくんがAからBにいく時間の14倍。

 この時間でXくんは、1344mを進むことになるので、AB間の距離は、

  1344÷14=96(m)と言える。


(追記) 令和2年2月11日付け

 令和2年2月4日(火)付け朝日新聞朝刊に令和2年度桜蔭中学入試問題が掲載された。
いくつか面白そうな問題があったので、小学生になったつもりで考えてみた。

I.(2) AとBは、お店でお菓子を12個ずつ購入した。Aはそのうちのいくつかを持ち
 帰り、残りはお店で食べた。BはAがお店で食べた個数と同じ個数を持ち帰り、残り
 をお店で食べた。このとき、2人分のお菓子代は税込みで1308円だった。お菓子
 1個の税抜きの値段はいくらか。ただし、消費税は、お店で食べる場合は10%、持
 ち帰る場合は8%かかる。


(解) A、Bがお店で食べたのは計12個、持ち帰ったのも計12個なので、お菓子1個の税
   抜きの値段をKとすると、

     12×K×1.1+12×K×1.08=1308

 よって、 13.2K+12.96K=1308 より、 26.16K=1308  なので、

  K=50  (終)


 PBさんからのコメントです。(令和2年2月12日付け)

 小学生のつもりで解くなら...。

 A、Bがお店で食べたお菓子も持ち帰ったのも12個なので、 1308÷12=109

 これは、8%と10%の税金がかかったお菓子各1個の値段、平均して、9%の税金がか

かったと考えて、

 109÷1.09=100 がお菓子2個の値段。 よって、お菓子1個は、50円

※ このとき、8%の税込みで、54円、10%では、55円となり、小数点以下が出ないので、
  A、Bが何個持ち帰っても題意を満たす。

  ※の記述は小学生に必要でしょうか…。


(コメント) この問題設定の場合、お菓子はすべて同一のもので、しかも消費税8%のもの
      と消費税10%のものが同数であるので、PBさんのような計算が成立すると思い
      ます。


(追記) 令和2年度桜蔭中学入試問題(令和2年2月27日付け)

I.(3) まっすぐな道に柱を立てロープを張り提灯を吊るす。柱と柱の間は5m50cm、
    提灯と提灯の間は1m35cmである。1本目の柱から35cm離れたところに1個
    目の提灯を吊るした。ロープはたるまないものとし、柱の幅は考えない。

 今、柱を10本立て、提灯を吊るした。次の問いに答えよ。
(1) 提灯は全部で何個使ったか。また、10本目の柱に1番近い提灯はその柱から
  何cmのところに吊るしたか。
(2) 柱から35cm以内の部分に吊るした提灯は取り外すことにした。ただし、1個目
  の提灯は外さない。このとき、吊るされたままの提灯は何個あるか。


(解) 絵を描いて求めると、(1) 提灯は37個で、10本目の柱に1番近い提灯はその柱
   から55cmのところに吊るした。

  (2)は、30個

  計算では、 (5.5×9−0.35)÷1.35=36・・・0.55 なので、提灯の個数は、
 36+1=37個で、最後の提灯は、10本目の柱まで、55cm離れている。  (終)


U.(1) 下図のように、縦20m、横40mの長方形の両サイドに直径20mの半円を
     つけた周回路がある。


    

 この周回路を、Aは周の長さ150cnの輪をころがし、Bは周の長さ120cnの輪を
ころがす。輪は滑らないものとする。

(イ) Aがこの周回路を1周すると、輪は何回転するか。

(ロ) A、Bがスタート地点から矢印の向きに、輪を1秒間に1回転させながら出発し
  た。途中、Aは2回コースアウトし、コースに戻るまで計40秒かかった。最後、A、B
  は周回路上のゴール地点に同時にゴールした。A、Bは出発してからゴールするま
  で何周したか。


(解)(イ) 周回路1周は、20×3.14+80=142.8(m) なので、

     142.8÷1.5=95.2(回転)

(ロ) 出発してからゴールまでt秒かかったものとすると、 1.2t=1.5(t−40) より、

   t=200 なので、走行距離は、 200×1.2=240(m)

  よって、 240÷142.8=1+81/119(周)  (終)


(追記) 令和2年2月17日付け

 2020年1月18日(土)に行われた灘中学校の入試問題(1日目)の次の問題に挑戦して
みました。

4. 毎日休みなく製品を作っている工場がある。一日当たりに作る製品の個数は、
  月曜日から金曜日までが同じで、土曜日と日曜日が同じで、土曜日は金曜日より
  少ない。

 ある年、この工場で6月に作った製品は372個、9月に作った製品は366個であっ
た。この年の6月1日は何曜日であるか。また、この年の7月に作った製品は何個で
あるか。


(解) 一日当たりに作る製品の個数を、土曜日と日曜日はm個、月曜日から金曜日までは
   n個とする。題意より、m<nである。

6月1日が日曜日とすると、9月1日は月曜日
 6月の月〜金は、21日、土日は、9日、9月の月〜金は、22日、土日は、8日
 このとき、6月に作った製品は、21n+9m個、9月に作った製品は、22n+8m個
   21n+9m=372 、22n+8m=366 を満たす解はない。

6月1日が月曜日とすると、9月1日は火曜日
 6月の月〜金は、22日、土日は、8日、9月の月〜金は、22日、土日は、8日

 題意より、この場合は起こりえない。

6月1日が火曜日とすると、9月1日は水曜日
 6月の月〜金は、22日、土日は、8日、9月の月〜金は、22日、土日は、8日

 題意より、この場合は起こりえない。

6月1日が水曜日とすると、9月1日は木曜日
 6月の月〜金は、22日、土日は、8日、9月の月〜金は、22日、土日は、8日

 題意より、この場合は起こりえない。

6月1日が木曜日とすると、9月1日は金曜日
 6月の月〜金は、22日、土日は、8日、9月の月〜金は、21日、土日は、9日
 このとき、6月に作った製品は、22n+8m個、9月に作った製品は、21n+9m個
   22n+8m=372 、21n+9m=366 を解くと、m=8、n=14

6月1日が金曜日とすると、9月1日は土曜日
 6月の月〜金は、21日、土日は、9日、9月の月〜金は、20日、土日は、10日
 このとき、6月に作った製品は、21n+9m個、9月に作った製品は、20n+10m個
   21n+9m=372 、20n+10m=366 を満たす解はない。

6月1日が土曜日とすると、9月1日は日曜日
 6月の月〜金は、20日、土日は、10日、9月の月〜金は、21日、土日は、9日
 このとき、6月に作った製品は、20n+10m個、9月に作った製品は、21n+9m個
   20n+10m=372 、21n+9m=366 を満たす解はない。

 以上から、6月1日は木曜日である。

 このとき、7月の月〜金は、21日、土日は、10日なので、製品の個数は、
   21×14+10×8=374(個)


(コメント) 素朴に解いてはみたものの時間がかかりすぎる。もっと上手い解法はないのだ
      ろうか?ちなみに、近年で6月1日が木曜日になるのは、2017年。3年越しの問
      題作成だったのだろうか?


 らすかるさんからのコメントです。(令和2年2月18日付け)

 6月と9月は30日なので、土日の日数は8〜10。

 条件から土日が少ない方が作れる製品が多いので、6月が372個、9月が366個ということ
から、土日の日数は6月が8か9、9月が9か10で、9月の方が土日が多い。

 よって、差は1か2となり、月〜金と土日の製品の個数の差は、

 土日の日数の差が 1 のとき、 (372-366)÷1=6、 2 のとき、 (372-366)÷2=3

 土日に製品の個数が少ない分を足すと30で割り切れなければならないが、

  372+6×8=420 、372+6×9=426 、372+3×8=396 、372+3×9=399

から土日の日数の差は、1 で、土日の日数は、6月が 8、9月が 9 と決まるので、

 6月1日は木曜日、9月1日は金曜日。

 月〜金の製品の個数は、420÷30=14、土日の製品の個数は、14-6=8 であり、7月1日は

30÷7=28・・・2 から、土曜日となり、7月の土日は10回なので、7月の製品の個数は、

 14×21+8×10=374個


(コメント) 土日の日数の差に注目するところに感動しました。全ての場合を網羅する必要
      がないんですね!


 DD++さんからのコメントです。(令和2年2月18日付け)

 6月から8月までで、92日=13週間と1日なので、6月2日と9月1日が同じ曜日、6月3日と9月
2日が同じ曜日、・・・、6月30日と9月29日が同じ曜日となります。

 つまり、差の6個が純粋に6月1日と9月30日の差、と考えればもっと早いでしょうか。


 らすかるさんからのコメントです。(令和2年2月18日付け)

 それは名案!と思いましたが、9月30日が土曜日か日曜日かを確定するために結局計算
は必要なわけで、「土日の日数の差が2」の可能性が排除される程度でしょうか。

 解答を作ることを考えると、上記の内容をある程度説明しなければなりませんので、解答
の分量的にはあまり変わらないような気がします。


 DD++さんからのコメントです。(令和2年2月18日付け)

 灘中入試は結果だけでよかったような。

・6つの差は結局6月1日と9月30日の差
・生産数に6×土日の回数加えたら30の倍数(つまり一の位が0)
・6月の土日回数は3回か8回か13回か……常識的に8回、よって9月は9回
・9月の土日回数が奇数ということは30日は土曜で、翌日曜はもう10月だった
・じゃあ6月1日は曜日を2つ戻って木曜

くらいで答えられますかね。

追記: あ、でも7月の生産数を出すためには結局計算が必要か。


(追記) 令和2年2月23日付け

 2020年1月19日(日)に行われた灘中学校の入試問題(2日目)の次の問題に挑戦して
みました。

4.平面上に1辺の長さが6の正三角形ABCと中心Bで半径6の円がある。この円を
 平面上で次のように移動させるとき、円が通過する部分の面積を求めよ。
                                          (一部改題)

   

(1) 円の中心が辺BC上をBからCまで動く。
(2) 円の中心が辺AB上をBからAまで動いた後、辺AC上をAからCまで動く。


(解)(1)

  36π+12×6−{(36π/6−36/4)×4+(36/4)×2}
  =12π+72+18

(2)

  12π+72+18+36π/6+36π/2−(36π/6−36/4)×2
  =24π+72+36


(追記) 令和2年2月25日付け

 2020年1月19日(日)に行われた灘中学校の入試問題(2日目)の次の問題に挑戦して
みました。

2. この問題では、先頭に0があっても桁数に数えるものとする。

(1) 甲は5桁の数ABCDを紙に書いて乙に渡した。ただし、A、B、C、D、Eに同じ
  数字があってもよいとする。EはA+B+C+Dを10で割った余りである。乙はA、
  B、C、D、Eの中の1個を別の数字に書き換えて丙に渡した。丙が受け取った数
  は「28973」であった。

(ア) 甲が紙に書いたと考えられる5桁の数をすべて書け。
(イ) 甲ははじめと同じ数を再び紙に書いて乙に渡した。乙はA、B、C、D、Eのうち
   先ほどと異なる1個を別の数字に書き換えて丙に渡した。丙が受け取った数は
   「21673」であった。甲が紙に書いたと考えられる5桁の数を求めよ。

(2) 太郎さんは6桁の数PQRSTUを紙に書いて乙に渡した。ただし、P、Q、R、S、
   T、Uに同じ数字があってもよいとする。また、TはP+Q+R+Sを10で割った
   余りで、UはP+Q×3+R×7+S×9を10で割った余りである。
 
  乙はP、Q、R、S、T、Uの中の1個を別の数字に書き換えて丙に渡した。丙が受け
  取った数は「735631」であった。甲が紙に書いたと考えられる6桁の数を求めよ。


(解)(1)(ア) 可能性は次の5通り

   X8973・・・ X+8+9+7=X+24を10で割った余りが3となるので、 X=9
           よって、98973
   2X973・・・ 2+X+9+7=X+18を10で割った余りが3となるので、 X=5
           よって、25973
   28X73・・・ 2+8+X+7=X+17を10で割った余りが3となるので、 X=6
           よって、28673
   289X3・・・ 2+8+9+X=X+19を10で割った余りが3となるので、 X=4
           よって、28943
   2897X・・・ 2+8+9+7=26を10で割った余りが6となるので、 28976

(イ) 21673と1字違いは、 28673

(2) 可能性は次の6通り

   X35631・・・X+3+5+6=X+14≡3→X=9
           このとき、9+3・3+5・7+6・9=107≡7で矛盾
   7X5631・・・7+X+5+6=X+18≡3→X=5
           このとき、7+5・3+5・7+6・9=111≡1で適
   73X631・・・7+3+X+6=X+16≡3→X=7
           このとき、7+3・3+7・7+6・9=119≡9で矛盾
   735X31・・・7+3+5+X=X+15≡3→X=8
           このとき、7+3・3+5・7+8・9=123≡3で矛盾
   7356X1・・・7+3+5+6=21≡1→X=1
           このとき、7+3・3+5・7+6・9=105≡5で矛盾
   73563X・・・7+3+5+6=21≡1で矛盾

  以上から、 755631


(追記) 令和2年2月29日付け

 2020年1月19日(日)に行われた灘中学校の入試問題(2日目)の次の問題に挑戦して
みました。

3. 24時間表示のデジタル時計がある。この時計を24時間動かしたとき、次の条件
  を満たす表示がされている時間は、合わせて何分間か。ただし、表示が変わるの
  にかかる時間は考えないものとする。

(1) 4つの数字のうち、2がちょうど3つある
(2) 4つの数字のうち、2がちょうど2つある
(3) 4つの数字のうち、2がちょうど1つある


(解)(1) **:** で、22:2* のタイプは、9通り 、22:*2 のタイプは、5通り

      2*:22 のタイプは、 3通り 、*2:22 のタイプは、2通り

     以上から、求める場合の数は、 9+5+3+2=19(通り)

(2) 22:** のタイプは、5×9=45(通り) 、2*:2* のタイプは、3×9=27(通り)

  2*:*2 のタイプは、 3×5=15(通り) 、*2:2* のタイプは、2×9=18(通り)

  *2:*2 のタイプは、2×5=10(通り) 、**:22 のタイプは、2×9=18(通り)

 以上から、求める場合の数は、 45+27+15+18+10+18=133(通り)

(3) 2*:** のタイプは、3×5×9=135(通り)、*2:** のタイプは、2×5×9=90(通り)

  **:2* のタイプは、2×9×9=162(通り)、**:*2 のタイプは、2×9×5=90(通り)

 以上から、求める場合の数は、 135+90+162+90=477(通り)


(追記) 令和2年3月19日付け

 大阪星光学院中学校(2020)の入試問題に挑戦してみました。

1.(4) いくつかの部屋に生徒を入れるのに、4人ずつにすると7人が入れなくなり、
    6人ずつにすると4部屋余ります。

    このとき、考えられる生徒の数をすべて求めよ。

(解) 生徒の人数をN、部屋の数をMとすると、題意より、

   N−4M=7 、6(M−5)<N≦6(M−4) なので、6(M−5)<4M+7≦6(M−4)

 よって、 2M<37 かつ 2M≧31 より、 16≦M≦18 なので、 M=16、17、18

 このとき、 N=71、75、79  (終)


(追記) 令和2年3月20日付け

 西大和学園中学校(2020)の入試問題に挑戦してみました。

1.(3) ある仕事は、AさんとBさんの2人で行うと、ちょうど18日間で終わる予定で
     した。ところが、途中でBさんだけが風邪で5日間休んだので、仕事を終える
     のにちょうど20日間かかってしまいました。

     この仕事は、Bさん1人だけでやるとすれば、ちょうど何日間で終わりますか?


(解) AさんとBさんの1日当たりの仕事量をx、yとおくと、18x+18y=1、20x+15y=1

 18x+18y=20x+15y より、 3y=2x なので、 y=2x/3 を 18x+18y=1 に

代入して、 18x+12x=1 よって、 x=1/30 で、 y=1/45

 したがって、Bさん1人だけでやるとすれば、1÷(1/45)=45(日間) で終わる。  (終)


(コメント) 方程式を立式すれば容易だが、小学生はどう解くのだろう。


 DD++さんからのコメントです。(令和2年3月21日付け)

 小学生ならこうかな?

 Aさんが18日、Bさんが18日働いて終わる仕事が、Aさんが20日、Bさんが15日働いて終わ

るということは、Aさんが2日でやる仕事とBさんが3日でやる仕事は同じ量ということになりま

す。つまり、Aさんが20日でやる仕事はBさんなら30日かかるので、答えは、15+30=45日


(コメント) Bさんが働いた日数は、18−5=13 ではなくて、20−5=15 なんですね!
      勘違いしていました。DD++さんに感謝します。


2.(3) 下図の平行四辺形ABCDにおいて、AP:PB=2:1、BQ:QC=3:1、点R
     は辺CDの中点である。DPとAQ、ARと交わる点をそれぞれS、Tとするとき、
     PS:TDをもっとも簡単な整数比で表せ。


  


(解) 次のような図を考える。

 

 このとき、PS=4m/9、TD=4m/7 なので、PS:TD=4m/9:4m/7=7:9  (終)


(コメント) 定番中の定番の問題ですが、小学生はどう解いたのだろう?


(追記) 令和2年3月29日付け

 栄光学園中学校(2020)の入試問題に挑戦してみました。

1. 1からある数までのすべての整数の中から1つだけ取り除き、残った整数を考え
  る。次の問に答えよ。

(1) 1から100までの整数の中から1つだけ取り除いた。残った整数の平均は、
   554/11になった。取り除いた整数を答えよ。
(2) 1からある数までの整数の中から1つだけ取り除き、残った整数の和は、600
   になった。取り除いた整数を答えよ。
(3) 1からある数までの整数の中から1つだけ取り除き、残った整数の平均は、
   440/13になった。取り除いた整数を答えよ。


(解)(1) 残った整数の和は、 (554/11)×99=4986

     一方、1から100までの整数の和は、 100×101/2=5050

     よって、取り除いた整数は、 5050−4986=64

(2) (1+2+・・・+M)−N=600 より、 M(M+1)/2−N=600

    このとき、 1≦M(M+1)/2−600≦M を満たすMは、35のみ。

     よって、 N=M(M+1)/2−600=630−600=30

(3) {(1+2+・・・+M)−N}/(M−1)=440/13 より、

    1≦M(M+1)/2−(440/13)(M−1)≦M

 上式を満たすMは、 66 または 67

 M=66のとき、 2211−N=(440/13)×65=2200 より、 N=11

 M=67のとき、 2278−N=(440/13)×66 で、この式を満たす整数Nは存在しない。


(コメント) (1)は何でもないが、平方根の計算等で、(2)(3)では計算機のお世話になった。
      小学生はどう解いたのだろう?


(追記) 令和2年3月31日付け

 2020年1月18日(土)に行われた灘中学校の入試問題(1日目)の次の問題に挑戦して
みました。

7. 下図のような平行四辺形ABCDにおいて、BG:GD=5:7、FG=1とする。
  このとき、EFの長さを求めよ。


  

(解) △ABG∽△EDG より、 AG;EG=5:7 、AB:ED=5:7

   よって、 DC:CE=5:2

   ADとFCは平行なので、 AF;FE=DC:CE=5:2

 ここで、EF=x とおくと、 AG=(5/7)EG=(5/7)(x+1) なので、

 (5/7)(x+1)+1:x=5:2 より、 5x=(10/7)(x+1)+2

 これを解いて、 x=24/25  (終)


(コメント) 方程式を立てて解いたが、小学生はどのように解くのだろう?

 中学受験の頻出問題のようで、受験生は次のように解くらしいです。

 下図のような数直線を考え、5+7=12と5+2=7の最小公倍数84が、図中の赤数字
のように、AG:GF:FE=35:25:24 と分割される。

 FG=1 なので、 EF=24/25 が図から読み取れる。


 


(追記) 令和2年4月1日付け

 渋谷教育学園渋谷中学校(2020)の入試問題に挑戦してみました。

1.(2) ある2桁の整数と2020の積は、各位の数が0と1のみの整数です。
ある2桁の整数のうち最も大きい整数はいくつですか。


(解) 2020=22×5×101=2×1010 と考えると、

   5×2×1010×11=111100

 とすれば、条件を満たす。よって、求める整数は、 55  (終)


(コメント) 解答に説得力が感じられないので、あまり自信がありません。これ以外の解答
      はないものでしょうか?


 DD++さんからのコメントです。(令和2年4月1日付け)

 まず、2020は10の倍数なので、「2桁の整数」との積も10の倍数です。よって、一の位の数
字は0です。

 それを取り除いた数、すなわち、「2桁の整数」と202の積も0と1だけで書ける数であり、202
が偶数であることから、一の位(元々の十の位)は、0です。よって、「2桁の整数」は、5の倍数
です。

 さらに、末尾の0を取り除いた数、すなわち「2桁の整数の1/5」と101の積も0と1だけで書け
る数です。

 ところで、「2桁の整数の1/5」は、2以上19以下の整数なので、101をかけるときに繰り上が
りが絶対に発生しません。つまり、「2桁の整数の1/5」自体が0と1だけで書ける数、つまり、
10か11ということになります。

 したがって、元の「2桁の整数」は、50か55、最大のものを答えるなら、55ということになりま
す。


 らすかるさんからのコメントです。(令和2年4月1日付け)

 2020×100=202000なので、各位の数が0と1のみである整数は111111以下。
111111÷2020=55 余り 11 から、111100÷2020=55 とわかるので、答えは、55


(コメント) なるほど!論理的で説得力ある説明に感謝します。DD++さん、らすかるさん、あ
      りがとうございました。


(追記) 令和3年2月10日付け

 令和3年2月6日(土)付け朝日新聞朝刊に令和3年度開成中学入試問題が掲載された。
いくつか面白そうな問題があったので、小学生になったつもりで考えてみた。

1.(1)2021年2月1日は月曜日である。100年後の2121年2月1日は何曜日か?

(解) 100年間のうち、うるう年は、100÷4−1=24(回)

   (2100年は100の倍数だが400の倍数でないので、うる年ではないから1減)

  残りの76回は平年である。

 よって、 24×366+76×365+1≡6 (mod 7) より、土曜日である。  (終)


1.(2) 三角形の各頂点から向かい合う辺に、直線をそれぞれ2本、3本、100本
    引いたとき、元の三角形は何個の部分に分けられるか。ただし、3本以上の
    直線が三角形の内部の1点で交わることはないものとする。


 まず試しに実験して、解法の手順を探ろう。

(解) まず、2頂点から直線をそれぞれ2本、3本引いた

  三角形において、数えると、12個の部分に分かれる

  ことが分かる。残りの頂点から直線を1本引いた図

  が下図である。
                     

 上図から、三角形は、18個の部分に分かれる。丁度、6個増えているが、これは5本の直

線と最後に引いた直線が5点で交わり、その交点で直線が6分割され、その分割のそれぞれ

が1つずつ新しい部分を作るからである。この性質は、第3の頂点から直線を引く限り不変な

性質である。
  

 よって、第3の頂点から直線を100本引いた場合、部分の総数は、

 12+6×100=612(個) である。  (終)


(追記) 令和4年4月19日付け

 令和3年度の開成中学入試問題の続きです。問題は一部改題してあります。

1.(4) 1/9998 を小数で表すとき、小数第48位の数、小数第56位の数をそれぞ
     れ求めよ。


 1/9998を小数で表すとき、小数第48位の数を求めよ、という雲を掴むような問題ですが
忠実に題意に従って計算すれば活路がひらける問題です。

 手元に電卓があれば、

 1/9998

=0.0001000200 0400080016 0032006401 2802560512 1024204840 9681936387
  2774554910 9821964392 8785757151 4302860572 1144228845 7691538307 6615323…

と小数展開できるので、小数第48位の数は 8、小数第56位の数は 3とすぐ分かりますが、
これを手計算でどうぞ!という問題です。

(解) 1/9998=1/(10000−2)=(1/10000)・(1/(1−2/10000) より、

1/9998

=(1/10000)・(1+(2/10000)+(2/10000)2+(2/10000)3+(2/10000)4+・・・)

=0.0001  (← 小数第4位まで)
+0.00000002  (← 小数第8位まで)
+0.000000000004  (← 小数第12位まで)
+0.0000000000000008  (← 小数第16位まで)
+0..00000000000000000016  (← 小数第20位まで)
+0.000000000000000000000032  (← 小数第24位まで)
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 よって、小数第48位を求めるには、 48÷4=12 から、 2^(12-1)=2048 の一の位
8が答となる。

 小数第56位を求めるには、56÷4=14 から、2^(14-1)=8192 の一の位2に対して、

小数第60位に相当する数を求めて、 60÷4=15 から、 2^(15-1)=16384 なので、

その万の位を加味しなければならない。

+0.00000000・・・・・・・・・・00008192
+0.00000000・・・・・・・・・・000000016384

 よって、求める数は、 2+1=3 である。


(追記) 令和3年3月17日付け

 令和3年2月5日(金)付け朝日新聞朝刊に令和3年度桜蔭中学入試問題が掲載された。
いくつか面白そうな問題があったので、小学生になったつもりで考えてみた。

1.(3) 整数Xの約数のうち、1以外の約数の個数を【X】、1以外の約数の和を<X>と
     表す。

(1) <A>÷【A】が整数にならない2桁の整数Aのうち、最大のものを求めよ。

(解) 2桁の整数99、98、97、96、・・・ を順次調べる。

 99=32・11 なので、 <99>=(1+3+9)(1+11)−1=155

    【99】=3×2−1=5 より、<A>÷【A】が整数

 98=2・72 なので、 <98>=(1+2)(1+7+49)−1=170

    【98】=2×3−1=5 より、<A>÷【A】が整数

 97は素数なので、 <97>=97−1=96

    【97】=2−1=1 より、<A>÷【A】が整数

 96=25・3 なので、 <96>=(1+2+4+8+16+32)(1+3)−1=251

    【96】=6×2−1=11 より、<A>÷【A】が整数にならない

 よって、求める整数Aは、96  (終)

(2) 【B】=2、<B>=1406 のとき、Bを求めよ。

(解) 【B】=2 より、1を含めた約数の個数は、3 なので、 B=p2 (pは素数)

   このとき、 <B>=p+p2=1406

  (p−37)(p+38)=0 より、 p=37  よって、 B=372=1369  (終)

(3) C=210 のとき、 【C】を求めよ。

(解) 【C】=10+1−1=10  (終)

(4) 60以下の整数のうち、【D】=3 となる整数Dは全部で何個あるか。

(解) 【D】=3 となるためには、整数Dは、

  D=p3 (pは素数) または、 D=pq (p、qは素数)

 D=p3 (pは素数)のとき、 p=2、3 の2通り

 D=pq (p、qは素数)のとき、

  (p,q)=(2,3)、(2,5)、(2,7)、(2,11)、(2,13)、(2,17)、(2,19)、(2,23)、
        (2,29)、(3,5)、(3,7)、(3,11)、(3,13)、(3,17)、(3,19)、
        (5,7)、(5,11)
                      の17通り

 よって、求める整数Dは、 2+17=19(個) ある。  (終)


(追記) 令和4年3月21日付け

 令和4年3月19日(土)付け朝日新聞朝刊の「中学受験を振り返る(下)」に、令和4年度
渋谷教育学園渋谷中学の入試問題が紹介されていた。大変興味深い問題だったので、小
学生になったつもりで考えてみた。問題は若干改題しました。

3.(2) 1辺の長さ6の正三角形の面積と下図の三角形の面積の差を求めよ。

 

     ただし、次の参考図を利用してもよい。

 

 問題を解くのが小学生だということを忘れて、腕力で解いてみた。

 1辺の長さ6の正三角形の面積は、 62/4=9

 また、△ABCの高さをhとおくと、 h+h=6 から、 h=3(−1) なので、

 △ABC=6・3(−1)/2=9(−1)

 したがって、求める面積の差は、 9−9(−1)=9 となる。


(コメント) 渋谷教育学園渋谷中学の受験生で、上記のように解答する小学生がいても特
      に驚きはしないだろう。

 参考図を利用した解答を考えてみよう。

(解) 2点MとRを結び、正三角形PMRを作る。

 

 このとき、∠NMQ=45°となり、△NMQが問題の三角形となる。

よって、PM=MQ=6としてよい。このとき、 △PMR=△MQR なので、

 (1辺の長さ6の正三角形の面積)−(△NMQの面積)=(△RMNの面積)

となる。よって、求める差は、 6×(6/2)/2=9 となる。  (終)


3.(3) 1辺の長さ6の正方形の中に、2つの正三角形と1つの正方形が互いに辺を接し
     て入っている。

 

  このとき、2つの正三角形と1つの正方形を合わせた面積を求めよ。

(解) 下図のように、a、b を定める。

 

 このとき、 2a+2b=6 より、 a+b=3 である。

また、b=a であるので、 a=3/(+1)=3()/2

よって、求める面積は、4a2+2ab=2a2+2a(a+b)=18  (終)


(コメント) 求める面積は、1辺が a+b の正方形の面積と考えられる。

  

 このときは、上記の解と比べて、 (a+b)2=18 と簡便に求められる。


(追記) 令和4年3月23日付け

 (3)が単独の問題であれば、上記のような解答で十分であるが、そもそも問題形式が(1)
をヒントに(2)を解くようになっているし、同様に、(2)をヒントに(3)を解くのが出題者の意図
するところだろう。


  求める面積を赤線で2分割する。青線で出来る正三角形から、
 はみ出している(あ)の部分は、左図のように、正三角形の中に
 取り込める。このとき、(い)の図形は、(2)で考えた図形である。

  よって、正三角形から(い)の部分を除いた図形の面積は、(2)
 の結果から、9である。

  以上から、求める図形の面積は、9×2=18 となる。


(コメント) 難しい計算をしなくても、導入に忠実に従えば、易しい問題でした。(2)が(3)の
      ヒントになっていることに気づけば短時間で解答できそうですね!


 カルピスさんからのコメントです。(令和4年3月24日付け)

 上記の問題で、この細長い六角形は、2つの頂点に外接している正方形の面積の半分に
必ずなる。


(コメント) 頂角30°の2等辺三角形(等辺の長さ=6)の2つ分の面積は、18で、正方形
      の面積は36なので、正方形の中の6角形の面積は、正方形の面積の半分に必
      ずなりますね!カルピスさん、ナイスです〜。


 らすかるさんからのコメントです。(令和4年3月25日付け)

 正方形の左右に正三角形をくっつけた形の六角形でしょうか。それならば、小正方形の残
りの2辺にも正三角形を付けると、残る隙間の頂角150°の二等辺三角形が等積変形で、小
正方形の1/4の面積とわかるので(六角形の中にある(あ)の部分を、小正方形と共有の辺を
固定して頂点を移動すれば小正方形の1/4とただちにわかります)

    

 大正方形は小正方形2個+正三角形4個分となり、確かに、その六角形は大正方形の半分
ですね。


(追記) 令和4年4月17日付け

 上記の、渋谷教育学園渋谷中学の入試問題(2022)で、次の問題も、忍耐力を求められ
そうで興味深いものがある。問題は、一部改題してあります。

1.(5) 3桁の数ABC、DEF、GHI の3つを足すと2022になった。A〜 I には0〜9の10
    個の数字のうち9個の異なる数字が1つずつ入る。また、C=6、H=0である。A〜 I
    で使わなかった数字をPとする。ABCが考えられる数の中で一番小さい数になるとき、
    BとPはそれぞれいくつか?

(解) 126+DEF+G0I=2022  DEFGI=345789

   F+I=6 となるF、Iはない

   F+I=16 のとき、 F=7、I=9 としてみる。 → E=8 で、D、Gに該当なし

136+DEF+G0I=2022  DEFGI=245789

   F+I=6 のとき、 F=2 、I=4 としてみる。  → E=8 で、D、Gに該当なし

   F+I=16 のとき、 F=7、I=9 としてみる。 → Eに該当する数字がない

146+DEF+G0I=2022  DEFGI=235789

   F+I=6 となるF、Iはない

   F+I=16 のとき、 F=7、I=9 としてみる。 → Eに該当する数字がない

156+DEF+G0I=2022  DEFGI=234789

   F+I=6 のとき、 F=2、I=4 としてみる。 → Eに該当する数字がない

   F+I=16 のとき、 F=7、I=9 としてみる。 → Eに該当する数字がない

176+DEF+G0I=2022  DEFGI=234589

   F+I=6 のとき、 F=2、I=4 としてみる。 → Eに該当する数字がない

   F+I=16 となるF、Iはない

186+DEF+G0I=2022  DEFGI=234579

   F+I=6 のとき、 F=2、I=4 としてみる。 → E=3 で、D、Gに該当なし

   F+I=16 のとき、 F=7、I=9 としてみる。 → E=2 で、D、Gに該当なし

196+DEF+G0I=2022  DEFGI=234578

   F+I=6 のとき、 F=2、I=4 としてみる。 → Eに該当する数字がない

   F+I=16 となるF、Iはない

216+DEF+G0I=2022  DEFGI=345789

   F+I=6 となるF、Iはない

   F+I=16 のとき、 F=7、I=9 としてみる。 → Eに該当する数字がない

236+DEF+G0I=2022  DEFGI=145789

   F+I=6 のとき、 F=1、I=5 としてみる。 → E=8 で、D、Gに該当なし

   F+I=16 のとき、 F=7、I=9 としてみる。 → Eに該当する数字がない

246+DEF+G0I=2022  DEFGI=135789

  F+I=6、16

 F+I=6 のとき、F=1、I=5 としてみる。 → E=7

  このとき、 D=8 、G=9 で条件を満たす。

 F+I=16 のとき、F=7、I=9 としてみる。 → Eに該当する数字がない

 以上から、 B=4 P=3  (終)


 Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和4年4月18日付け)

 上記で、場合分けを検討する前に、P=3 とすぐにわかると思います。

 というのは…以下の2点に注目することにより導かれると思います。

@ 計算結果が2022という3の倍数でありながら9の倍数ではない点
A あらかじめ、C=6 と与えられている点

 Aから I までとPを合計すると45で、9の倍数です。

 P=45−(A+B+・・・+I)=(9の倍数かつ3の倍数)−(9の倍数でなく、かつ3の倍数)

 @より、AからIまでを合計したものは、9の倍数ではなく3の倍数ですから、 Pもまた3の
倍数かつ9の倍数ではありません。 すなわち、Pは、3ないし6に絞られます。

 Aより、Pは6ではありません。

 ゆえに、P=3


 DD++ さんからのコメントです。(令和4年4月18日付け)

 上記の問題、以下のようにすれば試行錯誤をだいぶ減らせますかね?

 両辺を 9 で割った余りを考えると、使った 9 個の数字の合計を 9 で割った余りが 6 。

これに P を加えると、10 個の数字の合計が 45 になるわけだから、P=3 です。

 そして、H=0 より、3≦B+E+H≦17 なので、百の位への繰り上がりが 1 で確定で、

 A+D+G=19 です。

 C+F+I=22 の場合 B+E+H=1 となり不適なので、C+F+I=12 で、B+E+H=11 とわかります。

 C=6 とH=0 を考慮すると、A+D+G=19、B+E=11、F+I=6 ですが、この中で 1 を使うには、

F+I を 1+5 か 5+1 にするしかありません。

 すると、B+E は、2+9 か 4+7 か 7+4 か 9+2 となり、残る A+D+G は、2+8+9 か 4+7+8 の

順番を入れ替えたものとなります。

 よって、ABC が最小になるのは、

  ABC=246, DEF=871, GHI=905, P=3
  ABC=246, DEF=875, GHI=901, P=3
  ABC=246, DEF=971, GHI=805, P=3
  ABC=246, DEF=975, GHI=801, P=3

の 4 パターンで、いずれの場合も B=4、P=3 です。


 Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和4年4月18日付け)

 DD++さんの解説に勝るアタックルートはないと存じます。


(コメント) 解答がだいぶスッキリできそうです!Dengan kesaktian Indukmu さん、DD++ さん
      に感謝します。

 2022を9で割った余りが6に気がつくと、P=3が一瞬で分かるんですね。感動しました。

 これで使える数字 1245789 が確定したのが大きいですね。

 百の位での繰り上がりを考えると、F+I=16は起こりえず、F+I=6なので、F=1、I=5と
出来ます。(他の場合もあり得るが、それは考える意味がない)

 B+E=11で、百の繰り上がりとABCが最小ということを考えると、B=4、E=7 です。

 後は使える数字 289 とABCが最小ということを考えて、 A=2、D=8、G=9 と出来
ます。

 以上から、 B=4 P=3 であることが分かる。


 GAI さんからのコメントです。(令和4年4月19日付け)

 おじさんは全検索で出すしかなく、

246;871;905  246;875;901  246;971;805  246;975;801

276;841;905  276;845;901  276;941;805  276;945;801

426;791;805  426;795;801  426;891;705  426;895;701

496;721;805  496;725;801  496;821;705  496;825;701

726;491;805  726;495;801  726;891;405  726;895;401

796;421;805  796;425;801  796;821;405  796;825;401

826;491;705  826;495;701  826;791;405  826;795;401

846;271;905  846;275;901  846;971;205  846;975;201

876;241;905  876;245;901  876;941;205  876;945;201

896;421;705  896;425;701  896;721;405  896;725;401

946;271;805  946;275;801  946;871;205  946;875;201

976;241;805  976;245;801  976;841;205  976;845;201

の全部で48パターンがあり、ABCの最小となるのが始めの4個ですよね。

 これを小学6年生が解くのか!数学の力は年齢には全く関係しないことを改めて感じ入っ
たことでした。


(追記) 令和5年2月6日付け

 令和5年2月5日(日)付け朝日新聞朝刊に令和5年度桜蔭中学入試問題が掲載された。
いくつか面白そうな問題があったので、小学生になったつもりで考えてみた。

1.(2) 4つの歯車A、B、C、Dがあり、AとB、CとDはそれぞれかみ合っている。BとCは
     同じ軸に取り付けられており、滑ることなく一緒に回る。

   

 A、B、Cの歯数は、それぞれ68、48、27で、Aが11回転するとき、Dは、187/24回転
する。このとき、次の問いに答えよ。

(イ) Dの歯数を求めよ。

(ロ) Aが5回転するのに3秒かかるとすると、Dは12回転するのに何秒かかるか。

(解)(イ) Bの回転数をb、Dの歯数をDとおくと、

 68×11=48×b より、 b=187/12 となる。

 このとき、Cの回転数も187/12なので、 (187/12)×27=(187/24)×D より、

 D=27×2=54 となる。

(ロ) Aが5回転するとき、Dは、(187/24)×(5/11)=85/24(回転)し、3秒かかる。

 よって、Dが12回転するとき、 12÷(85/24)×3=864/85(秒) かかる。  (終)


(別解)(イ) 歯数と回転数は反比例するので、Bの回転数は、11×(68/48)=187/12

 このとき、Cの回転数も、187/12となるので、Dの歯数をDとおくと、

 27 : D=187/24 : 187/12=1 : 2 より、 D=27×2=54 となる。  (終)


U 縦300m、横500mの長方形の土地があり、そのまわりに下図のように10mおきに旗
 を立てる穴が空いている。長方形の四隅には穴は空いていないものとする。

  

 このとき、次の問いに答えよ。

(1) 全ての穴に旗を立てるとき、旗は全部で何本必要か。

(2) 花子さんが長方形の土地の地点Aから時計回りに進んで旗を立てる。歩く速さは分速
  70mで、1本の旗を立てるのに要する時間は、7/3分とする。

  花子さんが地点Aを出発して最後の穴に旗を立て終えるまでに要する時間を求めよ。

(3) 花子さんと桜さんは地点Aを同時に出発し、2人とも同じ速さで、花子さんは時計回り、
  桜さんは反時計回りに旗を立てていく。ただし、桜さんが旗を1本立てるのに要する時間
  は、2分とする。

  花子さんが地点Dに着くまでの時間、桜さんが地点Cに着くまでの時間をそれぞれ求めよ。

(4) 2人が地点Aを出発して最後の旗を立てるまでに要する時間を求めよ。ただし、先に穴
  に着いた人が旗を立てるものとする。

(解)(1) 500÷10−1=49 、300÷10−1=29 より、 (49+29)×2=156(本)

(2) 10mごとに1本旗を立てるのに要する時間は、 1/7+7/3=52/21 なので、

  (52/21)×156+3×(1/7)=2707/7(分)
   ・・・ 時間に直して、 6時間(26+5/7)分

(3) 花子さんが地点Dに着くまでの時間 : (52/21)×49+1/7=2551/21
   ・・・ 時間に直して、 2時間(1+10/21)分

 桜さんが、10mごとに1本旗を立てるのに要する時間は、 1/7+2=15/7 なので、

 桜さんが地点Cに着くまでの時間 : (15/7)×(29+49)+2×(1/7)=1172/7
   ・・・ 時間に直して、 2時間(47+3/7)分

(4) 花子さん、桜さんが地点Aを出発して、桜さんが地点Cに着いたとき、花子さんは、線
  分CD上にいる。

 線分CD上の穴に、地点D側より地点Cに向かって順番に番号1、2、3、・・・、29を付ける。

 1172/7−2551/21=965/21 で、965/21÷52/21=18+29/52 より、

花子さんは、穴番号18に旗を立て、次の穴番号19に向かっているところである。

 穴番号19までは、あと 965/21−18×(52/21)=29/21(分)かかる。

 桜さんが地点Cを出発してから時間を計り始めて、

 花子さんが穴番号19に着くまで ・・・ 29/21(分)
 桜さんが穴番号29に着くまで ・・・ 15/7(分)

 花子さんが穴番号20に着くまで ・・・ (29/21)+(52/21)=81/21(分)
 桜さんが穴番号28に着くまで ・・・ (15/7)×2=30/7(分)

 花子さんが穴番号21に着くまで ・・・ (29/21)+(52/21)×2=133/21(分)
 桜さんが穴番号27に着くまで ・・・ (15/7)×3=45/7(分)

 花子さんが穴番号22に着くまで ・・・ (29/21)+(52/21)×3=185/21(分)
 桜さんが穴番号26に着くまで ・・・ (15/7)×4=60/7(分)

 花子さんが穴番号23に着くまで ・・・ (29/21)+(52/21)×4=237/21(分)
 桜さんが穴番号25に着くまで ・・・ (15/7)×5=75/7(分)

 花子さんが穴番号24に着くまで ・・・ (29/21)+(52/21)×5=289/21(分)
 桜さんが穴番号24に着くまで ・・・ (15/7)×6=90/7=270/21(分)

 よって、桜さんの方が花子さんより先に穴番号24に着いて、旗を立てる。

 以上から、最後の旗を立てるまでに要する時間は、

  1172/7+90/7=1262/7
   ・・・ 時間に直して、 3時間2/7分  (終)


(コメント) 心が折れそうな煩雑な計算であるが、考え方は単純なので、根気があるかどうか
      試されているような気分...。


V A、Bの2人がそれぞれ1つずつのさいころを同時にふって、出た目によって勝敗を決め
 得点をつけるゲームをする。

(ルール)

勝敗について
・さいころの目は、 「1」>「素数」>「1でも素数でもない数」 の順に強いとし、強い目を出し
 た方が勝ちとする。ただし、「6」は「1」に勝つとする。
・2つとも同じ目の数のときは、あいことする。
・あいこでなく、2つとも「素数」か、2つとも「1でも素数でもない数」のときは、大きい数の方を
 勝ちとする。

得点について
・はじめは2人とも0点とする。
・1回ふって勝敗が決まったときは、勝った方が1点、負けた方が0点とする。あいこのときは
 点はない。
・あいこだった次に勝敗が決まったときは、あいこだった同じ目の数を勝った方の点とする。
 あいこが続いたときも、その次に勝敗が決まったら、あいこになった同じ目の数を足して
 勝った方の点とする。どちらのときも、負けた方は0点とする。

 このとき、次の問いに答えよ。

(1) 2回ふってAが3点を得るとき、AとBの目の出方は何通りあるか。

(2)@ 3回ふってAとBが同点になったとき、Aの得点として考えられる数をすべて求めよ。
 A @のときのAとBの目の出方の組は全部で何通りあるか。

(解)(1) 2回ふってAが3点を得るためには、1回目があいこ(目は3)で、2回目Aの勝ち
     のときである。

 題意より、1が勝つ数は、2、3、4、5  2が勝つ数は、4、6  3が勝つ数は、2、4、6
       5が勝つ数は、2、3、4、6  6が勝つ数は、1、4

 よって、A、Bの目の出方は、全部で、15通り ある。

  1回 2回
 
  1回 2回
 
  1回 2回
 
  1回 2回
 
  1回 2回
 
  1回 2回
 
  1回 2回
  1回 2回
  1回 2回
  1回 2回
  1回 2回
  1回 2回
 
  1回 2回
  1回 2回
  1回 2回

(2)@ あいこの回数で場合分けする。

 あいこの回数0回および2回のとき、A、Bが同点になることはないから、起こりえない。

 あいこの回数1回のとき、

  あいこ1回目に出るとき、A、Bが同点になるためには、A、Bの1勝1敗で、あいこの目は1

  あいこ2回目に出るとき、A、Bが同点になるためには、A、Bの1勝1敗で、あいこの目は1

  あいこ3回目に出るとき、A、Bが同点になるためには、A、Bの1勝1敗で、あいこの目は
 何でもよい。

 あいこの回数3回のとき、A、Bの得点はともに0点になる。

 以上から、Aの得点として考えられる数は、 0 または 1 である。

A @の場合分けに注意して、求める場合の数は、

 15×15×4+15×15×2×6+6×6×6=3816(通り)


(コメント) ルールが複雑で、読み込みが大変ですね。「1」はオールマイティーだけど「6」に
      負けるというルールは、トランプゲームのナポレオンに似ていますね。


W 1辺が10cmの立方体がある。上面の中心には半径1の円Aがあり、上面に垂直に、
  秒速1cmで対面まで動く。このとき、円Aが通過した部分を立方体からくり抜いて出来る
  立体を考える。次の問いに答えよ。

(1) 円Aが動き始めてから7秒後の立体の体積を求めよ。

 さらに、手前の面には、縦4cm、横2cmの長方形Bがあり、下図のようになっている。

   

 長方形Bは円Aと同時に出発し、手前の面に垂直に対面まで動く。円Aが通過した部分に
加えて、長方形Bが通過した部分も立方体からくり抜いて出来る立体を考える。ただし、円A
と長方形はおたがいにぶつかっても止まることなく動き続けるものとする。

(2) 長方形Bの動く速さは、秒速2cmとする。円Aと長方形Bが動き始めてから3秒後と
  5秒後の立体の体積を求めよ。

(3) 長方形Bの動く速さは、秒速0.625cmとする。円Aと長方形Bが動き始めてから8秒
  後の立体の体積を求めよ。

(4) 円Aと長方形Bが動き始めてから9秒後の立体の体積が、920.42cm3であるとき、
  長方形Bの動く速さを求めよ。

(解)(1) 1000−7π

 π=3.14 とすれば、 1000−7π=978.02(cm3) である。

(2) 3秒後は、
   

となるので、求める体積は、 1000−3π−48=952−3π

 π=3.14 とすれば、 952−3π=942.58(cm3) である。

 5秒後は、

  

となるので、求める体積は、 1000−5π−80+(π/2)×2=920−4π

 π=3.14 とすれば、 920−4π=907.44(cm3) である。

(3) 8秒後は、

  

となるので、求める体積は、 1000−8π−40+(π/4)×4=960−7π

 π=3.14 とすれば、 960−7π=938.02(cm3) である。

(4) 長方形Bの動く速さを秒速 x cmとする。

 長方形Bを考えない場合、体積は、 1000−9π=971.74(cm3) で、

  971.74−920.42=51.32(cm3) だけ多い。

 長方形Bが動いて、円Aが動いた部分にぶつかるとき、その体積は、32cm3

 長方形Bが動いて、円Aが動いた部分を貫通して出るまでを考えると、そのときの体積は、

  1000−9π−48+(π/2)×4=952−7π=930.02(cm3

 よって、 930.02−920.42=9.6(cm3) だけ、長方形Bをさらに動かせばよい。

 9.6÷8=1.2(cm) より、9秒間で、長方形Bは、7.2cm 動くので、長方形Bの秒速

は、 7.2÷9=0.8(cm) となる。  (終)


(コメント) 最後の(4)は、(3)のように長方形Bが円Aの中に止まる可能性も考えられまし
      たが、それはないということで安心しました。その点、問題が良心的でしたね。


(追記) 令和5年2月10日付け

 令和5年2月7日(火)付け朝日新聞朝刊に令和5年度開成中学入試問題が掲載された。
噂によると、問題が易しすぎて、7割5分とっても落ちるかも...とのこと。どんな問題か興
味があり、いくつか面白そうな問題を考えてみた。

1. ウサギとカメが競争した。カメはスタート地点からゴール地点まで毎分4mの速さで走り
  続ける。ウサギはスタート地点をカメと同時に出発し、毎分60mの速さで走っていたが、
  ゴール地点まで残り100mになったところで走るのをやめて、昼寝を始めた。昼寝を始め
  た60分後に目を覚ましたウサギは、カメに追い抜かれていることに気がついた。あわてた
  ウサギは、そこから毎分80mの速さでゴール地点まで走ったが、ウサギがゴール地点に
  着いたのは、カメがゴール地点に着いた時刻の5秒後だった。このとき、次の問いに答え
  よ。

(1) ウサギが昼寝を始めてからカメがゴール地点に着くまでの時間は何分何秒か。
(2) ウサギが昼寝を始めたとき、ウサギはカメより何m先にいたか。
(3) スタート地点からゴール地点までの道のりは何mか。

  

(解)(1) ウサギが100mを分速80mで走るのに要する時間は、 100÷80=5/4(分)

  秒に換算して、 (5/4)×60=75(秒)

 よって、ウサギが昼寝から目が覚め走り始めてからカメがゴール地点に着くまでの時間は、

 75-5=70(秒) となる。したがって、ウサギが昼寝を始めてからカメがゴール地点に着

くまでの時間は、 61分10秒 であることが分かる。

(2) カメは、ウサギが昼寝を始めてから、61分10秒でゴール地点に着くので、その間の

 道のりは、 (61+1/6)×4=244+2/3(m) なので、ウサギが昼寝を始めたとき、

 ウサギはカメより、 244+2/3−100=144+2/3(m) 先にいた。

(3) ウサギがスタート地点を出発し、昼寝を始めるまでの時間を t 分とすると、

  60t=4t+144+2/3 すなわち、 56t=434/3 より、 t=31/12(分)

 よって、スタート地点からゴール地点までの道のりは、

  100+60×(31/12)=255(m)  (終)


(コメント) 「ウサギとカメ」のとても面白い問題でした。


2. 1辺の長さが1cmの正六角形ABCDEFの周上に、次のような点P、Qがある。
 ・点Pは辺AF上にあり、AP : PF=1 : 2 である。
 ・点Qは頂点Aを出発し、正六角形の周上を反時計回りに分速1cmで動く。点Qは、頂点
  B、C、D、Eをこの順で通り、頂点Aを出発した5分後に頂点Fで止まる。

   

 点Qが頂点Aや頂点Fにいるときを除いて、正六角形は直線PQによって2つの部分に分
けられる。この2つの部分のうち、一方の面積が他方の面積の2倍になるのは、点Qが頂点
Aを出発してから何分何秒後か。

(解) 正六角形の面積を1として、面積が 1/3 と 2/3 に分ける点を探せばよい。

 正六角形を下図のように分割する。

   

 △ABF=1/6 なので、 △PAB=(1/6)×(1/3)=1/18

同様にして、 △PEF=(1/6)×(2/3)=1/9

 次に、正三角形ABR(面積=1/6)を考え、△PBC=1/6+1/18=2/9

 また、△PCD=(1/6)×2=1/3 で、△PCQ=1/18 となる点Qをとれば、ちょうど

 △PAB+△PBC+△PCQ=1/18+2/9+1/18=1/3

となる。このとき、点Qは辺CDを 1 : 5 に内分する点なので、Aを出発してから2分10秒

後となる。一方の面積が他方の面積の2倍になるのは、もう1点ある。

 △PDE=1-(1/18+2/9+1/3+1/9)=5/18 なので、△PQ’E=2/9 となる点Q’

をとれば、ちょうど △PEF+△PQ’E=1/9+2/9=1/3 となる。

 このとき、点Q’は、辺DEを 1 : 4 に内分する点なので、Aを出発してから3分12秒後

となる。  (終)


(コメント) 正六角形の分割が面白かったです。


3. 下図のように、1辺の長さが10cmの立方体ABCD-EFGHにおいて、辺AD、AE、
  BC、BF上にそれぞれ点 I、J、K、Lをとり、AI=AJ=BK=BL=6cmとする。また、
  辺AE、AB、DH、DC上にそれぞれ点M、N、O、Pがあり、AM=AN=DO=DP=3cm
  である。

 この立方体を、4点 I、J、K、Lを通る平面と4点M、N、O、Pを通る平面で切断して、4つ
の立体に切り分ける。頂点Gを含む小立体をXとする。

   

 このとき、次の問いに答えよ。

(1) 立体Xの見取り図を書け。

(2) 立体Xの体積を求めよ。

(解)(1) 立体Xの見取り図は、

  

(2) 立体Xの体積は、2つの三角錐の体積を引いて、その共通部分(下図の水色部分)を
  加えればよい。

  

 よって、求める立体Xの体積Vは、

V=1000−4.5×10−18×10+(4.5×3+9×3÷3)=797.5(cm3


(コメント) 上記の解では、共通部分(上図の水色部分)の体積を三角柱と四角錐に分けて
      求めたが、「立体図形の体積」の考え方を用いて、

  3×3÷2×(6+6+3)/3=22.5(cm3

 としてもよい。


4. 周の長さが6cmの円がある。この円周を6等分する場所を順にA、B、C、D、E、F と
  する。この円周上を毎秒1cmの速さで動く3つの点P、Q、R がある。

 3点P、Q、R はそれぞれA地点、C地点、E地点から同時に動き始めて、PとQは反時計
周り、Rは時計回りに進む。その後、P、Q、R のうちの2点が出会うたびに、出会った2点
はそれぞれ直前の自分とは反対向きに同じ速さで進む。

 このとき、次の問いに答えよ。

(1) 3点P、Q、R が動き始めてから6秒後に、P、Q、R がいる地点はどこか。

(2) 3点P、Q、R が動き始めてから初めて、P、Q、R が同時に最初の位置に到達するの
  は何秒後か。

(3) 3点P、Q、R が動き始めてから100秒後に、P、Q、R がいる地点はどこか。

(4) 点Pと点Rが99回目に出会うのは、3点P、Q、R が動き始めてから何秒後か。

(解)(1) 下図の表で、「反」は反時計回り、「時」は時計回りを表す。

 
  10 11 12
P反 C反 E時
Q反 E時 A反
R時 A反 C反
               
  13 14 15 16 17 18
A反
C反
E時

 上記表より、 Pは、C地点、Qは、E地点、Rは、A地点にいる。

(2) 6秒で円周上を120°回転なので、6×3=18(秒)後に最初の位置に到達する。
  (さらに、回転の向きまで含めて元に戻ることが、上記の表からも分かる)

(3) 100÷18=5 ・・・ 10 なので、上記の表の10秒後の位置にいるから、

  Pは、E地点、QとRは、A地点にいる。

(4) 最初の18秒間で、点Pと点Rが出会うのは、4回(4、8、13、17秒後)あるので、

 99回出会うのは、 99÷4=24 ・・・ 3 より、上記の表の13秒後なので、

  24×18+13=445(秒後) となる。  (終)


(コメント) 18秒間の周期性に気がつけば簡単でした。


5. 1、2、・・・、7の7種類の数字をいくつか並べて作られる整数をA、Bとする。次の問い
  に答えよ。

(1) A+B=96 となるA、Bの組は何通りあるか。

(2) A+B=971 となるA、Bの組は何通りあるか。

(3) A+B=972 となるA、Bの組が何通りあるか。

(4) A+B=9723 となるA、Bの組は何通りあるか。

(解)(1) 繰り上がりがないので、まず一の位の起こり得る場合は、

 (Aの一の位,Bの一の位)=(1,5)、(2,4)、(3,3)、(4,2)、(5,1) の5通り

 その1通りに対して、十の位の起こり得る場合は、

 (Aの十の位,Bの十の位)=(2,7)、(3,6)、(4,5)、(5,4)、(6,3)、(7,2) の6通り

よって、求める場合の数は、 5×6=30(通り)

(2) 971=960+11 なので、足して11となる場合は、

  (4,7)、(5,6)、(6,5)、(7,4) の4通りあることから、

 A+B=971 となる場合の数は、30×4=120(通り)

(3) 972=960+12 または、 972=970+2 と考えると、

  足して12となる場合は、 (5,7)、(6,6)、(7,5) の3通りあるので、

    960+12 となる場合の数は、 30×3=90(通り)

  足して2となる場合は、(1,1) の1通り

    970+2 となる場合の数を求めるために、C+D=97 について、

 (Cの一の位,Dの一の位)=(1,7)、(2,6)、(3,4)、(4,3)、(5,2)、(6,1) の6通り

 その1通りに対して、十の位の起こり得る場合は、

 (Cの十の位,Dの十の位)=(2,7)、(3,6)、(4,5)、(5,4)、(6,3)、(7,2) の6通り

よって、C+D=97 となる場合の数は、 6×6=36(通り)

 以上から、A+B=972 となる場合の数は、 90+36=126(通り)

(4) 9723=9720+3 または、 9723=9710+13 と考えて、求める場合の数は、

 126×2+120×2=492(通り)


(コメント) 易しいとは言われていますが、そこそこ考えさせる良問ですね!十分楽しませて
      もらいました。


(追記) 令和5年4月18日付け

 筑波大学附属中学(2014)の入試問題を拝見する機会があり、挑戦してみた。問題は
改題されています。

問題 2つの整数A、Bがあり、A>Bで、AはBで割り切れないものとする。AとBの最大公
   約数、最小公倍数をそれぞれ MとL とおく。

 L+M=684 、L−M=660 のとき、A、Bの値を求めよ。

(解) 題意より、 L=672 、M=12 である。A=12a 、B=12b (aとbは互いに素)

とおけて、 12ab=672 より、 ab=56 となる。

 aとbは互いに素なので、 (a,b)=(56,1)、(8,7) であるが、AはBで割り切れないこ

とから、(a,b)=(56,1) は不適

 よって、 A=12×8=96 、B=12×7=84  (終)


(追記) 令和6年2月5日付け

 令和6年2月4日(日)付け朝日新聞朝刊に令和6年度桜蔭中学入試問題が掲載された。
いくつか面白そうな問題があったので、小学生になったつもりで考えてみた。

T.(2) 黒い丸●と白い丸○を横7マスすべてに並べる。

 
@ A B C D E F

(@) 並べ方の決まりは次の(あ)(い)(う)(え)である。

(あ) AとCには同じ色の丸は並べない。
(い) AとEには同じ色の丸を並べる。
(う) DEFすべてに同じ色の丸を並べることはできない。
(え) Cが白い丸○のとき、BとDの両方ともに黒い丸●を並べることはできない。

 このとき、黒い丸●と白い丸○の並べ方は何通りあるか。

(A) 横7マスを下図のように4行並べる。

 
           
           
           
           

 (@)の並べ方の決まり(あ)(い)(う)(え)に次の(お)の決まり:

(お) 各行のA、B、C、Dには、AとDに同じ色の丸、BとCに同じ色の丸を並べ、AとBには
   同じ色の丸を並べない。

を加えて、28マスに黒い丸●と白い丸○を並べるとき、並べ方は何通りあるか。


(解)(@) 題意より、起こり得る場合は、7マスを並べて、

 @○B●○○●
 @○B●●○○
 @○B●●○●   @とBは2通りずつあるので、2×2×3=12(通り)

 @●○○●●○
 @●●○○●○
 @●●○○●●
 @●○○○●○
 @●○○○●●   @は2通りあるので、2×5=10(通り)

 以上から、求める場合の数は、 12+10=22(通り)

(A) (@)の結果を用いて、求める場合の数は、

 12×12×10×10×2=28800(通り)  (終)


T.(3) 1辺の長さが10の正方形の折り紙を1本の対角線で折って直角2等辺三角形を
 作り、さらに、45°の角を持つ頂点が重なるように折る。そのとき出来る直角2等辺三角
 形を、直角が3等分されるように折り、はみ出ている部分をハサミで切り取り、下図のよう
 な2等辺三角形ABCを作る。

 

 このとき、次の問いに答えよ。

(@) 2等辺三角形ABCの折り紙を広げるとき、どんな図形となるか。

(A) AB=2.7 のとき、(@)で得られた図形の面積を求めよ。

(B) 下図のように、2等辺三角形ABCの内部から、1辺の長さが0.6の正方形と中心が
  辺BC上にある直径1の半円を切り取る。

  

 この折り紙を(@)と同様に広げるとき、残った部分の図形の面積を求めよ。

(解)(@) 明らかに、正十二角形となる。

(A) 2等辺三角形ABCは、もとの正方形で考えると、下図のようである。

  

 上図の△ABCの面積は、 2.7×5÷2=6.75 となるので、求める図形の面積は、

 6.75×12=81

(B) 切り取られる部分の面積は、

 正方形 ・・・ (0.6×0.6)×12=4.32

 半円 ・・・ (π×(1/2)2÷2)×12=3π/2  ここで、π=3.14 として、4.71

したがって、求める図形の面積は、 81−(4.32+4.71)=71.97  (終)


U. 同じ大きさのたくさんの立方体と、青色の絵の具120ml、黄色の絵の具200ml、赤
 色の絵の具200mlがある。この絵の具は混ぜると別の色が作れる。青色と黄色を同じ量
 混ぜると、緑色が出来、赤色と黄色を同じ量混ぜると、オレンジ色が出来、青色と黄色を
 1:2の割合で混ぜると、黄緑色が出来る。

 今、この絵の具で立方体の6面を塗る。ただし、絵の具はすべて使うとは限らない。この絵
の具はどの色も10mlで立方体の6/5面を塗ることが出来る。次の問いに答えよ。

(1) この立方体の1面を塗るのに必要な絵の具の量を求めよ。

(2) この立方体の6面すべてを1色で塗るとき、

 (@) 6面すべてが赤色で塗られた立方体は、最大何個できるか。

 (A) 6面すべてが黄緑色で塗られた立方体は、最大何個できるか。

(3) この立方体の6面を3面ずつ同じ色で塗る。オレンジ色と緑色の2色で3面ずつ塗られ
 た立方体は、最大何個できるか。

(4) この立方体の6面を1面ずつ青色、黄色、赤色、緑色、オレンジ色、黄緑色で塗る。

(@) このような立方体は最大何個できるか。

(A) このような立方体を最も多くつくったとき、使わなかった青色の絵の具の量を求めよ。

(解)(1) 10÷6/5=25/3(ml)

(2)(@) 200÷(25/3)=24(面)から、24÷6=4(個)の立方体を塗ることが出来る。

(A) 青色100ml、黄色200mlで、黄緑色300mlが出来るので、

 300÷(25/3)=36(面)から、36÷6=6(個)の立方体を塗ることが出来る。

(3) 1面当たりに塗る絵の具の量を計算する。

 オレンジ色 ・・・ 赤色25/6ml、黄色25/6ml

 緑色 ・・・ 青色25/6ml、黄色25/6ml

より、 青色25/6ml、赤色25/6ml、黄色25/3ml で立方体の2面が塗られる。

 120÷(25/6)=144/5(=28.8)

 200÷(25/6)=48

 200÷(25/3)=24

より、最小の24面に着目して、 24÷(6÷2)=8(個)の立方体を塗ることが出来る。

(4)(@)(3)と同様に、1面当たりに塗る絵の具の量を計算する。

 青色 ・・・ 25/3ml

 赤色 ・・・ 25/3ml

 黄色 ・・・ 25/3ml

 緑色 ・・・ 青色25/6ml、黄色25/6ml

 オレンジ色 ・・・ 赤色25/6ml、黄色25/6ml

 黄緑色 ・・・ 青色25/9ml、黄色50/9ml

より、 青色25/3+25/6+25/9=275/18(ml) で、

 120÷(275/18)=432/55(=7.85・・・)

 赤色25/3+25/6=75/6(ml) で、

 200÷(75/6)=16

 黄色25/3+25/6+25/6+50/9=200/9(ml) で、

 200÷(200/9)=9

で立方体が塗られる。

 上記の計算より、青色の量の制限から、最大7個まで塗ることができる。

(A) 使わなかった青色の絵の具の量は、

 (275/18)×(432/55−7)=235/18(ml)  (終)


V. 1辺が1の正三角形ABCと1辺が3の正方形PQRTがある。正三角形ABCの面積を
 Sとおく。

  

(1) 正三角形ABCを上図の位置から正方形PQRTの内部をすべらないように回転させて
  もとの位置まで移動させる。このとき、正三角形ABCが通過した部分の面積をSを用いて
  表せ。

(2) 正三角形ABCを、下図のように正方形PQRTの(い)の位置におく。

  

 この正三角形ABCを、正方形PQRTの内部をすべらないように回転させながら(う)の位置
まで移動させる。PQに関して対称移動し、(え)の位置に移動させる。さらに、正方形PQRT
の外部をすべらないように回転させながら(お)の位置まで移動させる。今度は、RQに関して
対称移動し、(か)の位置に移動させる。再び、正方形PQRTの内部をすべらないように回転
させながら(き)の位置まで移動させる。同じように、(く)の位置へ折り返し、正方形PQRTの
外部をすべらないように回転させながら(け)の位置まで移動させる。

 このとき、点Cがえがいた曲線で囲まれた図形の面積を求めよ。

(解)(1) 実際に回転させて下図を得る。

  

 求める面積は、正三角形ABCが4個分と1辺が1の正方形4個分と半径が1で中心角30°

の扇形8個分なので、 4S+4+(2/3)π  となる。

 π=3.14 として、 4S+4+(2/3)π=4S+457/75

(2) 実際に回転させて下図を得る。点Cがえがいた曲線は赤線部分である。

  

 求める面積は、黄色い部分が相殺されることに注意して、

 (1辺が3の正方形の面積)

 −(半径が1で中心角30°の扇形2個分)+(半径が1で中心角210°の扇形2個分)

=(1辺が3の正方形の面積)+(半径が1で中心角180°の扇形2個分)

=(1辺が3の正方形の面積)+(半径が1の円の面積)

=9+π

 π=3.14 として、求める面積は、 12.14  (終)


(コメント) 長い文章題で読み解くのが大変であるが、実際に絵を描けば解きやすくなるだ
     ろう。


(追記) 令和6年2月9日付け

 令和6年2月6日(火)付け朝日新聞朝刊に令和6年度開成中学入試問題が掲載された。
いくつか面白そうな問題があったので、小学生になったつもりで考えてみた。


1.(1) 数字 1〜9 と四則演算の記号 +、−、×、÷ とカッコだけを用いて、2024を作
   る式を1つ書け。ただし、次の指示に従うこと。

(@) 1つの数字を2個以上使ってはいけない。
(A) 2個以上の数字を並べて2桁以上の数を作ってはいけない。
(B) できるだけ使う数字の個数を少なくせよ。(使う数字の個数が少ないほど高得点)

(解) 2024を素因数分解して、 2024=2×2×2×11×23

 これより、2024=8×(2+9)×(4×6−1) が思いつくが、数字の個数が6個もある。

 2024÷8=253 なので、数字 1〜7、9 を用いて、253を作ることを考えると、

 253÷(9×7)=4 ・・・ 1 から、 253=4×7×9+1 なので、

 2024=8×(4×7×9+1) となり、数字の個数が5個で済む。

また、 2024=4×11×46 より、

 2024=4×(3+8)×(5×9+1) が思いつくが、数字の個数が6個もある。

これも、 2024=4×506 と考えて、、数字 1〜3、4〜9 を用いて、506を作ることを

考えると、 506÷(9×8)=7 ・・・ 2 から、 506=7×8×9+2 なので、

 2024=4×(7×8×9+2) となり、数字の個数が5個で済む。

以上から、2024=8×(4×7×9+1) や 2024=4×(7×8×9+2) など  (終)


(コメント) パズル&クイズの「2024年」を参考にすると、

 −1−5−6+4×(2+3+7×8×9)=2024 をいじって、

 −3×4+4×(5+7×8×9)=4×(2+7×8×9)=2024 ・・・ 数字の個数が5個

が得られる。


 よおすけさんからのコメントです。(令和6年2月11日付け)

 上記の問題で、使う数字が4個以下で 2024を作る式は見つかりませんでした。よって、
上記の条件なら、最少は5個で間違い無いと思います。


1.(2) 2本の金属棒O、Pがあり、長さは、Pの方がOより2cm長く、重さは、2本とも同じ
  である。長さ1cmあたりの重さは、Oはどこでも1cmあたり10gであるが、Pは、中間の
 ある長さの部分だけ1cmあたり11gで、それ以外の部分は1cmあたり8gであるという。

 

 2本の金属棒を上図の左端から同じ長さだけ切り取るとき、切り取る部分の重さが等しく
なるのは、切り取る長さが34.5cmのときだけである。このとき、次の問いに答えよ。

(ア) 上図の★の部分の長さを求めよ。

(イ) 金属棒1本の重さを求めよ。

(解)(ア) 題意より、8×★+11×(34.5−★)=10×34.5 なので、

 3×★=34.5 より、 ★=11.5(cm)

(イ) 切り取る部分の重さが等しくなるのは、切り取る長さが34.5cmのときだけであるの

 で、34.5cmより右側では、Pは1cmあたり8gとなる。

 よって、Oの長さをLとおくと、題意より、10×(L−34.5)=8×(L+2−34.5) なので、

 2×(L−34.5)=16 より、 2L=85 よって、 L=42.5(cm) となる。

 したがって、金属棒1本の重さは、 10×42.5=425(g) である。  (終)


1.(3) 1辺3cmの正三角形Pに、マークPがかかれている。この正三角形Pがはじめ下の
  図のスタートの位置にあって、1辺9cmの正三角形Qの外周を図の矢印の方向にすべら
  ないように転がって、はじめてゴールの位置にくるまで動く。このとき、次の問いに答えよ。

  

(ア) 正三角形Pがゴールの位置に着いたとき、マークPは上の図の向きになっていた。マー
 クPは、スタートの位置ではどの向きにかかれていたか。

(イ) 正三角形Pがスタートからゴールまで動くとき、図の頂点Aが動く距離を求めよ。

(ウ) 正三角形Pがスタートからゴールまで動くときに通過する部分の面積は、半径が3cmで、
 中心角が60°のおうぎ形の面積と、1辺が3cmの正三角形の面積をそれぞれ何個分あ
 わせたものであるか。

(解)(ア) 題意より、下図を得る。

  

(イ) 6π×(1/3)+6π×(2/3)+6π×(1/3)+6π×(2/3)+6π×(1/3)

  =14π ここで、π=3.14 として、 14π=43.96(cm)

(ウ) 求める面積は、下図の赤線で囲まれた部分の面積(正三角形Qを除く)に等しい。

  

 上図より、半径が3cmで、中心角が60°のおうぎ形の面積を14個分と、1辺が3cmの正

三角形の面積を7個分あわせたものに等しい。  (終)


(コメント) 今年度の桜蔭中学でも同趣旨の問題が出題されました。


2. 9枚のカード 1、2、3、4、5、6、7、8、9 がある。はじめに、9枚のカードから何枚か
 を選び、混ぜ合わせて1つの山に重ねる。このときのカードの並び方を「はじめのカードの
 状況」ということにする。

 たとえば、5枚のカード 1、2、3、4、5 が上から 4、2、5、1、3 の順に重ねられていると
きが、はじめのカードの状況で、簡単に 【42513】 と表すことにする。

 机と箱がある。次のルールに従って、山に重ねたカードを上から1枚ずつ、机の上か、箱
の中に動かす。

・1枚目のカードは必ず机の上に置く。
・2枚目以降のカードは、そのカードに書かれた数が机の上にあるどのカードに書かれた数
よりも小さいときだけ机の上に置き、そうでないときには箱の中に入れる。

 たとえば、【42513】のとき、上記の操作で、机の上には、4、2、1 のみが残る。これを、
カードが置かれた順に《421》と表すことにする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) 7枚のカード 1、2、3、4、5、6、7 を使う場合を考える。はじめのカードの状況が
  【7463125】であるときの結果を答えよ。

(2) 次のそれぞれの場合のはじめのカードの状況について答えよ。

(ア) 3枚のカード 1、2、3 を使う場合を考える。結果が《21》になるはじめのカードの状況
 をすべて書き出せ。

(イ) 4枚のカード 1、2、3、4 を使う場合を考える。結果が《21》になるはじめのカードの状
 況をすべて書き出せ。

(ウ) 5枚のカード 1、2、3、4、5 を使う場合を考える。

 (@) 結果が《21》になるはじめのカードの状況は何通りあるか。
 (A) 結果が《521》になるはじめのカードの状況は何通りあるか。

(エ) 6枚のカード 1、2、3、4、5、6 を使う場合を考える。結果が《521》になるはじめのカ
 ードの状況は何通りあるか。

(3) 9枚のカード全部を使う場合を考える。結果が《75421》になるはじめのカードの状況
 は何通りあるか。

(解)(1) 明らかに、《7431》 となる。

(2)(ア) 【213】、【231】 である。

(イ) 【2134】、【2143】、【2314】、【2413】、【2341】、【2431】 である。

(ウ)(@) 21*** 、2*1** 、2**1* 、2***1 のそれぞれで、*** には、3、4、5 の何

 れかが並ぶので、求める場合の数は、 4×3!=24(通り)

(別解) 21の並びに、3と4を追加して、起こりうる場合は、(2)(イ)より、

 2134 、2143 、2314 、2413 、2341 、2431

 それぞれに、5の入れ場所を考えて、

  2431 の場合、 25431 、24531 、24351 、24315

  2341 の場合、 25341 、23541 、23451 、23415

  2314 の場合、 25314 、23514 、23154 、23145

  2413 の場合、 25413 、24513 、24153 、24135

  2143 の場合、 25143 、21543 、21453 、21435

  2134 の場合、 25134 、21534 、21354 、21345

 よって、求める場合の数は、24通りである。  (終)

 上記の(別解)は次のように改良される。

(別解) 21の並びで、3の入れ場所は、 2○1○ の2通り

 その1通り、例えば、231 に対して、4の入れ場所は、2○3○1○ の3通り

 その1通り、例えば、2431 に対して、5の入れ場所は、2○4○3○1○ の4通り

よって、求める場合の数は、 2×3×4=24(通り)

(A) 521の並びで、3の入れ場所は、 52○1○ の2通り

 その1通り、例えば、5231 に対して、4の入れ場所は、52○3○1○ の3通り

よって、求める場合の数は、 2×3=6(通り)

(エ) 521の並びで、3の入れ場所は、 52○1○ の2通り

 その1通り、例えば、5231 に対して、4の入れ場所は、52○3○1○ の3通り

 その1通り、例えば、52431 に対して、6の入れ場所は、5○2○4○3○1○ の5通り

よって、求める場合の数は、 2×3×5=30(通り)

(3) 75421の並びで、3の入れ場所は、 7542○1○ の2通り

 その1通り、例えば、754231 に対して、

  6の入れ場所は、75○4○2○3○1○ の5通り

 その1通り、例えば、7564231 に対して、

  8の入れ場所は、7○5○6○4○2○3○1○ の7通り

 その1通り、例えば、78564231 に対して、

  9の入れ場所は、7○8○5○6○4○2○3○1○ の8通り

よって、求める場合の数は、 2×5×7×8=560(通り)  (終)


3. 直方体Xを3つの平面 P、Q、R で切断して、いくつかの立体ができる。このうちの1つを
 とって、立体Yと呼ぶことにする。

  

 立体Yの展開図は下図のようになることが分かっている。ただし、辺(あ)、辺(い)につづく面
が、それぞれ1つずつ書かれていない。また、直方体Xの点A、B、Cが、立体Yの展開図の点
A、B、Cに対応する。

  

(1) 立体Yの展開図の面@〜Dの中で、もともと直方体Xの面であったものをすべて答えよ。

(2) 立体Yの展開図に書かれた点D、E、Fに対応する点は、直方体Xの辺上にある。辺上
 の長さの比がなるべく正確になるように注怠して、点D、E、Fに対応する点を、直方体Xの
 見取図にかき入れよ。

(3) 平面Pで直方体Xを切断したときの断面、Qで切断したときの断面、Rで切断したときの
 断面は、それぞれどのような図形になるか。次の図のようなかき方で、直方体Xの見取図
 に1つずつ書き入れよ。

  

(4) 立体Yの展開図に、(あ)、(い)につづく面を、なるべく正確に書き入れよ。

(5) 展開図のひと目盛を1cmとする。(4)で書き入れた面のうち、(い)につづくほうの面積を
 求めよ。

(解)(1) 頂点Cの周りの90°の関係から、明らかに、A、B、C

(2) 立体Yの展開図からもとの立体を復元して、

  

 点D、E、Fに対応する点は上図のようになる。

(3) (2)の立体から、3つの平面で切断した断面は、下図の通りとなる。

      

(4) (2)の立体から、(あ)、(い)につづく面を、書き入れると、

  

(5) (い)につづく図形は直角三角形である。

  

 上図から、x の値は、 2 : x=5 : 3 から、 x=1.2

 よって、求める直角三角形の面積は、 1.2×3÷2=1.8(cm2)  (終)


(コメント) 空間把握が鍛えられた問題でした。


(追記) 令和6年2月14日付け

 筑波大学附属駒場中学の入試が2月3日に行われ、いくつか興味ある問題に挑戦してみ
た。問題は改題されています。

[1] 整数Aがある。Aに対して、整数B、C、Dを次のように決めていく。

<決め方> Aを37で割ったあまりがB、Bを17で割ったあまりがC、Cを7で割ったあまり
        がDである。

 次の問いに答えよ。

(1) B=26、C=9、D=2となるようなAとして考えられる数のうち、最も
  小さいものは26ですが、2番目に小さいものは何ですか。

(2) D=2となるようなAとして考えられる数のうち、2024以下のものは全部で何個あるか。

(3) B、C、Dがすべてちがう数となるようなAとして考えられる数のうち、2024以下のもの
 は全部で何個あるか。

(解)(1) 題意より、A=37A’+26、26=17・1+9、9=7・1+2 なので、2番目に小

 さいものは、A’=1として、 A=37+26=63

(2) D=2 より、 A=37A’+B、B=17・B’+C、C=7・C’+2 において、

 0≦C≦16 より、 0≦7・C’+2≦16 から、 C’=0、1、2

C’=0 のとき、 C=2 で、 B=17・B’+2

 ここで、 0≦B≦36 より、 0≦17・B’+2≦36 から、 B’=0、1、2

 B’=0 のとき、 B=2 で、 A=37A’+2

 A≦2024 から、 37A’+2≦2024 なので、 A’=0、1、・・・、54

 すなわち、 A=2、39、・・・、2000 の55個が該当する。

 B’=1 のとき、 B=19 で、 A=37A’+19

 A≦2024 から、 37A’+19≦2024 なので、 A’=0、1、・・・、54

 すなわち、 A=19、56、・・・、2017 の55個が該当する。

 B’=2 のとき、 B=36 で、 A=37A’+36

 A≦2024 から、 37A’+36≦2024 なので、 A’=0、1、・・・、53

 すなわち、 A=36、73、・・・、1997 の54個が該当する。

C’=1 のとき、 C=9 で、 B=17・B’+9

 ここで、 0≦B≦36 より、 0≦17・B’+9≦36 から、 B’=0、1

 B’=0 のとき、 B=9 で、 A=37A’+9

 A≦2024 から、 37A’+9≦2024 なので、 A’=0、1、・・・、54

 すなわち、 A=37、46、・・・、2007 の55個が該当する。

 B’=1 のとき、 B=26 で、 A=37A’+26

 A≦2024 から、 37A’+26≦2024 なので、 A’=0、1、・・・、54

 すなわち、 A=26、63、・・・、2024 の55個が該当する。

C’=2 のとき、 C=16 で、 B=17・B’+16

 ここで、 0≦B≦36 より、 0≦17・B’+16≦36 から、 B’=0、1

 B’=0 のとき、 B=16 で、 A=37A’+16

 A≦2024 から、 37A’+16≦2024 なので、 A’=0、1、・・・、54

 すなわち、 A=16、53、・・・、2014 の55個が該当する。

 B’=1 のとき、 B=33 で、 A=37A’+33

 A≦2024 から、 37A’+33≦2024 なので、 A’=0、1、・・・、53

 すなわち、 A=33、70、・・・、1994 の54個が該当する。

 以上から、求めるAは、 55+55+54+55+55+55+54=383個ある。  (終)

(別解) 上記の(解)を整理しておこう。

 C=7・C’+2 から、Cの可能性は、 C=2、9、16 の3通り

 B=17・B’+C から、Bの可能性は、

  B=2、9、16、19、26、33、36 の7通り

 よって、A=37A’+B で、A≦2024 を満たすものを探すと、

 [(2024−B)/37]=54、54、54、54、54、53、53

なので、該当するAは、 55×5+54×2=383(個)  (終)


(コメント) だいぶ解答が縮約できた!


(3) 題意より、A=37A’+B、B=17・B’+C、C=7・C’+D において、

 0≦B≦36 、0≦C≦16 、0≦D≦6 である。

 36≦B≦34 とすると、C=D となり、これは、不適

 B=33 とすると、C=16 、D=2 これは、適

 B=32 とすると、C=15 、D=1 これは、適

 B=31 とすると、C=14 、D=0 これは、適

 B=30 とすると、C=13 、D=6 これは、適

 B=29 とすると、C=12 、D=5 これは、適

 B=28 とすると、C=11 、D=4 これは、適

 B=27 とすると、C=10 、D=3 これは、適

 B=26 とすると、C=9 、D=2 これは、適

 B=25 とすると、C=8 、D=1 これは、適

 B=24 とすると、C=7 、D=0 これは、適

 17≦B≦23 とすると、C=D とあり、これは、不適

 0≦B≦16 とすると、B=C となり、これは、不適

 以上から、該当するAは、

 A=37A’+B (B=24、25、26、27、28、29、30、31、32、33)

このとき、 [(2024−B)/37]=54、54、54、53、53、53、53、53、53、53 なので、

該当するAの個数は、 55×3+54×7=543(個)


(コメント) 気が遠くなるような場合分けでしたが、多少解答を縮約することができました!


 DD++ さんからのコメントです。(令和6年2月17日付け)

 (3)も、(2)の改良後の解法と同様にすれば、こんな場合分けしなくても済むのではないか
と思います。

 D が C と等しくなる C の範囲は 0≦C≦6 で、C はもともと 0≦C≦16 だから、D が C と
異なるような範囲は 7≦C≦16

 C が B と等しくなる B の範囲は 0≦B≦16 で、B はもともと 0≦B≦36 だから、D が C と
異なるような範囲は 17≦B≦36 そのうち、7≦C≦16 となる範囲は 24≦B≦33

 以下、上記解答と同じ。



[2] サイコロは、向かい合う面の目の数の和が7になっている。いくつかのサイコロを、その
 面同士が丁度重なるように貼り合わせてできた立体で、重なって隠れた面の目の数の合計
 を「ウラの和」、隠れていない面の目の数の合計を「オモテの和」ということにする。

(1) 3個のサイコロを下図のように貼り合わせる。

  

 「オモテの和」として考えられるもののうち、もっとも大きい数ともっとも小さい数をそれぞれ
答えよ。

(2) 3個のサイコロを下図のように貼り合わせる。

  

 このとき、「オモテの和」が「ウラの和」でわり切れることがある。このような「オモテの和」と
して、考えられるものをすべて答えよ。

(3) 4個のサイコロを下図のように貼り合わせる。

  

 このとき、「オモテの和」が「ウラの和」でわり切れることがある。このような「オモテの和」と
して、考えられるものをすべて答えよ。

(4) 4個のサイコロを貼り合わせるとき、「オモテの和」として考えられるもののうち、もっと
 も大きい数ともっとも小さい数をそれぞれ答えよ。


(解)(1) 一つのサイコロの目の総和は、 1+2+3+4+5+6=6×7÷2=21

 3個のサイコロを貼り合わせるとき、 21×3−「ウラの和」=「オモテの和」 が成り立つ。

 このとき、 「ウラの和」の可能性は、 7+2、7+3、・・・、7+12 すなわち、

 9、10、・・・、19 である。よって、「オモテの和」 の可能性は、 54、53、・・・、44

 よって、もっとも大きい数は、54 、もっとも小さい数は、44 である。

(2) 3個のサイコロの貼り合わせより、 63−「ウラの和」=「オモテの和」 すなわち、

 63=「ウラの和」+「オモテの和」 が成り立つので、

 「オモテの和」が「ウラの和」でわり切れるとき、 63は「ウラの和」でわり切れる。

 「ウラの和」の可能性は、 2+3、・・・、12+11 すなわち、5、6、・・・、23

 この中で63の約数は、 21、9、7 なので、「オモテの和」=63−「ウラの和」 より、

 「オモテの和」として考えられるものは、 42、54、56 である。

(3) 4個のサイコロの貼り合わせより、 84−「ウラの和」=「オモテの和」 すなわち、

 84=「ウラの和」+「オモテの和」 が成り立つので、

 「オモテの和」が「ウラの和」でわり切れるとき、 84は「ウラの和」でわり切れる。

 「ウラの和」の可能性は、 2+7+3、・・・、12+7+11 すなわち、12、14、・・・、30

 この中で84=22・3・7 の約数は、 12、14、21、28 なので、

 「オモテの和」=84−「ウラの和」 より、

 「オモテの和」として考えられるものは、 72、70、63、56 である。

(4) 4個のサイコロの貼り合わせより、 84−「ウラの和」=「オモテの和」 が成り立つ。

 「ウラの和」の最大値は、5と6で4面が貼り合わされるときで、 11×4=44

 最小値は、1と1、2と1、2と1 で3面が貼り合わされるときで、2+3+3=8

なので、「オモテの和」として考えられる最小値は、84−44=40

 「オモテの和」として考えられる最大値は、84−8=76  (終)


[3] 一辺の長さが12cmの正六角形ABCDEFがある。直線AD上に点G、直線CF上に点H
  がある。△AGFの角G、△CHDの角Hは、どちらも直角である。

 点Pは頂点Aを出発し、正六角形の辺上を毎秒1cmの速さで A→B→C→D→E→F→A の
順に一周し、動き始めてから72秒後にAで止まる。

  

 PとG、GとH、HとPをまっすぐな線で結んで作った図形PGHを考える。次の問いに答えよ。

(1) 図形PGHが三角形にならないのは、Pが動き始めてから何秒後ですか。

(2) 図形PGHが三角形になり、△PGHの面積が△AGFの面積と等しくなるのは、Pが動き
 始めてから何秒後ですか。

(3) PとB、BとH、HとPをまっすぐな線で結んで作った図形PBHを考える。ただし、PがBに重
 なる場合は考えないものとする。

 図形PGH、図形PBHがどちらも三角形になり、△PGHの面積が△PBHの面積と等しくなる
 のは、Pが働き始めてから何秒後ですか。

(解)(1) 図形PGHが三角形にならないのは、点Pが下図の位置にあるときである。

  

 よって、 12×2+3=27 、12×5+9=69(秒後) である。

(2) △PGHの面積が△AGFの面積と等しくなるのは、点Pが下図の位置にあるときである。

  

 よって、6、12+6=18、12×2+9=33、12×5+3=63(秒後) である。

(3) △PGHの面積が△PBHの面積と等しくなるのは、点Pが下図の位置にあるときである。

  

 よって、6、12+9=21、12×2+6=30、12×4+3=51(秒後) である。  (終)


(コメント) 等積変形が鍛えられました!


[4] 一辺の長さが10cmの立方体の面どうしをちょうど重なるように組み合わせてつくった
 ブロックA、B、Cがある。ブロックAは立方体6個、ブロックBは立方体2個、ブロックCは立
 方体3個を組み合わせたものである。

  ブロックA   ブロックB   ブロックC

 ブロックA、ブロックB、ブロックCを、立方体の面どうしがちょうど重なるように、さらに組み
合わせることを考える。ただし、幅、奥行き、高さはどれも30cm以下となるようにする。

 一辺の長さが30cmの立方体の形の水そうがある。水平に置かれた空の水そうにブロック
を置き、12000cm3の水を入れて水面の高さを調べる。次の問いに答えよ。

(1) ブロックAを1個、水そうに置いたところ、下図のようになった。水を入れたあとの水面
  の高さは、水そうの床から何cmになるか。

  

(2) ブロックAとブロックBを1個ずつ組み合わせたものを水そうに置いたところ、真上から
 見たら、下図のようになった。ただし、ブロックAの位置や向きは(1)と変わらないものとす
 る。水を入れたあとの水面の高さは、水そうの床から何cmになる、考えられるものをすべ
 て答えよ。

  

(3) ブロックA、ブロックB、ブロックCを1個ずつ組み合わせたものを水そうに置いたところ、
 真上から見たら下図のようになった。ただし、ブロツクAの位置や向きは(1)と変わらない
 ものとする。水を入れたあとの水面の高さは、水そうの床から何cmになるか、考えられる
 ものをすべて答えよ。

  

(解)(1) 一辺の長さが10cmの立方体の体積は、1000cm3 である。

 ブロックAを除いた空きスペースは、1段目・・・立方体6個分、2段目・・・立方体7個分

 したがって、水面の高さは、1段目と2段目の間にある。

 よって、水面の高さは、 10+(12000−6000)÷700=10+60/7=130/7(cm)

(2) 考えられる場合は、次の3通りである。

(ア)   (イ)   (ウ)

(ア)  ブロックA、Bを除いた空きスペースは、

 1段目・・・立方体5個分、2段目・・・立方体6個分、3段目・・・立方体8個分

 したがって、水面の高さは、2段目と3段目の間にある。

 よって、水面の高さは、 20+(12000−11000)÷800=20+5/4=85/4(cm)

(イ)  ブロックA、Bを除いた空きスペースは、

 1段目・・・立方体6個分、2段目・・・立方体6個分

 したがって、水面の高さは、2段目の高さに等しいので、水面の高さは、 20(cm)

(ウ)  ブロックA、Bを除いた空きスペースは、

 1段目・・・立方体6個分、2段目・・・立方体7個分

 したがって、水面の高さは、1段目と2段目の間にある。

 よって、水面の高さは、 10+(12000−6000)÷700=10+60/7=130/7(cm)

(3) 考えられる場合は、次の4通りである。

  (ア)   (イ)
 
(ウ) (エ)

(ア)  ブロックA、B、Cを除いた空きスペースは、

 1段目・・・立方体4個分、2段目・・・立方体5個分、3段目・・・立方体7個分

 したがって、水面の高さは、2段目と3段目の間にある。

 よって、水面の高さは、 20+(12000−9000)÷700=20+30/7=170/7(cm)

(イ)  ブロックA、B、Cを除いた空きスペースは、

 1段目・・・立方体5個分、2段目・・・立方体5個分、3段目・・・立方体6個分

 したがって、水面の高さは、2段目と3段目の間にある。

 よって、水面の高さは、 20+(12000−10000)÷600=20+10/3=70/3(cm)

(ウ)  ブロックA、B、Cを除いた空きスペースは、

 1段目・・・立方体5個分、2段目・・・立方体6個分、3段目・・・立方体5個分

 したがって、水面の高さは、2段目と3段目の間にある。

 よって、水面の高さは、 20+(12000−11000)÷500=22(cm)

(エ)  ブロックA、B、Cを除いた空きスペースは、

 1段目・・・立方体6個分、2段目・・・立方体6個分

 したがって、水面の高さは、2段目の高さに等しいので、水面の高さは、20(cm)  (終)


(コメント) 十分楽しめた問題ですが、試験時間内で解ききる自信は全くありませんね!



  以下、工事中!