仕事算の問題
仕事算の問題(→ 参考:「仕事算」「仕事算2」「仕事算3」など)は、全体の仕事量を1とし
て計算する場合が多いが、次のような計算方法も有効であることが実感できた。
問題 太郎が15日かかる仕事を次郎は9日でできる。太郎が一人で何日か働いた後、
次郎が後を引き継いで働いたら11日かかった。太郎は何日働いたか?
(解) 仕事全体の量を15と9の最小公倍数の45と考えると、太郎は1日で3の量、次郎は
1日で5の量をする。
次郎が後を引き継いで働いたら11日かかったので、その仕事量は、5×11=55
よって、仕事量の55−45=10は、次郎の働きなので、実際に太郎が働いたのは、
10÷(5−3)=5(日間) 働いたことになる。
(コメント) 次の面積図を活用すると理解がはかどるかもしれない。
方程式で解くと、次のようになる。
(解) x・(1/15)+(11−x)・(1/9)=1 を解いて、x=5 (終)
次の問題も大変興味深い。
問題 ある仕事を太郎君と次郎君で行う。太郎君が6日休むと24日かかり、次郎君が3日
休むと21日かかる。2人とも休まず働くと何日で終わるか。
(解) 24日間で、太郎君が18日、次郎くんが24日働くと仕事は終わる。21日間で、太郎
君が21日、次郎くんが18日働くと仕事は終わる。
そこで、太郎君、次郎君の1日当たりの仕事量をx、yとおくと、
18x+24y=21x+18y より、 x=2y
全体の仕事量は、 18x+24y=60y
太郎君と次郎君を合わせた1日当たりの仕事量は、x+y=3y
よって、2人とも休まず働くと、 60y÷3y=20(日) で仕事は終わる。 (終)
問題 男4人で2日かかり、女6人だと4日かかる仕事がある。この仕事を男2人、女3人だ
と何日かかるか?
(解) 男1人の1日の仕事量は、1/8、女1人の1日の仕事量は、1/24
男3人、女3人の1日の仕事量は、3/8+3/24=1/2となる。
よって、2日かかる。 (終)
問題 ある仕事をするのに、Aが一人ですると30日かかり、Bが一人ですると、20日かか
る。A、B、Cの3人ですると、6日かかり、A、B、Dの3人ですると、10日かかる。
この仕事を、C、Dの2人がすると何日かかるか?
(解) 全体の仕事量を1とし、それぞれの1日の仕事量は、
A:1/30 、B:1/20 、A+B+C:1/6
よって、 C:1/6−1/30−1/20=5/60
また、A+B+D:1/10 より、 D:1/10−1/30−1/20=1/60
よって、C+Dの1日の仕事量は、
5/60+1/60=1/10 より、10日かかる。 (終)
問題 ある仕事を1時間で終えるのに、大人だけだと4人、子供だけだと8人必要である。
大人3人と子供何人かでやるとき、30分で仕事を終えるには子供は何人必要か?
(解) 大人1人の1時間当たりの仕事量は、1/4なので、30分当たりの仕事量は1/8
同様に、子供1人の1時間当たりの仕事量は、1/8なので、30分当たりの仕事量は1/16
大人3人だと3/8だけ終えるので、残り5/8を子供だけで行う。
よって、 5/8÷1/16=10 より、子供は10人必要である。 (終)
問題 浴槽を一杯にするのに、蛇口Aだけだと8分、蛇口Bだけだと4分かかる。最初、蛇
口Aだけで3分間水を入れ、その後蛇口Bだけ使うと、あと何分で浴槽は一杯になるか。
(解) 蛇口Aの1分間当たりの入水量は1/8で、2分間使ったので、1/8×3=3/8まで水
が入っている。蛇口Bの1分間当たりの入水量は1/4なので、
5/8÷1/4=5/2 より、2分30秒かかる。 (終)
問題 ある仕事を成し遂げるのに、Aは6日、Bは9日、Cは12日かかるという。
(1) その仕事を、AとBが力を合わせて3日間やり、残りをCに任せた。Cは何日で終わるか。
(2) その仕事を、A、B、Cの順で、それぞれ何日間かずつ一人で担当し成し遂げた。ただ
し、仕事をした日数の比は、A:B:C=1:3:2 であるという。果たして、仕事は何日間で
終わったのか?
(解)(1) A、Bの一日当たりの仕事量は、1/6、1/9なので、2人の一日当たりの仕事量は、
1/6+1/9=5/18 で、3日間で、 5/18×3=5/6 が終わっている。
Cの一日当たりの仕事量は、1/12で、残り1/6を終えるのに、1/6÷1/12=2(日)かかる。
(2) Aが1日、Bが3日、Cが2日仕事をすると、 1/6×1+1/9×3+1/12×2=2/3
すなわち、6日間で2/3仕事が終わるので、仕事が終わるのに、9日間かかる。 (終)
(追記) 令和4年3月26日付け
2022年度の聖光学院中学入試で、仕事算の問題が出題された。問題は若干改題しまし
た。
問題 36人を2つのグループA、Bに分けて、ある作業を行った。まず、グループAが1時
間作業し全体の半分を終え、次に、グループBが24分間作業し全体の1/7を終え、
最後に残った分を36人全員で行い全体の作業を終えた。
このとき、36人全員で行った作業時間を求めよ。
ただし、36人それぞれの一定時間当たりの作業量は同じものとする。
(解) 1時間当たりの作業量は、
グループAは1/2、グループBは、(1/7)×(60/24)=5/14
36人全員で行った作業量は、 1−(1/2+1/7)=5/14 で、必要な時間をTとすると、
(1/2)T+(5/14)T=5/14 より、 T=5/12 なので、 25分間作業をした。 (終)
(追記) 令和4年3月28日付け
仕事の途中で誰かが仕事を休むという設定も現実的にはあり得て、新鮮である。
問題 ある仕事をするのに a が一人でやると24日かかり、b が一人でやると40日かか
る。この仕事を a、b が一緒にやり始めたが途中で a が8日間休んだ。その間は b
が一人でやった。
このとき、a、b が一緒に働いたのは何日間か。
(解) 1日あたりの a の仕事量は、1/24で、b の仕事量は、1/40 なので、a、b が一緒
の1日あたりの仕事量は、 1/24+1/40=1/15 である。
a が休んだ8日間の b の仕事量は、8×1/40=1/5 なので、a、b が一緒に働いた仕
事量は、 1−1/5=4/5 である。
よって、a、bが一緒に働いた日数は、 4/5÷(1/15)=12(日間) (終)
(追記) 令和5年5月29日付け
問題 ある仕事を終えるのに、Aは6日、Bは12日かかる。最初2人で3日間した後、
Bが残りを一人でするとき、仕事は全部で何日かかるか。
(解) A、Bの一日当たりの仕事量は、1/6、1/12なので、2人でやった仕事量は、
(1/6+1/12)×3=3/4 なので、残り 1−3/4=1/4 をBがやる場合、
1/4÷1/12=3 より、仕事を終えるのに、 3+3=6(日)かかる。 (終)
問題 ある仕事を終えるのに、Aは6日、Bは12日かかる。2人でやると何日かかるか。
(解) A、Bの一日当たりの仕事量は、1/6、1/12なので、2人が一緒に働いた仕事量は、
1/6+1/12=1/4 である。
よって、仕事を終えるのに、 1÷1/4=4(日) かかる。 (終)
問題 ある仕事を終えるのに、Aだけだと12日、AとBの2人でやると、8日かかる。B一人
でやると何日かかるか。
(解) A、A+Bの一日当たりの仕事量は、1/12、1/8なので、Bの一日当たりの仕事量は、
1/8−1/12=1/24 である。
よって、Bが仕事を終えるのに、 1÷1/24=24(日) かかる。 (終)
問題 6人で28日かかる仕事がある。この仕事を最初は8人で10日間やり、残りを4日
間で終えるには、人数を何人増やせばよいか。
(解) 仕事量は全部で、6×28=168 このうち、10日間で、8×10=80 が終わってい
るので、残り168−80=88 である。これを4日間で終わらせるには、 88÷4=22(人)
必要である。よって、人数を、22−8=14(人) 増やせばよい。 (終)
問題 6人で30日かかる仕事がある。この仕事を最初は9人でやり、その後、残りを12
人で6日間働いたら終わった。最初の9人で働いた日数を求めよ。
(解) 仕事量は全部で、6×30=180 このうち、9人で x 日間仕事をしたとすると、
題意より、 180−9x=12×6 なので、 9x=180−72=108 より、 x=12
よって、最初の9人で働いた日数は、12日 (終)
問題 大中小のバケツで水槽に水を入れる。大だと16杯、中だと24杯、小だと32杯で
満杯になる。大1個と中3個と小2個だと、何回水を入れればよいか。
(解) 大1個と中3個と小2個だと、1回当たりの水の量は、1/16+3/24+2/32=1/4
よって、1÷1/4=4(回) 水を入れればよい。 (終)
問題 ある仕事をA、Bが一緒に取り組む。途中で、Aが6日休むと、仕事を終えるのに、
27日かかる。途中で、Bが2日休むと、仕事を終えるのに、25日かかる。2人とも
休まずに仕事に取り組めば、仕事は何日で終わるか。
(解) A、Bの1日当たりの仕事量をそれぞれ a、b とおくと、題意より、
21a+27b=1 、25a+23b=1 なので、a=b が成り立つ。
このとき、 21a+27b=48b=1 より、 b=1/48 で、a=1/48
よって、2人一緒の一日当たりの仕事量は、 1/48+1/48=1/24 となるので、
1÷1/24=24 から、2人とも休まずに仕事に取り組めば、24日で終わる。 (終)
問題 ある仕事を終えるのに、Aだけだと12日、Bだけだと8日、A、B、Cの3人だと4日
A、B、Dの3人だと4日かかるという。C、Dでやると何日かかるか。
(解) Aの1日当たりの仕事量は、1/12、Bの1日当たりの仕事量は、1/8 なので、C、D
の1日当たりの仕事量をそれぞれ、c、d とおくと、題意より、
1/12+1/8+c=1/4 から、c=1/24 、1/12+1/8+d=1/4 から、d=1/24
よって、C、Dの1日当たりの仕事量は、1/24+1/24=1/12 となるので、
1÷1/12=12 より、12日で終わる。 (終)
(追記) 令和6年7月10日付け
仕事算の問題が、東北大学 文理共通(1967)で出題されている。
第1問 X、Y、Zの3人が協力すれば a 時間でできる仕事がある。この仕事を単独でする
場合、Xの所要時間はYの所要時間のp倍よりb時間少なく、Zの所要時間のq倍よりb時
間少ない。Xの所要時間を求めよ。ただし、a、b、p、q は正の数とする。
(解) X、Y、Zの単位時間あたりの仕事量をそれぞれ x、y、z とおく。全体の仕事量をwと
おくと、題意より、 w=a(x+y+z) 、 w/x=p(w/y)−b 、w/x=q(w/z)−b である。
w/x=α とおくと、 w/y=(α+b)/p 、w/z=(α+b)/q
このとき、
1=a(x/w+y/w+z/w)=a(1/α+p/(α+b)+q/(α+b))=a(1/α+(p+q)/(α+b))
分母を払って、 α2−(a−b+a(p+q))α−ab=0
この2次方程式は異符号の解を持つので、求める解αはそのうちの正の解である。
よって、α=(a−b+a(p+q)+√((a−b+a(p+q))2+4ab))/2 (終)
(コメント) 本番の試験で、こんな汚い結果が出たら、不安になってしまいますね!
以下、工事中!