面積計算を説得する術
当HPでは、「微分積分を3時間でマスターする方法」というものを、アップロードしている。
その中で「面積計算が定積分を用いて行える」ということを、三角形の場合(直線
y=2x)
を例にして、説得を試みているが、常々、それでは「説得しきれないな...!」という思い
があった。
もう少し自然な図形で説得したいということで、いろいろ検討を重ねた結果、次のような
関数を用いる場合が適当という結論に至った。
左図のように、区間 [ 0 , 1 ]において、
2次関数 y=3x2 を考える。
この曲線と、x 軸、直線 x=1 で囲まれた図
形の面積は、定積分を用いない場合、それほ
ど自明なこととは思われない。
本来は、2次関数として、より簡明な y=x2
を用いたいところであるが、それではどうも説
明が立ち行かないようである。
小学校において、4年生で、面積の概念と長方形・正方形の求積公式を学習し、5年生
で、その他の図形の求積(平行四辺形・三角形・台形・円など)について学んでいる。
基本的な指導方針は、等積変形により、長方形の面積に帰着させるやり方だが、方眼
を用いた指導も十分なされていることと思われる。
たとえば、左図のような三角形の面積は、
(完全なマス目の数)+(欠けているマス目の数)÷2
から、 8+8÷2=12 をもとに求められることは、一
つの素養であると考えていいだろう。
このような考え方を用いれば、冒頭の面積を下図のような方眼を活用して求めることは、
自然に受け入れられるものと思う。
(完全なマス目の数)
+(欠けているマス目の数)÷2
=1+6÷2
=4
一つのマス目の面積は、1/4 なので、
左図の面積は、 4×(1/4)=1 である。
ところで、
以上から、少しだけ一般的な場合も、定積分を用いて面積が求められるということが説
明されると思う。