美しい平方数の和                      戻る

 ピタゴラスの定理によれば、
                    2+42=52
が成り立つ。

 タルタリアの三角形を意識すれば、2+72+82=92+102 という等式が成り立って
欲しいところだが、残念ながら、上式は成り立たない。

 それでは、連続する5整数で、3つの平方数と2つの平方数が等しくなるのは、果たして、
ありえるのだろうか?

 いま、連続する5整数を、n−2、n−1、n、n+1、n+2 (n≧3)とおくと、条件から、

        (n−2)2+(n−1)2+n2=(n+1)2+(n+2)2

上式の両辺を展開して、整理すれば、

               n2−12n=0

         n≧3 なので、  n=12

したがって、
          102+112+122=132+142
が成り立つ。

 同様にして、

     (n−3)2+(n−2)2+(n−1)2+n2=(n+1)2+(n+2)2+(n+3)2

から、n=24 なので、次の等式が成り立つ。

        212+222+232+242=252+262+272

以下同様にして、次のような等式群が成り立つ。

   362+372+382+392+402=412+422+432+442

552+562+572+582+592+602=612+622+632+642+652

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 一般に、次の事柄がいえる。

 連続する 2n+1 個の整数について、

         

が成り立つ。その和は、

           

である。


 当HPがいつもお世話になっているHN「KS」さんからの投稿です。(平成28年7月5日付け)

 平方数の和について考察してみると、例えば、32+112=72+92=130 など一致する
ものがあります。

 自然数に限定して、

(予想1) そのような組は、無限に存在する。

(予想2) 任意の数を含む、そのような等しくなる組が存在する。

(予想3) そのような組が2組のとき、3組、4組と任意の組が存在する。


 at さんからのコメントです。(平成28年7月5日付け)

 (予想1)と(予想2)に関してですが、これら2つの予想はどちらも正しいと思います。

 任意の整数 n に対して、等式

  n2+(3n4+5+(n8-n2)/2)2=(n4+3)2+(3n4+4+(n8-n2)/2)2

が成り立ちます。


 DD++さんからのコメントです。(平成28年7月5日付け)

 任意の自然数Nに対し、N=x2+y2 の整数解がいくつあるかを求める式が知られてます。
(ヤコビの二平方定理)

 片方が0であるものやx=yであるものは4つ組、それ以外は8つ組であることを考えれば、自
然数解の個数もすぐにわかり、(予想1)と(予想3)は真です。

 (予想2)も二平方恒等式を使えばすぐに作れますね。

 後から気づきましたが、例示されたものを2倍、3倍、……、していけば(予想1)は自明で
すね。


 KSさんからのコメントです。(平成28年7月6日付け)

 atさんの公式は、(予想2)の直球解で感激です。(予想2)より(予想1)が言えますが、他
に、
   (x12−y12)2+(x12+x21)2=(x12+y12)2+(x12−x21)2

も使えるかと思います。


 KSさんからのコメントです。(平成28年7月8日付け)

 725=232+142=252+102=262+72

が見つかりました。4個の一致する平方和は見つけていません。x3+y3=z3+w3 もどう
でしょうか?際限なく興味があります。関心のある方よろしくお願いします。


 らすかるさんからのコメントです。(平成28年7月8日付け)

52=42+32
54=202+152=242+72
56=1002+752=1172+442=1202+352
58=5002+3752=5272+3362=5852+2202=6002+1752
510=25002+18752=26352+16802=29252+11002=30002+8752=31162+2372
512=117532+102962=125002+93752=131752+84002=146252+55002=150002+43752=155802+11852
・・・・・

 三乗は、こちら (それ以上は、こちら

 また、数列サイト「A016032」には、ちょうどn通りの平方数の和に表せる最小の数、
A048610」には、n通り以上の平方数の和に表せる最小の数がありますね。


 KSさんからのコメントです。(平成28年7月9日付け)

 らすかるさん、いつもありがとうございます。すごいのがあるんですね。感心させられます。


 Seiichi Manyamaさんからのコメントです。(平成28年7月10日付け)

 「タルタリアの三角形」や上記の等式の、より一般的な次数の等式はないのでしょうか?

 すなわち、 a<b として、 an + (a + 1)n + … + (a + i)n = bn + (b + 1)n + … + (b + j)n

と書けないでしょうか?