方程式による開平
電卓があれば、平方根の計算は容易である。電卓がなくても、手計算による開平の方法を
知っていれば、やはり、すぐ求められる。このページでは、平方根計算の新たな方法として、
方程式を用いた開平の方法論について考える。
例 ≒1,414 や ≒1.732 などは暗記している方も多いと思うので、ここでは、
≒3.162
であることを、方程式を利用して求めてみよう。
まず、9<10<16 なので、3<<4 が成り立つ。
したがって、 =3+X/10 (0<X<10) と書ける。
両辺を10倍して平方すれば、 1000=900+60X+X2 すなわち、100=60X+X2
この式から、 1<X<2 であることが、直ぐ分かる。
したがって、 =3+1/10+Y/100 (0<Y<10) と書ける。
両辺を100倍して平方すれば、 100000=96100+620Y+Y2
すなわち、 3900=620Y+Y2
この式から、 6<Y<7 であることが、直ぐ分かる。
したがって、 =3+1/10+6/100+Z/1000 (0<Z<10) と書ける。
両辺を1000倍して平方すれば、 10000000=9985600+6320Z+Z2
すなわち、 14400=6320Z+Z2
この式から、 2<Z<3 であることが、直ぐ分かる。
以上から、 ≒3.162 である。
以下同様にして、根気強く計算すれば、 ≒3.1622776601・・・ を示すこともでき
るだろう。
(参考文献:上野健爾 著 代数入門1 (岩波書店))