数の巡回
次の問題は、当HPがいつもお世話になっているHN「FN」さんからの出題です。
6桁の自然数 ABCDEF に1桁の自然数 G を掛けて、FABCDE になるという。
ABCDEF と G を求めよ。ただし、A、B、C、D、E、F はすべて異なるとする。
(答) 当HPがいつもお世話になっているHN「らすかる」さんの解答です。
(平成23年6月24日付け)
ABCDEF×G=FABCDE の両辺を10倍して、 ABCDEF×G0=FABCDE0
よって、 ABCDEF×G0−ABCDEF=FABCDE0−ABCDEF=999999*F
すなわち、 (G0-1)*ABCDEF=999999*F が成り立つ。
A、B、C、D、E、F はすべて異なることから、 G≠1 なので、
G0-1=19、29、39、49、59、69、79、89
999999=33・7・11・13・37 から、上記のうち、19、29、59、69、79、89 は、999999*F を割
り切らないので不適。
G0-1=39 のとき、 ABCDEF=999999*F/(G0-1)=25641*F より、 F≧4 が分かる。
F=4 のとき、 ABCDEF=102564 で、G=4 となる。
F=5 のとき、 ABCDEF=128205 で、不適。
F=6 のとき、 ABCDEF=153864 で、G=4 となる。
F=7 のとき、 ABCDEF=179487 で、不適。
F=8 のとき、 ABCDEF=205128 で、不適。
F=9 のとき、 ABCDEF=230769 で、G=4 となる。
G0-1=49 のとき、 F=7 で、 ABCDEF=142857 、 G=5 となる。
以上から、 (ABCDEF,G)=(102564,4)、(153864,4)、(230769,4)、(142857,5)
(上記の解は、FNさんのご指摘を受けて修正済みです。)
FNさんから新しい問題の提起です。(平成23年6月24日付け)
ABCDEF×G=FABCDE は解がありましたが、6桁以外で同様の関係は成り立つ
でしょうか。
例えば、5桁なら、ABCDE×F=EABCD (A、B、C、D、E はすべて異なる)となります。
2桁から10桁まで、6桁以外では解がなさそうに思います。これを証明してください。もし、
6桁以外で解を持つことがあればそれを求めてください。
6桁以外で解を持たないことが証明できれば、「虫食い算6」の(上級)問題の式も6桁以
外では解を持たないことになります。
らすかるさんからのコメントです。(平成23年6月24日付け)
何桁の場合でも、上記の証明と同様に、
99…9*x が y0-1=19、29、39、49、59、69、79、89 のいずれかで割り切れる
必要があるが、19、29、59、79、89 は素数で、39=3・13、 49=72、 69=3・23 であること
から、99…9 が少なくとも 7、13、19、23、29、59、79、89 のいずれかで割り切れなければな
らない。しかし、2桁から10桁の99…9で、このいずれかで割り切れるのは、6桁の場合のみ
なので、それ以外の場合は解がない。11桁も同様に解がなく、12桁では解がある。
FNさんからのコメントです。(平成23年6月25日付け)
問題なさそうですね。A、B、C、・・・等はすべて異なるとしましたが、だから、10桁までに限
定したのですが、これは本質的な条件ではないのでとってしまいましょう。
n 桁の自然数 ABC・・・XYZ に1桁の自然数 k(k≠1)をかけると、ZABC・・・XYに
なるという。このような数が存在するのは、n がどのようなときか。
n が6の倍数であれば、142857を並べた数を取ればいいから、n は6の倍数でないとしま
す。10n−1 が、19、29、39、・・・、89 の素因数(3、7以外)を持つ場合を、Maxima を使って
調べてみたら、n=22 が最小のようです。このとき、次の解がありました。
1014492753623188405797*7=7101449275362318840579
1159420289855072463768*7=8115942028985507246376
1304347826086956521739*7=9130434782608695652173
FNさんから提起された問題の続報です。(平成23年6月26日付け)
n 桁の自然数 AB・・・YZを2倍すると、ZAB・・・Y になるという。これが成り立つの
は、n がどのような数であるときか?
大学入試でもいけるかと思いましたが、フェルマーの小定理あたりは知ってないと面白い
問題とはならないので無理なようです。コンピュータは使わないで手計算で解いてください。
ついでに、n と AB・・・YZ のひとつを求めるのも手計算でどうでしょうか。ノート1ページほ
どの計算用紙でできると思います。
らすかるさんからの情報です。(平成23年6月27日付け)
解答ではないですが、 AB…YZ×n=ZAB…Y となる最小の数の数列がこちらにありました。
FNさんからのコメントです。(平成23年6月27日付け)
オンライン整数列大辞典には何でも載ってるものですね。この数については最小の数だけ
ではなく、すべての数を求めることが可能であると思います。(あるいは間違ってるかもしれ
ませんが...。)
例えば、1つの解 102564*4=410256 から
102564102564102564*4=410256410256410256
のようにいくらでも解が得られますが、このようなものは、つまらない解として考えないとして
の話です。
らすかるさんのやり方に基礎的な整数論といくらかの計算で可能だと思います。
AB・・・YZ×k=ZAB・・・Y から
AB・・・YZ×k=ZAB・・・Y の両辺を10倍して、 AB・・・YZ×k0=ZAB・・・Y0
よって、 AB・・・YZ×k0−AB・・・YZ=ZAB・・・Y0−AB・・・YZ=99・・・99*Z
すなわち、 (k0-1)*AB・・・YZ=99・・・99*Z=(10n−1)Z
が得られますが、逆も可能で、必要十分条件です。
AB・・・YZをXと書くと、X(10・k-1)=(10n-1)Zとなります。
Xが、n桁の数、即ち、10n-1≦X<10n と X≡Z (mod 10) を付け加えれば必要十分条
件になります。
ところが、mod 10で考えれば、10・k-1も10n-1も9だから、9X≡9Zとなり、X≡Z(mod 10)
は常に成り立っています。だから次の問題になります。
k、n、Z、X は自然数で、
(10・k-1)X=(10n-1)Z、1<k<10、0<Z<10、10n-1≦X<10n
を満たす。このような k、n、Z、X を求めよ。
ただし、つまらない場合は除く。(これを正確に表現するのは面倒です。)
とりあえず、当面の問題 k=2 の場合を考えます。
19X=(10n-1)Z で、19は素数、Zは1桁の自然数だから、10n-1は19で割り切れる。
n=18がこの条件を満たすことはフェルマーの小定理でわかるが、n=18が最小である保証
はない。もしあるとすれば18の約数であるから、102、103、106、109を調べるといずれも駄目
とわかり、n=18が最小である。このことから、n が18の倍数とわかる。n は18の倍数である
とする。
X=(10n-1)/19*Z で、(10n-1)/19は自然数。10n-1≦X<10n に代入して、
10n-1≦(10n-1)/19*Z<10n
Z<10 だから、右の不等号は常に成り立つ。左の不等号から、Z≧10n-1*19/(10n-1)
よって、 Z≧2
Z=2、3、4、5、6、7、8、9 に対して、Xが定まり、解は、8個ある。
n=18のときの解Xは、X=(1018-1)/19*Z (Z=2、3、4、5、6、7、8、9) で、例えば、
Z=2 のときは、999999999999999999/19*2となります。これを手計算でするのは多少面倒
ですが不可能ではありません。ただし、8個すべてを手計算でするのは嫌だから、Maxima等を
使って計算することになります。
Z=2のとき、 105263157894736842*2=210526315789473684
Z=3のとき、 157894736842105263*2=315789473684210526 等
次に、n=18m のときですが、同様なので、n=54のときで書きます。
X=(1054-1)/19*Z=(1018-1)/19*Z*(1036+1018+1)
ここで、(1018-1)/19*Zの部分は、105263157894736842等であり、これに、1036+1018+1 を
かけるということは、これらを3回繰り返して並べるということである。
即ち、n=18m (m>1) のときはつまらない解しかない。k≧3 もほぼ同様です。k=5 だ
けやや違います。
n桁の数AB・・・YZに5をかけると、ZAB・・・Yになるという。このようなnとAB・・・YZを
すべて求めよ。ただしつまらない解は除く。
以下余談ですが、らすかるさんが引用されたページに面白いことがあります。
By accident, the nine terms of this sequence coincide with the first
nine terms of the
infinite sequence A128857. - N. J. A. Sloane, Apr 13 2009
上のように書いてありますが、上記のページとhttp://oeis.org/A128857では、5のときの値
が違います。
また、らすかるさんが引用されたページに次の様に書かれています。
Corrected to set 5th term to 142857 as this is the least 5-parasitic
number.
Dzmitry
Paulenka (pavlenko(AT)tut.by), Aug 09 2009
だから、Aug 09 2009以前は、A092697とA128857では、9番目まで同じだったのでしょう。
データは訂正されたけど、9番目まで同じだった方はそのまま残ったのでしょう。
142857*5=714285 は、大昔から知られていたはずなのに、42桁の数が最小数として載っ
ていたのは不思議な気もしますが、ありうることかもしれないとも思います。
オイラーさんが、上記問題の解を求められました。(平成23年6月28日付け)
102040816326530612244897959183673469387755
122448979591836734693877551020408163265306
163265306122448979591836734693877551020408
183673469387755102040816326530612244897959
FNさんからのコメントです。(平成23年6月28日付け)
k=5のときが、k=2のときとどのように違うかがわかるような形で、数学として書いてほし
かったのですが...。
49X=(10n-1)Z において、
(イ) Z≠7 のとき
10n-1
は、49で割り切れる。
フェルマーの小定理ではだめで、オイラーの公式 aφ(n)≡1 (mod
n)がいる。φ(49)=42
だから、1042≡1 (mod
49) である。
102、103、106、107、1014、1021 を計算していずれも
1
と合同でない。
従って、nは、42の倍数。
Z≧10n-1*49/(10n-1) より、Z≧5。ただし、Z≠7 だから、 Z=5、6、8、9。
n=42 として、これらを代入して、上記の4つの解を得る。
n=42m (m>1) のときは、つまらない解しかない。
(ロ) Z=7 のとき
7X=10n-1 となり、10n-1 は、7の倍数。これから、nは、6の倍数となる。
n=6 のとき、X=(106-1)/7=142857。
n=6m (m>1) のときは、つまらない解しかない。
以上より、
(n,AB・・・YZ)=(6,142857)、
(42,102040816326530612244897959183673469387755)、
(42,122448979591836734693877551020408163265306)、
(42,163265306122448979591836734693877551020408)、
(42,183673469387755102040816326530612244897959)
k=3、4、6、7、8、9 は、k=2とほとんど同じです。k=4、7のときが、10・k-1が素数でない
ので少し違いますが、素数×3であり、3が10n-1の素因数だから実質的な差はありません。
だから、残りは多少面倒な単純作業のはずです。
ところが、1つ不思議なことがあります。http://oeis.org/A092697に、k=9が載っていませ
ん。history http://oeis.org/history?seq=A092697
によると、以前には載っていたのが削除
されたようです。k=5は、前のデータが消されて正しいデータ142857が記入されていますが、
k=9は削除だけがされています。
10112359550561797752808988764044943820224719*9
=91011235955056179775280898876404494382022471
は条件を満たしています。そして、k=9のときの解はこれだけです。なぜ削除されたのかわ
かりません。
FNさんの問題を、当HPがいつもお世話になっているHN「攻略法」さんが考察されました。
(平成23年6月28日付け)
循環小数
0.{AB…YZ}=AB…YZ/99…99 (n個の9)=X/(10n-1) =Z/(10・k-1)
n
桁なので、A≠0。これより、Z≧k これが基本形となる。
k=2 の場合は、
Z 10k-1 X
n
2 / 19 = 0.{105263157894736842} 循環節= 18
3 / 19 =
0.{157894736842105263} 循環節= 18
4 / 19 = 0.{210526315789473684} 循環節=
18
5 / 19 = 0.{263157894736842105} 循環節= 18
6 / 19 =
0.{315789473684210526} 循環節= 18
7 / 19 = 0.{368421052631578947} 循環節=
18
8 / 19 = 0.{421052631578947368} 循環節= 18
9 / 19 =
0.{473684210526315789} 循環節= 18
k= 1
1 / 9 = 0.{1}
循環節= 1
2 / 9 = 0.{2} 循環節= 1
3 / 9 = 1 / 3 = 0.{3} 循環節= 1
4 / 9 =
0.{4} 循環節= 1
5 / 9 = 0.{5} 循環節= 1
6 / 9 = 2 / 3 = 0.{6} 循環節= 1
7
/ 9 = 0.{7} 循環節= 1
8 / 9 = 0.{8} 循環節= 1
k= 2
2 / 19 =
0.{105263157894736842} 循環節= 18
3 / 19 = 0.{157894736842105263} 循環節=
18
4 / 19 = 0.{210526315789473684} 循環節= 18
5 / 19 =
0.{263157894736842105} 循環節= 18
6 / 19 = 0.{315789473684210526} 循環節=
18
7 / 19 = 0.{368421052631578947} 循環節= 18
8 / 19 =
0.{421052631578947368} 循環節= 18
9 / 19 = 0.{473684210526315789} 循環節=
18
k= 3
3 / 29 = 0.{1034482758620689655172413793} 循環節= 28
4 / 29
= 0.{1379310344827586206896551724} 循環節= 28
5 / 29 =
0.{1724137931034482758620689655} 循環節= 28
6 / 29 =
0.{2068965517241379310344827586} 循環節= 28
7 / 29 =
0.{2413793103448275862068965517} 循環節= 28
8 / 29 =
0.{2758620689655172413793103448} 循環節= 28
9 / 29 =
0.{3103448275862068965517241379} 循環節= 28
k= 4
4 / 39 = 0.{102564}
循環節= 6
5 / 39 = 0.{128205} 循環節= 6
6 / 39 = 2 / 13 = 0.{153846} 循環節=
6
7 / 39 = 0.{179487} 循環節= 6
8 / 39 = 0.{205128} 循環節= 6
9 / 39 = 3
/ 13 = 0.{230769} 循環節= 6
k= 5
5 / 49 =
0.{102040816326530612244897959183673469387755} 循環節= 42
6 / 49 =
0.{122448979591836734693877551020408163265306} 循環節= 42
7 / 49 = 1 / 7 =
0.{142857} 循環節= 6
8 / 49 = 0.{163265306122448979591836734693877551020408}
循環節= 42
9 / 49 = 0.{183673469387755102040816326530612244897959} 循環節=
42
k= 6
6 / 59 =
0.{1016949152542372881355932203389830508474576271186440677966} 循環節= 58
7 /
59 = 0.{1186440677966101694915254237288135593220338983050847457627} 循環節=
58
8 / 59 = 0.{1355932203389830508474576271186440677966101694915254237288}
循環節= 58
9 / 59 =
0.{1525423728813559322033898305084745762711864406779661016949} 循環節=
58
k= 7
7 / 69 = 0.{1014492753623188405797} 循環節= 22
8 / 69 =
0.{1159420289855072463768} 循環節= 22
9 / 69 = 3 / 23 =
0.{1304347826086956521739} 循環節= 22
k= 8
8 / 79 = 0.{1012658227848}
循環節= 13
9 / 79 = 0.{1139240506329} 循環節= 13
k= 9
9 / 89 =
0.{10112359550561797752808988764044943820224719} 循環節=
44
FNさんからのコメントです。(平成23年6月28日付け)
「虫食い算6」の(上級)にある虫食い算の段階で、1/7の循環小数表示に関連しそうだが
なと思いながら、わからずまともに攻めました。
(10・k-1)X=(10n-1)Z が出た段階で、X/(10n-1)
=
Z/(10・k-1) とすれば、比較的容易
にできるのですね。つまらない解なんかほとんど考える気も起きないような感じです。しかし
一応考えないといけないでしょうが...。
FNさんからの続報です。(平成23年6月29日付け)
(1) n桁の自然数AB・・・YZに1桁の自然数k≠1をかけるとZAB・・・Yになるという。
このようなkとnとAB・・・YZをすべて求めよ。ただしつまらない解は除く。
これについては終わりました。次の問題はどうでしょうか。
(2) n桁の自然数AB・・・YZに1桁の自然数k≠1をかけるとB・・・YZAになるという。
このようなkとnとAB・・・YZをすべて求めよ。ただしつまらない解は除く。
オイラーさんが(2)の解を求められました。(平成23年6月29日付け)
k n
3 6 142857
3 6 285714 この解以外は、つまらない解のみ。
FNさんが、(2)の解を与えられました。(平成23年7月6日付け)
AB・・・YZ0−B・・・YZA=A*(10n-1) で、さらに、AB・・・YZ×k=B・・・YZA であるから
AB・・・YZ0−B・・・YZA=(10-k)*AB・・・YZ より、 A*(10n-1)=(10-k)*AB・・・YZ
X=AB・・・YZとおくと、 A(10n-1)=(10-k)X ・・・・ (*)
Xは、n桁で、先頭の数字がAだから、 A*10n-1≦X<(A+1)*10n-1 ・・・・ (**)
よって、(*)(**)が成り立つことが必要十分条件である。
(**)の各辺に、10-k をかけて、(*)を代入すると、
A・10n-1・(10-k)≦A(10n-1)<(A+1)10n-1・(10-k)
左の不等式は、Aで割れば、10n-k・10n-1≦10n-1 で常に成り立つ。
右の不等式で、右辺は、10の倍数であり、左辺は、10の倍数A・10nよりAだけ小さく、Aは、
10より小さいから、左辺を、A・10nに変えても成り立つ。ただし、等号が成り立つ可能性はあ
りうる。従って、 A・10n≦(A+1)10n-1・(10-k) である。
両辺を10n-1で割って、 10A≦(A+1)(10-k)
10A≦10A-kA+10-k より、 kA≦10-k ・・・・ (***)
A≧1だから、(***)より、 k≦10-k なので、 k≦5 従って、 k=2、3、4、5
(***)より、 A≦(10-k)/k これに、k=2、3、4、5 を代入して、
k=2のとき、 A=1、2、3、4
k=3のとき、 A=1、2
k=4のとき、 A=1
k=5のとき、 A=1
(*)より、A(10n-1)は、10-kで割り切れなければならない。
k=2のとき、A(10n-1)が、10-k=8 で割り切れるのは、A=1、2、3、4 だから不可能。
k=3のとき、A(10n-1)が、10-k=7 で割り切れなければならないが、A=1、2 だから
10n-1が、7で割り切れる。従って、nは、6の倍数。
k=4のとき、A(10n-1)が、10-k=6 で割り切れるのは、A=1 だから不可能。
k=5のとき、A(10n-1)が、10-k=5 で割り切れるのは、A=1 だから不可能。
以上より、 k=3 、A=1、2 で、nが6の倍数のときのみである。
k=3、A=1、n=6 のとき、 7X=106-1 より、 X=142857
k=3、A=2、n=6 のとき、 7X=2(106-1) より、 X=285714
n=6m (m>1) のときは、つまらない解である。
したがって、 (k,n,AB・・・YZ)=(3,6,142857) 、(3,6,285714) となる。
FNさんから新しい問題の提起です。(平成23年7月6日付け)
次の問題はどうでしょう。数の巡回というよりは数の逆転ですが...。
(3) n桁の自然数AB・・・YZに1桁の自然数k≠1をかけると、ZY・・・BAになるという。
このようなkとAB・・・YZをすべて求めよ。ただしつまらない解は除く。
(1)は、36通りで、(2)は、2通りの解を持ちました。そういう意味では、(3)の解は有限個で
はありません。だから「すべて求めよ」というのは不適切かもしれません。
(1)や(2)と同じ意味でのつまらない解の他のつまらない解やあまり面白くない解を除けば
有限個になりそうな気がします。
FNさんからのコメントです。(平成23年7月8日付け)
「不思議な数1089」から、
1089×9=9801 2178×4=8712
が成り立ち、上記(3)の解が2つ得られます。そして、多分、この2つから導かれるもの以外
はないだろうと思われます。証明できたわけではありません。
今までは、すべて10進法の話ですが、p進法で考えます。p は素数とはしません。p進法
で、ABCDと表される数を、[A,B,C,D]p または [A,B,C,D] で表すことにします。
10進法の1089に相当するのは、p進法では、[1,0,p-2,p-1] です。
k=1、2、・・・、p-1 とする。
このとき、 [1,0,p-2,p-1]×k=[k,k-1,p-k-1,p-k] が成り立つ。
実際に、 [1,0,p-2,p-1]×k={p3+(p-2)・p+p-1}×k
=k・p3+k・p2−2k・p+k・p−k
=k・p3+k・p2−k・p−k
=k・p3+(k-1)・p2+(p-k-1)・p+p-k
=[k,k-1,p-k-1,p-k]
ここで、kを、p−kにすると、 [1,0,p-2,p-1]×(p-k)=[p-k,p-k-1,k-1,k] となるから
[k,k-1,p-k-1,p-k]×(p-k)/k=[p-k,p-k-1,k-1,k]
従って、p-kがkで割り切れるなら、即ち、pがkで割り切れるなら、p進法における上記(3)
の解が得られる。 (p-k)/k≧2 即ち p≧3k は必要。
k=1 として、 [1,0,p-2,p-1]×(p-1)=[p-1,p-2,0,1]
これは、p≧3 であればいつでも解である。 p=10 のとき、 1089×9=9801
k=2 として、 [2,1,p-3,p-2]×(p-2)/2=[p-2,p-3,1,2]
これは、pが6以上の偶数であれば解である。 p=10 のとき、 2178×4=8712
k=3 として、 [3,2,p-4,p-3]×(p-3)/3=[p-3,p-4,2,3]
これは、pが9以上の3の倍数であれば解である。 p=10 は条件を満たさない。etc
FNさんから(3)についての続報です。(平成23年7月9日付け)
AB・・・YZ×k=ZY・・・BAにおいて、
1の位を比較して、 kZ≡A (mod 10) ・・・ (*)
最高位を比較して、 Z≧kA ・・・・・・・・・・・ (**)
掛け算の繰り上がりに関して、次のことが成り立つ。
kをかける掛け算において、繰り上がりが、k以上になることはない ・・・ (K)
例えば、6をかける掛け算において、・・・999×6であっても繰り上がりは最大5である。
(*)(**)(K)を使って、k、A、Z をしぼっていく。
(1) kが偶数のとき
(*)より、Aは偶数だから、A≧2
(**)より、k=6、8 はありえないから、k=2、4
k=2 のとき、(*)(**)より、 2Z≡A (mod 10) 、Z≧2A
これを満たすのは、A=2 、Z=6 しかない。
ところが、 2・・・・6×2=6・・・・2 で、これは、(K)より不可能。
k=4 のとき、(*)(**)より、 4Z≡A (mod 10) 、Z≧4A
これを満たすのは、A=2 、Z=8 しかない。
2178×4=8712 が成り立つから、このケースはありうる。
よって、 (k,A,Z)=(4,2,8)
(2) kが奇数のとき
k=3 のとき、(*)(**)より、 3Z≡A (mod 10) 、Z≧3A
これを満たすのは、A=1 、Z=7 しかない。
ところが、 1・・・・7×3=7・・・・1 で、これは(K)より不可能。
k=5 のとき、(*)(**)より、 5Z≡A (mod 10) 、Z≧5A
これを満たすA、Zはない。
k=7 のとき、(*)(**)より、 7Z≡A (mod 10) 、Z≧7A
これを満たすA、Zはない。
k=9 のとき、(*)(**)より、 9Z≡A (mod 10) 、Z≧9A
これを満たすのは、A=1 、Z=9 しかない。
1089×9=9801が成り立つから、このケースはありうる。
よって、 (k,A,Z)=(9,1,9)
以上より、 (k,A,Z)=(9,1,9)、(4,2,8)
これで、(k,A,Z)は出ました。また、19×9=91、28×4=82 が成り立たないことから、2桁
では解がないことがわかりました。従って、3桁以上とします。次に、B、Yを求めます。なお
Bは前から2番目の数で、Yは後から2番目の数です。だから、3桁の場合は同じ数を指しま
すが、3桁の場合を含めて、3桁以上で考えます。
攻略法さんが上記の解 (k,A,Z)=(9,1,9)、(4,2,8) について考察されました。
(平成23年7月12日付け)
n桁の数は、10…0 ((n-1)個の0) から 9…9 (n個の9) まで、10n-10n-1=9*10n-1 通り
検証する「場合の数」を減らすには?
参考サイト: http://oeis.org/A001232 http://oeis.org/A008918
(考察) (k,A,Z)=(9,1,9) すなわち、1BC…XY9*9=9YX…CB1 より
2桁 19形 19*9=91は成立しないので、解はない。
3桁 1B9形 3桁の数の9倍が3桁の数より、元の数≦999÷9=111となる。 よって、B=0
このとき、109*9=901は成立しないので、解はない。
4桁以上で
●左端2桁と右端2桁の数を確定する → 10n-4通りへ
n桁の数の9倍がn桁の数より、元の数≦99…99(n個の9)÷9=11…11(n個の1)となる。
よって、B=0、1
B=0 のとき、十の位 10C…XY9*9=9YX…C01より、Y*9+8≡0 (mod 10) よって、Y=8
このとき、10C…X89の形<11…11(n個の1)なので、解の可能性はある。
B=1 のとき、十の位 11C…XY9*9=9YX…C11より、Y*9+8≡1 (mod 10) よって、Y=7
このとき、11C…X79の形≦11…11(n個の1)を満たすように調整はできるが、
11C…X79*9=97X…C11を考えると、前から2つ目の桁 1*9=7 は(繰り上がりを含めても)
成立しない。
以上より、10C…X89 の形となる。
4桁の1089は、1089*9=9801 なので、解である。
5桁以上で
●C…Xの並び →
99…99((n-4)個の9)÷9 + 1 = 11…11((n-4)個の1)+ 1 通りへ
98X…C01が9の倍数(判定法)より、9+8+X+ … +C+0+1≡0 (mod 9)
よって、C+ … +X≡0 (mod 9) ← 式1
5桁(並びが1つ、10C89形)の場合、式1を満たすのは、0≦C≦9 から、C=0、9 となる。
C=0 は、10089*9=98001は成立しない。
C=9 は、10989*9=98901なので、解となる。
6桁(並びが2つ、10CX89形)の場合、式1を満たすのは、0≦C、X≦9から
(C,X)=(0,0)、(0,9)、(1,8)、(2,7)、(3,6)、(4,5)、(5,4)、(6,3)、(7,2)、(8,1)、(9,0)、(9,9) が候補と
なる。実際、(C,X)=(9,9) が解である。以下同様に考える。
すなわち、C…Xは0から10n-4-1までの9の倍数を検証の対象とすればよい。(終り)
(k,A,Z)=(4,2,8) すなわち、2BC…XY8*4=8YX…CB2 より、C…Xの並びについては、
87X…C12が既に4の倍数なので、上記の手法は使えない。
1089*2=2178、10989*2=21978、109989*2=219978、… を使って制限できるのだろうか?
攻略法さんが、p進法4桁で、ABCD*m=DCBA となるものを調査されました。
(平成23年7月10日付け)
次の2種類は解が多く存在します。他にもありますが、今のところ規則性が分かりません。
・[k,k-1,p-1-k,p-k]*(p-k)/k型
pが、3*k以上の
k の倍数のとき、[k,k-1,p-1-k,p-k] 、m=(p-k)/k
は解となる。
・[s,t,s,t]*m型
m=1、2、3、…、p-1 について、s<t かつ (s,t)=1 かつ [s,t,s,t]*m=[t,s,t,s]
となる最小の
s,t が存在するとき、n*t≦p を満たす
n=1、2、3、… と、n*s+t*i<p を満
たす i=1、2、3、… で、[n*s,n*t+s*i,n*s+t*i,n*t]
は解となる。
●2進数 解なし ●4進数 m= 3 1 0 2 3 ●6進数 m= 2 2 1 3 4 m= 5 1 0 4 5 ●8進数 m= 2 2 5 2 5 2 7 7 5 m= 3 2 1 5 6 m= 5 1 0 1 5 ← ?????????? m= 7 1 0 6 7 ●10進数 m= 4 2 1 7 8 m= 9 1 0 8 9 ●12進数 m= 2 4 3 7 8 m= 3 3 2 8 9 m= 5 2 1 9 10 m= 11 1 0 10 11 ●14進数 m= 2 4 9 4 9 4 13 13 9 m= 4 2 11 2 11 2 13 13 11 m= 6 2 1 11 12 m= 13 1 0 12 13 ●16進数 m= 3 4 3 11 12 m= 7 2 1 13 14 m= 15 1 0 14 15 ●18進数 m= 2 6 5 11 12 m= 5 3 2 14 15 m= 8 2 1 15 16 m= 17 1 0 16 17 ●20進数 m= 2 6 13 6 13 6 19 19 13 m= 3 5 4 14 15 m= 4 4 3 15 16 m= 6 2 17 2 17 2 19 19 17 m= 9 2 1 17 18 m= 19 1 0 18 19 ●22進数 m= 10 2 1 19 20 m= 21 1 0 20 21 ●24進数 m= 2 8 7 15 16 m= 3 6 5 17 18 m= 4 4 19 4 19 4 23 23 19 m= 5 4 3 19 20 m= 7 3 2 20 21 m= 11 2 1 21 22 m= 19 1 0 3 19 ← ?????????? m= 23 1 0 22 23 ●26進数 m= 2 8 17 8 17 8 25 25 17 m= 8 2 23 2 23 2 25 25 23 m= 10 2 4 23 21 ← ?????????? m= 11 1 19 1 19 1 20 20 19 m= 12 2 1 23 24 m= 25 1 0 24 25 ●28進数 m= 3 7 6 20 21 m= 6 4 3 23 24 m= 13 2 1 25 26 m= 27 1 0 26 27 ●30進数 m= 2 10 9 19 20 m= 4 6 5 23 24 m= 5 5 4 24 25 m= 9 3 2 26 27 m= 14 2 1 27 28 m= 29 1 0 28 29 |
●3進数 m= 2 1 0 1 2 ← [k,k-1,p-1-k,p-k]*(p-k)/k ●5進数 m= 2 1 3 1 3 ← [s,t,s,t]*m 1 4 4 3 m= 4 1 0 3 4 ●7進数 m= 3 1 5 1 5 1 6 6 5 m= 6 1 0 5 6 ●9進数 m= 2 3 2 5 6 m= 4 1 7 1 7 1 8 8 7 m= 8 1 0 7 8 ●11進数 m= 2 3 7 3 7 3 10 10 7 m= 3 1 4 1 4 1 5 5 4 1 6 9 4 2 8 2 8 2 9 6 8 2 10 10 8 m= 5 1 9 1 9 1 10 10 9 m= 7 1 2 9 8 ← ?????????? m= 10 1 0 9 10 ●13進数 m= 5 1 8 1 8 1 9 9 8 m= 6 1 11 1 11 1 12 12 11 m= 12 1 0 11 12 ●15進数 m= 2 5 4 9 10 m= 3 3 11 3 11 3 14 14 11 m= 4 3 2 11 12 m= 7 1 13 1 13 1 14 14 13 m= 11 1 0 2 11 ← ?????????? m= 14 1 0 13 14 ●17進数 m= 2 5 11 5 11 5 16 16 11 m= 4 2 7 14 9 ← ?????????? m= 5 1 7 1 7 1 8 8 7 1 9 15 7 2 14 2 14 2 15 9 14 2 16 16 14 m= 8 1 15 1 15 1 16 16 15 m= 10 1 4 15 12 ← ?????????? m= 11 1 5 12 14 ← ?????????? m= 16 1 0 15 16 ●19進数 m= 3 2 7 2 7 2 9 9 7 2 11 16 7 4 14 4 14 4 16 11 14 4 18 18 14 m= 4 1 5 1 5 1 6 6 5 1 7 11 5 1 8 16 5 2 10 2 10 2 11 7 10 2 12 12 10 2 13 17 10 3 15 3 15 3 16 8 15 3 17 13 15 3 18 18 15 m= 6 2 5 16 13 ← ?????????? m= 7 1 11 1 11 1 12 12 11 m= 9 1 17 1 17 1 18 18 17 m= 18 1 0 17 18 ●21進数 m= 2 7 6 13 14 m= 5 2 13 2 13 2 15 15 13 m= 6 3 2 17 18 m= 10 1 19 1 19 1 20 20 19 m= 13 1 0 1 13 ← ?????????? m= 20 1 0 19 20 ●23進数 m= 2 7 15 7 15 7 22 22 15 m= 3 5 17 5 17 5 22 22 17 m= 4 1 16 21 6 ← ?????????? m= 5 3 19 3 19 3 22 22 19 m= 7 1 10 1 10 1 11 11 10 1 12 21 10 2 20 2 20 2 21 12 20 2 22 22 20 m= 11 1 21 1 21 1 22 22 21 m= 13 1 6 21 16 ← ?????????? m= 15 1 8 15 20 ← ?????????? m= 17 1 3 21 19 ← ?????????? m= 22 1 0 21 22 ●25進数 m= 4 5 4 19 20 m= 9 1 14 1 14 1 15 15 14 m= 12 1 23 1 23 1 24 24 23 m= 24 1 0 23 24 ●27進数 m= 2 9 8 17 18 m= 3 3 10 3 10 3 13 13 10 3 16 23 10 6 20 6 20 6 23 16 20 6 26 26 20 m= 6 3 23 3 23 3 26 26 23 m= 8 3 2 23 24 m= 13 1 25 1 25 1 26 26 25 m= 26 1 0 25 26 ●29進数 m= 2 9 19 9 19 9 28 28 19 m= 4 5 23 5 23 5 28 28 23 m= 5 1 6 1 6 1 7 7 6 1 8 13 6 1 9 19 6 1 10 25 6 2 12 2 12 2 13 8 12 2 14 14 12 2 15 20 12 2 16 26 12 3 18 3 18 3 19 9 18 3 20 15 18 3 21 21 18 3 22 27 18 4 24 4 24 4 25 10 24 4 26 16 24 4 27 22 24 4 28 28 24 m= 8 1 11 1 11 1 12 12 11 1 13 23 11 2 22 2 22 2 23 13 22 2 24 24 22 m= 9 1 13 1 13 1 14 14 13 1 15 27 13 2 26 2 26 2 27 15 26 2 28 28 26 m= 14 1 27 1 27 1 28 28 27 m= 16 1 8 27 20 ← ?????????? m= 19 1 11 18 26 ← ?????????? m= 28 1 0 27 28 |
FNさんから(3)についての続報です。(平成23年7月11日付け)
AB・・・YZ×k=ZY・・・BAにおいて、(k,A,Z)=(9,1,9)、(4,2,8)であるから、どちらの場
合も、B×k から A×k の所への繰り上がりはない。従って、B×k<10 ・・・ (*)
(k,A,Z)=(9,1,9) のとき
(*)より、9B<10 なので、B=0、1
10の位を比較して、 8+9Y≡B (mod 10)
B=0 のとき、 9Y≡2 (mod 10) より、Y=8 で、1089×9=9801 が成り立つから、こ
れはありうる。
B=1 のとき、 9Y≡3 (mod 10) より、Y=7 で、11・・・79×9=97・・・11 で、前から2
番目の位は不可能。
(k,A,Z)=(4,2,8) のとき
(*)より、4B<10 なので、 B=0、1、2
10の位を比較して、 3+4Y≡B (mod 10) より、Bは奇数だから、B=1
3+4Y≡1 より、4Y≡8 (mod 10) なので、 Y=2、7
Y=2 のとき、 21・・・28×4=82・・・12 となるが、これも前から2番目の位は不可能。
Y=7 のとき、 2178×4=8712 が成り立ちありうる。
以上より、 (k,A,B,Y,Z)=(9,1,0,8,9)、(4,2,1,7,8)
これで、3桁では解がないこと(もしあれば、B=Y)、4桁の解は、
1089×9=9801 と 2178×4=8712
であることが確定した。以下5桁以上とする。
(k,A,B,Y,Z)=(9,1,0,8,9) のとき
10C・・・X89×9=98X・・・C01
C×9 のところで、8繰り上がるから、Cは、8 か 9
C=8 のとき、100の位を比較して、8+9X≡8 (mod 10) より、9X≡0 (mod
10)
このとき、 X=0
C=9 のとき、100の位を比較して、8+9X≡9 (mod 10) より、9X≡1 (mod
10)
このとき、 X=9
(k,A,B,Y,Z)=(4,2,1,7,8) のとき
21C・・・X78×4=87X・・・C12
C×4 のところで、3繰り上がるから、Cは、7 か 8 か 9
100の位を比較して、3+4X≡C (mod 10) より、Cは奇数だから、C=7 か 9
C=7 のとき、100の位を比較して、3+4X≡7 (mod 10) より、4X≡4 (mod
10)
このとき、X=1、6
X=6 のとき、 217・・・678×4=876・・・712 となるが、前から3番目の位は不可能
C=9 のとき、100の位を比較して、3+4X≡9 (mod 10) より、4X≡6 (mod
10)
このとき、X=4、9
X=4 のとき、 219・・・478×4=874・・・912 となるが、前から3番目の位は不可能
以上より、
(k,A,B,C,X,Y,Z)=(9,1,0,8,0,8,,9) 、(9,1,0,9,9,8,9) 、
(4,2,1,7,1,7,8) 、(4,2,1,9,9,7,8)
これで、5桁の場合は、
10989×9=98901 と 21978×4=87912
だけが解であると確定した。6桁の場合は、候補は4個あるが、
109989×9=989901 と 219978×4=879912
だけが解であることは容易に確認できる。以下、7桁以上とする。
FNさんから(3)についての続報です。(平成23年7月12日付け)
ABCD・・・WXYZ×k=ZYXW・・・DCBA となる解について、
(k,A,B,C,X,Y,Z)=(9,1,0,8,0,8,,9) のとき
108D・・・W089×9=980W・・・D801
D×9で8繰り上がらないといけないから、D=8、9
D=8 のとき、9W≡8 (mod 10) より、W=2
このとき、E×9からの繰り上がりが10になるが、不可能。
従って、D=9 となり、9W≡9 (mod 10) より、W=1 で、
(k,A,B,C,D,W,X,Y,Z)=(9,1,0,8,9,1,0,8,9)
(k,A,B,C,X,Y,Z)=(9,1,0,9,9,8,9) のとき
109D・・・W989×9=989W・・・D901
D×9で8繰り上がらないといけないから、D=8、9
D=8 のとき、9W+8≡8 (mod 10) より、W≡0 (mod 10) で、 W=0
D=9 のとき、9W+8≡9 (mod 10) より、9W≡1 (mod 10) で、 W=9。
(k,A,B,C,D,W,X,Y,Z)=(9,1,0,9,8,0,9,8,9)、(9,1,0,9,9,9,9,8,9)
(k,A,B,C,X,Y,Z)=(4,2,1,7,1,7,8) のとき
217D・・・W178×4=871W・・・D712
D×4で3繰り上がらないといけないから、D=7、8、9
1000の位を比較して、4W≡D (mod 10) 従って、Dは偶数となり、D=8
4W≡8 (mod 10) より、W=2、7
W=7 とすると、前から4番目が不可能だから、W=2
ゆえに、 (k,A,B,C,D,W,X,Y,Z)=(4,2,1,7,8,2,1,7,8)
(k,A,B,C,X,Y,Z)=(4,2,1,9,9,7,8) のとき
219D・・・W978×4=879W・・・D912
D×4で3繰り上がらないといけないから、D=7、8、9
1000の位を比較して、3+4W≡D (mod 10) 従って、Dは奇数となり、D=7、9
D=7 のとき、3+4W≡7 (mod 10) より、4W≡4 (mod 10) から、W=1、6
W=6 のとき、2197・・・6978×4=8796・・・7912 となるが、前から4番目は不可能。
従って、W=1
D=9 のとき、3+4W≡9 (mod 10) より、4W≡6 (mod 10) から、W=4、9
W=4 のとき、2199・・・4978×4=8794・・・9912 となるが、前から4番目は不可能。
従って、W=9
ゆえに、
(k,A,B,C,D,W,X,Y,Z)=(4,2,1,9,7,1,9,7,8)、(4,2,1,9,9,9,9,7,8)
以上より、(k,A,B,C,D,W,X,Y,Z) は、次の6通り
(9,1,0,8,9,1,0,8,9)、(9,1,0,9,8,0,9,8,9)、(9,1,0,9,9,9,9,8,9)
(4,2,1,7,8,2,1,7,8)、(4,2,1,9,7,1,9,7,8)、(4,2,1,9,9,9,9,7,8)
これで、7桁の場合は、
1099989×9=9899901 と 2199978×4=8799912
だけが解であると確定した。8桁の場合は、候補は6個あるが、解は次の4個である。
10891089×9=98019801 10999989×9=98999901
21782178×4=87128712 21999978×4=87999921
CとXを求めるときとほとんど同じような部分もあります。次のステップに進めば、また同様
のことが起こると思われます。なんらかの工夫が必要なようです。
次のステップに進むとして、(k,A,B,C,D,W,X,Y,Z)=(9,1,0,8,9,1,0,8,9) のと
きを考えると、1089E・・・V9801×9=9801V・・・E9801となるが、これはもともとの問題とほぼ
同じである。
ただし、
(a) k は9に限定
(b) E は0も許容
の2点で異なる。(a)は問題を易しくする方向だからいいとして、(b)だが、E=0
のとき、V=0 は
すぐわかる。ここで再び同じ問題になる。(4,2,1,7,8,2,1,7,8)のときも同様。残りの4つ
の場合は今まで調べたケースのどれかと大体同じになりそう...多分。
もしそうなれば、完全に解けたことになりますが、証明をきちんと書くのは大変なような気が
します。証明すべきこと即ち解をきちんと書くだけでも難しい。
FNさんからの続報です。(平成23年7月13日付け)
(3)において、「ただしつまらない解は除く」は削除しました。もうちょっと前に削除しておく
べきでした。8桁の場合の次の解はつまらない解でした。
10891089×9=98019801 21782178×4=87128712
解は、多分、次のようになると思います。
1089×9=9801 と 2178×4=8712 を基本解とする。基本解の1つから次の手順で得ら
れるものが解のすべてである。
(1) 基本解の1つの前から2桁目と3桁目の間に、9を何個か(0個以上)いれる。
例えば、 10989 、109999989
(2) (1)で得られた解を何個か(1個以上)左右対称に並べ、それぞれの間に 0
を何個か
(0個以上)左右対称になるようにいれる。
例えば、 10891099891089 、10999989000001098900109890000010999989
これらが解であることは容易に確認できます。問題はすべてこの形で得られることですが、
きちんと書くのは難しそうです。しかし実質的な計算は今までで済んでいると思っています。
以下、工事中