幾何の問題2                                戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんからの出題です。
                                      (平成24年5月5日付け)

 半径 r cm の円の直径の上に、大きさの違う2つの円が並んでいます。

 この2つの円の直径が16cm、18cm のとき、r を求めなさい。





































(答) 空舟さんから解答をお寄せいただきました。(平成24年5月7日付け)

 円A、B、Cがあって、それぞれ半径9、8、r であって、円A、Bは互いに外接しつつ、共に
円C及び円Cの直径Lに接しているという図で解釈しました。

      

 方程式は、三平方の定理を用いて

  √[(r-a)2-a2] + √[(r-b)2-b2]=√[(a+b)2-(a-b)2]

 これより、 r = {-2ab(a+b)±4ab√(2ab)}/(a2-6ab+b2)

a=9、b=8 として正の数 r を求めると、 r=144/7 を得ます。


 よおすけさんからのコメントです。(平成24年5月7日付け)

 空舟さん、ありがとうございます。すいません。問題文変えます。

 半径12cmの大きい円の直径の上に同じ大きさの小さい円が3個並んでいます。小さい円
3個は、互いに外側で接しており、大きい円とは内側で接しています。
 小さい円の半径は何cmですか。

当初は小学3・4年生向けに作ったつもりですが、いざ作るってなると奇妙なものになります。


(コメント) 完成図がイメージできない...?


 空舟さんからのコメントです。(平成24年5月10日付け)

 上記の2題目について、「直径の上に並んでいる」という表現がどうも曖昧に感じますが、
小円A、B、Cと大円Oがあって、AとCが直径Lに接していると解釈しました。
(A、B、Cはこの順に外接し合い、大円に内接している)

 対称性の考察から、OとCの中心を結ぶ線分は直径Lと30度で交わるので、その線分の
長さは小円の半径の2倍であり、従って、大円の半径:小円の半径=3:1であることがわ
かります。


 中年Aさんからのコメントです。(平成24年5月17日付け)

 上記の話題に触発されて投稿します。よおすけさんは問題を修正されてますが、小生が
考えていますのは修正前の問題です。

 半径 r cm の円の直径の上に、大きさの違う2つの円が並んでいます。
この2つの円の直径が16cm、18cm のとき、r を求めなさい。


 この問題について、空舟さんは、

 円A、B、Cがあって、それぞれ半径9、8、r であって、円A、Bは互いに外接しつつ、
共に円C及び円Cの直径Lに接している


という図で解釈されたとのことです。

 小生は、この問題の構図の背景は何かと問題を設定し、次のことに至りました。

 円Cと円A、Bの接点をP、Qとする。円Cの直径と円A、Bの接点をR、Sとする。このとき、

PR、QS、円Cは一点で交わる。換言すると、PR、QSを円の内部で延長すると、円Cの円

周上の点Tで交わる。

     

 ここから円Cの直径を求めることは出来ないかと考えています。

 さらに、この構図を眺めながら小生が以前に投稿の「東北大学の2012年入試問題」を想
起しました。本サイト「初等幾何?」にまとめられている内容です。関連の有無は?と考えて
います。試行錯誤を継続しようと想念しています。


(コメント) 上記事実の証明を考えてみました。

 直線PR、直線QSが円Cと交わる点をそれぞれX、Yとおくと、

 ∠ARP=∠APR=∠CPR=∠CXR より、ARとCXは平行になる。

 ARは直径に対する垂線なので、CXも直径に対する垂線となる。

  同様にして、

 ∠BSQ=∠BQS=∠CQS=∠CYS より、BSとCYは平行になる。

 BSは直径に対する垂線なので、CYも直径に対する垂線となる。

  以上から、X=Y=T となる。


 よおすけさんからのコメントです。(平成24年5月17日付け)

 僕の場合は単に、「お茶の間」だからできるだけ簡単なものを出題しよう・・・ただそれだけ
でした。投稿「初等幾何?」を意識してはいません。参考にしたのが、僕が小学3年の時に使
っていた教科書です。円と球という単元があり、その練習問題を参考にしたのですが、ここは
文字掲示板なので絵が描けず、投稿するまで、文だけでどう説明しようか・・・となり、あの文
章題にしましたが、こちらも苦い思いをすることに・・・。


 攻略法さんからのコメントです。(平成24年5月19日付け)

 「初等幾何?」の円周角∠BPQ=π/4 として、点P、Qを考える。このとき、点P、Qは「幾
何の問題2」の半円に内接する円の接点P、Rとなる。「周上の点Tで交わる。」の証明の図
の場合、半円の直径の右端をXとすると、

   円周角∠XPR=∠XPT=π/4 、中心角∠XCT=π/2

である。


 空舟さんからのコメントです。(平成24年5月20日付け)

 今回の結果から検証すると、

 点T、線分RSの中点、円A、Bの外接点の3点は同一直線上にある
 (その直線は円A,Bの共通接線)

と成り立っていましたが、根拠は分かっていません。とりあえず指摘してみました。参考にな
れば幸いです。


 空舟さんからのコメントです。(平成24年5月22日付け)

 (上記証明の補足)

 底角が等しい二等辺三角形は相似(△PAR∽△PCT)です。そうすると、RがAの真下にあ
るので、TもCの真下にあるはずと理解されます。

 点T、線分RSの中点、円A、Bの外接点の3点は同一直線上にある

について、P、Q、R、Sは同一円周上にあることが示せます。

 PQと円A、Bの交点を p、q とすれば、□PRAp∽□QSBq より、∠RPQ=∠SP'Q=∠RST

 それを使って、円A、Bの共通接線がTを通ることが示せます。

 点Tから円A、Bに引いた接線の長さは、それぞれ √(TS・TQ)と√(TR・TP)で一致する。
(方べきの定理)