射影幾何
当HPの読者のK.S.さんより、平成23年11月4日付けで標記話題をメールで頂いた。
射影幾何においては、二次曲線である楕円、放物線、双曲線が同一視される、ことが知ら
れています。具体的に、それらを計算してみました。
先ず、二次曲線において、特異点を持たない曲線は、楕円、放物線、双曲線の何れかに
なるわけですが、平行移動、相似変換により、一般の曲線は、次の3つに集約される。
x2+y2=1 ・・・ (イ) y=x2 ・・・ (ロ) x2−y2=1 ・・・ (ハ)
これらは、アフィン平面上では違った形にみえ、同一視できないが、無限遠直線を添加した
実射影平面においては、無限遠直線との交点について、(イ)は、交点を持たない。(ロ)は、
交点を一つ持つ。(ハ)は、二つの異なる交点を持つ。
図で示すと
(イ)(ロ)(ハ)を実射影平面で表示し、無限遠直線(z=0)との交点を考えると、
x2+y2=z2 ・・・ (イ)’ zy=x2 ・・・ (ロ)’ x2−y2=z2 ・・・ (ハ)’
無限遠直線 z=0
(イ)’は実数では、交点を持たない。
(ロ)’は無限遠直線上の交点(0,0,1)を持つ。
(ハ)’は無限遠直線上の交点(0,1,1)と(0,1,−1)を持つ。
次に、これらを同一視する射影変換を考える。射影変換は、アフィン平面上で一般に
で表され、(イ)から(ロ)への変換は、
x’=−x/(y−1)、y’=(−y−1)/(y−1)
実際に、 x’2=x2/(y−1)2=(1−y2)/(y−1)2=(−y−1)/(y−1)=y’
(ロ)から(ハ)への変換は、
x’=(y+1)/(2x)、y’=(y−1)/(2x)
実際に、 x’2−y’2=(y+1)2/(2x)2−(y−1)2/(2x)2=4y/4x2=1
(ハ)から(イ)への変換は、
x’=1/x、y’=y/x
実際に、 x’2+y’2=1/x2+y2/x2=(1+y2)/x2=x2/x2=1
以上により、(イ)(ロ)(ハ)は射影変換により、移りあうので、同一視できる。
更に、上の二次曲線は、代数幾何においては、種数 g=0 で、双有理変換によって、直
線と同一視されることが知られている。
ks さんからのコメントです。(令和4年10月26日付け)
点と線の双対原理
「異なる二点を通る、ただ一つの直線が存在する。」
「異なる二直線を通る、ただ一つの点が存在する。」
パスカルの定理とブリアンションの定理
チェバの定理とメネラウスの定理
デザルグの定理は、それ自身と双対の関係
現実の物理世界は、どんな空間でしょうか?有限だそうですが。
りらひいさんからのコメントです。(令和4年10月27日付け)
チェバの定理とメネラウスの定理は射影幾何の定理ではありませんし、双対の関係では
ないと思います。
私が出題した問題「三角形のある等式」は、厳密には双対ではないのでしょうけれど、そ
れぞれの定理の双対を意識して作った問題です。
[1]がメネラウスの定理に対応し、[2]がチェバの定理に対応しています。
以下、工事中!