7の倍数                                 戻る

 当HPの「倍数の判定」で、7の倍数の判定は煩わしい雰囲気があるが、その中に深遠
なる性質があることを最近知ることができた。

 よく知られているように、7の倍数の判定は、

  3桁毎に交互に足したり引いたりしてできた数が7の倍数ならば、7の倍数

というものである。そして、3桁の数 abc が7の倍数かどうかの判定も、

       ab−2c が7の倍数

で行われる。

 いま、数字の 1〜6 全てを用いて6桁の整数を作るとき、7の倍数になるものは、次の
90個である。

123564 、124635 、125643 、134526 、134652 、136542 、142653 、145236 、
145362 、153426 、154623 、156324 、162435 、163254 、164325 、213465 、
213654 、214536 、231546 、235641 、236145 、241563 、243516 、246351 、
251643 、254163 、256431 、261345 、261534 、265314 、312564 、314265 、
315462 、324156 、325164 、325416 、342615 、345261 、346521 、351246 、
351624 、356412 、361452 、362145 、365421 、412356 、415632 、416325 、
421365 、426153 、426531 、431256 、432516 、435162 、452361 、452613 、
453621 、462315 、463512 、465213 、512463 、516243 、516432 、521346 、
523614 、526134 、531426 、534261 、536214 、541632 、542136 、546231 、
563241 、564123 、564312 、613452 、614523 、615342 、621453 、623154 、
624351 、632415 、632541 、635124 、641235 、643125 、643251 、652134 、
653142 、654213

 これらの数の中で、数字が巡回的になっているものと、そうでないものがある。

 数字が巡回的(順送り、逆送り)になっているものは、次の36個である。

タイプA
125643 、134652 、213465 、256431 、312564 、346521 、431256 、465213 、
521346 、564312 、643125 、652134

タイプB
145236 、163254 、236145 、254163 、325416 、361452 、416325 、452361 、
523614 、541632 、614523 、632541

タイプC
153426 、162435 、243516 、261534 、342615 、351624 、426153 、435162 、
516243 、534261 、615342 、624351

 自明でない6桁の7の倍数を瞬時にあげることは難しいが、

   125643  145236  153426

という数字の並びを覚えておけば、自由自在にいろいろな7の倍数を瞬時に作ることが出
来る!

 125643 は美しい並びで覚えやすいかな?

でも、 「145236」を、
                

という風に配置すると、これも美しい並びですね!


 上記の話題について、当HPがいつもお世話になっているHN「FN」さんが考察されました。
                                       (平成23年7月5日付け)

 ABCDEFに対して、BCDEFA、CDEFAB、・・・ を、巡回的(順送り)、FEDCBA、EDCBAF、
・・・ を巡回的(逆送り)と表現されています。

 まず、巡回的(順送り)は常に成り立ちます。

 即ち、ABCDEFが7の倍数であれば、BCDEFA、CDEFAB、・・・ は常に7の倍数です。

BCDEFAについて言えれば十分です。少し強い形にしておきます。

(1) 6桁の整数ABCDEFを7で割った余りをRとすると、BCDEFAを7で割った余りは、
  3R (mod 7)である。


 巡回的(順送り、逆送り)については、次が成り立ちます。

(2) 6桁の整数ABCDEFについて、ABCDEF、FEDCBAがともに7の倍数であるため
  の必要十分条件は、次の3式(のうちの2つ)が成り立つことである。

  A+B-D-E≡0  (mod 7) 、B+C-E-F≡0  (mod 7) 、C+D-F-A≡0  (mod7)


 第1式と第3式を加えれば第2式になりますから、2つの式が成り立てば他の式は成り立
ちます。

 ここまでは、A、B、C、D、E、F が 1、2、3、4、5、6 を並べ変えたものであるという条件はい
りません。ここからはこれを仮定します。

 ABCDEFは全部で6!=720通りあります。(1)を使えば、7で割った余りが、1、2、・・・、6

であるものは同数あることがわかります。余りが0であるものは、90通りだそうですから、

 (720−90)/6=105 が、7で割った余りが1、2、・・・、6であるものの個数ということに

なります。90でも105でもいいので、計算で出せないでしょうか。普通は、90の方が簡単

でしょうからそれを求める形にします。

(3) 1、2、3、4、5、6 を並べ変えた6桁の整数で、7の倍数であるものは、90通りあ
  る。これをすべてを書きあげる以外の方法で示せ。

 巡回的(順送り、逆送り)の1つをとる。例えば、125643。

これの各位の数に、定数(1、2、3、4、5、6)をかける。ただし、mod 7で考える。

 1、2、5、6、4、3 に、2をかけると、2、4、10、12、8、6になるが、mod 7で考えて、243516

同様に、3、4、5、6をかけると、361452、416325、534261、652134

 これで、もとの 125643 を含めて6通りできたが、これらが(2)の3式を満たすことは明ら
かである。これらを 0、1、2、3、4、5 個ずらしたものを考えると、36通りある。この36通り
がすべて異なること、任意の巡回的(順送り、逆送り)な1つが、こうして得られることを示せ
ばよい。前半はなんとかなるかもしれないと思いますが、後半は難しそうな気がします。な
んとかなるでしょうか。


 攻略法さんが、(3)について考察されました。(平成23年7月6日付け)

 最上位を1に固定した(2、3、4、5、6でもよい)7の倍数

   123564   124635   125643(タイプA)   134526   134652(タイプA)
   136542   142653   145236(タイプB)   145362   153426(タイプC)
   154623   156324   162435(タイプC)   163254(タイプB)   164325

の15個の数に対して、各位の数に定数(1、2、3、4、5、6)をかける。
(ただし、mod 7で考える。)

 すると、重複なく生成され、15・6=90個となる。


 FNさんからのコメントです。(平成23年7月6日付け)

 なるほど。1つを固定して考えれば、15通りを書けばOKですね。15通りをさらに減らす
のは無理でしょうね。



    以下、工事中