100=2+6+7+8+21+56 と100を6個の和に分割すれば、1/2+1/6+1/7+1/8+1/21+1/56=1
同じく、
99=2+4+8+15+30+40 から、1/2+1/4+1/8+1/15+1/30+1/40=1
98=3+4+5+11+20+22+33 から、1/3+1/4+1/5+1/11+1/20+1/22+1/33=1
・・・・・・・・・・・・・・・・
の様に自然数Nを適当な何個かの異なる整数の和で分けたとき、各整数の逆数の和がちょ
うど1になるような分割方法が存在できる。
しかし、例えば、6 なら、6=1+5=2+4=1+2+3 の分割しか存在しないが、
1/1+1/5 、1/2+1/4 、1/1+1/2+1/3
はいずれも1にはならないので、このようなことができる自然数Nには最小値が存在すること
になる。
さて、その可能と不可能になる境はどこでしょうか?(→ 参考:「1を作ろう」)
らすかるさんからのコメントです。(平成29年10月9日付け)
1を「1個の異なる整数」に分割すれば、1/1=1になりますが、おそらく「2個以上の和」という
条件があるのでしょうね。
すると、異なる2個以上の単位分数の和で合計が1になる最も小さいものは、
1/2+1/3+1/6=1
なので、最小値は11ですね。しかし、N=12 は不可能なので、「可能と不可能になる境」とは
言えない気がします。
GAI さんからのコメントです。(平成29年10月9日付け)
「ある自然数以上は必ず可能となる。それはいくつからか?」が正しい表現ですね。
らすかるさんからのコメントです。(平成29年10月9日付け)
やっと見つけました。「N以上はすべて可能」であるNの最小値は「78」でした。
(→ 参考:「A051907」)
GAI さんからのコメントです。(平成29年10月9日付け)
さすが、らすかるさん!こんな境界があることがおもしろいですね。逆に、78以上ではどん
なものでも可能であることが不思議です。
DD++さんからのコメントです。(平成29年10月9日付け)
「A051882」には不可能な数の一覧がありますね。「78」以上は可能なことは証明されてい
るそうですが、どうやってやるんだろう。見当もつきません。
ksさんからのコメントです。(平成29年10月10日付け)
77=3+4+5+5+60 の逆数和は1になります。以前同様の問題に触れ、78という
下限を不思議に思っていました。23はできない。24以上はできる。
らすかるさんからのコメントです。(平成29年10月10日付け)
今話題にしているのは「全ての分母が異なる場合」の下限です。
ksさんからのコメントです。(平成29年10月10日付け)
同じものを含む場合は、証明を教えてもらいました。78=2+6+8+10+12+40の各
逆数の和は1になる。79は分かりません。すべて異なるという条件が付くと証明が厳しくなり
ますね。
らすかるさんからのコメントです。(平成29年10月10日付け)
78〜100の例です。
78=2+6+8+10+12+40 、79=2+3+10+24+40 、80=2+4+10+15+21+28 、81=2+3+12+16+48
82=2+4+9+18+21+28 、83=2+4+9+18+20+30 、84=2+4+11+12+22+33 、85=2+4+10+14+20+35
86=2+5+9+10+15+45 、87=2+4+6+15+60 、88=2+4+8+20+24+30 、89=2+3+9+30+45
90=2+7+9+12+14+18+28 、91=3+4+6+11+12+22+33 、92=2+3+12+15+60 、93=2+5+8+9+24+45
94=2+6+10+12+15+21+28 、95=2+3+9+27+54 、96=2+5+7+10+30+42 、97=2+4+9+16+18+48
98=3+4+5+11+20+22+33 、99=2+4+8+15+30+40 、100=2+6+7+8+21+56
ksさんからのコメントです。(平成29年10月10日付け)
(1) 77は絶対にできない。
(2) 78以上は必ずできる。
(3) 必ず2が必要か。
(4) 唯一か。
不思議に思うことは簡単ですが...。パソコンの力も四色問題で人間の証明の一部として
いいと思うのですが、限界が分からなくなりそうです。電波望遠鏡の画像を見ているような感
じかな。
GAIさんからのコメントです。(平成29年10月11日付け)
上記の「78」以上の自然数nは、必ず和がnになる何個かのメンバー数の逆数の和で1を構
成できる分割方法が存在する、に衝撃を受けたので、エジプト分数(分子が1の有理数)で似
たものがないか探していたら、Erdos と Strauss が、
不定方程式 4/n=1/a+1/b+1/c が、任意の自然数 n>1 について、自然数解を持つ
と予想した(現在、未解決)。n≦10^9については検証されている、との記事を見た。
どんな4/n型の分数でも、必ず3つのエジプト分数で作れる、ということか!早速調査。
ただし、nの部分は、素数pに限定して調べてもよいことになるから、果たして作れるのか?
4/p=1/a+1/b+1/c (p:prime,a≦b≦c)で調べてみることにした。(→ 調査結果)
調査結果を見て、う〜ん良さそうだ。しかも、何通りも可能(とても10^9まで調べる気は起らない)。
ここで、チョット気になるのが、何で分子は"4"なの?そこで、分子を、5、6、7などに変えて
再び調査。あら!びっくり。何も4でもなくても作れて来るじゃん。
(もちろん素数を高々100までに限定しただけの調査ですが・・・)
何方か分子を4にとってある事がなぜなのか(他の数字では成立できない例があれば教えて)を
ご存知の人は情報下さい。
DD++さんからのコメントです。(平成29年10月11日付け)
1/n = 1/2n + 1/4n + 1/4n
2/n = 1/n + 1/2n + 1/2n
3/n = 1/n + 1/n + 1/n
までは分割可能なことが自明だからです。(こっちの問題は異なる分数であることを要求しないので)
私が先日の話で78以上が可能な証明方法に興味を持ったのもまさにこの予想を連想した
からなのですが、調べてみた感じ、エルデス・シュトラウス予想に転用できる感じではなさそう
ですね。(尤も、そんなことはとっくに考えている人が山といるでしょうけれど)
らすかるさんからのコメントです。(平成29年10月11日付け)
n≦10^9については、検証されている
昔の情報ですね。1999年に、既に、n≦10^14まで検証されています。
nの部分は素数pに限定して調べてもよい
24k+1型の素数だけ調べれば十分です。(→ 参照:「単位分数の和」)
「単位分数の和」に書いた私の記事は、2005年に研究したものですが、その後、2008年に
も他の書き込みをきっかけとして再研究しましたので、参考のためにその時の成果を書きま
す。そこに書いてある恒等式
4/(8k+5)=1/{2(k+1)}+1/{(k+1)(8k+5)}+1/{2(k+1)(8k+5)}
4/(24k+17)=1/{6(k+1)}+1/{(k+1)(24k+17)}+1/{6(k+1)(24k+17)}
の一般形を考えると、 4/(4pqk-p-q)=1/(pqk)+1/{pk(4pqk-p-q)}+1/{qk(4pqk-p-q)}
(1≦p≦qでpとqは互いに素、k≧1と仮定してよい)
という恒等式が出てきます。4/(8k+5)は、(p,q)=(1,2)、4/(24k+17)は、(p,q)=(1,6)の場合です。
この一般形から恒等式はいくらでも作れますので、いろいろ試してみましたが、そちらの方
はこれといった成果は得られませんでした。
上記の式から、
4pqk-p-qと表せる自然数Nは、4/N=1/X+1/Y+1/Zの形で表せる
ことになりますが、「4pqk-p-qと表せない24n+1型の素数」を検索してみたところ、1千万まで
で、
409 、577 、5569 、9601 、23929 、83449 、102001 、329617 、712321 、1134241 、
1724209 、1726201 、5212561 、8813281
のたった14個しかありませんでした。しかも驚いたことに、何と1千億まで調べても上記の14
個しかありません。
従って、もしかしたら
8813281より大きい24n+1型の素数は必ず4pqk-p-qと表せる
が成り立つのかも知れません。もしこれが示せれば、元の命題は解決することになりますが、
(といっても証明は難しそうですが)世界は広いので、この式を考えている人は、きっと他にも
いるのでしょうね。
GAIさんからのコメントです。(平成29年10月11日付け)
頑張って4/(24*k+1)を、次の3つの和に出来ました。
1/(3*(2*k+1))+1/(2/7*(2*k+1)*(23*k+1))+1/(6*(23*k+1)*(24*k+1))
従って、真ん中の分母が自然数になれる時は、k=3,10,17,24,・・・,7*s-4で(2*k+1)*(23*k+1)
が7の倍数になれるので、結局探す素数は更に絞れて、
168*s+1,168*s+25,168*s+49,168*s+97,168*s+121,168*s+145 型の素数に限定
しかし、より面倒になる気分。
でも、らすかるさんが14個探された内の409,577,23929,1134241は外せるかも・・・。
らすかるさんからのコメントです。(平成29年10月11日付け)
上に書いた、 4/(4pqt-p-q)=1/(pqt)+1/{pt(4pqt-p-q)}+1/{qt(4pqt-p-q)} で、
(便宜上kをtに変えました)
(p,q,t)=(1,14,3k+2) とすると、
4/(168k+97)=1/{14(3k+2)}+1/{(3k+2)(168k+97)}+1/{14(3k+2)(168k+97)}
(p,q,t)=(2,21,k+1) とすると、
4/(168k+145)=1/{42(k+1)}+1/{2(k+1)(168k+145)}+1/{21(k+1)(168k+145)}
となりますので、168s+97,168s+145は外せますね。すると残りは168s+1,25,49,121なので、
168s+m^2がクリアできればいいですが、まあ無理でしょう。
スモークマンさんからのコメントです。(平成29年10月11日付け)
わたしの畏友のたけちゃん様から以下のような証明を頂戴しましたので紹介させていただ
きます☆
「「分母が異なる」という条件が付くと、議論がかなり複雑になりますね。証明は面倒そうで、
あまりやる気が起きませんが、以下のような方針で可能です。
分母の和がN、分数の和が1の、異なる単位分数の和の式をA(N)と表します。
N>1のとき、A(N)には単位分数「1/1」は登場しないことは明らかであり、分母をすべて2倍
して1/2を足したり、分母をすべて4倍して1/3+1/4+1/6を足したり、分母をすべて4倍して
1/4+1/5+1/6+1/10+1/30を足したりしたものは、いずれも和が1で、分母には同じ数は登場
しません。(例: 「1/2+1/3+1/6」を元に、「1/4+1/6+1/12+1/2」、「1/8+1/12+1/24+1/3+1/4+1/6」、
「1/8+1/12+1/24+1/4+1/5+1/6+1/10+1/30」が得られる。)
すると、A(N)からA(2N+2)やA(4N+13)やA(4N+55)が作れることになります。
78〜363について、具体的な表し方を作れば、(←ここが面倒)より大きいnに対しては、小
さい方から順に、
nが偶数ならば、A((n-2)/2)を元にA(n)が作れ、
nが4で割って1余るならば、A((n-13)/4)を元にA(n)が作れ、
nが4で割って3余るならば、A((n-55)/4)を元にA(n)が作れるので、
78以上のすべての整数nに対してA(n)が作れることが示せます。」
156,363は上の構成からは77になるので、実際に、条件を満たす単位分数で表せることが
示されていれば可能なことは言えますね ^^♪