ラマヌジャンのタクシーナンバーとして有名な「1729」は、確かに、
1729=1^3+12^3=9^3+10^3
と2通りの自然数の立方数の和で表せる最小数である。これを更に探していくと、
4104=2^3+16^3=9^3+15^3
13832=2^3+24^3=18^3+20^3
20683=10^3+27^3=19^3+24^3
・・・・・・・・・・・
となるが、「1729」で起こったような互いに素であるような(x,y)の組で、x^3+y^3=M を2通りで
表せるものは、かなり離れるが、M=20683 の時であることになる。
そこでバージョンアップを考え、互いに素である自然数の組(x,y)において、
x^3+y^3=M
が異なる3通りの表現が可能となる最小のMは如何なるものなのか?
更に4通りは発見可能か(または存在可能か)?
らすかるさんからのコメントです。(平成29年2月12日付け)
答えは「A080642」とか「タクシー数」にありますね。
(→ 参考:「1729という数」)
(追記) 「素数でのタクシー数」と題して、GAI さんからの続報です。
(令和3年11月7日付け)
タクシー数とかハーディ・ラマヌジャン数として知られるTa(2)(2通りに2個の立方数の和で
表せる数)で、その最小数として、
1729=10^3+9^3=12^3+1^3
が有名ですが、他にこのような数を探すと、
4104=15^3+9^3=16^3+2^3
13832=20^3+18^3=24^3+2^3
20683=24^3+19^3=27^3+10^3
・・・・・・・・・・・
の様に偶数と奇数の組合せは色々と起こる。調べてみると、そのほとんどには偶数が含ま
れて来る。
そこで、この4つの数が全て奇数の立方数となるものを探すと、
137^3+121^3=163^3+23^3 (23,137,163;素数)
231^3+167^3=257^3+21^3 (167,257;素数)
・・・・・・・・・・・
などが探せる。
そこで、すべてが素数で構成されるTa(2)を探し出してほしい。
Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和3年11月7日付け)
いくつか解があるようですけれども、そのうちのひとつを覆面算にしてみました。
AB^3 +BCDE^3 = AFE^3 +BCDB^3
すなわち、
(A*10+B)^3 +(B*1000+C*100+D*10+E)^3 = (A*100+F*10+E)^3 +(B*1000+C*100+D*10+B)^3
GAI さんからのコメントです。(令和3年11月8日付け)
丸2日間、10000までの素数総当たりで検索しましたら、
31^3+1867^3=397^3+1861^3 (これが覆面算に相当するようでした。)
61^3+1823^3=1049^3+1699^3 、71^3+2741^3=977^3+2699^3
の3タイプありそうです。(2桁素数の一桁目が1が揃うのが面白い。)
素数範囲をもっと広げると、もっと見つかるんでしょうけどね。
Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和3年11月8付け)
GAIさん、「A046894」に、お望みのものがありました。
GAI さんからのコメントです。(令和3年11月8日付け)
いつも思うことなんだが、世の中誰かが、こちらがふと思う疑問に既に明確に調べ尽くして
いることに驚かされます。
しかし、ここに載せられている2013個のものを見つけ出すために、どれほどの時間が費や
されているかと思うと溜息が出ます。
よく見ると、「私的数学塾」のある常連さんが一役買ってあるではないか!これだけ多くの
ものを見つけ出すにはプログラムを十分使いこなせないと不可能です。
らすかるさんからのコメントです。(令和3年11月8日付け)
プログラムの実行時間は約50分でした。
(追記) GAI さんからの問題提起です。(令和5年2月20日付け)
x^3+y^3=m
mを自然数で、(x,y)が2通りの自然数解の組合せを持つ最小のものとして、話題になるラ
マヌジャンのエピソードとして有名な m=1729(=1^3+12^3=9^3+10^3)から派生させて、次
のような条件に変えると何が対応するか考えて欲しい。
(1) x^2+y^2=m1 を満たす自然数の組(x,y)が2通り存在する最小の自然数m1は何?
(2) x^2+y^2=m2 を満たす素数の組(x,y)が3通り存在する最小の自然数m2は何?
(3) x^4+y^4=m3 を満たす自然数の組(x,y)が2通り存在する最小の自然数m3は何?
(4) x^3+y^3=1729 を満たす正の有理数の組(x,y)は何?(分母は1でないものとする。)
(参考) 「1729 という数」、「平方数の和」
らすかるさんからのコメントです。(令和5年2月21日付け)
プログラムで調べると面白くないので、手計算で検討しました。
(1) a^2+b^2=c^2+d^2=m1 (a<c<d<b) として、自然数の平方数の階差は、
3、5、7、9、11、13、15、… であり、 3+5+7=15 なので、
c^2−a^2=3+5+7 から、 a^2=1 、c^2=16
b^2−d^2=15 から、b^2=64 、d^2=49 つまり、1^2+8^2=4^2+7^2=65 がすぐに見
つかります。考え落としがなければこれが最小だと思います。
(2) (1)と同様に、a^2+b^2=c^2+d^2=e^2+f^2=m2 (a<c<e<f<d<b) と考えます
が、mod 6 から、素数は5以上の奇数ですから、5以上の奇数の平方数の階差
24、32、40、48、56、… の1/8 すなわち、3、4、5、6、7、… から、
c^2−a^2=b^2−d^2 、e^2−c^2=d^2−f^2 となるものを探します。
ただし、素数でない奇数も含まれていることにも留意します。
3+4=7 → c=9 で合成数なので不適
3+4+5=12 → a=5、c=11、b=25、d=23 となり、b が合成数なので不適
※ちなみに両辺の端の数にその隣の数を加算すれば、a、b、c、d はすぐに出ます。
※3+4+5=12 では、a=2+3=5、c=5+6=11、b=12+13=25、d=11+12=23 とな
ります。
4+5=9 → a=7、c=11、b=19、d=17 となるが、間が 6、7、8 しかないので不適
(多分素数で2通りなら、7^2+19^2=11^2+17^2=410 が最小だと思います)
3+4+5+6=18 → a=5、c=13、b=37、d=35 となり、d が合成数なので不適
4+5+6=15 → a=7、c=13、b=31、d=29
このとき、間が 7、8、9、10、11、12、13、14 なので、
14<7+8<7+8+9<14+13<7+8+9+10<14+13+12<7+8+9+10+11 から不適
5+6=11 → a=9 で合成数なので不適
3+4+5+6+7=25 → c=15 で不適(同様に、「+7」で終わるものはすべて不適)
3+4+5+6+7+8=33 → a=5、c=17、b=67、d=65 となり、d が合成数なので不適
3+4+5+6+7+8=11+12 → b=25で不適(間が 9、10 しかないので、そもそも無理)
4+5+6+7+8=30 → a=7、c=17、b=61、d=59
このとき、間が 9、10、11、…、29 なので、
9+10<29<9+10+11<9+10+11+12+13<28+29<9+10+11+12+13+14
<9+10+11+12+13+14+15=27+28+29 から、e=31、f=53 で成り立つ。つまり、
7^2+61^2=17^2+59^2=31^2+53^2=3770
これが最小かどうかわからないので、5+6+7+8、6+7+8、7+8 も要検討
5+6+7+8=26 → a=9 で不適
6+7+8=21 → a=11、c=17、b=43、d=41 このとき、間が 9、10、11、…、20 だが
9+10<20<9+10+11<19+20<9+10+11+12<9+10+11+12+13<18+19+20
<9+10+11+12+13+14<17+18+19+20<9+10+11+12+13+14+15
<16+17+18+19+20 なので不適
7+8=15 → a=13、c=17、b=31、d=29 このとき、間が 9、10、11、12、13、14 だが
14<9+10<13+14<9+10+11<12+13+14 なので不適
従って、条件を満たす最小解は、考え落としがなければ、
7^2+61^2=17^2+59^2=31^2+53^2=3770
#(3)、(4)は大変そうなので、とりあえずパス。
GAI さんからのコメントです。(令和5年2月21日付け)
私には当然どこが見落としなのか判断できませんが、
29^2+37^2=23^2+41^2=19^2+43^2 (=2210)
があることに、検索プログラムを走らせて発見していたので、これが最小?と思って出題して
いました。
らすかるさんならプログラムを組めば一発で発見できるものを、この様に思考を使って探
される姿に感心します。(1)などの解法は思ってもいませんでした。
らすかるさんからのコメントです。(令和5年2月21日付け)
なるほど。上記で、4+5+6+7+8=30 を元にしましたが、右辺の最大値が30未満のも
のは、さらに検討する必要がありますね。答えがわかっていますので、続きを検討するのは
やめますが、
19^2+43^2=23^2+41^2=29^2+37^2 ということは、
10+11=21 、12+13+14=19+20 から、
a=9+10=19、c=11+12=23、b=21+22=43、d=20+21=41、e=14+15=29、
f=18+19=37
となるわけですね。ちなみに、私が書いた「3770」は2番目に小さい解でした。
それから、プログラムを作ってみましたが、
(1)の最小解は、 1^2+7^2=5^2+5^2=50 でした。
(3)は、「A046881」にあるように、「635318657」ですね。
Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和5年2月21日付け)
(1) の m1 は 5 の倍数ですか?というクイズが……。
50 = 1^2 + 7^2 = 5^2 + 5^2
65 = 1^2 + 8^2 = 4^2 + 7^2
85 = 2^2 + 9^2 = 6^2 + 7^2
125 = 2^2 + 11^2 = 5^2 + 10^2
130 = 3^2 + 11^2 = 7^2 + 9^2
145 = 1^2 + 12^2 = 8^2 + 9^2
170 = 1^2 + 13^2 = 7^2 + 11^2
185 = 4^2 + 13^2 = 8^2 + 11^2
205 = 3^2 + 14^2 = 6^2 + 13^2
GAI さんからのコメントです。(令和5年2月21日付け)
11^2+10^2=14^2+5^2=221
29^2+11^2=31^2+1^2=962
18^2+13^2=22^2+3^2=493
23^2+15^2=27^2+5^2=754
25^2+19^2=31^2+5^2=986
16^2+11^2=19^2+4^2=377
27^2+23^2=33^2+13^2=1258
23^2+10^2=25^2+2^2=629
何でもありですね。
らすかるさんからのコメントです。(令和5年2月22日付け)
221、962、493、754、986、377、1258、629 はすべて 4n+1型の相異なる素因数を二つ持つ
数ですね。
4n+1型の素数は必ず唯一の2平方和で表され、相異なる二つの4n+1型の素数の積は二
通りの2平方和で表されます。
なぜならば、p=a^2+b^2、q=c^2+d^2 のとき、
pq=(ad+bc)^2+(ac−bd)^2=(ad−bc)^2+(ac+bd)^2
となるからです。これを繰り返せば、相異なるm個の 4n+1型の素数の積を2平方和で表す
方法は、2^(m-1)通りとわかりますね。
例 5×13×17=1105=4^2+33^2=9^2+32^2=12^2+31^2=23^2+24^2
ちなみに上記の数のうち偶数のものは、相異なる二つの 4n+1型の素数の積の2倍です
が、
p=a^2+b^2 ⇔ 2p=(a+b)^2+(a−b)^2
から、2倍しても表す方法は増えたり減ったりしません。
例えば、 962=2×13×37 は、
13=2^2+3^2 、37=1^2+6^2 なので、
13×37=(2×6+3×1)^2+(2×1−3×6)^2=15^2+16^2 から
2×13×37=(15−16)^2+(15+16)^2=1^2+31^2
13×37=(2×6−3×1)^2+(2×1+3×6)^2=9^2+20^2 から
2×13×37=(9−20)^2+(9+20)^2=11^2+29^2
のように機械的に算出できます。
DD++ さんからのコメントです。(令和5年2月23日付け)
相異なるm個の 4n+1型の素数の積を2平方和で表す方法は、2^(m-1)通りとわかります
ね。
・そのような方法で作った 2^(m-1) 通りのなかに重複がないこと
・そのような方法で作ったもの以外に平方和に表す方法がないこと
まで示さないと、「わかります」とまでは言えないと思いますがどうでしょう。
ヤコビの二平方定理から結果自体は正しいと言えますが、定理の証明が難しいのが難点。
高校範囲内くらいで上の2点を示せないものでしょうか?
以下、工事中!