・ お気に入りの絵                 S.H氏

 紀元前2600年ごろ建造されたエジプトのピラミッド(ギザ)は、正四角錐の形をしていて、
底面の一辺の長さは、約230.4mあり、高さは、当初約146.7mあったといわれる。

 当時、円周率の値は、およそ3.1605(分数では、256/81)であったが、底面の周の
長さと高さを半径とする円周の長さの比を求めると、意外にも、3.1411で、当時の円周
率の値に近い。

 また、頂点と底面の一辺との距離は、約186.5mとなるが、高さ=約146.7mで、頂
点から下ろした垂線の足と底面の一辺との距離=約115.2mなので、これら3つの数の
比を求めると、
        115.2 : 146.7 : 186.5 ≒ : 10 : 13
  (左辺の各値を、10倍して、9で割って、さらに、16で割れば、近似的に右辺となる。)

 このことから、エジプトのピラミッドは、フィボナッチ数、すなわち、黄金比とも関係がある
ことになる。(これらのことは、多くのピラミッド研究家達によって示されてきた。)

 ピラミッドを建造した人達が、円周率やフィボナッチ数、黄金比を意識していたということ
は、私自身信じられない。多分、美しさを追求していったら、自然にそうなっていたと考え
る方が自然ではないかと思う。

 実は、私達の身の回りの気がつかないところでも、意外なところで数学が息吹いている。
パイナップルの実の表面にある模様、ヒマワリの種の配列の仕方など、フィボナッチ数と
関係が深いということは、有名な事実である。それらに共通するキーワードは、「らせん」
である。

 前置きがずいぶん長くなってしまったが、次が、私のお気に入りの絵である。この絵を
見ていると、自然界のあらゆるもの(台風、銀河系、巻貝、・・・)が、オーバーラップして
見えてくるから不思議だ。


         


(追記) 上記で、ピラミッドの高さや底面の一辺の長さなどが、円周率やフィボナッチ数、黄
    金比などと関係があるという話をしたが、もちろん、これはピラミッド研究者達の研究
    成果であって、実際にエジプトの神官たちがどういう思い・考えでピラミッドを建造した
    かは定かでない。1つのピラミッドを作るのに、30年という歳月と多くの人力を要した
    ので、王墓以外の目的があったのではないかということで、ピラミッドの秘密がいろい
    ろな方面から調べられている。

     この研究成果に対して、上記で私自身「信じられない」としたが、私同様に、否定的
    な意見をもつ書籍もある。それらは、全て数の遊びに過ぎないとも言い切っている。
     確かに、有効数字の考えでいけば、6桁の有効数字を割り算で求めるには、少なく
    とも6桁の有効数字が必要である。このことは、たとえばピラミッドの高さを1mmの
    精度で求めることに相当する。砂漠でこのような精密な測量は可能なのであろうか?
    ましてや、ピラミッドの寸法は、風化などで建造したときのものと大きく違っているとも
    言われている。

     したがって、数字を巧妙に工夫することによって、種々の研究成果を導き出すことは
    誰にでも可能だろう。


    (参考文献:ペレリマン 著 金光不二夫 訳  数のはなし (東京図書))


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