・1が並んだ数                      空舟 氏

 1が並んだ数としては、「連綿と続く1」、「循環小数の不思議」で調べられている。

 1がk個並んだ数をF(k)とする。F(k)のいろいろな性質をまとめてみよう。
以下において、x は、2と5以外の素数とする。

・F(k)が素数xで割り切れる時、1/xを循環小数にすると、kはその周期となれる。
 (分母分子に適当な数を掛けると、分母は、9がk個並んだ数になれるから)

(補足) j が 1/x の循環小数の周期となる時、周期の数字の並びにxを掛けると9がk個並
     んだ数になります。

    (例) F(6)=111111=7*15873 は、素数7で割り切れ、1/7=0.142857142857・・・
       の周期 kは 6 となる。循環節 142857 に素数 7 を掛けると、999999と 9 が6個
       並んだ数になる。

    逆に、ある数にxを掛けて9がk個並んだ数になる時、ある数の先頭に、「0.」を補って
    k桁にしたものを繰り返した循環小数は、1/x に一致する。

 従って、kが1/xの最小周期であることは、9がk個並んだ数がxで割り切れることと同値と
考えます。それが「1がk個並んだ数 F(k) がxで割り切れること」とは、「x=3の場合を除いて」
同値の関係です。(ここが指摘するべき点・・・平成26年2月6日付け 追記)

 すなわち、 F(k)が素数x(≠3)で割り切れる最小のkとすると、

   F(y)がx(≠3)で割り切れる ⇔ yがkで割り切れる

 一方、循環小数の最小周期は、xを法とする10の位数:10≡1 (mod x) となる最小のk
(割り算の筆算を思い浮かべれば理解できると思う)で、kは、x-1の約数となる。

・よって、素数xに対して、F(x-1)は、xで割り切れる。

・また、先に、F(k)がxで割り切れる最小のkについて、x=Nk+1 の形と書ける。

例 1111111=239・4649 において、239=7・34+1、 4649=7・664+1

・kが素数の時、F(k)を素因数分解したかったら、約数の候補は、Nk+1の形のみである。
 (あらゆる素数で割って調べるよりだいぶ手間が少なくなると思う。k≠2なら、Nは偶数。また、y<kとなるF(y)
  を割り切る素数も飛ばして良い。


 1/xの循環節を求めるのに、F(k)の素因数分解をするのは実用的でなく、実際に割り算す
る(法xに対する10nを計算していく)方が良いと思う。

 逆に、循環節がkになる1/xを知りたい時には、F(k)の素因数分解が活躍する。

 例えば、循環節が7になる1/xは、(素数に限れば) x=239、4649のみであるし、循環節が
19になる1/xは、F(19)のみということになる。

(参考) 「Repunit」 ・・・ 円分多項式とも関連あり!

 「どんな素数も、ある適当なF(k)の約数である」という事実は、この前のクロネッカーの定理
と雰囲気が似ていると思います。10k≡1 も xk=1 を連想させます。

 素数xに対して、10k≡1 (mod x)となる最小のkをとると、

  xは、F(k)=1+10+・・・+10k-1 で割り切れる。

 w=e2πi/x および x と素な整数pがあって、pk≡1 (mod x)となる最小のkをとると、

  α=w+w[p]+w[p2]+・・・+w[pk-1] についてαの最小多項式は、φ(x)/k次式。

 (うーん、似ているのは確かだけどそこからどうすれば良いか分からない。

応用: 上で、x=19、p=7、k=6 とすると、αの最小多項式は、f(α)=α32-6α-7

  f(1010011001010000)、f(110100000000101100)、f(1000001100110000010) 達は、

  F(19)=1111111111111111111 で割り切れるでしょう。

(f(α)にα=[wの式]を代入すれば、素因数(1+w+w2+・・・+w18)が現れるでしょう。)


 S(H)さんからのコメントです。(平成24年3月4日付け)

 f0[x]=x3 - 2815x2/8 + 2641003x/64 - 825796013/512

Q[X]/(f0[X]・Q[X])=Q(α)=Q[α]
|
Q  の解達を、Q[α]の元として(2次式以下に)表現することは容易ですが、参考図をも視
て為して下さい。f0[X + (5/8 + 117)]がZ[X]の元であることを確認してください。

 f[X]=f0[X + (5/8 + 117)] と f を定義する。

f[1010011001010000] を 1111111111111111111 で割ったときの余りを求めて下さい。

f[110100000000101100]を 1111111111111111111 で割ったときの余りを求めて下さい。

 「この問題は何?」なる問題に遭遇体験のない方は存在しないでしょう。実は、こんな背景
が在ると吐露すれば、教育効果抜群なのに教育関係者の殆ど全ての方が背景を隠匿する
習慣が長く続く...。で、背景の一部を露わにせずにはいられないので致します。

(→ 参考:「Repunit」)

(→ 参考:「1が並んだ数」での検索の結果

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