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105 令和6年度前期  大阪大学   理系 ・・・  整数(数学A)  やや難

大阪大学 前期理系(2024)

第5問 自然数 1、2、3、・・・、n のうち、nと互いに素であるものの個数をF(n)とする。

(1) 自然数 a、b、c および相異なる素数 p、q、r に対して、等式

   F(p)=pa-1b-1c-1(p−1)(q−1)(r−1)

 が成り立つことを示せ。

(2) F(n)がnの約数となる5以上100以下の自然数nをすべて求めよ。

(解)(1) a より小さい数で、a と互いに素な数は、F(a)個あり、その一つを、α とおく。

このとき、 b 個の数 α、α+a、α+2a、・・・、α+(b−1)a を考える。

これらは、何れも b を法として合同でない。

したがって、ab と互いに素な数は全部で、F(a)×F(b)個あるので、F(ab)=F(a)F(b)

が成り立つ。

 また、F(p)=p−pa-1=pa-1(p−1) が成り立つ。

以上から、

F(p)=F(p)F(q)F(r)=pa-1(p−1)qb-1(q−1)rc-1(r−1)

=pa-1b-1c-1(p−1)(q−1)(r−1) が成り立つ。

(2) 5以上100以下の自然数nは、高々3個の異なる素因数を持つ。

・n=p のとき、F(p)=pa-1(p−1) が n=p の約数となるためには、

 n=p が F(p)=pa-1(p−1) で割り切れなければならない。すなわち、

 p/(p−1) は正の整数である。よって、p−1=1 より、p=2

 したがって、n=2 で、5以上100以下の自然数nは、a=3、4、5、6 から、

 n=8、16、32、64

・n=p (p<q) のとき、F(p)=pa-1b-1(p−1)(q−1) が n=p の約数

 となるためには、n=p が F(p) で割り切れなければならない。

すなわち、 pq/((p−1)(q−1)) は正の整数である。

このとき、 p=2 で、2q/(q−1) が正の整数であるためには、 q−1=2 すなわち、

q=3 である。

 したがって、n=2 で、5以上100以下の自然数nは、

 a=1 のとき、 b=1、2、3

 a=2 のとき、 b=1、2

 a=3 のとき、 b=1、2

 a=4 のとき、 b=1

 a=5 のとき、 b=1

から、 n=6、18、54、12、36、24、72、48、96 すなわち、

 n=6、12、18、24、36、48、54、72、96

・n=p (p<q<r) のとき、F(p) が n=p の約数となるためには、

 n=p が F(p) で割り切れなければならない。

すなわち、 pqr/((p−1)(q−1)(r−1)) は正の整数である。

このとき、上と同様に、 p=2、q=3 で、 3r/(r−1) は正の整数でなければならない。

すなわち、 r−1=3 より、r=4 となるが、これは、r が素数であることに矛盾。

 したがって、n=p (p<q<r) のときは、題意を満たさず、起こらない。

以上から、求める自然数nの値は、

 n=6、8、12、16、18、24、32、36、48、54、64、72、96  (終)


(コメント) オイラーの関数の性質を問う問題でした。



  以下、工事中!