103 | 令和6年度前期 | 大阪大学 | 理系 | ・・・ | 空間図形(数学B) | 標準 |
大阪大学 前期理系(2024)
第3問 空間内の2直線L、Kはねじれの位置にあるとする。LとKの両方に直交する直線
がただ1つ存在することを示せ。
#何となく当たり前のようなことを証明することの難しさかな?
(解) 直線L、Kのベクトル方程式をそれぞれ、 p=a+td 、q=b+se とおく。
2直線L、Kはねじれの位置にあるので、d と e は平行でない。このとき、
d と e のなす角をθとすると、 0<θ<π すなわち、 −1<cosθ<1 である。
直線L上の点P(a+td)、直線Kの点Q(b+se) とおくと、 PQ=se−td+b−a
ここで、PQ・d=s(d・e)−t(d・d)+(b−a)・d
PQ・e=s(e・e)−t(d・e)+(b−a)・e
において、
−(d・e)2+(d・d)(e・e)
=−(d・d)(e・e)cos2θ+(d・d)(e・e)=(d・d)(e・e)(1−cos2θ)>0
すなわち、−(d・e)2+(d・d)(e・e)≠0 から、
PQ・d=0 、PQ・e=0 を満たす実数 s0、t0 がただ一つ存在する。
このとき、P(a+t0d)、Q(b+s0e)に対して、 PQ⊥L 、PQ⊥K となり、
LとKの両方に直交する直線がただ1つ存在することが示された。 (終)
(コメント) 「ねじれの位置」に関する問題は、、京都大学前期理系(2024)でも出題されま
した。京大の方は、純粋に「ねじれの位置」を示す問題でしたが、阪大の方は、「ねじ
れの位置」にある2直線の特徴ある性質を問うものでした。今まで自明としていた事
実を示せという問題で、なかなか受験生にとっては厳しい試練となりました。
大阪大学前期文系(2024)では、次のように条件を設定して出題された。
第2問 座標空間内の直線Lと z 軸はねじれの位置にあるとする。Lと z 軸の両方に直交す
る直線がただ1つ存在することを示せ。
証明は、理系と同様に行えばよい。
以下、工事中!