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004 平成18年度 慶應義塾大学 総合政策学部 ・・・ パズル  やや難

 今年度の入試問題を閲覧していて、真っ先に「エッ!」と思った問題である。出題分野が
「パズル」なんて、受験生が怒らないのかなと思わず心配してしまう。慶應義塾大学は時々
このような奇想天外の問題を出すから好きだ!


慶應義塾大学 総合政策学部(2006)

 12人の仲間は毎日2人ずつで組をつくり、散歩に出かける。11日間で同じ人と2度組む
ことなく、全ての人と散歩にでかけることができた。

 以下の表は、その組合せであり、12人を A〜Lとしてある。

赤字の部分が設問では空欄となっていた部分である。

1日目 AB CD EF GH IJ KL
2日目 AE DL GK FI CB HJ
3日目 AG FH DE IB
4日目 AK HC IL DG
5日目 AH ID BK
6日目 AI CL EH JK
7日目 AC FK EL BH
8日目 AD KH BL EI
9日目 AL JE BF CG
10日目 AJ IC BG HL
11日目 AF KI LG CE

 この問題は、正しく「カークマンの女生徒の問題」の類似問題である。組合せの表が一部
空欄とはいえ与えられているので、受験生にとっては取り組みやすい問題だったろう。
                                   (でも、ちょっと時間がかかるかな?

 各日とも、全員が散歩に出かけるので、たとえば「3日目」の空欄に入る文字は、「KとL」
しかない。しかし、「6日目」に『JK』の組が既にあるので、Jと組になるのは、Lしかない。こ
んな風に地道に1組ずつ穴埋めをしていけばよい。

 予備校の難易度基準では「やや難」ということだが、中学生でも十分解きうる「やや易」の
部類の良問と言えるだろう。


 FNさんからのコメントです。(平成24年1月31日付け)

 上記の問題で、人数をもう少し減らして何も書いてない状態から表を作ることを考えたい。

そこで、一般化した形で書いておく。

 2n人の仲間は毎日2人ずつで組をつくり、散歩に出かける。2n−1日間で同じ人と2度
組むことなく、全ての人と散歩にでかけるようにしたい。

(1) まず、これは、nが何であっても可能であろうか。

(2) 可能であるとして、何通りあるか。ただし、実質的に同じものを数えないようにするため
  に、次の条件を付けることにする。

   2n人を、1、2、3、・・・、2n−1、2n として、

    (a) 1日目は、(1,2)、(3,4)、・・・、(2n−1,2n)で組を作る。

    (b) 1は1日目は2と、2日目は3と、・・・、2n−1日目は2nと組を作る。


 2n=2 のときは、明らかに、1通り

 2n=4 のときは、次の組み方しかなく、1通り
 
   1日目 (1,2)、(3,4)
   2日目 (1,3)、(2,4)
   3日目 (1,4)、(2,3)

 2n=6 のときは、次の2通りのようである。

   1日目 (1,2)、(3,4)、(5,6)      1日目 (1,2)、(3,4)、(5,6)
   2日目 (1,3)、(2,5)、(4,6)      2日目 (1,3)、(2,6)、(4,5)
   3日目 (1,4)、(2,6)、(3,5)      3日目 (1,4)、(2,5)、(3,6)
   4日目 (1,5)、(2,4)、(3,6)      4日目 (1,5)、(2,3)、(4,6)
   5日目 (1,6)、(2,3)、(4,5)      5日目 (1,6)、(2,4)、(3,5)

 5と6を入れ替えただけだから同じとも言えるが、上の基準で言えば別なので、別と数える
ことにする。

 2n=8、10 のときはどうなるでしょうか?