思い通りのあみだくじを作る方法             戻る

 何かを決めるとき、あみだくじのお世話になる時が多い。そんなとき、ズルをして、「自分の
思う通りのあみだくじが作れればいいのになあ〜!!」と考える人は少なからずいると思う。

 例えば、意にそわない仕事の担当を決めるときとか、コンパで席順を決めるとき、意中の
人のそばに座れるようにするとか、その活用例はたくさんあるだろう。

 このページでは、あみだくじの作り方についてまとめてみたい。

 あみだくじは、何本かの垂直な縦線と何本かの横線からなるもので、横線どうしがつなが
らないようなものである。

 まず、任意の縦線の上方からスタートし、横線にぶつかったら、そこで横線の方に進み、
縦線にぶつかったら、そこで縦線を下の方へ進む。順次このような手順で、最下段まで進
み続ける。


(追記) 令和6年5月25日付け

 上記のような縦線のあみだくじになったのは後世で、当初は、次のようなものだったらしい。

  

 中央の円内に当たり印(○印や当たりなど)を記入し、お椀等で円内を隠し、何れかの線
を選んでもらう。選び終わったら、お椀を開け、誰が当たりかを見る。

 日本では、未来を神仏に委ねる文化があり、絵柄が阿弥陀如来の後光に似ていることから
「あみだくじ」と呼ばれるようになったらしい。


 あみだくじは、数学的にとらえれば単なる順列である。

 右図のあみだくじを例にとると、数字の並び

   1 ,2 ,3 ,4 ,5 ,6

があみだくじにより、

   4 ,6 ,2 ,5 ,1 ,3

に並べかえられたにすぎない。
  

 数学の世界では、これを置換という。置換は必ず互換の積で表される。横線の1本1本が
互換に相当する。即ち、互換とは、2つのものの交換を意味する。

 ここでは逆に、1,2,3,4,5,6 の並びが、4,6,2,5,1,3 の並びになるようなあみ
だくじを作る手順を考えようということである。


 これができれば、自分の思う通りのあみだくじが作れるということになるわけである。

次のような手順で簡単に作ることができる。

    

一番右側の折れ線を直線に直せば、上図のあみだくじになる。


(追記) なんとはなしに、子供の書棚にある本を眺めていたら、あみだくじの作り方は、他
    にもあることを知った。それを紹介したい。

 それは、横線を何本か引いて、端の方から一つずつ決めていくやり方である。数字の個
数が多い場合は、この方法のほうが有効だと思う。上記の方法だと、線がこみいって、作
りにくいかもしれない。

  同じ置換なのに、このように複数のあみだくじができる。

  置換は、互換の積で表されるが、その表現は一意でないという
 ことが、この事実からも分かる。

 (参考文献) 秋山 仁著
   ワンダー数学ランド(日本放送出版協会)


(追記) 平成21年7月28日付け

 本日の朝日新聞朝刊で、小島寛之さん(帝京大准教授)のコラム「数学カフェ」があみだく
じの話題を取り上げている。

 横棒が1本もない「素あみだ」に興味を引かれた。

 コラムでは、

 縦棒が4本のあみだくじを一つ作り、さらにこれと同じくじを縦に12個つなげて新し
いあみだくじを作ると必ず素あみだになる


という。

 コラムの説明は次のようになっていた。(置換の言葉に修正!)

 例えば、巡回置換 ( 1 2 3 ) において、

   ( 1 2 3 )3=( 1 2 3 )( 1 2 3 )( 1 2 3 )= e (恒等置換)

 同様に、巡回置換 ( 1 2 3 4 ) において、

   ( 1 2 3 4 )4=( 1 2 3 4 )( 1 2 3 4 )( 1 2 3 4 )( 1 2 3 4 )= e (恒等置換)

となる。したがって、3 と 4 の最小公倍数である 12個つなげば必ず恒等置換になる。

 「ほんとにそうかな〜?」と思って自分なりに根拠を考えてみた。

 あみだくじは基本的に置換であり、置換は必ず偶置換か奇置換に分かれ同数ある。
                            ( → 参考:「15ゲームの不可能性の評価」)

したがって、その位数は、4!/2=12 であり、任意の置換 σ に対して、 σ12 = e が

成り立つ。
 (こんな理解でいいのかな?)


(追記) 令和2年8月24日付け

 上記の「素あみだ」で、逆あみだを繋げれば当然「素あみだ」が作れますよね!


  

に対して、その逆あみだは

  

で、2つを繋げると素あみだ

  

になる。


(追記) 「お好みのあみだくじをつくろう」と題して、GAI さんからの投稿です。
                                        (平成28年2月8日付け)

 古来日本では順番を決めるのにあみだくじなる道具を利用してきた。

 例えば、3本の線を引き、

1  2  3
|  |  |
|--|  |
|  |--|
|--|  |
|  |  |


なるあみだくじを引けば、結果は 3, 2, 1 の順になり、上で引いた順番と全く逆の結果となる。

 そこで、7本の線が引かれていた場合、上で引いた7人の順番が引いた結果全く入れ替わっ
てしまうあみだくじを構成してほしい。ただし、可能な限り横線の数が少なくなるものを示してほ
しい。

 答えは幾通りも作れるので、その一つを再現できる様に表現を工夫してアップして下さい。


 らすかるさんからのコメントです。(平成28年2月8日付け)

 3本のとき

┃┃┃
┣┫┃
┃┣┫
┣┫┃
┃┃┃

ならば、7本のときは

┃┃┃┃┃┃┃
┣┫┃┃┃┃┃
┃┣┫┃┃┃┃
┣┫┣┫┃┃┃
┃┣┫┣┫┃┃
┣┫┣┫┣┫┃
┃┣┫┣┫┣┫
┣┫┣┫┣┫┃
┃┣┫┣┫┃┃
┣┫┣┫┃┃┃
┃┣┫┃┃┃┃
┣┫┃┃┃┃┃
┃┃┃┃┃┃┃

がわかりやすそうですね。


(コメント) 当HPの「順列の転位」の話題とも関係するかな?


(追記) 令和2年12月16日付け

 1,2,3,4,5 のあみだくじで、1と5の入れ替えのあみだくじは何種類あるかを考えてみ
ました。交差する位置を考慮して、全部で4種類あるようです。

       


(追記) 令和3年2月24日付け

 あみだくじで何かを決めるとき、横棒を何本でも引いていいよ、という場合が多い。
横棒の最小本数は、「横棒の数=転位数」で決まっているので、意味がない横棒も
あるが、横棒を追加することによって新たなチャンスになることもあり興味はつきない。

例 次のあみだくじは横棒の本数が違うだけで同じ結果を得る例になっている。

         

 転位数を計算すると、 2>1、3>1、4>1 から、転位数は3で、横棒は最低3本あれ
ば十分である。

 上図は数が少ないので、同じ結果になることは明白だが、もっと数が多い場合に同じ結果
になるかならざるかは少し考えるかもしれない。


(追記) 令和6年5月25日付け

 「チコちゃんに叱られる」(NHK 5月24日放送)で、あみだくじの話題が取り上げられてい
た。その中で興味を引いたのは、当たりくじを引くためには、どの線を選ぶのがベストかとい
うこと。確率計算によれば、当たりくじの真上を選ぶのが半々の確率で当たりとなるらしい。
当たりから最も遠い線を選ぶと、当たりの確率は極端に下がるとのこと。

 今度、試してみよう!


 GAI さんからのコメントです。(令和6年5月26日付け)

 私も「チコちゃんに叱られる」の番組を見ていて、縦線が5本、横線が8本からなるあみだ
くじの全パターン数が、9841通りあり、

上の線 1 | 2 | 3 | 4 | 5 に対して、

下の線(1の下がa,・・・・・・,5の下がe) であるとき、

a; 43.92 | 24.61 | 16.53 | 10.25 | 4.68
b; 24.61 | 25.46 | 22.06 | 17.61 |10.25
c; 16.53 | 22.06 | 22.81 | 22.06 |16.53
d; 10.25 | 17.61 | 22.06 | 25.46 |24.61
e;  4.68 | 10.25 | 16.53 | 24.61 |43.92

の表が映像に出た。確かに真下に当たりがあれば、そこからスタートすれば確率が高い。

 この確率をどうしたら出せるのか色々挑戦しているのだが、なかなかこの値を持たせられ
ない。また、「9841」はどこからどうして算出するものなのか?


 Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和6年5月26日付け)

 横線の立体交差はアリでしたか?

 たとえば、

@ 左から1本目の縦線と3本目の縦線とのあいだに横線を1個つなげる、ただし、2本目
 の縦線とこの横線とは立体交差にする。

A 横線どうしで立体交差をする。


 GAI さんからのコメントです。(令和6年5月26日付け)

 特に、立体交差のコメントは無かったので、通常のあみだの横線の引き方で考えるものだ
と思います。


 GAI さんからのコメントです。(令和6年5月27日付け)

 Webサイト「高校数学の美しい物語」によると、縦線5本、横線8本でのあみだくじの行き
先の確率は、

  

から、P58 を計算して、

[12155/32768 19449/65536 12393/65536 1581/16384 765/16384]

[19449/65536 8627/32768 3345/16384 9129/65536 1581/16384]

[12393/65536 3345/16384 6995/32768 3345/16384 12393/65536]

[ 1581/16384 9129/65536 3345/16384 8627/32768 19449/65536]

[ 765/16384 1581/16384 12393/65536 19449/65536 12155/32768]

これを、小数へ直し、

[ 0.37094116 0.29676819 0.18910217 0.096496582 0.046691895]

[ 0.29676819 0.26327515 0.20416260 0.13929749 0.096496582]

[ 0.18910217 0.20416260 0.21347046 0.20416260 0.18910217]

[0.096496582 0.13929749 0.20416260 0.26327515 0.29676819]

[0.046691895 0.096496582 0.18910217 0.29676819 0.37094116]

となるのではないかと思うのだが・・・?


 らすかるさんからのコメントです。(令和6年5月27日付け)

 そのサイトでは、横線の引き方が mn 通りと言っていますので、確率分布が違うのではな
いでしょうか。例えば、

  │□□│□□│□□│
├──┤□□│□□│
│□□│□□├──┤
│□□├──┤□□│
│□□│□□│□□│
  と   │□□│□□│□□│
│□□│□□├──┤
├──┤□□│□□│
│□□├──┤□□│
│□□│□□│□□│

を別のものと考えているのでは?

# 全部きちんと読んだわけではありませんので、もし、とんちんかんなことを言っていたら
 ご容赦下さい。


 Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和6年5月27日付け)

 ツイッター検索で調べたら、チコちゃんの番組で、あみだくじについて解説した先生が、
岩手大学理工学部の山中克久教授であるとわかりました。

 OEIS のサイトで、この先生の名前で検索したらヒットしました。(→ 「A006245」)

 「A006245」の参考文献に、以下があげられていました。

ひとつめ
Katsuhisa Yamanaka, Takashi Horiyama, Takeaki Uno and Kunihiro Wasa,
Ladder-Lottery Realization, 30th Canadian Conference on Computational Geometry
(CCCG 2018) Winnipeg.

ふたつめ
K. Yamanaka, S. Nakano, Y. Matsui, R. Uehara and K. Nakada,
Efficient enumeration of all ladder lotteries and its application,
Theoretical Computer Science, Vol. 411, pp. 1714-1722, 2010.

 なお、ladder lotteries とはアミダクジのことです。


 らすかるさんからのコメントです。(令和6年5月27日付け)

 9841通りの計算は、

 Σ[i=0〜8]Σ[j=0〜8-i] (i+j)Cj×9C(i+j+1)=9841

という式で出せました。

 i は、2本目の縦線と3本目の縦線の間に描く横線の数、

 j は、3本目の縦線と4本目の縦線の間に描く横線の数、

 (i+j)Cj は、「2本目の縦線と3本目の縦線の間の横線」と「3本目の縦線と4本目の縦線の
間の横線」の位置関係の場合の数、

 9C(i+j+1) は、残りの 8-i-j 本の横線を「1本目の縦線と2本目の縦線の間」と「4本目の縦
線と5本目の縦線の間」に配置する場合の数です。


 Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和6年5月27日付け)

 らすかるさん、凄いです。


 GAI さんからのコメントです。(令和6年5月28日付け)

 「9841通り」の数値をはじき出す数式を見つけるなんて、ビックリです。分析させて頂きました。

[i,j] [binomial(i+j,j)"*"binomial(9,8-(i+j))] [2つの積]
0,0 1*9 9
0,1 1*36 36
0,2 1*84 84
0,3 1*126 126
0,4 1*126 126
0,5 1*84 84
0,6 1*36 36
0,7 1*9 9
0,8 1*1 1
1,0 1*36 36
1,1 2*84 168
1,2 3*126 378
1,3 4*126 504
1,4 5*84 420
1,5 6*36 216
1,6 7*9 63
1,7 8*1 8
2,0 1*84 84
2,1 3*126 378
2,2 6*126 756
2,3 10*84 840
2,4 15*36 540
2,5 21*9 189
2,6 28*1 28
  3,0 1*126 126
3,1 4*126 504
3,2 10*84 840
3,3 20*36 720
3,4 35*9 315
3,5 56*1 56
4,0 1*126 126
4,1 5*84 420
4,2 15*36 540
4,3 35*9 315
4,4 70*1 70
5,0 1*84 84
5,1 6*36 216
5,2 21*9 189
5,3 56*1 56
6,0 1*36 36
6,1 7*9 63
6,2 28*1 28
7,0 1*9 9
7,1 8*1 8
8,0 1*1 1

合計 9841

 そこで、 i、j=0、2 で、 1*84=84 の解釈が、

 縦線 2、3 番目には 0 本、3、4 番目には 2 本引かれているので、1、2 と 4、5 間には合計
6 本の縦線がある。そこで、

1,2番間 ;4,5番間
 6  ;0
 5  ;1
 4  ;2
 3  ;3
 2  ;4
 1  ;5
 0  ;6

本の線がある場合に分かれる。ところで、2、3 番間には、i=0 より、上記の左の本数は何
の制限もなく引くことが出来る。

 一方、j=2 より、既に、3、4 番間には 2 本の横棒が引かれている。そこで、上記の右の
本数の横棒を引く位置は、それぞれ重複組合せから、

 3H0=1
 3H1=3
 3H2=6
 3H3=10
 3H4=15
 3H5=21
 3H6=28

 これの合計が、84 となる。何と、これが一発で

 9C6=9C3=9*8*7/(3*2*1)=3*4*7=84

なわけですね。同じく、i、j=0、3 で、1*126=126 は、

1,2番間 ;4,5番間
 5 ;0
 4 ;1
 3 ;2
 2 ;3
 1 ;4
 0 ;5

 上記の右の本数の横棒を引く位置はそれぞれ重複組合せから

 4H0=1
 4H1=4
 4H2=10
 4H3=20
 4H4=35
 4H5=56

 この合計が 126。同じく、一発で、9C5=9C4=9*8*7*6/(4*3*2*1)=126

 こんな仕組みで計算されているんですね〜


 DD++ さんからのコメントです。(令和6年5月28日付け)

 5 本の縦線に n 本の横線を引く場合、(3^(n+1)-1)/2 通りですか?


 Dengan kesaktian Indukmu さんからのコメントです。(令和6年5月28日付け)

 5 本の縦線に n 本の横線を引く場合、(3^(n+1)-1)/2 通りですか?

 こんな明快な式になるとは?

 ひょっとして、最も左の縦線と最も右の縦線とを同一視して、合計4本の縦線とみなすこと
によって全ての縦線について対称とするテクニックを使うということなのでしょうか?

 ((4-1)^(n+1)-1)/2 において、「-1」のファクターの意味が取れませんが…… orz


 GAI さんからのコメントです。(令和6年5月28日付け)

 (3^(n+1)-1)/2 通りの場合に、n=3 なら 40 となるが、別で調査すれば、確かに 40 通りと
なりますね。例の

(i,j)=
(0,0)-->4
(0,1)-->6
(0,2)-->4
(0,3)-->1
(1,0)-->6
(1,1)-->8
(1,2)-->3
(2,0)-->4
(2,1)-->3
(3,0)-->1 で、計40通り

 何か縦線m本、横線n本のあみだくじでの一般式が作れそうですね。

 一般式を作ろうと思っているが、縦線が奇数と偶数では構造が変わる様に感じたので、縦
線が4本で横線がn本である場合のあみだくじの種類を調べてみたら、

n=1-->3
n=2-->8
n=3-->21
n=4-->55
n=5-->144
n=6-->377

 ここまで調べて、この数字はなんか見たことあるぞ!で検索すると、フィボナッチ数列fibo(n)
での fibo(2*n+2) の部分が対応している。

 なお、この各合計数は、次の組合せ関数 nCr(=binomial(n,r)) を使うと、

gp > T(n,k)=binomial(n+k,2*k-1);
gp > for(n=1,10,S=[];for(k=1,n+1,S=concat(S,[T(n,k)]));print(n"=>"S";"vecsum(S)))

1=>[2, 1];3
2=>[3, 4, 1];8
3=>[4, 10, 6, 1];21
4=>[5, 20, 21, 8, 1];55
5=>[6, 35, 56, 36, 10, 1];144
6=>[7, 56, 126, 120, 55, 12, 1];377
7=>[8, 84, 252, 330, 220, 78, 14, 1];987
8=>[9, 120, 462, 792, 715, 364, 105, 16, 1];2584
9=>[10, 165, 792, 1716, 2002, 1365, 560, 136, 18, 1];6765
10=>[11, 220, 1287, 3432, 5005, 4368, 2380, 816, 171, 20, 1];17711

で求めていることになっている。しかし、縦線が6本の場合は、未調査なので、まだ何とも言
えないですが・・・。


 DD++ さんからのコメントです。(令和6年5月28日付け)

 縦線が m 本である場合、

 「1 から m-1 までの数を重複を許して n 個並べる、ただし、直前の数より 2 つ以上小さく
なってはいけない」

の並べ方の総数と一致します。なので、

縦線 3 本である場合、

[1,1] * [[1,1],[1,1]]^(n-1) * t[1,1] = 2^n

縦線 4 本である場合、

[1,1,1] * [[1,1,0],[1,1,1],[1,1,1]]^(n-1) * t[1,1,1]
= 1/√5 * ( ((3+√5)/2)^(n+1) - ((3-√5)/2)^(n+1) )

縦線 5 本である場合、

[1,1,1,1] * [[1,1,0,0],[1,1,1,0],[1,1,1,1],[1,1,1,1]]^(n-1) * t [1,1,1,1] = (3^(n+1)-1)/2

と出せます。

 縦線 6 本は、固有値が綺麗に出ないので難しそう。


 GAI さんからのコメントです。(令和6年5月28日付け)

 6本の縦線がある場合について、横線が n 本の場合の構成数について調べてみました。

n=1-->5
n=2-->11
n=3-->40
n=4-->145
n=5-->525
n=6-->1900
n=7-->6875
n=8-->24875

 ここまでで、OEISのお世話になると、n=1 を除いて、「A136775」がヒットした。そこには

Number of multiplex juggling sequences of length n, base state <1,1> and hand capacity 2.

という分けがわからい説明が付けられていた。

 ただし、この数値は、らすかるさんが構成されているプログラムを参考にさせてもらい、

F(n)=for(i=0,n,for(j=0,n-i,for(k=0,n-i-j,\
print(i","j","k"=>"binomial(i+j,j)"*"binomial(j+k,k)"*"binomial(n-1,n-(i+j+k))"=>"\
binomial(i+j,j)*binomial(j+k,k)*binomial(n-1,n-(i+j+k))))))

で、

2、3 番目の間にある横線の数を i 本
3、4 番目の間にある横線の数を j 本
4、5 番目の間にある横線の数を k 本

として、その横線の取り方が binomial(i+j,j)*binomial(j+k,k) で起こせて、残りの本数 n-(i+j+k)

を1、2 番目と 5、6 番目の間に取れる場合の可能性が binomial(n-1,n-(i+j+k)) としてやるこ

とで、上手く働くことを観察してみた。

 これをすべて掛け合わせることで、(i,j,k) に対するパターン数が求まっていくので、すべての
総和から、n≧ 2 での数値を求めて行きました。

 n=6 で 1900 となる経過が下の表である。(F(6)からの表示)

(i,j,k)
0,0,0= 1*1*0= 0
0,0,1= 1*1*1= 1
0,0,2= 1*1*5= 5
0,0,3= 1*1*10= 10
0,0,4= 1*1*10= 10
0,0,5= 1*1*5= 5
0,0,6= 1*1*1= 1
0,1,0= 1*1*1= 1
0,1,1= 1*2*5= 10
0,1,2= 1*3*10= 30
0,1,3= 1*4*10= 40
0,1,4= 1*5*5= 25
0,1,5= 1*6*1= 6
0,2,0= 1*1*5= 5
0,2,1= 1*3*10= 30
0,2,2= 1*6*10= 60
0,2,3= 1*10*5= 50
0,2,4= 1*15*1= 15
0,3,0= 1*1*10= 10
0,3,1= 1*4*10= 40
0,3,2= 1*10*5= 50
0,3,3= 1*20*1= 20
0,4,0= 1*1*10= 10
0,4,1= 1*5*5= 25
0,4,2= 1*15*1= 15
0,5,0= 1*1*5= 5
0,5,1= 1*6*1= 6
0,6,0= 1*1*1= 1
  (i,j,k)
1,0,0= 1*1*1= 1
1,0,1= 1*1*5= 5
1,0,2= 1*1*10= 10
1,0,3= 1*1*10= 10
1,0,4= 1*1*5= 5
1,0,5= 1*1*1= 1
1,1,0= 2*1*5= 10
1,1,1= 2*2*10= 40
1,1,2= 2*3*10= 60
1,1,3= 2*4*5= 40
1,1,4= 2*5*1= 10
1,2,0= 3*1*10= 30
1,2,1= 3*3*10= 90
1,2,2= 3*6*5= 90
1,2,3= 3*10*1= 30
1,3,0= 4*1*10= 40
1,3,1= 4*4*5= 80
1,3,2= 4*10*1= 40
1,4,0= 5*1*5= 25
1,4,1= 5*5*1= 25
1,5,0= 6*1*1= 6
2,0,0= 1*1*5= 5
2,0,1= 1*1*10= 10
2,0,2= 1*1*10= 10
2,0,3= 1*1*5= 5
2,0,4= 1*1*1= 1
2,1,0= 3*1*10= 30
2,1,1= 3*2*10= 60
  (i,j,k)
2,1,2= 3*3*5= 45
2,1,3= 3*4*1= 12
2,2,0= 6*1*10= 60
2,2,1= 6*3*5= 90
2,2,2= 6*6*1= 36
2,3,0= 10*1*5= 50
2,3,1= 10*4*1= 40
2,4,0= 15*1*1= 15
3,0,0= 1*1*10= 10
3,0,1= 1*1*10= 10
3,0,2= 1*1*5= 5
3,0,3= 1*1*1= 1
3,1,0= 4*1*10= 40
3,1,1= 4*2*5= 40
3,1,2= 4*3*1= 12
3,2,0= 10*1*5= 50
3,2,1= 10*3*1= 30
3,3,0= 20*1*1= 20
4,0,0= 1*1*10= 10
4,0,1= 1*1*5= 5
4,0,2= 1*1*1= 1
4,1,0= 5*1*5= 25
4,1,1= 5*2*1= 10
4,2,0= 15*1*1= 15
5,0,0= 1*1*5= 5
5,0,1= 1*1*1= 1
5,1,0= 6*1*1= 6
6,0,0= 1*1*1= 1

 合計 1900

 はて、これは一つの式で作れるのか?


 らすかるさんからのコメントです。(令和6年5月29日付け)

 残りの本数 n-(i+j+k) を1、2 番目と 5、6 番目の間に取れる場合の可能性が binomial(n-1,n-(i+j+k))

 これは、 binomial(n+1-j,n-(i+j+k)) にしないといけないと思います。
(中央に使った j 本は残り本数に影響しますが、配置に影響しません)。

 よって、n=1、2、3、… に対する構成数は、

  5,19,66,221,728,2380,7753,25213,81927,…

のようになります。(n=2 を手作業で数えてみると、19で正しいことがわかると思います。)

 そして、この数列は、「A005021」にあり、漸化式が

 a[1]=5、a[2]=19、a[3]=66、a[n+3]=5a[n+2]−6a[n+1]+a[n]

と書かれていますので、これを解いて一般項は、 a[n]=up^n+vq^n+wr^n

ただし、

u={-(4√91)sin(arcsin(127√91/2366)/3)+7}/21
v={-(4√91)cos(arccos(-127√91/2366)/3)+7}/21
w={(4√91)cos(arccos(127√91/2366)/3)+7}/21
p={-(2√7)cos(arccos(-√7/14)/3)+5}/3
q={-(2√7)sin(arcsin(√7/14)/3)+5}/3
r={(2√7)cos(arccos(√7/14)/3)+5}/3

とわかります。

# u、v、w は、49x^3-49x^2-105x+1=0 の3解、p、q、r は、x^3−5x^2+6x−1=0 の3解で
 す。


 GAI さんからのコメントです。(令和6年5月29日付け)

 らすかるさんからのご指摘を受けて、改めて(数個のパターンでいいと勝手に思ってしまう
悪い癖)、6本の縦線がある場合について、横線がn本の場合の構成数について調べてみ
ました。

n=1-->5
n=2-->19
n=3-->66
n=4-->221
n=5-->728
n=6-->2380
n=7-->7753
n=8-->25213

ここまででOEISのお世話になるとA「A005021」がヒットした。

 らすかるさんと n=3 で違ったので、

(i,j,k)
0,0,0= 1*1*4= 4
0,0,1= 1*1*6= 6
0,0,2= 1*1*4= 4
0,0,3= 1*1*1= 1
0,1,0= 1*1*3= 3
0,1,1= 1*2*3= 6
0,1,2= 1*3*1= 3
0,2,0= 1*1*2= 2
0,2,1= 1*3*1= 3
0,3,0= 1*1*1= 1
1,0,0= 1*1*6= 6
1,0,1= 1*1*4= 4
1,0,2= 1*1*1= 1
1,1,0= 2*1*3= 6
1,1,1= 2*2*1= 4
1,2,0= 3*1*1= 3
2,0,0= 1*1*4= 4
2,0,1= 1*1*1= 1
2,1,0= 3*1*1= 3
3,0,0= 1*1*1= 1  合計; 66

でチェックしてみたのですが、どうしても「67」にはなれないのですが・・・?
(あら!修正されたんですね。安心しました。)

 「A005021」のコメントは、「Random walks」となっているので、とても驚いています。

 「A005021」が縦線が6本の時、横線を合計n本引いた時のあみだくじのパターン数として
このサイトに繋がって、そこではRandom Walksの解説となっていたことに興味を持ち、どんな
内容なのか読んでみると、

 P_6と呼ばれる道(直線上6点A、B、C、D、E、F が並んでいる。)を、Aから出発し、
2*n+5(歩)にてFの地点に到着する酔歩のコースが何通りできるか?

ということらしい。

 n=1 なら、全部で7歩なので、次の5コースがあるという。

1;[A, B, A, B, C, D, E, F]
2;[A, B, C, B, C, D, E, F]
3;[A, B, C, D, C, D, E, F]
4;[A, B, C, D, E, D, E, F]
5;[A, B, C, D, E, F, E, F]

 そこで、n=2 なら、全部で9歩なので、全コースを構成してみた。

1;[A, B, A, B, A, B, C, D, E, F]
2;[A, B, A, B, C, B, C, D, E, F]
3;[A, B, A, B, C, D, C, D, E, F]
4;[A, B, A, B, C, D, E, D, E, F]
5;[A, B, A, B, C, D, E, F, E, F]
6;[A, B, C, B, A, B, C, D, E, F]
7;[A, B, C, B, C, B, C, D, E, F]
8;[A, B, C, B, C, D, C, D, E, F]
9;[A, B, C, B, C, D, E, D, E, F]
10;[A, B, C, B, C, D, E, F, E, F]
11;[A, B, C, D, C, B, C, D, E, F]
12;[A, B, C, D, C, D, C, D, E, F]
13;[A, B, C, D, C, D, E, D, E, F]
14;[A, B, C, D, C, D, E, F, E, F]
15;[A, B, C, D, E, D, C, D, E, F]
16;[A, B, C, D, E, D, E, D, E, F]
17;[A, B, C, D, E, D, E, F, E, F]
18;[A, B, C, D, E, F, E, D, E, F]
19;[A, B, C, D, E, F, E, F, E, F]

 この様に、次は、n=3 での11歩でのコースづくりをやれば全部で、66コース、同じく、n=4
での13歩での221コース、n=5 での15歩での728コース、・・・・・・・・・・・・

と、ここに載せられている数のコースが次々と判明するということになっている様だ。

 まさか、あみだくじが酔っ払いの歩き方と繋がっているとは夢にも思わなかった。
(似てなくもないか?)



  以下、工事中!