垂直を求める
1つの直線または平面に垂直な直線を求めることは、いろいろな問題で必要とされる必須
テクニックである。最大・最小の問題にも関連し、その応用範囲は広い。
例1 直線 Y=X+2 に垂直で、点(1,2)を通る直線の方程式を求めよ。
(解1) 『傾き m、n の直線が互いに垂直なとき、m×n=−1』という公式を用いれば、
求める直線の方程式は、Y−2=−(X−1) より、Y=−X+3
(解2) 『直線 aX+bY+c = 0 とベクトル(a ,b) は垂直』
『ベクトル(a ,b)、 (c ,d) が垂直なとき、内積(a ,b)・(c
,d)=ac+bd=0 』
『ベクトル(a ,b) と (b ,−a) は垂直』
という公式を用いれば、
X−Y+2=0 に垂直な直線の方程式は、X+Y+K=0 とおける。
点(1,2)を通ることから、K=−3 よって、X+Y−3=0
上記のように、平面の場合は、比較的に簡単に垂直なものは求められる。ところが、空間
になると、その計算量は若干増える。
例2 2つのベクトル(1,2,3)と(−1,1,2)に垂直なベクトルを1つ求めよ。
(解1) 求めるベクトルを(X,Y,Z)とすると、
内積 (1,2,3)・(X,Y,Z)=X+2Y+3Z=0
内積 (−1,1,2)・(X,Y,Z)=−X+Y+2Z=0
この連立方程式を解いて、3Y+5Z=0,3X−Z=0
よって、Z=3X,Y=−5X だから、X=1とすると、
求めるベクトルは、(1,−5,3)
(解2) 『2つのベクトル(X,Y,Z)と(U,V,W)に対して、
ベクトルの外積 (X,Y,Z)×(U,V,W)
=(YW−ZV,ZU−XW,XV−YU)
は、2つのベクトルに垂直』という公式を用いれば、
(2・2−3・1,3・(−1)−1・2,1・1−2・(−1))=(1,−5,3)
(注)外積の計算公式をみると、一見覚えにくそうだが、次のようにして求めるとよい。
よって、求めるベクトルは、(X,Y,Z)=(1,−5,3)となる。