長方形の数
いま、6個の正方形が下図のように積まれている。
このとき、長方形(正方形も長方形の一つに数える。)は、何個あるだ
ろうか?
地道に計算すれば、次のようであろう。
1×1長方形(正方形)は、6個
1×2長方形は、3個 2×1長方形は、3個
1×3長方形は、1個 3×1長方形は、1個
2×2長方形は、1個
以上から、長方形の総数は、15個
それでは、次のような場合、長方形は、何個あるだろうか?
もちろん、この場合についても地道に計算する
方法もあるが、煩雑だろうという気分が優先して、
やってみようという気にはならない。多分、多くの
人は、そう考えるだろう。
もう少し、求め方の工夫が必要なようだ。
横線から2本、縦線から2本とるといった通常
の組合せの問題風に考えると、存在しえない長
方形も数え上げてしまう。
そこで、そのような問題点を回避するような裏
技が必要となる。
図形外に補助線を1本引いて計算すると、「あっ!」という間にできてしまう。
とても「おそろしい」裏技である!
左図において、11個の点から、4個の点を
選ぶ。
上段の2点においては、縦線、下段の2点
においては、横線を引く。
このとき、2本の縦線と2本の横線により長
方形が唯一つ定まる。
逆に、一つの長方形に対して、赤線上の4
点が定まる。
従って、求める長方形の総数は、11個の
点から4個の点を選ぶ組合せの数に等しい。
したがって、長方形の総数は、 11C4=330 (個)である。
冒頭の場合、長方形の総数は、 6C4=15 (個)で求められる。
一般に、
n 段の階段の場合、長方形の総数は、 n+3C4 (個)
であることが分かる。
(参考文献:根上生也・中本敦浩 著 基礎数学力トレーニング (日本評論社))
(追記) 平成30年11月22日付け
上記で考えたことをもう少し補足したい。
下図のような格子状の図形がある。
この中に長方形がいくつあるかを問う問題は、順列・組合せの有名問題だろう。
もちろん、答えは、 4C2・5C2=60(個) である。
この問題に対して、下図のような階段状の図形があり、その中に長方形は全部で何個あ
るかと問われた場合、ちょっと考え込む人が多いのではないだろうか?
頑張って目算してみると、35個くらいありそうなのだが、ちょっと自信がない。
この問題に対して、次のようなエレガントな解法が知られている。
左図において、直線 x+y=6 を考える。
長方形を構成する4辺との交点を4個選べば
よいので、求める長方形の個数は、
7C4=35(個) となる。
(コメント) このアイデアは、ものの本によると、
だいぶ昔に川邊さんという方が見いだ
されたとのことである。