美しい三角錐を簡単に作る
紙の寸法には、A判、B判の2種類がある。1929年(昭和4年)日本標準規格で定められ、
1949年JISに引き継がれた。
A判は、F.W.オスワルト考案のドイツ規格で、面積が1u(縦横の比が、√2対1)のもの
をいう。
B判は、A判の1.5倍の面積(縦横の比が、√2対1)をもつものをいう。
最近、この紙の縦横の比をうまく利用して、簡単に正三角錐を作る裏技があることを、「じ
っきょう ひとくちアイデア第5回」(実教出版)で知ったので、紹介したい。
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左図において、M、Nは各辺の中点で、 P、Qは、AP=AM、DQ=DM を満たす点で ある。このとき、 MP=MN=MQ が成り立つ。 そこで、△APMと△DQMを貼り合わせる。 また、 ∠BPN=∠NPM が成り立つ。(△MPNが二等辺三角形である ことと、PB//MNから明らか) |
同様に、 ∠CQN=∠NQM も成り立つ。 このことから、△PBNと△QCNを綺麗に内側に折りたたむことが出来る。 以上で、正三角錐の完成である。 |
(実際の折り方の手順)
1.A判(B判)の紙の短辺を重ねて、2つに折る。
2.2つに折った折り目に、AMとDMが重なるように折る。
3.PN、QNを折り目として、折る。
4.△APMと△DQMを、AMがMQに、DMがMPに重なるように貼り合わせる。
保護者面談の時に、机の上に置いて、ネームプレート代わりに利用したり、その他いろいろ
使い道はあることでしょう。たくさん作っておいて、重ねて保存が出来る点も素晴らしいと思い
ます。
(参考文献:江川 清、青木 隆、平田嘉男編 記号の事典(三省堂))
(追記) 上記では、ネームプレート代わりに三角錐の利用を呼びかけたが、最後に貼り合わ
せるのが面倒という方には、次のようなネームプレート代用品の作り方があることを
お知らせしておこう。
比較的厚手の紙を用いて、下図のように折り目と切り込みを入れる。
黄色の部分を180度折り返せば、出来上がり!
(完成予想図)
(追記) 平成25年8月12日付け
冒頭の三角錐を実際に作って会議のときに披露したら、「どうやって作ったんですか?」と
評判がよかった。ただ自分的には、パソコンで名前を入れるときに斜めに印字する形になり、
ちょっと不満があった。
最近、坪田耕三先生(青山学院大学教授)が封筒を使って簡単に正四面体を作る方法を
紹介されていた。
(作り方) 封筒の下辺を底辺とする正三角形を封筒の表と裏に作図する。正三角形の辺を
山折りで折り目を作り、封筒の中に手を入れて両側を膨らませると、正四面体がで
きる。適当に封筒の余ったところを切り取り、クリップでとめれば、1回位の会議で十
分に実用に耐えうるだろう。
開いているところを糊付けしないでおけば、簡単に平べったくなり保管にも便利だ。さらに、
正三角形の面に普通に印字すれば、斜めになることもなく美しい。
まさに、私の求めていた三角錐だ!
(参考文献:朝日新聞 8月4日付け朝刊 花まる先生公開授業 300回記念)