春の七草・秋の七草                   戻る

 七草粥というと、春の七草(せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずし
ろ)を入れたお粥と相場が決まっているが、秋の七草
というものもある。

 10月に観光バスで箱根周辺を回遊した折りに、バスガイドさんから秋の七草の覚え方を
教えてもらった。

 秋の七草は、

   萩(はぎ)・・・秋に咲く草

   桔梗(ききょう)・・・朝貌ともいわれる

   葛(くず)・・・根が葛粉となる

   藤袴(ふじばかま)・・・強い香りが好まれ、貴族たちが入浴剤や芳香剤として使ったと
                される

   女郎花(おみなえし)・・・恋に破れ身投げをした女性の衣が花になったとされる

   尾花(おばな)・・・ススキのこと、穂がでたところが動物のしっぽに似ている

   撫子(なでしこ)・・・子供を亡くした母親がその子の愛した花を形見として撫でたことか
               ら名がついたと言われる

 これらをカタカナにして並べ替えると、

  ミナエシスキキョウデシコジバカマ

であるが、頭文字をつなげて、 「 お好きな服は? 」 と覚えると覚えやすいとのこと。

 箱根のススキの自生地を巡りながら、過ぎゆく秋に身をまかせ、しばらく、その風情を愉
しんだ。


   秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花

   萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌の花

 万葉の歌人 山上憶良が、この二首の歌を詠んでから、七種の花は日本の秋を代表す
る草花とされるようになったらしい。