温泉卵を作る                                  戻る

 温泉旅館に泊まると、朝食に「温泉卵」が出ることが多い。黄身は柔らかに固まりかけてい
て、白身がまだ半熟という温泉卵は、なぜか朝食に合う食べ物だ。生だと少し抵抗がある卵
も、温泉卵だと、ひやっとしておいしい。この温泉卵を、家庭で作る場合、実はかなり気を使
う。
 そもそも温泉卵は、卵の黄身と白身の凝固する温度の違いを利用して調理されるものだ。
白身は、70度くらいで固まり始め、80度で完全に固まるのに対して、黄身の方は、70度ま
でに完全に固まる。従って、家庭で温泉卵を作る場合、温度管理が大切なポイントになって
くる。
 70〜75度の湯に卵を殻ごとつけ、ふたをして、20〜25分おくと温泉卵ができると、料理
の本には書いてあるが、20分も放置しておくと当然湯の温度は下がってくる。そこで、こま
めに温度管理をしないと、出来上がりは悪くなってしまう。20分間つきっきりというのも大変
だ。
 最近では、温泉卵調理器なるものも発売されていて、温泉卵の人気は根強い。そんな中
で、「伊東家の食卓」で紹介された裏技は、注目に値するものであった。

《温泉卵の作り方》
  @ あらかじめ、卵を冷凍庫に入れ、凍らせておく。
  A アルミ鍋に、次の分量で湯(100度)を沸かす。
       卵 個のときは、 リットル
       卵 
個のときは、1.2 リットル
       卵 
個のときは、1.8 リットル
       卵 
個のときは、 リットル
  B 火を止め、湯に卵を入れ、ふたをする。
  C きっかり20分間放置後、すぐ冷水で十分に冷やす。
  D 器に入れて、温泉卵の出来上がり。

 上記裏技のいいところは、片手間に簡単に温泉卵が作れるところである。温泉卵はおい
しいけれども、けっしてメインの料理にはなりえない。裏技は、その立場にふさわしい調理
法だと思う。この放送があった翌日、おそらく日本全国で温泉卵が作られたことでしょう。
我が家でも、さっそく挑戦し、おいしい温泉卵を食することができた。この裏技を考えついた
方に感謝したい。

(参考文献:藤丸卓也 著 「化学」の不思議(KKベストセラーズ)
        お料理1年生(ベターホーム出版局)
        新家庭一般(実教出版))