高次導関数の計算
数学Uで関数 y=xn (n=1、2、3 程度)の導関数が y’=nxn-1 となることを学び、
数学Vで、第2次導関数 y” や第3次導関数 y”’、・・・、第n次導関数 y(n) を学ぶ。
ただし、y(0)=y である。
現行の学習指導要領で残念なのは、積の導関数の公式
{F(x)G(x)}’=F’(x)G(x)+F(x)G’(x)
が数学Uには含まれていないという点である。もっとも、受験校では当然のように数学Uを
補充する形で教えられていることと思うが...。
この積の導関数の公式を一般化したものが、ライプニッツの定理である。
ライプニッツの定理 関数 F(x)、G(x) は、n回微分可能とする。
{F・G}(n)=nC0F(n)・G(0)+nC1F(n-1)・G(1)+・・・+nCnF(0)・G(n)
例 関数 y=x2ex の第 n 次導関数を求めよ。
F(x)=ex 、G(x)=x2 として、ライプニッツの定理より、
y(n)=nC0F(n)・G(0)+nC1F(n-1)・G(1)+nC2F(n-1)・G(2)
=ex・x2+nex・2x+n(n−1)/2・ex・2
={x2+2nx+n(n−1)}ex
この問題に対して次のような解法もありかな...?と最近思うようになった。
(別解) y=x2ex に対して、 y’=(x2+2x)ex 、y”=(x2+4x+2)ex となる。
そこで、 y(n)=(x2+anx+bn)ex とおくと、 a0=0 、b0=0 で、
y(n+1)=(2x+an)ex+(x2+anx+bn)ex={x2+(an+2)x+an+bn}ex
よって、 an+1=an+2 、 bn+1=an+bn
a0=0 、b0=0 から、 an=0+n・2=2n 、 bn+1−bn=2n
n≧1 のとき、 bn=0+{2+4+・・・+2(n−1)}=n(n−1)
これは、n=0 のときも成り立つ。
以上から、 n≧0 に対して、 an=2n 、 bn=n(n−1) より、
y(n)={x2+2nx+n(n−1)}ex (終)
(コメント) 漸化式を用いる解法ですが、何となく地に足がついているような安心感がありま
すね!