単調列の長さ                               戻る

 単調列の長さについて、HPサイト「エヌシとダイユーのパズル研究室」の中のパズル

     トランプを並べる

が詳しい。HN「at」さんより、ご紹介いただいた。(平成22年8月21日付け)

 このHPサイトを参考に以下を考えたい。

 当HPの掲示板「出会いの泉」に、当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんが、単
調列の長さに関する問題を提起された。(平成22年8月21日付け)

 異なる5つの数字を並べると、必ず左から右、もしくは右から左へ向かって昇順をなす3つ
の数が存在する。

<例> 2,4,1,5,3→2,4,5

 そこで、「異なる何個の数字をならべると、必ず4個の昇順の数が存在するのか?」と考え
た。

<例> 5,7,8,3,1,4,2,6 と8個の数字を並べてもだめである。

 さらに、 5,8,3,1,7,2,9,6,4 と、9個の数字を並べたら、8,7,6,4 で、OK!

 (
8,7,6,4 は、当HPがいつもお世話になっているHN「らすかる」さんが発見されました。
                                                 (平成22年8月21日付け)

これは9個全ての順列で可能と言ってもいいのだろうか?

 では、10個では必ず4個がとれるのだろうか?

 これを一般化し、異なる n 個の数字を並べるとき、必ず r 個の昇順する数を含むと断定
できるための n と r の関係はとれるだろうか?


 この問題について、らすかるさんからのコメントである。(平成22年8月21日付け)

 9個の順列すべてにおいて、必ず4個取れるとは限らないようです。

たとえば、 3,2,1,6,5,4,9,8,7 とすれば、4個の昇順の数は存在しませんね。

10個だと、どう並べても、4個の昇順の数が存在するようです。

 n=1〜10 で、r=1、2、2、2、3、3、3、3、3、4 となることから、

     r−1 < √n ≦ r すなわち、 r=(√n の端数切り上げ)

となるような気がします。


 さらに、HN「at」さんからご教示いただきました。(平成22年8月21日付け)

 GAI さんが知りたいとお考えになっているであろう n と r の関係式が、証明も含めて

  http://www.lab2.kuis.kyoto-u.ac.jp/~itohiro/Puzzle/pigeon/Lv3_Q.html

にあります。鳩ノ巣原理を使って証明しているようです。



 このページでは、上記サイトの証明を参考に、GAI さんの問題を考えたいと思う。

 相異なる自然数列 a1 ,a2 ,a3 , ・・・ , a の部分列 b1 ,b2 ,b3 , ・・・ , b において、

  b1 <b2 <b3 < ・・・ < b が成り立つとき、数列 { b } は 増加列

  b1 >b2 >b3 > ・・・ > b が成り立つとき、数列 { b } は 減少列

という。

 相異なる自然数列 { a } のすべての増加列 { b } の中で、k の最大値を

   数列 { a } の最大増加項数

 相異なる自然数列 { a } のすべての減少列 { b } の中で、k の最大値を

   数列 { a } の最大減少項数

という。

 最大増加項数と最大減少項数の大きい方の値を、数列 { a } の単調列の長さと定義する。

例 数列 1 ,3 ,4 ,2 において、部分列は次の 24−1=15 個である。

 1
 3
 4
 2
 1 ,3  ・・・・・・・・・・ 増加列
 1 ,4  ・・・・・・・・・・ 増加列
 1 ,2  ・・・・・・・・・・ 増加列
 3 ,4  ・・・・・・・・・・ 増加列
 3 ,2  ・・・・・・・・・・ 減少列
 4 ,2  ・・・・・・・・・・ 減少列
 1 ,3 ,4  ・・・・・・・ 増加列
 1 ,3 ,2
 1 ,4 ,2
 3 ,4 ,2
 1 ,3 ,4 ,2

 上記の計算から、数列 1 ,3 ,4 ,2 の最大増加項数は、3 で、最大減少項数は、2
であることが分かる。

 したがって、数列 1 ,3 ,4 ,2 の単調列の長さは、3 となる。

 ところで、別の数列 3 ,4 ,1 ,2 において

 3
 4
 1
 2
 3 ,4  ・・・・・・・・・・ 増加列
 3 ,1  ・・・・・・・・・・ 減少列
 3 ,2  ・・・・・・・・・・ 減少列
 4 ,1  ・・・・・・・・・・ 減少列
 4 ,2  ・・・・・・・・・・ 減少列
 1 ,2  ・・・・・・・・・・ 増加列
 3 ,4 ,1
 3 ,4 ,2
 3 ,1 ,2
 4 ,1 ,2
 3 ,4 ,1 ,2

から、最大増加項数、最大減少項数ともに、2 で、数列 3 ,4 ,1 ,2 の単調列の長さ
は、2 となる。

 このように、同じ数字の順列で得られる数列であっても、単調列の長さは異なってくる。

 そこで、相異なる n 個の項からなる自然数列の単調列の長さの中で最小の値を

   最小単調列長 といい、 L(n) と表すことにする。

 このとき、らすかるさんの予想された結果

    の値が、 r−1<≦r のとき、 L(n)=r

の成り立つことが、冒頭で紹介したHPサイトで証明されている。

例 上記の事実が成り立つとすれば、 1<√4≦2 なので、 L(4)=2

 すなわち、相異なる 4 個の項からなる自然数列の単調列の長さの最小値は、2 である。

 換言すれば、単調列の長さが 2 となるような数列を構成するには、項は4個準備すれば
よいということである。ただし、その4項がどのような配列になるかは別途考えなければなら
ないが...。


  以下、工事中