ある数列の極限                             戻る

 当HPの掲示板「出会いの泉」にHN「hasu」さんが平成23年12月22日付けで問題を書
き込まれた。(平成24年5月14日付け)
 (掲載まで五ヶ月も掛かってしまいました。「hasu」さんにお詫び申し上げます。

 漸化式 F0 、Fk2=Fk-1+r で定まる数列{Fk}を考える。

 数列{Fk}の極限値を R とすると、R2=R+r から、

   

である。ここで、 F0 、 F12=F0+r=+r より、 F1=√(+r)

 F22=F1+r=√(+r)+r より、 F2=√[√(+r)+r]

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 このとき、 Πk=0〜∞(Fk/R) の値はどうなるだろうか?

 r=2 の場合は、一応の証明は出来ました。 R=2 なので、 Ck=Fk/2 とおくと、

 C0/2 、Ck2=(Ck-1+1)/2 となり、Πk=0〜∞ を求めればよい。

 Ck2=(Ck-1+1)/2 は、余弦の半角の公式と同じなので、n≦4 のときは、cos(π/a2)

と同じになります。実際、(n,a)=(1,3)、(2,4)、(3,6)

 一辺が2の正方形の中に、隣り合った頂点2つを中心として四分円を2つ描きます。その
2つの重なりの面積は、四分円の面積がπ/4であることと2つの中心と2つの四分円が交
わる点を結ぶと正三角形になるという事実から計算できます。(→ π/3ー/4)

 この面積は、ユークリッドの取り付くし法を使うと、

  Σk=1〜∞sin(π/(3・2))[1−cos(π/(3・2)]・2 と同じになります。

 k=1で、まず真ん中の正三角形を、k=2は正三角形の辺から円の一点を結ぶ二等辺
三角形2つを表します。

 上=Σk=1〜∞[sin(π/(3・2))・2−sin(π/(3・2))・cos(π/(3・2)・2

正弦の2倍角の公式より、

   sin(π/3・2k)=/2k+1Πcos(π/3・2k)

となります。Πc=1〜kcos(π/3・2)=S とすると、

 上=Σk=0〜∞[1/S−1/Sk-1]=lim 1/S=2π/3

となります、

 さっきは、(n,r)=(3,2) のとき、3/2π と証明しましたが、同じようにして、

 Σk=1〜∞sin(θ/2k)[1-cos(θ/2k)]・2k の値を求めると、 θ−sin(θ)/2 となります。

 θは、半径1で角度θの円2つの面積です。

 この式を、さっきのように変形すると、

  Πk=0〜∞[cos(θ/2k)]=sinθ/θとなります。

 この式は驚きですが、 /R・√[+r]/R・√{(+r)+r}/R…の2の場合の一部の解
しか与えてくれません。

(例) n=6/5、r=2 のときは、4/5arccos(3/5) になると思われます。

  Πk=0〜∞[cos(θ/2k)]=sinθ/θだけならもっと簡単に出ます。

 T=sin(/2k)・2k・Πn=0〜k[cos(θ/2)] は、sin(2x)=2sin(x)cos(x) より、

   Tk=Tk-1=sin x

よって、 Πk=0〜∞[cos(θ/2k)]=sinθ/lim(n=∞)sin(θ/2)・2=sinθ/θ

limn→∞sin(θ/2)・2=θ は、limθ→0sinθ/θ=1 よりでます。

 今、θΠk=1〜∞[cos(θ/2k)]=sinθの式を微分します。

Πk=1〜∞[cos(θ/2k)]-θΣs=1〜∞Πk=1〜∞[cos(θ/2k)sin(θ/2)]/2・cos(θ/2)=cosθ

 sinθ/θ-Σs=1〜∞(sin(θ/2)/2)・cos(θ/2)・sinθ=cosθ

 以上から、 Σs=1〜∞(tan(θ/2)/2)=1/θ - 1/tanθ