2006年問題
いま労働界では、2007年問題に頭を悩ませているところが多い。団塊の世代の大量
定年時代を迎えるからである。ここでは、それとは異なる視点の2006年問題である。
2006年を前にして、次のような問題が話題になることはよくあることであろう。
(1) S(a)+S(b)+S(c)=2006 (ただし、a<b<c )
(2) S(d)−S(e)=2006 (ただし、e<d )
(3) T(f)+T(g)+T(h)+T(i)=2006 (ただし、f<g<h<i )
(4) T(j)+T(k)+T(l)=2006 (ただし、j<k<l ←「l」はエルです!)
となるような正の整数 a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l の例を一つ見つけたい。
どのようなものがあるだろうか?
ただし、S(n) は、1 から n までの全ての正の整数の和で、S(n)=n(n+1)/2
T(n) は、1 から 2n−1 までの全ての正の奇数の和で T(n)=n2 である。
(答) 当HPの掲示板で、HN「匿名」さんの投稿された問題(平成17年12月6日付け):
1、2、3、4、5、6の6つの数を使った数式を作り、その答えが2006になるよ
うにしたい。どうしたらよいだろうか?
この問いかけに、当HPがいつもお世話になっているらすかるさんは、次のように解かれ
た。(平成17年12月6日付け)
(1+2+56)×34 = (1+6+52)×34 = (2+6+51)×34
= (2×5×6−1)×34 =32×61+54
= 2006
前半の4式は、2006の素因数分解(=2×17×59)から予想されるが、最後の式:
「32×61+54 = 2006」には感動した。
この感動を読者の方にも味わってもらいたいという願いが、上記の問題である。
答の例は、それほどの苦労もなく見つかるだろう。
(1) S(4)+S(14)+S(61)=2006
(2) S(63)−S(4)=2006
(3) T(3)+T(5)+T(6)+T(44)=2006
(4) T(15)+T(25)+T(34)=2006
答がこれだけしかないということは考えられない。時間があったら、解の全てを求めてみ
たいと思う。もし、他の解を発見された方、メールでご教示ください。
(追記) 当HPがいつもお世話になっている、らすかるさんが解の全てを求めてくれた。
(1)は解が16個、(2)は解が4個で、(3)に至っては解が59個もあるそうである。
らすかるさんの提案で、問題(4)を追加した。それでも解が11個もあるという。
(1) (a,b,c) = (1, 30, 55)、(1, 39, 49)、(4, 14, 61)、(4, 40,
48)、(7, 25, 57)、(7, 37, 50)、
(12, 37, 49)、(14, 19, 58)、(14, 40, 46)、(16, 34,
50)、(19, 23, 55)、
(22, 32, 49)、(25, 28, 50)、(25, 40, 41)、(28, 39, 40)、(30, 34, 43)
(2) (d,e) = (63, 4)、(126, 109)、(503, 499)、(2005, 2006)
(3) (f,g,h,i) = (1, 4, 15, 42)、(1, 4, 30, 33)、(1, 9, 18,
40)、(1, 9, 30, 32)、(1, 12, 30, 31)、
(1, 15, 22, 36)、(1, 23, 24, 30)、(2, 3, 12, 43)、(2,
9, 20, 39)、
(2, 9, 25, 36)、(2, 15, 16, 39)、(3, 5, 6, 44)、(3, 5, 26, 36)、
(3, 6, 19, 40)、(3, 8, 13, 42)、(3, 12, 22, 37)、(3,
14, 24, 35)、
(3, 16, 29, 30)、(3, 20, 21, 34)、(3, 22, 27, 28)、(4,
6, 27, 35)、
(4, 15, 26, 33)、(4, 18, 21, 35)、(4, 19, 27, 30)、(5, 6, 24, 37)、
(5, 18, 19, 36)、(5, 24, 26, 27)、(6, 7, 20, 39)、(6,
7, 25, 36)、
(6, 8, 15, 41)、(6, 9, 17, 40)、(6, 13, 24, 35)、(6,
15, 28, 31)、
(6, 16, 25, 33)、(6, 20, 27, 29)、(7, 15, 24, 34)、(8, 9, 30, 31)、
(8, 14, 15, 39)、(8, 18, 23, 33)、(9, 10, 12, 41)、(9,
10, 15, 40)、
(9, 10, 23, 36)、(9, 12, 25, 34)、(9, 15, 16, 38)、(9,
15, 26, 32)、
(9, 20, 25, 30)、(10, 13, 21, 36)、(11, 12, 29, 30)、(11, 16, 27, 30)、
(12, 13, 18, 37)、(12, 14, 21, 35)、(12, 15, 26,
31)、(12, 17, 22, 33)、
(13, 18, 27, 28)、(13, 19, 24, 30)、(14, 15, 17,
36)、(15, 16, 25, 30)、
(15, 23, 24, 26)、(18, 20, 21, 29)
(4) (j,k,l) = (1, 18, 41)、(1, 22, 39)、(3, 29, 34)、(6, 11,
43)、(6, 17, 41)、(10, 15, 41)、
(11, 21, 38)、(11, 27, 34)、(14, 17, 39)、(14, 21,
37)、(15, 25, 34)
あまりに解が多すぎるので、これではパズルになりませんね!
(追々記) (2) S(d)−S(e)=2006 (ただし、e<d )の解を問う問題が、慶應義塾
大学 看護医療学部の2006年度入試に出題された。(解答はこちらを参照)