和積の公式3                                戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんからの出題です。
                                       (平成30年6月16日付け)

 単位正n+1角形 OA[1]A[2]・・・A[n]について、次の問いに答えよ。

(1) sinθ+sin(θ+α)+・・・+sin(θ+nα) の値はいくらか。ただし、α=2π/(n+1)

(2) sin(π/18)+sin(25π/18)+sin(49π/18) の値はいくらか。

 ※(2)は、平成26年3月30日UPの「和積の公式」(お茶の間 クイズ&パズル)と同一問題。

































(答) (2)の方の解は、「和積の公式」を参照してもらうとして、(1)の方を解いてみたいと思
   います。解答方法は、定石として知られているものです。

 T=sinθ+sin(θ+α)+・・・+sin(θ+nα) の両辺に、sin(α/2)を掛けて和積の公式を用

いると、

 Tsin(α/2)

=sinθsin(α/2)+sin(θ+α)sin(α/2)+・・・+sin(θ+nα)sin(α/2)

=(−1/2)(cos(θ+α/2)−cos(θ−α/2))
 +(−1/2)(cos(θ+3α/2)−cos(θ+α/2))
 +・・・・・
 +(−1/2)(cos(θ+(2n+1)α/2)−cos(θ+(2n−1)α/2))

=(−1/2)(cos(θ+(2n+1)α/2)−cos(θ−α/2))

=sin(θ+nα/2)sin((n+1)α/2)

 ここで、α=2π/(n+1) なので、(n+1)α/2=π より、 Tsin(α/2)=0

 sin(α/2)≠0 より、T=0 なので、 sinθ+sin(θ+α)+・・・+sin(θ+nα)=0


 スモークマンさんからのコメントです。(平成30年6月18日付け)

(1) x^(n+1)=1 の根の i の係数の和=0 なので、

  sinα+sin2α+・・・+sinnα+sin(n+1)α=0

 ここで、sin(n+1)α=sin2π=0 なので、 sinα+sin2α+・・・+sinnα=0

 これらすべてをθだけ回転させても、(i*sinθを掛けたものの和)=0 なので、

   sinθ+sin(θ+α)+・・・+sin(θ+nα)=0

(2) sin(π/18)+sin(7π/18)+sin(13π/18) をベクトルで考えたら、これらは重心が原点

  の正三角形の頂点なので、x、y 座標ともその和は0なので、和=0


(コメント) スモークマンさんの解答を見て、私の計算に誤りがあることに気づきました。上記
      は修正済みです。スモークマンさんに感謝します。


 S(H)さんからのコメントです。(平成30年6月19日付け)

 sin[π/18]=α とすると、

 sin[(25*π)/18]=sin[π+(7*π)/18]=−sin[(7*π)/18]=−sin[π/2−π/9]

=−cos[π/9]=−cos[2(π/18)]=2sin2[π/18]−1=2α2−1

 同様にして、 

 sin[(49*π)/18]

=sin[(13*π)/18]=sin[π−(5*π)/18]=sin[(5*π)/18]=sin[(5*π)/18]

=sin[π/2−(2*π)/9]=cos[(2*π)/9]=2cos[(2*π)/9]sin[(π/6]=sin[(7*π)/18]−sin[π/18]

=sin[π/2−π/9]−sin[π/18]=cos[π/9]−sin[π/18]=1−2sin2[π/18]−sin[π/18]

から、 sin[(49*π)/18]=1−α−2α2 と美しく表現され、足すと零。ついでに、積も求め

ると、答は、 −1/8


(コメント) sin[(25*π)/18]、sin[(49*π)/18] が sin[π/18]=α の多項式で表せるとは感動
      ものですね!数学の深遠さが感じられます。S(H)さんに感謝します。

      S(H)さんによれば、別な視点で、上記のことがもっと簡単に導出できるそうです。