人間の本能                                戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんからの出題です。
                                      (平成27年6月24日付け)

 人間の習性として、競争や順位付けをすることを好む。2人(a,b)なら、a<b、b<a、a=b のど
れかを気にする。3人(a,b,c)なら、

a<b<c 、a<c<b 、b<a<c 、b<c<a 、c<a<b 、c<b<a 、a=b<c 、a=c<b 、b=c<a 、a<b=c
b<a=c 、c<a=b 、a=b=c

 また、競争しているのを見ているのも好む。

 100m競争、マラソン、サッカーJリーグ、野球・・・

 そこで、運動会にてブロック対抗リレーで4組が争う場合、ゴールするパターンは何通りあ
るか?(同着もありとする。)

 更に、10頭のサラブレットによるダービーでは写真判定同着ゴールを含み何パターンの順
位が考えられるか?


























(答) らすかるさんが考察されました。(平成27年6月24日付け)

 重み付き三角形(→ 参考:「数列の和」)

1
1 1
1 3 2
1 7 12 6
1 15 50 60 24
1 31 180 390 360 120
1 63 602 2100 3360 2520 720
1 127 1932 10206 25200 31920 20160 5040
1 255 6050 46620 166824 317520 332640 181440 40320
1 511 18660 204630 1020600 2739240 4233600 3780000 1814400 362880
1 1023 57002 874500 5921520 21538440 46070640 59875200 46569600 19958400 3628800

で後ろから偶数番目のものを全部足せば、

1 = 1
3 = 3
12+1 = 13
60+15 = 75 ← 4人のゴールパターン
360+180+1 = 541
2520+2100+63 = 4683
20160+25200+1932+1 = 47293
181440+317520+46620+255 = 545835
1814400+4233600+1020600+18660+1 = 7087261
19958400+59875200+21538440+874500+1023 = 102247563 ← 10頭のゴールパターン

のように、求める数列になりますね。


 GAI さんからのコメントです。(平成27年6月24日付け)

 実は、この三角形は全く意識していませんでした。

a(0)=1
a(1)=1C1*a(0)=1*1=1
a(2)=2C1*a(1)+2C2*a(0)=2*1+1*1=3
a(3)=3C1*a(2)+3C2*a(1)+3C3*a(0)=3*3+3*1+1*1=13
a(4)=4C1*a(3)+4C2*a(2)+4C3*a(3)+4C4*a(0)=4*13+6*3+4*1+1*1=75
a(5)=5C1*a(4)+5C2*a(3)+5C3*a(2)+5C4*a(1)+5C5*a(0)=5*75+10*13+5*1+1*1=541
・・・・・・・・・・・・・・
a(10)=10C1*a(9)+10C2*a(8)+・・・・・+10C10*a(0)=102247563

とやっていくものとばかり思っていました。さらに、調べてみると、

a(1)=1/2*Σ[k=1,∞]k*(1/2)^k=1
a(2)=1/2*Σ[k=1,∞]k^2*(1/2)^k=3
a(3)=1/2*Σ[k=1,∞]k^3*(1/2)^k=13
a(4)=1/2*Σ[k=1,∞]k^4*(1/2)^k=75
a(5)=1/2*Σ[k=1,∞]k^5*(1/2)^k=541
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
a(10)=1/2*Σ[k=1,∞]k^10*(1/2)^k=102247563

も可能であることが起こる。

 この数列が、正に重み付き三角形から構成できることに更に驚きでした。


 らすかるさんからのコメントです。(平成27年6月24日付け)

 「重み付き三角形で後ろから偶数番目のもの」を足すと書きましたが、「奇数番目」でも同じ
でした。つまり、重み付き三角形の1行の合計が、求める数列の項の2倍になっていました。
(ただし、a[0]を除く)

a[1]=(1+1)/2=1
a[2]=(1+3+2)/2=3
a[3]=(1+7+12+6)/2=13
a[4]=(1+15+50+60+24)/2=75
・・・

 それから、この数列は {n!/(log2)^(n+1)}/2 で近似できるようで、a[16]までは、

   a[n]=[{n!/(log2)^(n+1)+1}/2]

でも求められますね。