虫食い算4                               戻る

 次の問題は、灘中学の問題だという。

 6桁の整数 5ABC15 が、999 の倍数となるとき、3けたの整数ABCは何だろうか?








































(答)  844

    5ABC15=DEF×999とすると、簡単な考察から

      Dは、5または6 、 Fは、5と確定し、その結果として、Eも8と確定

  あとは、D=5 または D=6 として実際に計算すればよい。その結果、Dは5と確定

   よって、 585×999=584415 から、ABC=844 となる。


 当HPがいつもお世話になっているHN「FN」さんが上記の問題を一般化されました。
                                      (平成23年6月23日付け)

 10進法で表された6桁の整数 AXYZBC が、999 の倍数となるとき、X、Y、ZをA、B、C
で表せ。


 FNさんが解を示されました。(平成23年6月30日付け)

 AXYZBC=AXY*1000+ZBC=999*AXY+AXY+ZBC が999の倍数だから、AXY+ZBCが999

の倍数である。0<AXY+ZBC≦999*2 であるが、等号が成り立つのは、A、B、C、X、Y、Z

が、すべて9のときだけである。以下このケースは除外して考える。

 このとき、 0<AXY+ZBC<999*2 で、AXY+ZBC は999の倍数だから

   AXY+ZBC=999・・・・(*)

 0≦Y+C≦18 で、Y+C を10で割った余りは、9だから、Y+C=9 でなければならない。

(*)の両辺から、Y+C=9 を引いて、10で割ると、

   AX+ZB=99・・・・(**)

 0≦X+B≦18 で、X+B を10で割った余りは、9だから、X+B=9 でなければならない。

(**)の両辺から、X+B=9 を引いて10で割ると 、 A+Z=9

 以上より、 X=9-B 、 Y=9-C 、 Z=9-A

ただし、A=B=C=9のときは、これの他に、X=Y=Z=9 も解である。


 攻略法さんから冒頭の問題の別解を頂きました。(平成23年7月1日付け)

 999の倍数判定法を使うと、6桁の整数5ABC15 が、999の倍数となるので、

  5AB+C15=999

 よって、 5+C=9、A+1=9、B+5=9 から、 A=8、B=4、C=4

 ベストな受験テクニックだと思います!

 9、99、・・・、や11、101、1001、・・・の倍数判定法なども考えられますね。

(コメント) 攻略法さんの別解は、確かに「ベストな受験テクニック」ですね。灘中学を受験
      する小学生なら、合同式の考え方も身に付いていると思われます。

 攻略法さんの受験テクニックを、FNさんの問題に適用してみよう。

 題意より、AXYZBC=AXY・1000+ZBC から、AXY+ZBC が、999 の倍数なので、

    AXY+ZBC=999 または AXY+ZBC=999・2

  AXY+ZBC=999 のとき、 各位において繰り上がりは起こらないので、

     A+Z=9 、X+B=9 、 Y+C=9

   すなわち、 X=9−B 、Y=9−C 、 Z=9−A

  AXY+ZBC=999・2 のとき、 X=Y=Z=A=B=C=9 である。


 FNさんからのコメントです。(平成23年7月1日付け)

 確かに、999の倍数判定法を知っていれば簡単ですね。999を1000に近い別の数、
例えば、1001や998に変えることを考えます。

 未知数がX、Y、Zの3つで、それぞれが10通りあるから、全部で、1000通り。

X、Y、Zを変えたとき、1001や998で割った余りが大概違うなら、解は普通は、1通り。

(1) 10進法で表された6桁の数 AXYZBC が、1001の倍数であるとき、X、Y、Z
   をA、B、Cで表せ。

 これは簡単です。しかしきちんとした解答が書ける高校生はあまりいないと思います。この
形で、999と1001以外であれば、かなり難しくなりそうです。やる気がしないというのが正
解でしょう。もともとの問題のように具体的な数が与えられていればできると思います。

   (コメント) 「きちんとした解答が書ける高校生はあまりいない」とFNさんが仰るので
         書いてみた。

    題意より、AXYZBC=AXY・1000+ZBC から、−AXY+ZBC が、1001 の倍数

   なので、 −AXY+ZBC=0 の場合しかありえない。 すなわち、 AXY=ZBC

    よって、 X=B 、Y=C 、 Z=A である。

   (参考) ABCABC=ABC・1000+ABC=ABC・1001 で、ABCは任意の3桁の
        整数。

(2) 10進法で表された6桁の数 7XYZ77 が、997の倍数であるとき、X、Y、Zを求
   めよ。


   (コメント) 高校生の気分で考えてみた。

    題意より、7XYZ77=7XY・1000+Z77 から、3・7XY+Z77 が、997 の倍数

   なので、 3・7XY+Z77=997・3=2991 の場合しかありえない。

    このとき、 Y=8 、X=3 は必然で、Z=7 となる。

 1002や998であれば、Cが偶数でないと解がありません。だから、ABCに対して XYZ は、
2通りか0通りであるのが普通でしょう。ということは、1通りである場合はまれだから、次の
ような問題がありえます。

(3) 10進法で表された3桁の数ABCに対して、6桁の数 AXYZBC で、1002の倍
   数であるような数が、ただ1通りであるという。ABCを求めよ。