任意の余弦を持つ三角形                    戻る

 △ABCにおいて、BC=m2+n2、CA=m2−n2、AB=2mn とすると、
cosA=0 である。

 △ABCにおいて、BC=m2+n2+mn、CA=m2−n2、AB=2mn+n2 とすると、
cosA=−1/2 である。

 問題を作問するとき、所要の余弦の値を持つ三角形で、三角形の3辺の長さが整数であ
るものが欲しい場合がある。

 次の事実が知られている。

 互いに素な正の整数p、q(p>q)と有理数M(−1<M<1)に対して、

   BC=p2+q2−M(p2−q2
   CA=2pq
   AB=p2−q2−M(p−q)2   とすると、 cosA=M が成り立つ。

 実際に、

CA2+AB2−BC2={2pq}2+{p2−q2−M(p−q)22−{p2+q2−M(p2−q2)}2
            =4Mpq{(p2−q2)−M(p−q)2}=2M・CA・AB
 より、 cosA=M が成り立つ。

 三角形の3辺の長さを整数にするには、定数倍の処理を行えばよい。

 互いに素な正の整数m、n(m>n)と有理数M(−1<M<1)に対して、

   BC=m2+n2−2Mmn
   CA=m2−n2
   AB=2mn−2Mn2   とすると、 cosA=M が成り立つ。

 実際に、

CA2+AB2−BC2={m2−n22+{2mn−2Mn22−{m2+n2−2Mmn}2
            =4Mmn(m2−n2)−4M22(m2−n2
            =4M(m2−n2)(mn−Mn2)=2M・CA・AB
 より、 cosA=M が成り立つ。

 三角形の3辺の長さを整数にするには、定数倍の処理を行えばよい。