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 当HPの掲示板「出会いの泉」に、当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんより、書
き込みがあった。(平成24年5月15日付け)

 ある疑問です。

  ある本で、次の合同式の等式の記述がありました。確かに、プログラムを組んでそれぞれ
の式が成り立つことは確認することができましたが、右辺の式がどの様な経緯で手に入れら
れたのかがわかりません。

 この式を導く論理を教えてください。

 x4+x3+x2+x+1
≡x4+x3+x2+x+1 (mod 2)
≡x4+x3+x2+x+1  (mod 3)
≡(x-1)4 (mod 5)
≡x4+x3+x2+x+1 (mod 7)
≡(x+2)(x+6)(x+7)(x+8)  (mod 11)
≡x4+x3+x2+x+1 (mod 13)
≡x4+x3+x2+x+1 (mod 17)
≡(x2+15x+1)(x2+5x+1) (mod 19)
≡x4+x3+x2+x+1 (mod 23)
≡(x2+24x+1)(x2+6x+1)   (mod 29)
≡(x+15)(x+23)(x+27)(x+29) (mod 31)
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 空舟さんからのコメントです。(平成24年5月15日付け)

 x4+x3+x2+x+1≡0 (mod p) が成り立つ x について、条件は次のようにも書けます。

 x≠1 かつ x5≡1 (mod p) となる

このとき、フェルマーの小定理から、「5」は、p-1 の約数です。

 1つの解 x を a とすれば、合同方程式の理論から、

   x4+x3+x2+x+1≡(x-a)(x-a2)(x-a3)(x-a4)  (mod p)

となるでしょう。このようにできるのは、「5」が、p-1 の約数の時、つまり、p が、5N+1型の時
です。

 x を2次の無理数にした場合、結果を見ると、p が 5N-1型素数の時に解が存在します。

例えば、 (2+)5≡1 (mod 19) です。

 これは、次のように説明されます。

 a、b を、0 から p-1 の整数(どちらかは0でない)とすると、

 集合{x=a+bα:αは2次の代数的数}

は、mod p において乗法群をなします。そうすると、xの位数は、その集合の元の数[p2-1]
の約数です。(群論のラグランジュの定理)

 それで、x を 5 乗すると 1 に合同になる(xの位数が5)なら、5 は、p2-1 の約数です。

 言いかえると、p は、5N±1型の時に、「x≠1、 x5≡1 (mod p)」となる2次の無理数範囲
の x が存在することが分かります。

 ちょうど、私が以前に考察したことの範囲です。ここの、「4.3 W(x)の素因数、約数」の主張
(2)に書いてある、以下の記述の通りですね。

 m次範囲の無理数yがあってΦ[k](y)がpで割り切れる

⇔ K乗して初めて1(mod p)になるyがある

⇔ Kは、pm-1の約数である




   以下、工事中!