2次方程式の考察                       戻る

 2次方程式には解の公式があり、全ての解が機械的に計算できる。もっとも、この解の公式
は、現在の中学校の学習指導要領では扱わないものとされ、高等学校での学習の範囲となっ
た。計算力を鍛える機会が後退したようで、ますますの高校生の計算力低下を危惧する次第
である。解の公式を運用することにより、中学3年で学習する平方根の計算が鍛えられ、また
分数の約分等も鍛えられる。平方根の計算もおぼつかなく、怪しい約分を平気でする生徒が
目立つようになったのは、ここら辺が原因ではないだろうか。

 2次方程式  は因数分解されて、 から、  と
通常解かれる。


  (追記) 当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんから別解を頂いた。
                                       (平成25年3月21日付け)

    2次方程式 x2−x−2=0 を完全平方式の考えを用いて解くと・・・・、
   x2−x=2 より、x2−x+(1/2)2=2+(1/2)2 から (x−1/2)2=9/4 
   よって、 x−1/2=3/2 、-3/2 より、 x=2 、−1

  (コメント) 2次方程式の解法で無条件に両辺を4倍すると美しいです!
      すなわち、 4x2−4x=8 より、 4x2−4x+1=8+1=9 なので、
      (2x−1)2=9 となり、2x−1=3 、−3  よって、x=2 、−1


 これに対して、次のように解かれたら、採点者はどう判断するであろうか?

 から  なので、右辺の に左辺の を順次代入することにより、

           

           

 右辺には、未知数 も含まれていないので、一つの数を表すことからいいように思う。

ただ問題は、根号の中の「・・・」の処遇であろう。曖昧な部分を残していて、まだ計算の途中と
いうことで、厳密に採点する方は、バツにするかもしれない。

      = 2 

であることは、厳密には次のようにして示される。

 漸化式  において、

     
よって、
        

したがって、
          から、

よって、
      = 2

 幾何学的に収束の状況を図示すれば、次のようである。

    

  = −1 についても同様である。

(参考文献:青木貴史 著 鏡の中の鏡(数学セミナー ’03年9月号) (日本評論社))