ポーカーについて                     戻る

 日本では、トランプゲームといえば、「ババ抜き」とか「七並べ」、「神経衰弱」、「ページワン」、
「セブンブリッジ」などがよく遊ばれている。子供から大人まで十分楽しめる手軽なゲームであ
る。先日の出張先の隣の部屋では、トランプのサークル活動のようで、年配の方々がトランプ
ゲームに興じられていた。「神経衰弱」などは、記憶力のいい子供の方が勝つ場合も多い。
「七並べ」とか戦略が入ってくるものは、大人の独壇場となる。「セブンブリッジ」で練習を積ん
で、麻雀の道に流れたという人も多い。

 トランプゲームに熱中すると、数学の力が落ちるといわれている。私の院生時代、研究室で
よく「ナポレオン」というトランプゲームをやっていた。午後、研究活動に入る前のウォーミング
アップ(院生は午後から三々五々研究室に集まる生活習慣であった。)と院生同士の親睦・情
報交換という意味合いで行っていたものだが、熱中するあまり、研究に入る時間が多少遅れ
るということがあったことは否めない。

 このページでは、戦略的なトランプゲームである「ポーカー」についてまとめたい。

 ポーカーは、トランプゲームのうちで最もハイクラスなものといわれている。5枚の手札を比
べて、最も強い役札を持っている人がチップをもらうわけであるが、手札が弱くても、「ポーカ
ーフェイス」で、さも強そうな顔をして、競争相手を退かせるといった心理的な戦略を楽しむこ
ともできる。

(準備) 人数は、2〜6人
    使用カードは、ジョーカーを除く52枚(ジョーカー1枚を加えて、53枚で行う場合もある)
    チップとして、一人20枚用意する
    カードの順位は、2,3,4,5,6,7,8,9,10,J,Q,K,A の順
    役札の種類とその順位(番号が若いほど強い)

番号  役 札 の 種 類  役 札 の 説 明 役札の出現確率
ロイヤルストレートフラッシュ 同マークの10,J,Q,K,A 0.0000015
ストレートフラッシュ 同マーク5枚が連続順位 0.0000139
フォアカード 同位札が4枚 0.0002401
フルハウス ワンペアとスリーカード 0.0014405
フラッシュ 同マーク5枚 0.0019654
ストレート 連続順位5枚 0.0039246
スリーカード 同位札が3枚 0.0211285
ツーペア ワンペア2組 0.0475390
ワンペア 同位札が2枚 0.4225690

 (参考) 役札の出現確率の計算(→ 参考

     起こり得る全ての場合の数は、52=2,598,960(通り)
     ロイヤルストレートフラッシュ・・・1×4=4(通り)
     ストレートフラッシュ・・・9×4=36(通り)
     フォアカード・・・13×12×4=624(通り)
     フルハウス・・・13××12×=3,744(通り)
     フラッシュ・・・4×13C5−(4+36)=5,108(通り)
     ストレート・・・10×4−(4+36)=10,200(通り)
     スリーカード・・・13××12×4=54,912(通り)
     ツーペア・・・13×()×11×4=123,552(通り)
    
ワンペア・・・13××12×4=1,098,240(通り)

 確率の計算ができる以前から、この役札の順位は決まっていた。フルハウスとフラッシュの
僅かの差が経験的に知られていたことは、驚きである。

(遊び方)
(1) まず、ジャンケンなどで親を決める。親は、自分の左隣の人から、全員に5枚ずつ裏向
   きにカードを配る。
(2) おのおの自分の手札を見て、どのカードを交換するか決めておく。カードは相手に見せ
   ない。
(3) 親は、左隣の人から順に、「何枚交換しますか?」と聞いて、交換していく。最後に、親
   が交換する。(この交換は、1回限りで、何枚交換してもよく、全く交換しなくてもよい。)
(4) 手札の交換が終わったところで、全員がまず1枚チップを場に出す。
(5) 親は、左隣の人から順に、「あと何枚賭けますか?」と聞いていく。
(6) 自分の手札が強い役だと思った人は、チップを1枚ずつせりあげていく。次の人は、前
   の人が出したチップの枚数以上出さなければ、「おりた!」と言って、それまで出してい
   たチップを場に捨てて退かなければならない。(手札の弱い人でも、ポーカーフェイスで
   せりあげ、他の人がおそれをなしておりるのを待つ、という作戦もあり得る。)
(7) チップの枚数をせりあげ、それがただ一人の場合、場のチップは全てその人のものと
   なる。
(8) 二人以上が、同じ枚数のチップで残っているとき、はじめにせりあげた人が、「オープ
   ン!」と言って、互いの役を見せ合う。役札の最も強い人が、場のチップを全てもらう。
   (同じ役札の場合は、カードの順位が高い方が勝ちとなる。)
(9) 勝った人が次の回の親になってゲームを続ける。

(参考文献:木下栄蔵 著 好奇心の数学(電気書院)
        玉置光司 著 基本確率(牧野書店)
        新春レジャーブック(旺文社))