奇跡の放物面                             戻る

 放物線(面)の性質が上手く利用されて、我々の日常生活に役立っているものは数多い。

 例えば、衛星放送の受信アンテナは、軸に平行に入ってきた放送衛星からの微弱な電波
が反射して焦点の位置にある受信部に集まるという性質を利用しているし、懐中電灯や車
のライトなどは逆に、焦点の位置にある光源から発せられた光線が反射して軸に平行に進
むという性質を利用している。

 放物面の性質を利用した遊園地の遊具もおもしろそうだ。放物面は、ある一定の速度で
軸の周りに回転するのだが、放物面の中に立っている人は、自分はしっかり床に立ってい
るはずなのに、他の人はなぜかみんな壁に立っているように見えるらしい。

 本で知ったことなので、どこの遊園地にあるか分からない。もし、そのような遊具をご存知
の方、こちらまでメールでお知らせください。すぐ遊びに出かけます!

 このような物理現象は、下記の現象と同じものである。

 水の入った容器を底面に平行に回転させると、水面は正確な回転放物面になる。

               

 「重力と遠心力の合力は、中心からの距離に比例して傾き、液面は回転放物面になる」
とか、「放物面では、どの点でも重力と遠心力の合力が面に対して垂直になるから」と説明
されても、あまりピンとこない。

 実際に数式を使って、本当に放物面になるのかどうか確認してみよう。

   左図において、質量 m (座標は(x,y))の
  質点が垂直軸の周りに角速度 ω で回転して
  いるものとする。

   このとき、質点における力のつりあいから、
  接線方向の傾きは次の式で与えられる。

      

  これより、
         

 となり、確かに水面は放物面になることが確認された。