パンタグラフを作ろう
「パンタグラフ」というと、電車の屋根の上に取り付けられているひし形の装置(架線から
電流を導く集電器)を真っ先に思い浮かべるが、図形を拡大・縮小する装置という意味も
ある。
ここでは、図形を拡大・縮小する装置を作ってみよう。
まず、次のようなパーツを用意する。
(11穴あり、それらは全て等間隔である。間隔は自由に決めてよい。)
画鋲( ) 1個 と 自在止め具( ) 3個 と 鉛筆 2本
これらを組み合わせて、次のようなパンタグラフを作ることができる。
上図において、鉛筆の動きに応じて形は変化するが、真ん中の四角形は平行四辺形で、
画鋲の針先、2本の鉛筆の先は一直線上にあることに注意する。
上図のような場合、原図は、2倍 または 1/2倍 に拡大・縮小される。
原理は単純で、図形の相似の性質を利用している。
△OAB と △OCD において、AB と CD は平行なので、△OAB ≡
△OCD である。
したがって、 X : Y = m : L より、 Y=(L/m)X となる。
すなわち、変数 X、Y の増分を、ΔX、ΔY と表せば、
となる。 このとき、 | が、ちょうど拡大の倍率を表し、その逆数が縮小の倍率を表す。 |
従って、先の図では、L=10、m=5 だったので、L/m=2 倍の拡大または m/L=1/2
倍の縮小だったわけである。
L と m の値を変えれば、すなわち、各パーツの接合位置を変えれば、いろいろな倍率
で楽しむことができる。
是非、みなさんも楽しんでみてはいかがですか?
(参考文献:ナギビン 著 山崎 昇・宮本敏雄 訳 数学玉手箱 (東京図書))