重複順列                                    戻る

 相異なる n 個のものから重複を許して r 個とる順列の数は、

     Π=nr (通り)

で与えられる。これは、順列組合せの基本公式だろう。

 1、2、3、4 の4個の数字から異なる2個を選んで2桁の整数を作る方法の数は、

  42=4・3=12(個)

なわけであるが、出来た整数

 12、13、14、21、23、24、31、32、34、41、42、43

を眺めていると、「11、22、33、44」が2桁の整数から省かれているところに何となく違和
感を感じてしまう。問題に対する解答としてはもちろん正解なわけであるが、「2桁の整数」と
いう範疇を意識すれば、問題設定の不自然さがどうしても目に付いてしまう。

 この不自然さを解消するのが、重複順列である。

 1、2、3、4 の4個の数字から重複を許して2個を選んで2桁の整数を作る方法の数は、

  4Π2=42=16(個)

 順列・組合せの問題では、「重複順列」という技は、意外に活躍の場は広い。

例 4人を2つの班に分ける方法の数を求めよ。

(解) 1人と3人の班の場合: 41=4

   2人と2人の班の場合: 42÷2=3

  よって、求める場合の数は、 4+3=7(通り)  (終)

 上記の問題に対して、重複順列の考え方を用いれば、次のように解くことが出来る。

(解) 2つの班A、Bに対して、4人それぞれのA、Bの選択を考えると、 24=16(通り)

 このうち、4人全員が同じ班に集まる場合を除いて、 16−2=14(通り)

 A、Bの区別を取り払って、 14÷2=7(通り)  (終)


 読者のために練習問題を残しておこう。

練習問題  5個の自然数 1、2、3、4、5 の中から何個かの数を選んで、その総和を考
       える。総和が奇数となるように数を選ぶとき、その選び方は何通りあるか。

(解) 1から4まで順番に、その数字を選ぶ、選ばないを考えると、その場合の数は、全部

  で 24=16(通り) ある。最後の5を選ぶ、選ばないは、1〜4までの総和の値によって、

  ただ1通りに定まる。

  よって、求める場合の数は、 16通りである。  (終)


 上記の計算で、直接的に求めてもよい。(数が増えると、数え上げが困難に...)

 選ぶ数字が1個の場合: 1、3、5 の3通り

 選ぶ数字が2個の場合: (1,2)、(1,4)、(2,3)、(2,5)、(3,4)、(4,5) の6通り

 選ぶ数字が3個の場合: (1,2,4)、(1,3,5)、(2,3,4)、(2,4,5) の4通り

 選ぶ数字が4個の場合: (1,2,3,5)、(1,3,4,5) の2通り

 選ぶ数字が5個の場合: (1,2,3,4,5) の1通り

  以上から、求める場合の数は、 3+6+4+2+1=16(通り)


(コメント) この問題からも分かるように、「重複順列」という考え方は、豊かな思考方法に
      導いてくれる。



   以下、工事中