数の配置
与えられた自然数 n に対して、0 から n までの整数の中からいくつか選んで大きさの順
番に並べるということはとても素朴な行為である。このページでは、選ばれる整数に幾つか
条件を指定して、その選び方が何通りあるかを考えていこうと思う。
問 0<a<b<c<d<e<n を満たす整数の組 ( a , b , c , d , e ) は何通りあるか。
(解) 1 から n−1 までの n−1 個の整数から5個とる組合せの数に等しいので、
求める場合の数は、 n-1C5 通りある。 (終)
問 0≦a≦b≦c≦d≦e≦n を満たす整数の組 ( a , b , c , d , e ) は何通りあるか。
(解) 0 から n までの n+1 個の整数から重複を許して5個とる組合せの数に等しいので、
求める場合の数は、 n+1H5=n+5C5 通りある。 (終)
上記の解では、重複組合せの考えを用いたが、次のように考えることもできる。
(別解) 求める整数の組 ( a , b , c , d , e ) に対して、整数の組
( a+1 , b+2 , c+3 , d+4 , e+5 )
が1対1に対応し、 1≦a+1<b+2<c+3<d+4<e+5≦n+5 を満たす。
よって、求める場合の数は、1 から n+5 までの n+5 個の整数から5個とる組合
せの数に等しいので、n+5C5 通りある。 (終)
(コメント) 各項にそれぞれ 1〜5 を加えて、等しくなりうる可能性を回避している点に感
動しました。
上記別解のアイデアは、次のような問題にも応用される。
問 1 から n までの n 個の整数から、異なる k 個の整数をとり、大きさの順に並べる。
このとき、どの2つの整数も隣り合うことのない k 個の整数の組
( a1 , a2 , a3 , ・・・ , ak ) (ただし、 a1< a2< a3< ・・・< ak)
は、何通りあるか。
(このような整数の組( a1 , a2 , a3 , ・・・ , ak ) は、非友好的と言われる。)
例 1 から 5 までの5個の整数から非友好的な2個の整数の組を作ると、
( 1 , 3 )、( 1 , 4 )、( 1 , 5 )、( 2 , 4 )、(
2 , 5 )、( 3 , 5 )
の6組ある。
2番目の数から全て1引くと、
( 1 , 2 )、( 1 , 3 )、( 1 , 4 )、( 2 , 3 )、(
2 , 4 )、( 3 , 4 )
これは、1 から 4 までの4個の整数から異なる2個を取る組合せに一致し、求める場
合の数は、 4C2=6 (通り) となる。この結果は、上記と一致する。
例 1 から 6 までの6個の整数から非友好的な3個の整数の組を作ると、
( 1 , 3 , 5 )、( 1 , 3 , 6 )、( 1 , 4 , 6 )、(
2 , 4 , 6 )
の4組ある。
2番目の数から全て1を引き、さらに、3番目の数から全て2を引くと、
( 1 ,2 , 3 )、( 1 , 2 , 4 )、( 1 , 3 , 4 )、(
2 , 3 , 4 )
これは、1 から 4 までの4個の整数から異なる3個を取る組合せに一致し、求める場
合の数は、 4C3=4 (通り) となる。この結果は、上記と一致する。
この例におけるアイデアを用いて、問は解かれる。
(解) 求める整数の組 ( a1 , a2 , a3 , ・・・ , ak ) に対して、整数の組
( a1 , a2−1 , a3−2 , ・・・ , ak−k+1 )
が1対1に対応し、
1≦a1< a2−1< a3−2 < ・・・ < ak−k+1≦n−k+1
を満たす。
よって、求める場合の数は、1 から n−k+1 までの n−k+1 個の整数から異なる
k
個をとる組合せの数に等しいので、n-k+1Ck 通りある。 (終)
以下、工事中