メビウスの帯
世間で一風変わった曲面と認識されているうちで、有名なものは、メビウスの帯であろう。
裏表がない曲面として、時にテレビドラマや推理小説にも登場する。
Mebiusシリーズのパソコンを使っているときは、メビウスの帯の何ともいえない雰囲気が
好きで、壁紙として上記画像のようなものを設定し、愛用していた。
このページでは、メビウスの帯のいろいろをまとめてみよう。
(1) メビウスの帯の書き方
手元にある文献によれば、上の2種類の何れかであることが多い。私個人的には左側
の方が好きであるが、「ねじれてる!」という感じを出すには、右図の方がいいかな?
(私の大学の幾何学の恩師は、右図のように書かれていたように思う。)
(2) メビウスの帯の作り方
左図の長方形において、左側の青矢印を固定して、
右側の青矢印をねじって左側の矢印の向きと同じに
貼りあわせればよい。
したがって、そのねじらせ方によって、2種類のメビ
ウスの帯が出来る。
(3) メビウスの帯を切る
(イ) 中心線に沿って、1回切る場合・・・・・2回ねじれた1本の輪になる。
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(ロ) (イ)で出来た輪の中心線に沿って、1回切る場合
・・・・・互いに絡み合う2つの輪に分かれる。
(イ)で出来た輪の構成から分かるように、(イ)の帯は、基本的に円筒と同じである。
したがって、その中心線に沿って切れば、2つの輪に分かれることは、容易に理解で
きる。
(ハ) メビウスの帯を3等分に切る場合
・・・・・メビウスの帯1本と2回ねじれた帯が絡み合う。
3等分とはいえ、実際にハサミを入れるのは、1回である。帯の幅の1/3のところで
ハサミを入れればよい。
(参考文献:浜島 敬 著 図形はふしぎ メービウスの帯からクラインの壺へ)
(追記) メビウスの帯は空間でねじれているので、その方程式がどうなるのか不思議で
あったが、最近、メビウスの帯のパラメーター表示について知る機会があった。
(4) メビウスの帯のパラメーター表示
上記方程式を具現化すれば、下図のようになる。(このような図は、あまりWeb上で見か
けない。)
上図から、方程式の成り立ちが了解されることと思う。 0≦ θ ≦2 π の範囲で、θ が
変化するとともに、青い棒(幅が、2b )が鉛直方向に対して、θ/2 の角度で傾いていく。
棒の変化の様子を残像として見ていくと、メビウスの帯が描かれる。
(追記) 令和2年9月5日付け
リサイクルマークには色々なものがあるが、次のマークが一番その趣旨を表しているよう
に感じる。
このマークは、数学の「メビウスの帯」に似ている。表裏を全部通って元に戻って来るという
リサイクルの精神にもつながる。
(追記) 令和4年5月20日付け
メビウスの輪の形の炭素でできた分子を世界で初めて名大・北大などのチームが合成に
成功した。(令和4年5月19日付け) 「メビウスカーボンナノベルト」と命名された。
名古屋大学伊丹健一郎教授によれば、これまでの炭素物質にはない新たな性質を持つ
可能性があり、炭素の新たな活用法を探したい、とのことである。