2年半前、数学感動秘話の「数学十種競技」が好評だったみたいなので、僕から第2弾で
す。
cos15°の値はいくらか。
※15°の代わりにπ/12ラジアン表記で答えてもかまいません。ただし、異なる2角α、βを
用いたα-βの余弦の加法定理を用いた解法については、複数挙げてもかまいませんが、
それのみのパターンを10通り、・・・という乱用は極力避けるようお願いします。
――という高校数学のド定番の問題を異なる方法で求めてください。
# 高校範囲の数学だけでもかなりのやり方があるので、高校生の方の挑戦歓迎。
らすかるさんが挑戦されました。(平成30年4月8日付け)
似たようなものが多いですが、とりあえず思い付いたものを書きます。
(方法1)・・・正弦の加法定理の利用
cos15°=sin75°=sin(30°+45°)=sin30°cos45°+cos30°sin45°
=(1/2)(1/√2)+(√3/2)(1/√2)=(√3+1)/(2√2)=(√6+√2)/4
(方法2)・・・余弦の加法定理の利用
cos15°=-cos165°=-cos(120°+45°)=sin120°sin45°-cos120°cos45°
=(√3/2)(1/√2)+(1/2)(1/√2)=(√3+1)/(2√2)=(√6+√2)/4
(方法3)・・・半角の定理+二重根号の利用
cos15°=√{(1+cos30°)/2}=√{(1+√3/2)/2}=√(8+4√3)/4=(√6+√2)/4
(方法4)・・・直角三角形+三平方の定理+二重根号の利用
AB=1、∠B=90°、∠C=15°の直角三角形ABCで、∠DAB=60°となるようにBC上に点D
をとると、BD=(√3)AB=√3、AD=2AB=2
∠DAC=15°から、CD=AD なので、CD=2
よって、BC=BD+CD=2+√3、AC=√{1+(2+√3)^2}=√(8+4√3)=√6+√2 なので、
cos15°=BC/AC=(2+√3)/(√6+√2)=(2+√3)(√6-√2)/4=(√6+√2)/4
(方法5)・・・二等辺三角形+直角二等辺三角形+正三角形の利用
頂角A=30°、BC=2の二等辺三角形の内部に、斜辺がBCの直角二等辺三角形DBCを作
り、BDの延長とACの交点をEとすると、
BD=CD=2/√2=√2、∠DCE=30°なので、CE=(2/√3)CD=2√2/√3=2√6/3、
DE=(1/2)CE=√6/3
AE=BE=BD+DE=√2+√6/3 より、AC=AE+CE=√6+√2
また、△ABCの内部に正三角形FBCを作り、BCの中点をGとすると、
FG=√3、AF=BF=2 なので、AG=2+√3
よって、 cos15°=AG/AC=(2+√3)/(√6+√2)=(√6+√2)/4
(方法6)・・・正方形+正三角形+三平方の定理+二重根号の利用
一辺が 2 の正方形ABCDの内部に正三角形EBCを作り、ADの中点をFとすると、
AF=1、EF=2-√3 から、 AE=√{1+(2-√3)}^2=√(8-4√3)=√6-√2
よって、 cos15°=AF/AE=1/(√6-√2)=(√6+√2)/4
(方法7)・・・三角形の面積の公式利用
∠B=60°、∠C=90°、AB=2 の直角三角形ABCに、CD=AC の直角二等辺三角形ACDが
接しているとき、
BC=1、CD=AC=√3、AD=(√2)AC=√6
△ABDの面積は、BD×AC÷2=(BC+CD)×AC÷2=(1+√3)√3/2=(3+√3)/2
三角形の面積の公式により、 AB・AD・sin∠DAB/2=(√6)sin75°=(3+√3)/2
よって、cos15°=sin75°={(3+√3)/2}/√6=(√6+√2)/4
(方法8)・・・正方形+正三角形+tan+二重根号の利用
一辺が2の正方形ABCDの外側に正三角形EADをくっつけて、BCの中点をMとすると、
tan15°=BM/EM=1/(2+√3)=2-√3
ここで、 (tan15°)^2+1=1/(cos15°)^2 から、1/(cos15°)^2=(2-√3)^2+1=8-4√3
よって、 cos15°=1/√(8-4√3)=1/(√6-√2)=(√6+√2)/4
(方法9)・・・座標平面の利用
原点をOとするxy平面上において、A(√3+1,0)、B(√3+1,√3+1)とすると、△OABは、
OA=AB=√3+1の直角二等辺三角形なので、OB=√6+√2
C(2,2√3)、D(0,2√3)とすると、△OCDは∠C=60°、∠D=90°の直角三角形なので、
OC=4
直線OBの式は、y=x、直線BCの式は、y=-x+2+2√3なので、OBとBCは直交し、△OBCは
∠O=15°の直角三角形となる。
よって、 cos15°=OB/OC=(√6+√2)/4
(方法10)・・・三角形の辺の比の利用(よおすけ氏)
三角形ABCにおいて、BC=1+、CA=2、∠C=60°のとき、次の図が得られる。
左図より、 cos15°={(+)/2}/2 =(+)/4 |
(方法11)・・・三角形の辺の比の利用(よおすけ氏)
三角形ABCにおいて、BC=1+、CA=、∠C=45°のとき、次の図が得られる。
左図より、 cos15°={(+1)/2}/=(+)/4 |
(方法12)・・・単位円の利用(S(H)氏)
単位円周上の2点A(1,0)とB(/2,1/2)を結ぶ線分の中点M((2+)/4,1/4)
と原点を通る直線の方程式は、 y=(2−)x である。このとき、直線 x=1 との交点は、
(1,2−)なので、 tan15°=2− これより、 cos15°=(+)/4
(方法13)・・・2等分線の利用(S.H氏)
a= 、c=2 、∠B=30°、∠C=90°の直角三角形ABCにおいて、∠Bの2等分
線が辺CAと交わる点をDとおく。このとき、角の2等分線の性質から、Dは、辺CAを、
:2に内分する点である。よって、 CD=/(2+)=(2−)
よって、 tan15°=CD/BC=2−
これより、 cos15°=(+)/4
(方法14)・・・半円の利用(DD++氏)
線分 AB を直径とする半径 の半円周上に、∠CAB=60°, ∠DAB=15° となるように
2点 C、D を取り、線分 CB と線分 AD との交点を E とする。線分 AB、BD、DA の長さを求
めることにより 15° の三角比が求められる。
※半径 なのは分数計算が出ないようにするだけの目的。半径 1/2 でやると BD と DA
に直接 sin15° と cos15° が出てきます。
まず、AB は直径なので、 AB=2
△ACB は直角三角形で、 AC= 、CB=
△ACE は直角二等辺三角形なので、 CE= 、AE=2
よって、 EB=CB−CE=−
△DEB も直角二等辺三角形なので、 DE=DB=−1
よって、 AD=AE+DE=+1
したがって、sin15°=(−1)/(2)=(−)/4
cos15°=(+1)/(2)=(+)/4
tan15°=(−1)/(+1)=2−
(方法15)・・・三角形の辺の比の利用(S.H氏)
左図とにらめっこをすると自ずから、 cos15°=(+)/4 |
(方法16)・・・方程式の利用(スモークマン氏)
らすかる様の他?の解法を考えてみました...。
cos15°=x 、sin15°=y (0<y<x) とおくと、
(x+y)^2-2xy=1 より、 (x+y)^2=1+1/2=3/2 から、 x+y=√6/2
同様に、 (x-y)^2+2xy=1 より、 (x-y)^2=1/2 から、x-y=√2/2
よって、 x=(√6+√2)/4
(方法17)・・・方程式の利用(スモークマン氏)
(方法16)とほとんど同じですが...一応 ^^、複素数の回転で...。
(三角関数の2倍角と同じですけど...)
(cos15°+i*sin15°)^2=cos30°+i*sin30°で、cos15°=x 、sin15°=y (0<y<x) とおくと、
(x+i*y)^2=(x^2-y^2)+i*(2xy) なので、 x^2-y^2=√3/2 、 x^2+y^2=1
これより、 2x^2=1+√3/2 から、 x^2=(2+√3)/4
よって、 x=√(2+√3)/2 =(√2+√6)/4
(方法18)・・・折り紙の利用
次のように折り紙を2回折るだけで、15°を作ることができる。
この図を用いると、 tan15°=(4−2)/2=2− であることは明らかだろう。
このことから、 cos15°=(+)/4 が求められる。
以下、工事中!