今から約800年前、イタリアのトスカーナ地方ピサで生きた人物だそうで、フィボナッチの名
は後の中世研究者がボナッチ家の末裔にあたる人物であることから本名は他にありながら
(レオナルド・ピサノか?)書物に書かれていた数列とともに、この名で呼んだことから広まっ
たとある。
1202年に15章からなる「Liber abbaci」(算盤の書または計算の書と訳される)で、当時数
学者や科学者によってのみ使われていたインド・アラビア数字(0をも含む記述での計算)に
よる計算法のすばらしさを正しく評価して、それを初めて系統的にヨーロッパ世界に紹介した
功績は大である。
その地で、レオナルド・ピサノの評判は「世界の驚異」と讃えられており、噂を聞きつけた、
当時その地を支配していた神聖ローマ帝国の皇帝フリードリッヒU世は、ピサを訪れた際レ
オナルドを呼び出し、お付きの宮廷学者の一人からその場で3つ問題を出されたという。
これに対しレオナルドは皇帝の面前でそれらの難問を解いてしまう。
フィボナッチといえば、あのウサギの番いでの話がついた数列だけしか思い浮かばないが、
こうしてその人物像に着目してみると余りにも時代を超えていて、400年後のフェルマーや
500年後のオイラーが出現してやっと同じ問題意識を語れる仲間と出会える位、当時では突
出した人物のような気がします。
そこで、皇帝の前で出されたという問題のうち、2つに挑戦してみませんか?
(問題1) ある有理数の平方に5を加えても、5を引いても有理数の平方になるという。初め
の有理数を求めよ。
(問題2) 3次方程式 x3+2x2+10x=20 を解け。
#もちろん、カルダノの公式などあろうはずもなく、複素数や虚数など誰もイメージすることは
しない。彼は、これに対し、小数点以下9桁まで正しい驚異的な近似値を与えているという。
DD++さんからのコメントです。(平成29年11月1日付け)
(問題1)は、3分くらいの暗算で、41/12 ですかね。
らすかるさんからのコメントです。(平成29年11月1日付け)
「初めの」とはどういう意味でしょうか。もし「最小の」という意味だとしたら、41/12=3.416…
は最小ではなく、3344161/1494696=2.237… という解もあります。(→ 参考:「A208151」)
DD++さんからのコメントです。(平成29年11月1日付け)
やっぱり、もっと小さい解はあるんですね。これを暗算で求めるにはどうしたらよいのだろう。
そしてこの問題、√5+無限小に至るまで解は存在するんでしょうかね?
らすかるさんからのコメントです。(平成29年11月1日付け)
いろいろ調べてみると、この問題の解はどうも a[1]=41/12、an+1=(an4+25)/{2an√(an4-25)}
という漸化式で表されるようです。(その意味では、41/12は「初めの」解になります。)
この漸化式は増加したり減少したりしますが、
a[2]=3344161/1494696=2.2373519431… より小さいa[40]=2.2362155254…、a[234]=2.2360974944…
などがあり、最小値は存在しないっぽいです。
# ちなみに、a[15]で既に分子分母が4億桁を超えますので、a[40]などはとても分数で書き表せません。
参考までに、a[3]とa[4]は、
a[3]=249850594047271558364480641/5354229862821602092291248
a[4]=3896941041458487485320832722469963686366256264486004169772710584821176712668535259971051251201565099266561
/167019439477564254804819333692197516475269570978824403519721702282259070147808848039273138602363503527584
です。
GAI さんからのコメントです。(平成29年11月2日付け)
条件を満たす有理数は、大きさの順番(使用する2数での桁数)からいったら
41/12、3344161/1494696、654686219104361/178761481355556、249850594047271558364480641/5354229862821602092291248、・・・
となりませんか?これは現代的な手法として楕円曲線 y2=x3-52*x 上での有理数解を求め
ることから探せる。
らすかるさんからのコメントです。(平成29年11月2日付け)
桁数が基準ならそうなりますね。それより気になったのが、
654686219104361/178761481355556
です。a[2]とa[3]の間の桁数ということは、私が書いた漸化式は全解を網羅してなかったの
ですね。検索して見つけたサイトで全解と書いてあったように思ったのは、英語を読み違え
たのかも知れません。
GAI さんからのコメントです。(平成29年11月2日付け)
DD++さん、暗算でいけますか!ついでに、
ある有理数の平方に7を加えても、7を引いても有理数の平方になるという。ある有理数は
なにか?
ある有理数の平方に13を加えても、13を引いても有理数の平方になるという。ある有理
数はなにか?
はどうでしょうか?
DD++さんからのコメントです。(平成29年11月2日付け)
ある有理数の平方に7を加えても、7を引いても有理数の平方になるという。ある有理数は
なにか?
337/120 ですかね。小一時間かかりましたが、なんとか暗算で。
13 の方は続けてやると計算が混ざりそうなので、また頭の中の計算をリセットしてからや
ります。
ある有理数の平方に13を加えても、13を引いても有理数の平方になるという。ある有理
数はなにか?
(114^2+13*85^2)/(2*114*85) が暗算できずに撃沈しました。
GAI さんからのコメントです。(平成29年11月2日付け)
これを暗算しなくても、ちょいと筆算すれば正解が出てくるではないですか!いや〜DD++さ
んは現代のフィボナッチさんですよ。
DD++さんからのコメントです。(平成29年11月3日付け)
なんかこの計算やったことあるような気がしていたのですが、見つけました。
(→ 参考:「共に平方数」)