3辺の長さが、3、4、5や5、12、13の三角形は、面積がそれぞれ6、30の直角三角形を形
成する。そこで条件を少しゆるめて、3辺が有理数で直角三角形をなし、その面積が整数
となれるものを探すものとする。(→ 参考:「ヘロン数とピタゴラス数」)
例 a=3/2、b=20/3、c=41/6 (a2+b2=c2) => S=5
さて、面積Sが1〜30までの刻みの中で、このような形状の直角三角形が存在できるSとa、
b、cの組合せを見つけてほしい。
また、敢て a、b、c を 3、4、5 以外の既約分数 a、b、c を用いて、S=6 を構成してほしい。
同じく、5、12、13以外での a、b、c(有理数使用)で、S=30 を達成できるか?
DD++さんからのコメントです。(平成29年5月21日付け)
前半は合同数一覧を見ればいいとして、
また、敢て a、b、c を 3、4、5 以外の既約分数 a、b、c を用いて、S=6 を構成してほしい。
人力の暗算と勘で、 7/10、120/7、1201/70
同じく、5、12、13以外での a、b、c(有理数使用)で、S=30 を達成できるか?
119/26、1560/119、42961/3094
(斜辺の (134+1202)/(2*7*13*17) だけは私の暗算力じゃ無理でした……)
GAI さんからのコメントです。(平成29年5月21日付け)
眼力、直感力及び分析力お見事です。暗算に頼らなければ他に
S=6
a=4653/851、b=3404/1551、c=7776485/1319901
a=1437599/168140、b=2017680/1437599、c=2094350404801/241717895860
・・・・・・・・・・
S=30
a=415915/2739、b=32868/83183、c=34597174573/227838237
a=1444579679/265842668、b=15950560080/1444579679、
c=4726019094567147841/384030916003943572
・・・・・・・・・
といくつでも採れていきますね。さらに、これらの数値から、
A=|a-b|/2 、B=c/2 、C=(a+b)/2
を組み上げていくと、
S=6 a=4653/851、b=3404/1551、c=7776485/1319901 の場合
A = 4319999/2639802 、B = 7776485/2639802 、C = 10113607/2639802
となり、すると、A<B<Cで、B2-A2=C2-B2=S=6 など決して直感などでは到達できないピ
タゴラス的世界が広がっていきます。(他の組合せも同様)
楕円曲線にはあらゆる数論を取り込めるブラックホールのような奥深さがある!
DD++さんからのコメントです。(平成29年5月21日付け)
私の S=6 の解は、 (5/2)2-(1/2)2 = (7/2)2-(5/2)2 = 6 から、
a = (1/2)(7/2)/(5/2) = 7/10 、b = 2(5/2)6/{(1/2)(7/2)} = 120/7 、
c = {(5/2)4+62}/{(1/2)(5/2)(7/2)} = 1201/70
と構成したものです。これから、 GAI さんの式によると、
A = (120/7-7/10)/2 = 1151/140 、B = (1201/70)/2 = 1201/140 、
C = (120/7+7/10)/2 = 1249/140
として、 (1201/140)2-(1151/140)2 = (1249/140)2-(1201/140)2 = 6 という式が生まれます
ね。ということは、
a = (1151/140)(1249/140)/(1201/140) 、b = 2(1201/140)*6/{(1151/140)(1249/140)}
c = {(1201/140)4+62}/{(1151/140)(1201/140)(1249/140)}
とすると……という感じになります。暗算力が直感力についていけない感じですが。あれ、で
もこれ、
a=4653/851 、b=3404/1551 、c=7776485/1319901
の解が飛びますね。この解どこから来たんだろう。
等差数列と合同数と題して、DD++さんからのコメントです。(平成29年5月22日付け)
A<B<C である3つの自然数について、A2、B2、C2 が公差 d の等差数列をなすとき、d
は120で割った余りが、0か24か96の合同数になります。
これは、
・平方数を3で割った余りは0か1である
・平方数を5で割った余りは0か1か4である
・平方数を16で割った余りは0か1か4か9である
・直角を挟む2辺が AC/B と 2Bd/AC である直角三角形は斜辺が有理数で面積 d
であることからわかります。
では逆に、d が120で割った余りが、0か24か96の合同数であるとき、A2、B2、C2 が公差
d の等差数列をなすような3つの自然数 A、B、C は必ず存在するでしょうか?
24 は合同数で、12、52、72 は公差 24
96 は合同数で、22、102、142 は公差 96
120 は合同数で、72、132、172 は公差 120
144 は合同数ではない
216 は合同数で、32、152、212 は公差 216
240 は合同数で、72、172、232 は公差 240
264 は合同数ではない
336 は合同数で、172、252、312 は公差 336
360 は合同数ではない
384 は合同数で、42、202、282 は公差 384
(・・・・・・・・・・・・・・この先どこまでも続くかどうか?)
らすかるさんからのコメントです。(平成29年5月22日付け)
カンニングしただけですが…。
「A003273」によると、504は合同数ですが、504は「A256418」の中には含まれませんね。
DD++さんからのコメントです。(平成29年5月22日付け)
なるほど。 (47/2)2、(65/2)2、(79/2)2 と半整数の平方でなら作れますが、整数は無理な
のですね。となると必要十分条件としてはもう少し絞らないといけないわけですか。
(追記) 上記と同様の話題と思われるが、「有理数直角三角形で整数面積を」と題して、
GAI さんからの投稿です。(平成30年12月9日付け)
整数の長さをもつ直角三角形では、斜辺の長さをcとし、a=3、b=4、c=5 や a=5、b=12、c=13
が馴染み深い。それらの面積Sはそれぞれ 6、30 となり、勿論整数値となる。
そこで今度は辺の長さを有理数に限定した場合、直ぐに、a=1/2、b=2/3、c=5/6 や a=5/18、
b=2/3、c=13/18 などのものは思い付けるが、いずれの面積も 1/6、5/54 などどなり、整数値
が崩れる。
しかし、頑張って、a=3/2、b=20/3、c=41/6 をとれば、a2+b2=c2 を満たし、しかも面積Sは
S=1/2*a*b=5 とめでたく整数値に収まる。
問題 具体的に、S=7、13、41 を構成できる a、b、c を具体的な有理数で構成してほしい。
(幾つも構成可能ではあるが最も数値が少ないもので)
なお、OEIS「A006991」には構成可能な面積値Sの一覧がある。
5, 6, 7, 13, 14, 15, 21, 22, 23, 29, 30, 31, 34, 37, 38, 39, 41, 46, ・・・
さらに、これは最大な問いになりますが、インターネットを駆使し、S=157、S=277 なるもの
はいかなる a、b、c か?
これは、例え出せる理論が見つかっても、出せる技術が家庭のコンピュータで間に合うの
かがはなはな疑問なので、結果検索を願う。
らすかるさんからのコメントです。(平成30年12月9日付け)
「A006991」からリンクされているHPサイト「10章 合同数(congruum)」(三島久典 著)で
1≦g≦999 の範囲の全解
に(「最も数値が少ない」かどうかわかりませんが)解の例(のもととなる数値)が出ています
ね。
下方に記載の(g,m,n)の表を使って、
S=g のとき、 a=√{g(m^2-n^2)/(mn)} 、b=2g/a 、c=√(a^2+b^2)
とすれば解になります。具体的には、
S=7のとき、 (a,b,c)=(35/12,24/5,337/60)
S=13のとき、 (a,b,c)=(323/30,780/323,106921/9690)
S=41のとき、 (a,b,c)=(123/20,40/3,881/60)
S=157のとき、
(a,b,c)=(411340519227716149383203/21666555693714761309610,
6803298487826435051217540/411340519227716149383203,
224403517704336969924557513090674863160948472041/
8912332268928859588025535178967163570016480830)
S=277のとき、
(a,b,c)=(14945906772955209419887378179997/240106796636712868339566936210,
133019165336738929060120082660340/14945906772955209419887378179997,
225651876701966818406248027783418906721100922839903398228891241/
3588613798085225956662249052689188307868598553227187196991370)
上記のページでは楕円曲線を使って求めているようなので、(私は方法を知りませんが)
おそらくPari/GPで求められると思います。
GAI さんからのコメントです。(平成30年12月10日付け)
gp > e118=ellinit([0,0,0,-118^2,0]);
gp > ellgenerators(e118)
から、
%187 = [[86801944482/697012801, -8175019914382200/18401834959201]]
が返され、(楕円曲線: y2=x3-1182x 上に有理点%187がありそのX座標を使う)
X=86801944482/697012801 、g=118 、a=sqrt((X^2-g^2)/X)
から、 a=332550100/93221931 、b=2*g/a=5500093929/83137525
c=sqrt(a^2+b^2)=513474237010368101/7750240619060775
が見つかった。即ち、(a,b,c)を3辺とする三角形は、cを斜辺とする直角三角形で、その面
積は、118 となる。
ただし、これ以上のg(g>118)に対しては、ellunit の elldata に数値は格納されておらず、
PARIから追跡することはできませんでした。
[使用GP/PARI]
GP/PARI CALCULATOR Version 2.9.2 (released)
amd64 running mingw (x86-64/GMP-6.1.2 kernel) 64-bit version
compiled: Mar 22 2017, gcc version 4.9.1 (GCC)