S1=1-1/2+1/3-1/4+1/5-1/6+1/7-1/8+1/9-1/10+・・・=log(2)
S2=1-1/3+1/5-1/7+1/9-1/11+1/13-1/15+1/17-1/19+・・・=π/4
はよく見かける。では、次の無限級数を明示的な値で示してほしい。
S3=1-1/4+1/7-1/10+1/13-1/16+1/19-1/22+1/25-1/28+・・・
S4=1-1/5+1/9-1/13+1/17-1/21+1/25-1/29+1/33-1/37+・・・
S5=1-1/6+1/11-1/16+1/21-1/26+1/31-1/36+1/41-1/46+・・・
S6=1-1/7+1/13-1/19+1/25-1/31+1/37-1/43+1/49-1/55+・・・
らすかるさんからのコメントです。(平成29年5月18日付け)
S4だけは、以前の私の回答(→ 「交代級数の和」)の途中計算で出てきました。
S4=1-1/5+1/9-1/13+…=(π+2log(1+√2))/(4√2) ですね。
GAI さんからのコメントです。(平成29年5月18日付け)
ハイ、正解です。やっていたら、ディガンマ関数(psi(z)で表記しておく。)と密接に関係して
おり、 S4=(psi(5/8)-psi(1/8))/8 で、後は伝家の宝刀ガウスの式を組み合わせてこの明示
式がとれました。
らすかるさんからのコメントです。(平成29年5月18日付け)
S6は、以前と似たような方法で出せました。
log((1+x)/(1-x))/(2x)=1+x^2/3+x^4/5+…
ここで、 a=e^(iπ/3)=(1+i)/2 、b=e^(-iπ/3)=(1-i)/2
c=e^(iπ/6)=(+i)/2、d=e^(-iπ/6)=(-i)/2
とおくと、 c^2=a 、c^4=-b 、c^6=-1 、c^8=-a 、c^10=b 、c^12=1 、…
d^2=b 、d^4=-a 、d^6=-1 、d^8=-b 、d^10=a 、d^12=1 、…
なので、
log((1+c)/(1-c))/(2c)=1+a/3-b/5-1/7-a/9+b/11+1/13+…
log((1+d)/(1-d))/(2d)=1+b/3-a/5-1/7-b/9+a/11+1/13+…
より、 log((1+c)/(1-c))/(2c)+log((1+d)/(1-d))/(2d)=2+1/3-1/5-2/7-1/9+1/11+2/13+…
{log((1+c)/(1-c))/(2c)-log((1+d)/(1-d))/(2d)}/(i)=1/3+1/5-1/9-1/11+1/15+1/17-…
ところで、 log((1+c)/(1-c))/(2c)+log((1+d)/(1-d))/(2d)=π/4+log(2+)/2
{log((1+c)/(1-c))/(2c)-log((1+d)/(1-d))/(2d)}/(i)=π/4-()log(2+)/6
なので、 2+1/3-1/5-2/7-1/9+1/11+2/13+…=π/4+log(2+)/2 … (1)
1/3+1/5-1/9-1/11+1/15+1/17-…=π/4-log(2+)/6 … (2)
より、 {(1)+(2)}÷2=1+1/3-1/7-1/9+1/13+1/15-…π/4+log(2+)/6 … (3)
そして、 1/3-1/9+1/15-1/21+…=(1/3)(1-1/3+1/5-1/7+…)=π/12 … (4)
なので、 S6=(3)-(4)={π+log(2+)}/6
また、S3も同様に出せますね。
-log(1-x)=x+x^2/2+x^3/3+x^4/4+…
ここで、 a=e^(iπ/3)=(1+i)/2 、b=e^(-iπ/3)=(1-i)/2 とおくと、
a=a 、a^2=-b 、a^3=-1 、a^4=-a 、a^5=b 、a^6=1 、…
b=b 、b^2=-a 、b^3=-1 、b^4=-b 、b^5=a 、b^6=1 、…
なので、 -log(1-a)=a-b/2-1/3-a/4+b/5+1/6+a/7-b/8-1/9-a/10+b/11+1/12+…
-log(1-b)=b-a/2-1/3-b/4+a/5+1/6+b/7-a/8-1/9-b/10+a/11+1/12+…
よって、 {-log(1-a)+log(1-b)}/(i)=1+1/2-1/4-1/5+1/7+1/8-1/10-1/11+… で、
{-log(1-a)+log(1-b)}/(i)=2π/(3) なので、
1+1/2-1/4-1/5+1/7+1/8-1/10-1/11+…=2π/(3) … (1)
そして、 1-1/2+1/3-1/4+1/5-1/6+…=log2 … (2)
1/3-1/6+1/9-1/12+…=(1/3)log2 … (3)
なので、 S3={(1)+(2)-(3)}÷2=π/(3)+log2/3
#S5も同様に、1の虚数5乗根を使うと出せるかも知れませんね。
GAI さんからのコメントです。(平成29年5月18日付け)
S6、S3の何れも同じ結果に至っていました。(私は、S6=(π-log(2-))/6としていました。)
よくもこんな複雑な組合せを考えられますね。
例により、私は、S6=((psi(7/12)-psi(1/12))/12、S3=((psi(2/3)-psi(1/6))/6とガウスの公式
を組み合わせて出しました。
また、S5=((psi(3/5)-psi(1/10))/10 で進めましたが、最後はとても長たらしい結果になりま
した。
一般に、分母が初項1、公差kの等差数列(a(k,n)=k*n-k+1)の逆数での交代無限級数は、
Σn=1〜∞ 1/a(k,n)=((psi((k+1)/(2*k))-psi(1/(2*k)))/(2*k)
なので、psiの分数値の部分がガウスの公式から明示の式へすることが可能になるようです。
以下、工事中!