3人でジャンケンする時、ちょうど3回目で一人が勝者に決まる確率
4人でジャンケンする時、ちょうど4回目で一人が勝者に決まる確率
5人でジャンケンする時、ちょうど5回目で一人が勝者に決まる確率
はそれぞれいくつか?
一般に、n人のジャンケンで、ちょうどn回目で一人の勝者が決まる確率は式で表せるか?
(コメント) この問いについては、「ジャンケンの確率」でも取り上げられている。
3人でジャンケンする時をまず考えてみました。起こり得る場合は次の3通り。
・2回目のジャンケンまであいこで、3回目のジャンケンで一人が勝者に決まる場合
(1/3)×(1/3)×(1/3)=1/27
・1回目のジャンケンで一人が抜け、2回目のジャンケンはあいこで、3回目のジャンケンで
一人が勝者に決まる場合
(1/3)×(1/3)×(2/3)=2/27
・1回目のジャンケンがあいこで、2回目のジャンケンで一人が抜け、3回目のジャンケンで
一人が勝者に決まる場合
(1/3)×(1/3)×(2/3)=2/27
以上から、求める確率は、 1/27+2/27+2/27=5/27
GAI さんからのコメントです。(平成28年8月3日付け)
一応6人までは自分なりに求めてみたのですが、誰かにも求めてもらい検証したいです。
at さんからのコメントです。(平成28年8月3日付け)
n人のジャンケンで、ちょうどn回目で一人の勝者が決まる確率を P(n) とします。また、i人
が同時に1回ジャンケンをして、j人だけが勝ち残る確率を q(i,j) とします。
q(i,i)=(3^i-3*2^i+6)/(3^i) 、q(i,j)=(3*binomial(i,j))/(3^i) (i>j)
です。n×n行列 A の(i,j)成分 a(i,j) を次のように定義します。
a(i,i)=q(i,i) (i≧2) 、a(i,j)=q(i,j) (i>j) 、a(i,j)=0 (左記以外)
そうすると、P(n)は An の (n,1)成分の値になります。
Maximaで、P(3)〜P(10)の値を計算してみました。
P(3)=5/27、P(4)=81724/531441、P(5)=5544485/43046721、P(6)=7285176581882/68630377364883
P(7)=4243346869739117/50031545098999707
P(8)=34197159816814961671007192/523347633027360537213511521
P(9)=18529482229484099339829115553/381520424476945831628649898809
P(10)=304983479374384837631382449667171570178810/8727963568087712425891397479476727340041449
GAI さんからのコメントです。(平成28年8月3日付け)
情報ありがとうございます。3〜6人までの計算が一致したので感激です。こんな短いコード
で正解を出せることに驚きました。
ちなみに私のやり方は、n=6なら全部で126通りの場合に分かれることを、一つ一つ打ち間
違えがないように細心の注意と点検を繰り返しながら、あいこになる時と、勝者が減っていく
場合の計算式の違いを何とかプログラム的に自動化しようとしていましたが、効果的な方法
を編み出せず、ほとんど手社業の連続でした。
しかも、2つのソフトを組合せ、それぞれ得意とする部分を分担させながらお互い情報を交
換しながらの作業でした。
こんな行列を上手に活用するとそれが可能になることが目から鱗です。でも長い長い作業
が正しい結果に至ったことがうれしかったです。でも、n=7ともなると、もうやる気は起こりませ
ん。
GAI さんからのコメントです。(平成28年8月4日付け)
atさんの行列による計算方法がとても面白かったので、遊びでn人のジャンケンでk回目に
勝者がただ一人決定する確率を調べてみました。
(一応、2≦n≦10、1≦k≦10 の範囲に限定)
n/k 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
2 0.666667 0.222222 0.074074 0.024691 0.008230 0.002743 0.000914 0.000305 0.000102 0.000034
3 0.333333 0.333333 0.185185 0.086420 0.937037 0.015089 0.005944 0.002286 0.000864 0.000322
4 0.148148 0.268861 0.228217 0.153778 0.092331 0.051771 0.027772 0.014456 0.007367 0.003697
5 0.061728 0.171468 0.193145 0.167704 0.128802 0.092385 0.063566 0.042584 0.028024 0.018219
6 0.024691 0.097648 0.134716 0.139014 0.125816 0.106151 0.085955 0.067854 0.052692 0.040472
7 0.009602 0.052279 0.084433 0.098679 0.100033 0.094110 0.084813 0.074456 0.064278 0.054879
8 0.003658 0.026977 0.049662 0.063868 0.070337 0.071451 0.069301 0.065343 0.060511 0.055369
9 0.001372 0.013595 0.028056 0.039000 0.045793 0.049256 0.050377 0.049958 0.048567 0.046594
10 0.000508 0.006740 0.015423 0.022908 0.028341 0.031884 0.033957 0.034960 0.035216 0.034943
10人ともなると、なかなか勝負がつかず(一応計算上では9回が確率的に最大)、何度も
ジャンケンを繰り返す経験とも重なります。こんな確率も正確に計算できる手段が編み出せ
ることに感激です。