・中学数学屈指の難問                     S.H 氏

 掲示板「出会いの泉」に、平成27年8月29日付けで、S(H)さんが次のような問題を紹介
されている。ある都道府県で出題された公立高校の入試問題なのだが、中学数学屈指の難
問入試問題なんだそうだ!

 円Oの周上に4点A、B、C、Dが半時計回りにこの順にあり、AD//BC、AD=6cm、
BC=18cm、AB=10cmである。線分ACとDBの交点をEとする。

 このとき、円Oの半径を求めなさい。



 S(H)さんによれば、{C,B}={{9, 1/2}, {-9, 1/2}} 、{D,A}={{3, 17/2}, {-3, 17/2} から、求める
半径 r=(5 Sqrt[13])/2 という。


 「三平方の定理を使わないで解いて下さい。」「三角関数はありです。」といろいろ制約があ
るのだが、ちょっと興味があったので解いてみた。

(解) プトレマイオスの定理より、 AC・BD=AB・CD+AD・BC なので、

   AC2=10・10+6・18=208  よって、 AC=4√13

  また、 sin∠ABC=4/5 なので、正弦定理より、外接円の半径Rは、

  R=AC/(2sin∠ABC)=4√13/(8/5)=5√13/2  (終)


(コメント) いざ、解いてはみたものの、中学生だったらどう解くのだろう?


 上記で、プトレマイオスの定理を用いたが、これもある意味でピタゴラスの定理と同類なの
で、「ピタゴラスの定理は使っちゃ駄目」という制約にもしかしたら違反しているかもしれない。

 また、上記では正弦定理を用いたが、正弦定理を持ち出すまでもなく、BをB’Dが直径に
なるように周上を移動させれば、相似比が使えて、AC/2R=8/10 から R=5√13/2
を導くことが出来る。

 このように考えれば十分中学校レベルで対応可能だろう。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年8月31日付け)

 これ、確かに簡単ではないんですが、中学数学屈指かと言われれば疑問です。中学3年生
なら正解者は少なくないと思いますよ。

 というのは、我々は円の半径を求める方法をたくさん知っていて、今回はどれを使うと答え
が出るのか、どれを使うと答えが出ないのか、それを見極めてから解き始める必要がありま
す。しかし、一般的な中学3年生の場合、半径を実際に引いてその線分の長さを求める方法
しか知りません。ですから、何も考えずOAやOBやOCやODを実際に書き込んでみるでしょう。
でないと、計算を一切始められないんですから。

 そうしたら、後は、「二等辺三角形は真っ二つにしてみよう」という受験数学お決まりの手順
を行ったときに、「中心角を半分にしたら円周角と同じだ!」と気づくかの一点だけ。

 二等辺三角形6つのうち、△OAB、△OAC、△OBD、△OCDの4つどれを二等分しても当た
りで、相似の計算をして終わりです。
(点Aや点Dから辺BCに垂線を下ろすのは前の問題で既に行われているはず)

 図形問題が難しい都道府県なら並の問題じゃないかなあ。


(コメント) DD++さんに同感です。高校入試では、三平方の定理を使う問題は頻出問題な
      ので、AC=4√13は中学三年なら求めて欲しいところです。後は、DD++さんの
      指針に従って、R/5=AC/8 から、R=5√13/2 は容易だろう。



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