・累乗和お前もか!                       GAI 氏

 a1+a2=3、a12+a22=3 を満たすa1、a2は、a1=(3-・i)/2、a2=(3+・i)/2 (逆の符号でもよい。)
である。

 そこで、

 a1+a2+a3=4、a12+a22+a32=4、a13+a23+a33=4 を満たすものは何?

 a1+a2+a3+a4=5、a12+a22+a32+a42=5、a13+a23+a33+a43=5、a14+a24+a34+a44=5 を満たすものは何?

各それぞれを満たすものを一組見つけて下さい。


 S(H)さんからのコメントです。(平成27年8月6日付け)

 3 - 3 a2 + a22=0 、 -4 + 6 a3 - 4 a32 + a33=0 、5 - 10 a4 + 10 a42 - 5 a43 + a44=0 、

 -6 + 15 a5 - 20 a52 + 15 a53 - 6a54 + a55=0 をそれぞれ解けばよい。


 よおすけさんからのコメントです。(平成27年8月6日付け)

 多項式を f(x)=(x-a1)(x-a2)・・・(x-an) とおくと、 f(x)=xn-(a1+a2+・・・+an)xn-1+・・・・
なので、求める組は、f(x)=0 を満たす解の集合 {a1、a2、・・・、an}


(コメント) a1+a2+a3=4、a12+a22+a32=4 から、異なる2項の積の和=(42-4)/2=6

 異なる3項の積=(4-4・(4-6))/3=4 なので、a1、a2、a3 は、3次方程式 x3-4x2+6x-4=0 の解となる。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年8月6日付け)

 問題を 「1≦k≦n として、任意のkに対し Σ[m=1..n] a[m]^k = n+1」とします。

 a[m] = 1-b[m] とおくと、Σ[m=1..n] a[m] = n+1 より Σ[m=1..n] b[m] = -1

 これと Σ[m=1..n] a[m]^2 = n+1 より Σ[m=1..n] b[m]^2 = -1

 これと Σ[m=1..n] a[m]^3 = n+1 より Σ[m=1..n] b[m]^3 = -1

 同様に、二項定理を用いながら繰り返すことで、任意のkに対し Σ[m=1..n] b[m]^k = -1 と
なります。

 ここで、任意のkに対し Σ[m=0..n] (e^(2mπi/(n+1)))^k = 0 は明らかなので、

b[m] = e^(2mπi/(n+1)) とすれば、任意のkに対し Σ[m=0..n] b[m]^k = 0 で、また b[0]=1 な

のだから、任意のkに対し Σ[m=1..n] b[m]^k = -1 となります。

よって、 a[m]=1 - e^(2mπi/(n+1))  が一例です。


 S(H)さんからのコメントです。(平成27年8月7日付け)

 「対称式の真実」の例えば、横浜市立大学医学部(2013)で特に、A=B=C=4 とおけば、

 a1*a2 + a2*a3 + a3*a1 =(A^2 - B)/2 = (4^2 - 4)/2=6
  a1*a2*a3=(A^3-3*A*B+2*C/6=(4^3-3*4*4+2*4)/6=4

から、a1、a2、a3 は、3次方程式 x3-4x2+6x-4=0 の解となることがわかるが、このような
解法でない方法で結論が得られないだろうか?

 a、b、c を異なる実数とする。[ 実数は解答の何処で使いますか? ]
このとき、x、y、zに関する連立3元一次方程式を解きたい。

 x - a*y + a^2*z = a^4 、x - b*y + b^2*z = b^4 、x - c*y + c^2*z = c^4

その解を、基本対称式 A = a + b + c、B = a b + a c + b c, C = a b c で表す場合、多様
な発想で求めて欲しい。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年8月7日付け)

 a、b、c は異なる数なので、因数定理より、f(a) = f(b) = f(c) = 0 となる任意の四次式 f(t)
は、ある数 k と d を用いて、f(t) = k (t-a) (t-b) (t-c) (t-d) と書ける。

 三次方程式の解と係数の関係を用いると、f(t) = k (t3-At2+Bt-C) (t-d)

このうち、t^4 の係数が1で t3 の係数が0のものは、k=1 かつ k(A+d)=0 より、

 f(t) = (t3-At2+Bt-C) (t+A) = t4 - (A2-B)t2 + (AB-C)t - AC

というただ1つだけである。一方、四次式 g(t) = t4 - zt2 + yt - x について、与えられた方程
式より、g(a) = g(b) = g(c) = 0 で、しかも、t4 の係数が1で t3 の係数が0なので、これは
t4 - (A2-B)t2 + (AB-C)t - AC に他ならない

 したがって、恒等式 t4 - zt2 + yt - x =  t4 - (A2-B)t2 + (AB-C)t - AC の係数を比較し
て、x = AC、y = AB-C、z = A2-B となる。
※高校数学では「恒等式<==>各係数が等しい」が実数の場合しか示されていないので、ここで実数で
あることが必要



# この方針なら、n元方程式への一般化の結果も明らかと思います。(略)


 DD++さんからのコメントです。(平成27年8月8日付け)

 多様な発想で、ちょっと面白い別解を思いつきました。

 a は、方程式 t3 = At2 - Bt + C の解の1つなので、a3 = Aa2 - Ba + C

よって、a4 = Aa3 - Ba2 + Ca= A( Aa2 - Ba + C ) - Ba2 + Ca= (A2-B)a2 - (AB-C)a + AC

 一方で、 a4 = za2 - ya + x なので、za2 - ya + x = (A2-B)a2 - (AB-C)a + AC

 これは、b、c についても全く同じ計算ができるので、二次の等式

 zt2 - yt + x = (A2-B)t2 - (AB-C)t + AC は少なくとも t=a、b、c の異なる3つの値で成立
する。

 したがって、これは恒等式でなくてはならず、係数を比較して、x=AC、y=AB-C、z=A2-B

# これなら右辺の指数を大きくしても安心でしょう。もちろん最初の解法でも5乗や6乗をね
 じ伏せることはできますけれど。

# 出題者の意図は実はこれかもしれませんね。つまり、代数学の基本定理は高校では習
 いませんが、「二次方程式の判別式で異なる実数解の個数を判別するというときに異なる
 3つの実数解を持つパターンはあり得ないからこれはそもそも方程式ではない」という形で
 恒等式の話に持ち込ませようとするなら異なる「実数」という指定になっているのも納得が
 いきます。


 GAI さんからのコメントです。(平成27年8月8日付け)

 面白かったのでまとめてみました。

 a、b、c を異なる実数とする。(ただし、abc≠0)

 x、y、zに関する連立3元一次方程式

x - ay + a2z = an 、x - by + b2z = bn 、x - cy + c2z = cn (nは整数)

の解を、基本対称式 A = a + b + c、B = a b + a c + b c、C = a b c で表せ。


n=-2の時

x=(a^2 b^2+a^2 b c+a b^2 c+a^2 c^2+a b c^2+b^2 c^2)/(a^2 b^2 c^2)=(B^2-A*C)/C^2
y=(a^2 b+a b^2+a^2 c+2 a b c+b^2 c+a c^2+b c^2)/(a^2 b^2 c^2)=(A*B-C)/C^2
z=(a b+a c+b c)/(a^2 b^2 c^2)=B/C^2

n=-1の時、x=(a b+a c+b c)/(a b c)=B/C、y=(a+b+c)/(a b c)=A/C、z=1/(a b c)=1/C

n=0の時、x=1、y=0、z=0

n=1の時、x=0、y=-1、z=0

n=2の時、x=0、y=0、z=1

n=3の時、x=a b c=C、y=a b +b c +c a=B、z=a + b + c=A

n=4の時、x=a^2 b c+a b^2 c+a b c^2=A*C
      y=a^2 b+a b^2+a^2 c+2 a b c+b^2 c+a c^2+b c^2=A*B-C
      z=a^2+a b+b^2+a c+b c+c^2=A^2-B

n=5の時、x=a^3 b c+a^2 b^2 c+a b^3 c+a^2 b c^2+a b^2 c^2+a b c^3=(A^2-B)*C
      y=a^3 b+a^2 b^2+a b^3+a^3 c+2 a^2 b c+2 a b^2 c
               +b^3 c+a^2 c^2+2 a b c^2+b^2 c^2+a c^3+b c^3=A^2*B-B^2-A*C
      z=a^3+a^2 b+a b^2+b^3+a^2 c+a b c+b^2 c+a c^2+b c^2+c^3=A^3-2A*B+C

n=6の時、x=a^4 b c + a^3 b^2 c + a^2 b^3 c + a b^4 c + a^3 b c^2 + a^2 b^2 c^2
               + a b^3 c^2 + a^2 b c^3 + a b^2 c^3 + a b c^4=(A^3-2A*B+C)*C
      y=a^4 b+a^3 b^2+a^2 b^3+a b^4+a^4 c+2 a^3 b c+2 a^2 b^2 c+2 a b^3 c+b^4 c
       +a^3 c^2+2 a^2 b c^2+2 a b^2 c^2+b^3 c^2+a^2 c^3+2 a b c^3+b^2 c^3+a c^4
       +b c^4=A^3*B-A^2*C-2A*B^2+2B*C
      z=a^4+a^3 b+a^2 b^2+a b^3+b^4+a^3 c+a^2 b c+a b^2 c+b^3 c+a^2 c^2
                  +a b c^2+b^2 c^2+a c^3+b c^3+c^4=A^4-3A^2*B+B^2+2A*C

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

# これがnをどこまでも減らしたり、増やしたりすることが可能なんですね。よくこんな問題
  を思い付くものかと感心します。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年8月8日付け)

 別方向に改造してみました。

 a、b、c を相異なる実数とする。x、y、z に関する三元一次方程式

x + (a+b)y + (a2+b2)z = a2b2、x + (b+c)y + (b2+c2)z = b2c2、x + (c+a)y + (c2+a2)z = c2a2

を解きたい。その解を基本対称式 A=a+b+c、B=ab+bc+ca、C=abc で表せ。

 多様な発想でどうぞ!


 S(H)さんからのコメントです。(平成27年8月8日付け)

 各解は対称な有理式ですか?


 DD++さんからのコメントです。(平成27年8月8日付け)

 はい、もちろん。方程式で、aとbを入れ替えても同一の3本になるわけですから、解もaとb
の入れ替えで同一の式になりますね。


 GAI さんからのコメントです。(平成27年8月9日付け)

 x=-B2 、y=AB-C 、z=-B かな?こんな問題も作れるんだ。

 ちなみに、

x + (a+b)y + (a3+b3)z = a3b3、x + (b+c)y + (b3+c3)z = b3c3、x + (c+a)y + (c3+a3)z = c3a3

として解いてみたら、

 x=(A2BC+2B2C-AB3-AC2)/A 、y=(A2B2-B3-A3C)/A 、z=(AC-B2)/A

と複雑な式にはなりますがちゃんと表せました。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年8月9日付け)

 x と y と z の係数の次数合計が4以上になると、結果が分数になることがありますね。
3以下なら3本が独立な式である限り多項式で済むはずです。


 GAI さんからのコメントです。(平成27年8月9日付け)

 (a2+ab+b2)(b2+bc+c2)(c2+ca+a2) を基本対称式 X=a+b+c、Y=ab+bc+ca、Z=abc を用い
て表す方法を、どうしたらできるか皆さんのアイデアが知りたいです。


 S(H)さんからのコメントです。(平成27年8月9日付け)

 X2Y2 - Y3 - X3Z


 GAI さんからのコメントです。(平成27年8月9日付け)

 結論は、あるプログラムを使えばチョチョイと操作すれば上記の結果は手に入れられるん
ですが、私が知りたいのはどの様な思考経路を辿ることで上記に至るか?の途中経過が知
りたいのです。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年8月9日付け)

 私ならこうしますかね。

 Y+a2 = a(a+b+c)+bc = aX+bc より、bc = a2+Y-aX なので、

 b2+bc+c2 = a2+b2+c2+Y-aX = X2-Y-aX

同様に、 c2+ca+a2 = X2-Y-bX 、a2+ab+b2 = X2-Y-cX となるので、

(a2+ab+b2)(b2+bc+c2)(c2+ca+a2)
= (X2-Y-aX)(X2-Y-bX)(X2-Y-cX)
= (X2-Y)3 - (X2-Y)2XX + (X2-Y)X2Y - X3Z
= (X2-Y)2(-Y) + (X2-Y)X2Y - X3Z
= (X2-Y)Y2 - X3Z
= X2Y2 - Y3 - X3Z



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