・累乗数の各位の数 S.H氏
岐阜大学前期全学部(2014)に次のような問題が出題されている。
201410 に関して、以下の問に答えよ。ただし、必要ならば 79=40353607、
710=282475249 を用いてもよい。
(1) 201410 の十の位の数字を求めよ。
(2) 201410 の十万の位の数字を求めよ。
(3) 201410 の上3桁の数字を求めよ。
累乗数に対して桁数を求めたり最高位の数字を求めることは、一つの受験数学テクニック
であろう。(→参考:「指標と仮数」)
それに対して、上記の岐阜大学の問題は、受験テクニックを翻弄するような、よく考えられ
た問題である。特に、(3)が難問と思われる。
(解)(1) 201410=(2・1007)10=210・(103+7)10 の十の位の数字は、
210・710=(10+4)10 を展開したときの十の位の数字に等しいので、
410=1024×1024=1048576 から、求める数字は、7
(2) 十万=100000=105 なので、
201410=(2・1007)10=210・(103+7)10 の十万の位の数字は、
210(10・103・79+710)=1024・79・10007 を展開したときの十万の位の数字
に等しいので、413510190334976 より、求める数字は、3
(3) 201410=210・(103+7)10
=210・(1030+10・1027・7+45・1024・72+・・・+710)
ここで、第3項以降の項の比を考えると、
10Ck+1103(10-(k+1))・7k+1/10Ck103(10-k)・7k
=7(10−k)/(103(k+1))<7・10/(1・103)=7/100 なので、
45・1024・72+・・・+710
<45・1024・72・(1−(7/100)9)/(1−(7/100))
<45・1024・72・100/93<45・1024・50・100/90=25・1026
と評価できる。よって、
210・(1030+10・1027・7)<201410<210・((1030+10・1027・7)+25・1026)
1024・107・1028<201410<1024・(107・1028+(1/4)1028)
したがって、 109568・1028<201410<1024・(428/4)・1028=109568・1028
よって、上3桁の数字は、109 である。
(コメント) 対数値 log102.014=0.304059466217599 が与えられていれば、
log10(2014)10=log10(2.014×103)10=10(3.304059466217599)=33.04059466217599
すなわち、 201410 は、34桁の数で、その仮数が、0.04059466217599 である。
ちょっと詳しい対数表によれば、log101.09=0.0374 で比例部分も加味して、
log101.098=0.0407 が得られるので、上3桁の数字は、109
Excel さんの協力を得れば、(2014)10=1.09798058851345E+33 となっている。
WolframAlpha によれば、(2014)10=1097980588513453439979380270334976 となる。
読者の方のために練習問題を残しておこう。
2018 の上3桁の数字を求めよ。
数自体が小さいので、手計算でもできそうなくらいである。
実際に計算してみると、2018=2664210032449121601 なので、答えは、「266」
となるが、それでは味気ない。
(私の直ぐ思いつく解法) 対数値 log102.01=0.3032 を用いて、
log10(201)8=log10(2.01×102)8=8×(2.3032)=18.4256
すなわち、 2018 は、19桁の数で、その仮数が、0.4256 である。
ちょっと詳しい対数表によれば、log102.664=0.4256 なので、(201)8=2.664×1018
から、上3桁の数字は、266 となる。
また、次のように考えてもいいだろう。
(201)8=28(103+5)8/108=256×(1016+40・1013+7・1012+7・1010+・・・)+1
上3桁は、a・1016+b・1015+c・1014 なので、第3項以降は無視しても影響を与えない。
よって、 256×(1016+40・1013)=(256000+10240)・1013=266240・1013 から、
答えは、「266」となる。